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番外編
夢か現実か 3
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「主任?」
「えっ、あ、そうだな。いいよ」
「本当ですか? やった!」
悩んでいたのに、いいという言葉がつい出てしまった。
だって、大学生の透也に会ってみたいと思ってしまったんだ。
それが一番の理由かもしれない。
それにいますぐに会うとは限らない。
その時には自分がいた頃に戻っているのかも。
いや、でもちょっと待った。そうなったら二十五歳の俺が透也と会うってことで……。
自分がゲイだと自覚している俺は透也を気に入っても、ノンケだとわかっている透也には心を開かないかもしれない。
せっかく出会ってもそこから恋愛に発展しなければそこで終わり……。
そんな対面をした数年後に、アメリカで偶然会うことがあってもあんなふうに仲良くなれないかもしれない。それは困る。
「あっ、や――」
やっぱりやめとこうか。
そう言おうとしたけれど、宇佐美くんはすでにスマホを手に透也にメッセージを送ってしまっていた。
「主任! みてください! 速攻で返事が返ってきましたよ」
宇佐美くんが見せてくれたスマホの画面には
<やった! じゃあ早速今日の終業後に会社近くのカフェで待ってるよ! 敦己、サンキューな!>
と文章からでもわかるほど嬉しそうな返事が書いてあった。
こんなに喜んでくれているのに今更やめとこうとか言えるはずない。
でも本当に会ってしまって大丈夫なのか?
ここは未来のことも考えてどういう対応をしたらいいんだろう……。
浮かれる宇佐美くんの横で俺は透也と会うことで頭がいっぱいになっていた。
そこからどう過ごしたのかもよく覚えていない。
大事な会議や取引先との約束が入っていなかっただけ幸いだった。
「主任! 仕事終わりましたか?」
「えっ、ああ、うん。大丈夫」
一瞬まだ仕事が……と言おうと思ったけれど、優秀な宇佐美くんが手伝ってくれるなんていい出したら取り立てて急ぎの仕事もないことがすぐにバレてしまう。
結局断ることもできず、宇佐美くんと共に待ち合わせのカフェに向かった。
「従兄弟、透也っていうんですけど、もうカフェに着いているみたいです」
「そ、そうか」
なんだかやけに緊張する。
いつもは可愛いなんて言ってくれる透也も、大学生から見たら二十五歳なんてかなり年上に見えるだろう。
どんな印象を持たれるのか不安で仕方がない。
足取りが重くなるが、宇佐美くんに変に思われても困る。
気が進まないが、カフェに到着してしまった。
「透也はどこかな……あっ! あそこだ」
宇佐美くんの言葉にドキドキしながら視線を向けると、透也の姿はない。
代わりに女性たちが集まっているテーブルが見える。
その中に座っている人物がちらちら見えるくらいだ。
「透也と待ち合わせするといつもあんな感じなんですぐにわかるんですよ」
大学生でもあのかっこよさは変わらないってことか……。
でも女性に囲まれている透也の姿は昔であってもあんまり見たいものではないな。
もしかしたらその中の一人といい感じになってたりするかもしれないし……。
近づきたくない。
でもスタスタと近づいていく宇佐美くんを放っておくわけにもいかなくて、俺も少しだけ離れて後に続いた。
「ごめん、待たせた?」
「敦己。いや、大丈夫」
周りにいた女性は待ち合わせ相手が男だということにホッとしたのか、笑顔を向けているのが見える。
「ねぇ、お友達も一緒に食事に行こう。お姉さんが奢ってあげる」
「何言ってんの、おばさん! 私たちみたいな若い子と一緒に遊びたいに決まってるでしょ。ねぇ。一緒にカラオケ行こうよ」
すごいな、宇佐美くんもいるから余計に誘われてる。
年上にも年下にもモテるってさすがだな。
そんな中、俺……入りにくいな。
どうしようかと悩んでいると、座っていた透也が声を上げた。
「悪いけど、どっちの誘いにも乗らない。大切な予定が入ってるんで邪魔しないでもらえますか?」
キッパリと言い切ると、周りにいた女性たちは「何よ! せっかく誘ってあげたのに」と悪態をつきながらも離れていく。さーっと蜘蛛の子を散らすように女性たちが去った瞬間、座っていた透也と目が合ってしまった。
「あっ……」
俺が知っている透也よりやっぱり若い。
でも、どうしてだろう。
同じ目で俺を見てる、気がする。
どうしよう……顔が熱くなってきた。
見つめるだけでその場から動けずにいると、さっと立ち上がった透也がこっちにやってくる。
いつもの笑顔のままで……。それを見てどうしようもなく嬉しくなっている自分がいた。
「えっ、あ、そうだな。いいよ」
「本当ですか? やった!」
悩んでいたのに、いいという言葉がつい出てしまった。
だって、大学生の透也に会ってみたいと思ってしまったんだ。
それが一番の理由かもしれない。
それにいますぐに会うとは限らない。
その時には自分がいた頃に戻っているのかも。
いや、でもちょっと待った。そうなったら二十五歳の俺が透也と会うってことで……。
自分がゲイだと自覚している俺は透也を気に入っても、ノンケだとわかっている透也には心を開かないかもしれない。
せっかく出会ってもそこから恋愛に発展しなければそこで終わり……。
そんな対面をした数年後に、アメリカで偶然会うことがあってもあんなふうに仲良くなれないかもしれない。それは困る。
「あっ、や――」
やっぱりやめとこうか。
そう言おうとしたけれど、宇佐美くんはすでにスマホを手に透也にメッセージを送ってしまっていた。
「主任! みてください! 速攻で返事が返ってきましたよ」
宇佐美くんが見せてくれたスマホの画面には
<やった! じゃあ早速今日の終業後に会社近くのカフェで待ってるよ! 敦己、サンキューな!>
と文章からでもわかるほど嬉しそうな返事が書いてあった。
こんなに喜んでくれているのに今更やめとこうとか言えるはずない。
でも本当に会ってしまって大丈夫なのか?
ここは未来のことも考えてどういう対応をしたらいいんだろう……。
浮かれる宇佐美くんの横で俺は透也と会うことで頭がいっぱいになっていた。
そこからどう過ごしたのかもよく覚えていない。
大事な会議や取引先との約束が入っていなかっただけ幸いだった。
「主任! 仕事終わりましたか?」
「えっ、ああ、うん。大丈夫」
一瞬まだ仕事が……と言おうと思ったけれど、優秀な宇佐美くんが手伝ってくれるなんていい出したら取り立てて急ぎの仕事もないことがすぐにバレてしまう。
結局断ることもできず、宇佐美くんと共に待ち合わせのカフェに向かった。
「従兄弟、透也っていうんですけど、もうカフェに着いているみたいです」
「そ、そうか」
なんだかやけに緊張する。
いつもは可愛いなんて言ってくれる透也も、大学生から見たら二十五歳なんてかなり年上に見えるだろう。
どんな印象を持たれるのか不安で仕方がない。
足取りが重くなるが、宇佐美くんに変に思われても困る。
気が進まないが、カフェに到着してしまった。
「透也はどこかな……あっ! あそこだ」
宇佐美くんの言葉にドキドキしながら視線を向けると、透也の姿はない。
代わりに女性たちが集まっているテーブルが見える。
その中に座っている人物がちらちら見えるくらいだ。
「透也と待ち合わせするといつもあんな感じなんですぐにわかるんですよ」
大学生でもあのかっこよさは変わらないってことか……。
でも女性に囲まれている透也の姿は昔であってもあんまり見たいものではないな。
もしかしたらその中の一人といい感じになってたりするかもしれないし……。
近づきたくない。
でもスタスタと近づいていく宇佐美くんを放っておくわけにもいかなくて、俺も少しだけ離れて後に続いた。
「ごめん、待たせた?」
「敦己。いや、大丈夫」
周りにいた女性は待ち合わせ相手が男だということにホッとしたのか、笑顔を向けているのが見える。
「ねぇ、お友達も一緒に食事に行こう。お姉さんが奢ってあげる」
「何言ってんの、おばさん! 私たちみたいな若い子と一緒に遊びたいに決まってるでしょ。ねぇ。一緒にカラオケ行こうよ」
すごいな、宇佐美くんもいるから余計に誘われてる。
年上にも年下にもモテるってさすがだな。
そんな中、俺……入りにくいな。
どうしようかと悩んでいると、座っていた透也が声を上げた。
「悪いけど、どっちの誘いにも乗らない。大切な予定が入ってるんで邪魔しないでもらえますか?」
キッパリと言い切ると、周りにいた女性たちは「何よ! せっかく誘ってあげたのに」と悪態をつきながらも離れていく。さーっと蜘蛛の子を散らすように女性たちが去った瞬間、座っていた透也と目が合ってしまった。
「あっ……」
俺が知っている透也よりやっぱり若い。
でも、どうしてだろう。
同じ目で俺を見てる、気がする。
どうしよう……顔が熱くなってきた。
見つめるだけでその場から動けずにいると、さっと立ち上がった透也がこっちにやってくる。
いつもの笑顔のままで……。それを見てどうしようもなく嬉しくなっている自分がいた。
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