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番外編
パーティー当日 <後編>
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<sideソニア>
パーティーに参加させないと言われたけれど、入ってしまえばこっちのものだわ。
なんて言ったって私は大使であるお兄さまの身内なんだから。
スタッフにお金を渡して、中に入れてもらう。
ふふっ。やっぱり世の中、お金よね。
さて、キリシマさんはどこかしら?
うーん、見当たらないわね。
あんなイケメン目立たないわけがないんだけど……。
目を凝らして会場内を見ていると、光り輝くオーラを放つ男性を発見!
見つけた!!
この日のために作らせたドレスを纏い、彼の元にかけていく。
彼と私の間を阻む者は必要ないわ。
邪魔な給仕をどかそうとわざとぶつかってやったら、その鈍臭い給仕が持っていたトレイごと落として、十数杯のグラスは大きな音を立てて、私と彼の間に崩れ落ちた。
その瞬間、パシャっと赤ワインのシミが私のドレスと靴にかかって台無しになってしまった。
靴とドレスで50万もしたのに、なんてこと!!
怒りに任せて彼を怒鳴りつけていると、キリシマさんが私に文句を言ってきた。
てっきり私の味方をしてくれると思っていたのに!
酷いわ、酷すぎる!
見れば、彼の腕に華奢な男が絡みついている。
もしかしてこれが、ユウセイが言っていたキリシマさんの同伴者?
はっ、笑わせるわ!
こんなのと私を比べようとするなんて!
そんな意味もない。
きっと忙しくてゆっくり相手を探す暇もなかったのね。
顔は可愛いみたいだけど、所詮男。
私の敵じゃないわ。
『何言ってるの、こんなしみったれた男より私の方がいいに決まっているじゃない! キリシマさん、そんなのをさっさと放り出してよ!!』
と言い放ってやると、キリシマさんは私を冷ややかな目で一瞥して、恐ろしいほど低い声で
『シュトルツ大使を呼べ』
と近くにいた黒服に告げた。
<side欧介>
私の渚を傷つけた罪はしっかりと償ってもらうが、こんな女を招待したシュトルツ大使にもその責任をとってもらう必要がある。
相馬には悪いが、私が自分の大事な伴侶を傷つけられて簡単に許してしまう人間だと思われたくない。
感情を全て無にして近くにいたスタッフに大使を呼びに行かせると、
『キ、キリシマさま。何かございましたか?』
と慌てて駆け寄ってきた。
どうやら大使はまだ何か起こったのかわかっていないようだ。
『その女性は君の招待客か?』
『えっ? あっ! ソニア! どうしてここにいる? お前は招待していないだろう!!』
『お兄さま、違うの。誤解なの! 私はキリシマさんに良かれと思って!!』
目の前で怒鳴り合う声など渚に聞かせたくもない。
『シュトルツ大使、もう一度聞く。君の知り合いなのだな』
静かに尋ねると、ハッと我に返った大使は、
『は、はい。その通りです』
と頭を深く下げながら肯定した。
『そうか、それではこれで君との縁は終わりだ』
『桐島、ちょっと待ってくれ!』
『お前との縁もあるし、できるだけのことをさせてもらおうと思ってきたが、私の愛しい伴侶に暴言を放つ知り合いを持つ者とは、これから友好関係など築くことなどできない。悪いが、これで失礼する』
青ざめる大使の横から相馬の声が聞こえるが、渚をこんな場所に一分一秒でも居させたくない。
『嫌な思いをさせてしまって申し訳ない。渚、早くここから立ち去ろう』
そう声をかけ抱きかかえると、渚は少し身体を震わせて私にギュッと抱きついた。
「怖がらせてしまったな。早く帰ろう」
震える渚を抱きしめながら、立ち去ろうとしたその時、
『ちょっと待ちなさいよ! この私をこのまま放置していくつもり?』
と大声が響いた。
こいつはまだ自分の立場がわかっていないようだ。
どうしてくれようかと思っていると、大使は
『警備員、不法侵入者がいる。すぐに捕まえて地下の留置場に入れておけ!』
と指示を出した。
その瞬間、どこからともなく大勢の警備員たちがやってきて、女を囲い込み、そのままこの会場から連れ出して行った。
『キリシマさま。あの者はすぐに母国に強制送還し、然るべき罰を与え、決して二度とキリシマさまとご伴侶さまの目に触れることのないようにお約束いたします。この度は私どものパーティーにご参加いただきましたのに、大変申し訳ございません』
相馬と共に深々と頭を下げられるが、これで私の怒りが消えたわけではない。
ここはなんというべきかと思っていると、
『欧介さん、僕は欧介さんが守ってくださったから傷ついてなどいませんよ。それより、このまま帰る方が寂しいです。僕、もう少し欧介さんとこのパーティーを楽しんで帰りたいのですが、ダメ、ですか……?』
と渚に見つめられる。
『――っ、渚……っ。ああ、渚はどうしてこんなにも優しいのだろうな。渚がそういうのなら、このままパーティーを楽しむとしよう。私は渚の従順な下僕だからな』
『そんな……っ。欧介さんは僕の大切な旦那さまですよ』
『渚……っ』
渚の嘘偽りのない言葉は私の怒りをあっという間に霧散してくれる。
『私の大切な渚がそう言ってくれているから、もうしばらく参加させてもらうとしよう』
そういうと、大使と相馬は何度も何度も頭を下げていた。
それとは対照的に、渚の寛大な処置に周りからは拍手が鳴り止まなかった。
今日のこの件は、途轍もない話題になることだろう。
あの女のこともだが、何より渚の話題で持ちきりになるはずだ。
なんせ、この私の怒りを鎮め、笑顔を取り戻させてくれる者など渚以外に存在しないのだから。
その後、日本だけでなく、世界の経済界に桐島渚の名が轟くまでそう時間は掛からなかった。
<side相馬>
「昨日は桐島にも渚さんにも本当に申し訳ないことをしてしまった。セキュリティーに関してはしっかりしていたつもりだったのだが、金に釣られてあの女を中に招いた者がいたことがわかって、そいつも処分した」
「そうか、それであの女はどうした?」
「昨日のうちに母国に強制送還した。あちらでは既婚者に誘いをかけたものは重罪で五十年以上の懲役刑もしくは強制収容所での五十年労働に課せられることが決まっているからそのどちらかになるだろう。あの女の場合はかなり悪質だと判断されるから、おそらく強制収容所での労働になるんじゃないかということだ。いずれにしてももう二度と外には出られないよ」
「渚にあんな暴言を吐いたんだ。それでもまだ生ぬるいくらいだが、もう二度と会わないのならそれでいい。お前と大使にも少なからず責任をとってもらうつもりだったが、渚が許してやれというのでな。今回だけはその意見を組んでやることにした。まぁ、今回の件で、私の渚が世界中に知れ渡ったから手出ししてくる愚か者がいなくなったことだしそれで許してやろう」
「桐島……っ、ありがとう。恩にきるよ」
「ただし、次はないぞ」
「ああ、わかってる。本当にありがとう」
そういうと、電話は切れた。
あの時の桐島は今まで見たことがないくらいに怒りに満ちていた。
あのままだったらニールの国は今頃どうなっていたか、想像するだけでも恐ろしい。
渚さんは、ニールの国ではすでに英雄のように讃えられているそうだ。
渚さんがいてくれてよかった。
そう思わずにはいられない。
* * *
なんとか終わりました。
今度は楽しい番外編が書ければいいなと思っています。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
パーティーに参加させないと言われたけれど、入ってしまえばこっちのものだわ。
なんて言ったって私は大使であるお兄さまの身内なんだから。
スタッフにお金を渡して、中に入れてもらう。
ふふっ。やっぱり世の中、お金よね。
さて、キリシマさんはどこかしら?
うーん、見当たらないわね。
あんなイケメン目立たないわけがないんだけど……。
目を凝らして会場内を見ていると、光り輝くオーラを放つ男性を発見!
見つけた!!
この日のために作らせたドレスを纏い、彼の元にかけていく。
彼と私の間を阻む者は必要ないわ。
邪魔な給仕をどかそうとわざとぶつかってやったら、その鈍臭い給仕が持っていたトレイごと落として、十数杯のグラスは大きな音を立てて、私と彼の間に崩れ落ちた。
その瞬間、パシャっと赤ワインのシミが私のドレスと靴にかかって台無しになってしまった。
靴とドレスで50万もしたのに、なんてこと!!
怒りに任せて彼を怒鳴りつけていると、キリシマさんが私に文句を言ってきた。
てっきり私の味方をしてくれると思っていたのに!
酷いわ、酷すぎる!
見れば、彼の腕に華奢な男が絡みついている。
もしかしてこれが、ユウセイが言っていたキリシマさんの同伴者?
はっ、笑わせるわ!
こんなのと私を比べようとするなんて!
そんな意味もない。
きっと忙しくてゆっくり相手を探す暇もなかったのね。
顔は可愛いみたいだけど、所詮男。
私の敵じゃないわ。
『何言ってるの、こんなしみったれた男より私の方がいいに決まっているじゃない! キリシマさん、そんなのをさっさと放り出してよ!!』
と言い放ってやると、キリシマさんは私を冷ややかな目で一瞥して、恐ろしいほど低い声で
『シュトルツ大使を呼べ』
と近くにいた黒服に告げた。
<side欧介>
私の渚を傷つけた罪はしっかりと償ってもらうが、こんな女を招待したシュトルツ大使にもその責任をとってもらう必要がある。
相馬には悪いが、私が自分の大事な伴侶を傷つけられて簡単に許してしまう人間だと思われたくない。
感情を全て無にして近くにいたスタッフに大使を呼びに行かせると、
『キ、キリシマさま。何かございましたか?』
と慌てて駆け寄ってきた。
どうやら大使はまだ何か起こったのかわかっていないようだ。
『その女性は君の招待客か?』
『えっ? あっ! ソニア! どうしてここにいる? お前は招待していないだろう!!』
『お兄さま、違うの。誤解なの! 私はキリシマさんに良かれと思って!!』
目の前で怒鳴り合う声など渚に聞かせたくもない。
『シュトルツ大使、もう一度聞く。君の知り合いなのだな』
静かに尋ねると、ハッと我に返った大使は、
『は、はい。その通りです』
と頭を深く下げながら肯定した。
『そうか、それではこれで君との縁は終わりだ』
『桐島、ちょっと待ってくれ!』
『お前との縁もあるし、できるだけのことをさせてもらおうと思ってきたが、私の愛しい伴侶に暴言を放つ知り合いを持つ者とは、これから友好関係など築くことなどできない。悪いが、これで失礼する』
青ざめる大使の横から相馬の声が聞こえるが、渚をこんな場所に一分一秒でも居させたくない。
『嫌な思いをさせてしまって申し訳ない。渚、早くここから立ち去ろう』
そう声をかけ抱きかかえると、渚は少し身体を震わせて私にギュッと抱きついた。
「怖がらせてしまったな。早く帰ろう」
震える渚を抱きしめながら、立ち去ろうとしたその時、
『ちょっと待ちなさいよ! この私をこのまま放置していくつもり?』
と大声が響いた。
こいつはまだ自分の立場がわかっていないようだ。
どうしてくれようかと思っていると、大使は
『警備員、不法侵入者がいる。すぐに捕まえて地下の留置場に入れておけ!』
と指示を出した。
その瞬間、どこからともなく大勢の警備員たちがやってきて、女を囲い込み、そのままこの会場から連れ出して行った。
『キリシマさま。あの者はすぐに母国に強制送還し、然るべき罰を与え、決して二度とキリシマさまとご伴侶さまの目に触れることのないようにお約束いたします。この度は私どものパーティーにご参加いただきましたのに、大変申し訳ございません』
相馬と共に深々と頭を下げられるが、これで私の怒りが消えたわけではない。
ここはなんというべきかと思っていると、
『欧介さん、僕は欧介さんが守ってくださったから傷ついてなどいませんよ。それより、このまま帰る方が寂しいです。僕、もう少し欧介さんとこのパーティーを楽しんで帰りたいのですが、ダメ、ですか……?』
と渚に見つめられる。
『――っ、渚……っ。ああ、渚はどうしてこんなにも優しいのだろうな。渚がそういうのなら、このままパーティーを楽しむとしよう。私は渚の従順な下僕だからな』
『そんな……っ。欧介さんは僕の大切な旦那さまですよ』
『渚……っ』
渚の嘘偽りのない言葉は私の怒りをあっという間に霧散してくれる。
『私の大切な渚がそう言ってくれているから、もうしばらく参加させてもらうとしよう』
そういうと、大使と相馬は何度も何度も頭を下げていた。
それとは対照的に、渚の寛大な処置に周りからは拍手が鳴り止まなかった。
今日のこの件は、途轍もない話題になることだろう。
あの女のこともだが、何より渚の話題で持ちきりになるはずだ。
なんせ、この私の怒りを鎮め、笑顔を取り戻させてくれる者など渚以外に存在しないのだから。
その後、日本だけでなく、世界の経済界に桐島渚の名が轟くまでそう時間は掛からなかった。
<side相馬>
「昨日は桐島にも渚さんにも本当に申し訳ないことをしてしまった。セキュリティーに関してはしっかりしていたつもりだったのだが、金に釣られてあの女を中に招いた者がいたことがわかって、そいつも処分した」
「そうか、それであの女はどうした?」
「昨日のうちに母国に強制送還した。あちらでは既婚者に誘いをかけたものは重罪で五十年以上の懲役刑もしくは強制収容所での五十年労働に課せられることが決まっているからそのどちらかになるだろう。あの女の場合はかなり悪質だと判断されるから、おそらく強制収容所での労働になるんじゃないかということだ。いずれにしてももう二度と外には出られないよ」
「渚にあんな暴言を吐いたんだ。それでもまだ生ぬるいくらいだが、もう二度と会わないのならそれでいい。お前と大使にも少なからず責任をとってもらうつもりだったが、渚が許してやれというのでな。今回だけはその意見を組んでやることにした。まぁ、今回の件で、私の渚が世界中に知れ渡ったから手出ししてくる愚か者がいなくなったことだしそれで許してやろう」
「桐島……っ、ありがとう。恩にきるよ」
「ただし、次はないぞ」
「ああ、わかってる。本当にありがとう」
そういうと、電話は切れた。
あの時の桐島は今まで見たことがないくらいに怒りに満ちていた。
あのままだったらニールの国は今頃どうなっていたか、想像するだけでも恐ろしい。
渚さんは、ニールの国ではすでに英雄のように讃えられているそうだ。
渚さんがいてくれてよかった。
そう思わずにはいられない。
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なんとか終わりました。
今度は楽しい番外編が書ければいいなと思っています。
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