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第三章

私にも蜜を……※

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<sideヴェルナー>

やはり特別遠征訓練に参加なさるのか。

アズールさまのことがあるから、今回は見送られるかと思ったが、ルーディーさまは騎士団のことをすごく気にかけてくださっているから、もしかしたら参加されるかもしれないと思っていた。
確率的にはやや不参加の方が多いかもと思っていただけに少し驚いたけれど、次の特別遠征訓練が半年後だということを考えると、もしや……という可能性を考えられたのかもしれない。

いずれにしても騎士たちにとってルーディーさまと実戦訓練ができるというのは喜ばしいことだろう。

アズールさまにとっては、長い長い五日間になるだろうけれど。

「マクシミリアン、わかっていると思うが私は今回の特別遠征訓練には参加しないぞ」

自宅に戻ってすぐにマクシミリアンに告げると、わかっていると言わんばかりに頷いた。

「はい。アズールさまのおそばにいらっしゃるのですよね」

「ああ、ルーディーさまが参加をお決めになった以上、アズールさまをお一人にするわけにはいかないからな」

「ルーディーさまも、ヴェルナーがアズールさまのおそばについていたら安心なさるでしょう。ですが……」

「どうした?」

真剣な表情で私を見つめたかと思えば、ピッタリと抱きついてきた。

「マクシミリアン?」

「私が、ヴェルナーと離れて寂しがっていることだけは忘れないでくださいね」

「――っ、そんなこと……っ、わかっている。言っておくが、離れて寂しいのは私も同じだ」

「――っ、ヴェルナーっ!! 訓練の間、ヴェルナーが私を忘れないようにたっぷりと刻み込んであげますね。ですから、それまでたっぷりとヴェルナーを補充させていただきますよ」

五日も離れると思ったら、つい本音が出てしまったがこれから特別遠征訓練に出かけるまでの間、どこまで深く愛されるか……心配もあるが、そんな状況に興奮してしまっている自分がいる。
ああ、もう私はどうしようもなくマクシミリアンを愛してしまっているようだ。

「では、とりあえず今日の分を補充させていただきますね」

「えっ、今日の分って……」

「離れていた時間があったでしょう? その分です」

それって、さっきアズールさまと一緒にいた時の……。
そこまで長い時間ではなかったけれど……。
そう言おうと思ったけれど私の本能がマクシミリアンからの愛情を待ち望んでいる。

だから、抗うなんてできなかった。

「マクシミリアン、寝室に……」

そう言うのがやっとだった私に、マクシミリアンは極上の笑顔を見せながら、

「仰せのままに……」

といい、私を軽々と抱きかかえて寝室に向かった。

私を優しくベッドに下ろすとマクシミリアンは自分の服に手をかけた。

訓練終わりのまま、汗を流しもせずに私を迎えにきてくれたんだろう。
ずっといい匂いがすると思っていたけれど、服を脱ぐとさらに強くなる。

「ふふっ。ヴェルナー、自分が今どんな表情をしているかわかっていますか?」

「どんなって……」

「私が欲しくてたまらないって表情をしてますよ」

「――っ、そんなこと……っ」

ない、なんて言えない。

だって、本当に欲しくてたまらないのだから。

「意地悪、するな……っ」

「ふふっ。わかりました。優しくしますね」

そう言うと、マクシミリアンは一糸纏わぬ姿で私に抱きついてきた。

「――っ、ああっ、まくし、みりあん……っ」

逞しい雄の匂い。
それだけで身体の奥が疼いてたまらない。
早く奥を擦って気持ちよくなりたい。
それだけしか考えられなくなってしまう。

マクシミリアンの強い匂いで蕩けてしまっている間に、私は全ての服を取り去られていた。

フゥフゥと荒い息をあげるマクシミリアンの眼前に裸を晒してしまっていることに気づいて、慌てて自分の尻尾で秘所を隠そうとしたけれど、

「そんなことしても興奮が増すだけですよ」

と笑みを向けられる。

「じゃあ、はやくきて……っ」

こう言うしかなかった。
だって、もう我慢できないのだから。

「ヴェルナーっ……」

貪るようなキスに始まり、たっぷりと秘伝の蜂蜜をかけられた身体を舐め尽くされて、私のささやかな昂りも全てマクシミリアンの口の中に根元まですっぽりと咥えられた。

じゅぷじゅぷといやらしい音を立てて、私のソレを味わい続けるマクシミリアンの姿に、私はなすすべなくあっという間に蜜を溢した。

その蜜を一滴残さずなめとったマクシミリアンは満足そうに飲み干して、空っぽになった口内を私に見せつけた。

「ヴェルナーの蜜は最高ですね」

その嬉しそうな表情が羨ましくてたまらない。

「ずるい……っ、わたし、にも……まくし、みりあんの、みつをのませて……」

気づけば、私の心の声が漏れ出してしまっていた。
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