215 / 286
第三章
体力回復の薬※
しおりを挟む
「アズール、よく頑張ったな」
「うん。ルーが隣にいてくれたから頑張れたよ。ねぇ、赤ちゃんたちは?」
「今、義母上とベンが綺麗にしてくれている。その後、アントンが診察をしてこちらに連れて来てくれるようだ」
「そっか…‥赤ちゃんたち、可愛かったね」
「ああ、アズールと私の子だからな」
「ふふっ」
そう言って嬉しそうに笑うアズールの表情に疲れの色が見える。
「アズール、体調はどうだ?」
「う、ん……あのね、疲れすぎちゃったのかな……。身体が動かないの」
大量出血で体力が消耗していると言っていたが、本当だな。
「アズールは出産でかなりの体力を使ったのだ。回復の薬といえば何かわかるか?」
「えっ? あっ、もしかして……ルーの、蜜?」
「ああ。そうだ。だが今はアズールは動くこともできないだろう? だから、口を開けてくれていたらいい」
「うん。わかった」
素直なアズールは嬉しそうに口を開ける。
私はいつもとは違う状況に気恥ずかしさを感じながらも、ベッドに上がり、アズールの身体を跨ぐように膝立ちになった。
そしてアズールの顔の前でズボンを寛げ取り出した。
ここ一週間ほどは、アズールが蜜を摂取する回数も少なくなって来ていたからか、この状況にあっという間に昂りを見せている。
自分でもここまで堪え性がないことに呆れてしまう。
だが、その分濃密な蜜をアズールに飲ませることができるのだと自分に言い聞かせる。
「ルー、いい匂いがする。早くちょうだい」
「くっ――! あんまり煽らないでくれ!」
威嚇のフェロモンを必死に閉じながら、アズールの口に昂りを咥えさせた。
「んっ、んっ」
「くっ、ああっ……アズールっ、気持ちがいい」
この数ヶ月の間、毎日蜜を飲んでいたせいか、どうしたら蜜が出るのか、どこを刺激したら私が喜ぶのかも熟知してしまったアズールは、小さな口で先端を咥えたり、小さくて長い舌を巧みに操り、私の気持ちいい箇所を的確に狙って舐めてくる。
「うっ――! 出す、ぞっ!!」
大量の蜜でアズールが苦しい思いをしないようにセーブしながら、蜜を出すこともこの数ヶ月で身につけた。
そのおかげでアズールがちゅくちゅくと音を立ててゆっくりと飲み干していく。
ここ最近と比較するとかなり大量に蜜が出たが、アズールの喉が動くたびにアズールの表情から疲れの色が消えていく。
それを目の当たりにしていると、本当に私の蜜がアズールの薬になっているのだなと改めて感じる。
最後の一滴まで念入りに舌でこそぎとられてようやくアズールの口から離れると。
「ふふっ。美味しかった。なんだか身体が軽くなったみたい」
と嬉しそうに笑って見せた。
「それならよかった」
「あっ、ルー……っ! なん、か変っ!!」
「――っ!! アズール、どうした?」
表情が明るくなったと喜んでいた矢先、アズールの様子が突然おかしくなったと思ったら、手術着の紐を外し始めた。
「あっ! こ、これは……」
見ると、ぷっくりと膨らんだアズールの胸の赤い実から真っ白な汁がじわりと浮き出ているのが見える。
「アズール、どうしちゃったの?」
「大丈夫、心配はいらない。これはミルクだ。アズール、少し待っていてくれ。すぐに子どもたちを連れてこよう」
初乳は赤子にとって大切なものだと書かれていたはずだ。
通常は出産からミルクが出るようになるまでもう少し時間がかかるものだそうだが、きっと私の蜜を摂取したことによってアズールの身体がミルクを作り出すまでに回復したのだろうな。
早く子どもたちにあのミルクを飲ませてやらなくては。
私は急いで隣の部屋に向かった。
<sideアリーシャ>
「ああ、なんて可愛らしいのかしら。クレイとアズールが生まれた時のことを思い出すわね」
「はい。奥さま。本当に可愛らしいです」
「ほら、気持ちいいでしょう? さぁ、そろそろお風呂から出ましょうね」
産湯の中で気持ちよさそうにしていた赤ちゃんを抱き上げて、柔らかなバスタオルで包んでいると、ちょうどアントンが部屋に入ってきた。
「アズールの様子はどう?」
「はい。縫合も終わりまして安定しておりますが、アズールさまの体重に対して出血量が多かったものですから、今、ルーディーさまに体力が回復するようにお願いしてまいりました」
アズールの体力を回復させるもの……なるほど。
「その間に、私はこちらでお子さま方の診察をさせていただきますね。奥方さまとベン殿にもお手伝いいただきます」
そう言いながらも、手際よく二人の赤ちゃんの診察を進めていく。
予定日よりも早かったから、少し心配もしていたけれど丸々として大きな赤ちゃんでホッとした。
でもこんなにも大きな赤ちゃんを二人もアズールのあの小さなお腹で育てていたのかと思うとすごいとしか言いようがない。
この赤ちゃんたちの成長のためにも、そして、アズールの身体のためにもルーディーの蜜は本当に重要なものだったのね。
そして、疲れ果てた今のアズールの体力を回復させるのにも必要なものだなんて……。
やっぱりアズールとルーディーは二人揃っていなければ生きていけない存在なのかもしれない。
念入りに診察を済ませたアントンが、そろそろと腰をあげようとしていると、
「アズールにミルクが出始めた! すぐに子どもたちを渡してくれ!」
とルーディーが慌てた様子で駆け込んできた。
「うん。ルーが隣にいてくれたから頑張れたよ。ねぇ、赤ちゃんたちは?」
「今、義母上とベンが綺麗にしてくれている。その後、アントンが診察をしてこちらに連れて来てくれるようだ」
「そっか…‥赤ちゃんたち、可愛かったね」
「ああ、アズールと私の子だからな」
「ふふっ」
そう言って嬉しそうに笑うアズールの表情に疲れの色が見える。
「アズール、体調はどうだ?」
「う、ん……あのね、疲れすぎちゃったのかな……。身体が動かないの」
大量出血で体力が消耗していると言っていたが、本当だな。
「アズールは出産でかなりの体力を使ったのだ。回復の薬といえば何かわかるか?」
「えっ? あっ、もしかして……ルーの、蜜?」
「ああ。そうだ。だが今はアズールは動くこともできないだろう? だから、口を開けてくれていたらいい」
「うん。わかった」
素直なアズールは嬉しそうに口を開ける。
私はいつもとは違う状況に気恥ずかしさを感じながらも、ベッドに上がり、アズールの身体を跨ぐように膝立ちになった。
そしてアズールの顔の前でズボンを寛げ取り出した。
ここ一週間ほどは、アズールが蜜を摂取する回数も少なくなって来ていたからか、この状況にあっという間に昂りを見せている。
自分でもここまで堪え性がないことに呆れてしまう。
だが、その分濃密な蜜をアズールに飲ませることができるのだと自分に言い聞かせる。
「ルー、いい匂いがする。早くちょうだい」
「くっ――! あんまり煽らないでくれ!」
威嚇のフェロモンを必死に閉じながら、アズールの口に昂りを咥えさせた。
「んっ、んっ」
「くっ、ああっ……アズールっ、気持ちがいい」
この数ヶ月の間、毎日蜜を飲んでいたせいか、どうしたら蜜が出るのか、どこを刺激したら私が喜ぶのかも熟知してしまったアズールは、小さな口で先端を咥えたり、小さくて長い舌を巧みに操り、私の気持ちいい箇所を的確に狙って舐めてくる。
「うっ――! 出す、ぞっ!!」
大量の蜜でアズールが苦しい思いをしないようにセーブしながら、蜜を出すこともこの数ヶ月で身につけた。
そのおかげでアズールがちゅくちゅくと音を立ててゆっくりと飲み干していく。
ここ最近と比較するとかなり大量に蜜が出たが、アズールの喉が動くたびにアズールの表情から疲れの色が消えていく。
それを目の当たりにしていると、本当に私の蜜がアズールの薬になっているのだなと改めて感じる。
最後の一滴まで念入りに舌でこそぎとられてようやくアズールの口から離れると。
「ふふっ。美味しかった。なんだか身体が軽くなったみたい」
と嬉しそうに笑って見せた。
「それならよかった」
「あっ、ルー……っ! なん、か変っ!!」
「――っ!! アズール、どうした?」
表情が明るくなったと喜んでいた矢先、アズールの様子が突然おかしくなったと思ったら、手術着の紐を外し始めた。
「あっ! こ、これは……」
見ると、ぷっくりと膨らんだアズールの胸の赤い実から真っ白な汁がじわりと浮き出ているのが見える。
「アズール、どうしちゃったの?」
「大丈夫、心配はいらない。これはミルクだ。アズール、少し待っていてくれ。すぐに子どもたちを連れてこよう」
初乳は赤子にとって大切なものだと書かれていたはずだ。
通常は出産からミルクが出るようになるまでもう少し時間がかかるものだそうだが、きっと私の蜜を摂取したことによってアズールの身体がミルクを作り出すまでに回復したのだろうな。
早く子どもたちにあのミルクを飲ませてやらなくては。
私は急いで隣の部屋に向かった。
<sideアリーシャ>
「ああ、なんて可愛らしいのかしら。クレイとアズールが生まれた時のことを思い出すわね」
「はい。奥さま。本当に可愛らしいです」
「ほら、気持ちいいでしょう? さぁ、そろそろお風呂から出ましょうね」
産湯の中で気持ちよさそうにしていた赤ちゃんを抱き上げて、柔らかなバスタオルで包んでいると、ちょうどアントンが部屋に入ってきた。
「アズールの様子はどう?」
「はい。縫合も終わりまして安定しておりますが、アズールさまの体重に対して出血量が多かったものですから、今、ルーディーさまに体力が回復するようにお願いしてまいりました」
アズールの体力を回復させるもの……なるほど。
「その間に、私はこちらでお子さま方の診察をさせていただきますね。奥方さまとベン殿にもお手伝いいただきます」
そう言いながらも、手際よく二人の赤ちゃんの診察を進めていく。
予定日よりも早かったから、少し心配もしていたけれど丸々として大きな赤ちゃんでホッとした。
でもこんなにも大きな赤ちゃんを二人もアズールのあの小さなお腹で育てていたのかと思うとすごいとしか言いようがない。
この赤ちゃんたちの成長のためにも、そして、アズールの身体のためにもルーディーの蜜は本当に重要なものだったのね。
そして、疲れ果てた今のアズールの体力を回復させるのにも必要なものだなんて……。
やっぱりアズールとルーディーは二人揃っていなければ生きていけない存在なのかもしれない。
念入りに診察を済ませたアントンが、そろそろと腰をあげようとしていると、
「アズールにミルクが出始めた! すぐに子どもたちを渡してくれ!」
とルーディーが慌てた様子で駆け込んできた。
195
お気に入りに追加
5,274
あなたにおすすめの小説
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福論。〜飯作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
西園寺若葉
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
謎の死を遂げる予定の我儘悪役令息ですが、義兄が離してくれません
柴傘
BL
ミーシャ・ルリアン、4歳。
父が連れてきた僕の義兄になる人を見た瞬間、突然前世の記憶を思い出した。
あれ、僕ってばBL小説の悪役令息じゃない?
前世での愛読書だったBL小説の悪役令息であるミーシャは、義兄である主人公を出会った頃から蛇蝎のように嫌いイジメを繰り返し最終的には謎の死を遂げる。
そんなの絶対に嫌だ!そう思ったけれど、なぜか僕は理性が非常によわよわで直ぐにキレてしまう困った体質だった。
「おまえもクビ!おまえもだ!あしたから顔をみせるなー!」
今日も今日とて理不尽な理由で使用人を解雇しまくり。けれどそんな僕を見ても、主人公はずっとニコニコしている。
「おはようミーシャ、今日も元気だね」
あまつさえ僕を抱き上げ頬擦りして、可愛い可愛いと連呼する。あれれ?お兄様、全然キャラ違くない?
義弟が色々な意味で可愛くて仕方ない溺愛執着攻め×怒りの沸点ド底辺理性よわよわショタ受け
9/2以降不定期更新
【完結】白い塔の、小さな世界。〜監禁から自由になったら、溺愛されるなんて聞いてません〜
N2O
BL
溺愛が止まらない騎士団長(虎獣人)×浄化ができる黒髪少年(人間)
ハーレム要素あります。
苦手な方はご注意ください。
※タイトルの ◎ は視点が変わります
※ヒト→獣人、人→人間、で表記してます
※ご都合主義です、あしからず
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる