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第三章
体力回復の薬※
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「アズール、よく頑張ったな」
「うん。ルーが隣にいてくれたから頑張れたよ。ねぇ、赤ちゃんたちは?」
「今、義母上とベンが綺麗にしてくれている。その後、アントンが診察をしてこちらに連れて来てくれるようだ」
「そっか…‥赤ちゃんたち、可愛かったね」
「ああ、アズールと私の子だからな」
「ふふっ」
そう言って嬉しそうに笑うアズールの表情に疲れの色が見える。
「アズール、体調はどうだ?」
「う、ん……あのね、疲れすぎちゃったのかな……。身体が動かないの」
大量出血で体力が消耗していると言っていたが、本当だな。
「アズールは出産でかなりの体力を使ったのだ。回復の薬といえば何かわかるか?」
「えっ? あっ、もしかして……ルーの、蜜?」
「ああ。そうだ。だが今はアズールは動くこともできないだろう? だから、口を開けてくれていたらいい」
「うん。わかった」
素直なアズールは嬉しそうに口を開ける。
私はいつもとは違う状況に気恥ずかしさを感じながらも、ベッドに上がり、アズールの身体を跨ぐように膝立ちになった。
そしてアズールの顔の前でズボンを寛げ取り出した。
ここ一週間ほどは、アズールが蜜を摂取する回数も少なくなって来ていたからか、この状況にあっという間に昂りを見せている。
自分でもここまで堪え性がないことに呆れてしまう。
だが、その分濃密な蜜をアズールに飲ませることができるのだと自分に言い聞かせる。
「ルー、いい匂いがする。早くちょうだい」
「くっ――! あんまり煽らないでくれ!」
威嚇のフェロモンを必死に閉じながら、アズールの口に昂りを咥えさせた。
「んっ、んっ」
「くっ、ああっ……アズールっ、気持ちがいい」
この数ヶ月の間、毎日蜜を飲んでいたせいか、どうしたら蜜が出るのか、どこを刺激したら私が喜ぶのかも熟知してしまったアズールは、小さな口で先端を咥えたり、小さくて長い舌を巧みに操り、私の気持ちいい箇所を的確に狙って舐めてくる。
「うっ――! 出す、ぞっ!!」
大量の蜜でアズールが苦しい思いをしないようにセーブしながら、蜜を出すこともこの数ヶ月で身につけた。
そのおかげでアズールがちゅくちゅくと音を立ててゆっくりと飲み干していく。
ここ最近と比較するとかなり大量に蜜が出たが、アズールの喉が動くたびにアズールの表情から疲れの色が消えていく。
それを目の当たりにしていると、本当に私の蜜がアズールの薬になっているのだなと改めて感じる。
最後の一滴まで念入りに舌でこそぎとられてようやくアズールの口から離れると。
「ふふっ。美味しかった。なんだか身体が軽くなったみたい」
と嬉しそうに笑って見せた。
「それならよかった」
「あっ、ルー……っ! なん、か変っ!!」
「――っ!! アズール、どうした?」
表情が明るくなったと喜んでいた矢先、アズールの様子が突然おかしくなったと思ったら、手術着の紐を外し始めた。
「あっ! こ、これは……」
見ると、ぷっくりと膨らんだアズールの胸の赤い実から真っ白な汁がじわりと浮き出ているのが見える。
「アズール、どうしちゃったの?」
「大丈夫、心配はいらない。これはミルクだ。アズール、少し待っていてくれ。すぐに子どもたちを連れてこよう」
初乳は赤子にとって大切なものだと書かれていたはずだ。
通常は出産からミルクが出るようになるまでもう少し時間がかかるものだそうだが、きっと私の蜜を摂取したことによってアズールの身体がミルクを作り出すまでに回復したのだろうな。
早く子どもたちにあのミルクを飲ませてやらなくては。
私は急いで隣の部屋に向かった。
<sideアリーシャ>
「ああ、なんて可愛らしいのかしら。クレイとアズールが生まれた時のことを思い出すわね」
「はい。奥さま。本当に可愛らしいです」
「ほら、気持ちいいでしょう? さぁ、そろそろお風呂から出ましょうね」
産湯の中で気持ちよさそうにしていた赤ちゃんを抱き上げて、柔らかなバスタオルで包んでいると、ちょうどアントンが部屋に入ってきた。
「アズールの様子はどう?」
「はい。縫合も終わりまして安定しておりますが、アズールさまの体重に対して出血量が多かったものですから、今、ルーディーさまに体力が回復するようにお願いしてまいりました」
アズールの体力を回復させるもの……なるほど。
「その間に、私はこちらでお子さま方の診察をさせていただきますね。奥方さまとベン殿にもお手伝いいただきます」
そう言いながらも、手際よく二人の赤ちゃんの診察を進めていく。
予定日よりも早かったから、少し心配もしていたけれど丸々として大きな赤ちゃんでホッとした。
でもこんなにも大きな赤ちゃんを二人もアズールのあの小さなお腹で育てていたのかと思うとすごいとしか言いようがない。
この赤ちゃんたちの成長のためにも、そして、アズールの身体のためにもルーディーの蜜は本当に重要なものだったのね。
そして、疲れ果てた今のアズールの体力を回復させるのにも必要なものだなんて……。
やっぱりアズールとルーディーは二人揃っていなければ生きていけない存在なのかもしれない。
念入りに診察を済ませたアントンが、そろそろと腰をあげようとしていると、
「アズールにミルクが出始めた! すぐに子どもたちを渡してくれ!」
とルーディーが慌てた様子で駆け込んできた。
「うん。ルーが隣にいてくれたから頑張れたよ。ねぇ、赤ちゃんたちは?」
「今、義母上とベンが綺麗にしてくれている。その後、アントンが診察をしてこちらに連れて来てくれるようだ」
「そっか…‥赤ちゃんたち、可愛かったね」
「ああ、アズールと私の子だからな」
「ふふっ」
そう言って嬉しそうに笑うアズールの表情に疲れの色が見える。
「アズール、体調はどうだ?」
「う、ん……あのね、疲れすぎちゃったのかな……。身体が動かないの」
大量出血で体力が消耗していると言っていたが、本当だな。
「アズールは出産でかなりの体力を使ったのだ。回復の薬といえば何かわかるか?」
「えっ? あっ、もしかして……ルーの、蜜?」
「ああ。そうだ。だが今はアズールは動くこともできないだろう? だから、口を開けてくれていたらいい」
「うん。わかった」
素直なアズールは嬉しそうに口を開ける。
私はいつもとは違う状況に気恥ずかしさを感じながらも、ベッドに上がり、アズールの身体を跨ぐように膝立ちになった。
そしてアズールの顔の前でズボンを寛げ取り出した。
ここ一週間ほどは、アズールが蜜を摂取する回数も少なくなって来ていたからか、この状況にあっという間に昂りを見せている。
自分でもここまで堪え性がないことに呆れてしまう。
だが、その分濃密な蜜をアズールに飲ませることができるのだと自分に言い聞かせる。
「ルー、いい匂いがする。早くちょうだい」
「くっ――! あんまり煽らないでくれ!」
威嚇のフェロモンを必死に閉じながら、アズールの口に昂りを咥えさせた。
「んっ、んっ」
「くっ、ああっ……アズールっ、気持ちがいい」
この数ヶ月の間、毎日蜜を飲んでいたせいか、どうしたら蜜が出るのか、どこを刺激したら私が喜ぶのかも熟知してしまったアズールは、小さな口で先端を咥えたり、小さくて長い舌を巧みに操り、私の気持ちいい箇所を的確に狙って舐めてくる。
「うっ――! 出す、ぞっ!!」
大量の蜜でアズールが苦しい思いをしないようにセーブしながら、蜜を出すこともこの数ヶ月で身につけた。
そのおかげでアズールがちゅくちゅくと音を立ててゆっくりと飲み干していく。
ここ最近と比較するとかなり大量に蜜が出たが、アズールの喉が動くたびにアズールの表情から疲れの色が消えていく。
それを目の当たりにしていると、本当に私の蜜がアズールの薬になっているのだなと改めて感じる。
最後の一滴まで念入りに舌でこそぎとられてようやくアズールの口から離れると。
「ふふっ。美味しかった。なんだか身体が軽くなったみたい」
と嬉しそうに笑って見せた。
「それならよかった」
「あっ、ルー……っ! なん、か変っ!!」
「――っ!! アズール、どうした?」
表情が明るくなったと喜んでいた矢先、アズールの様子が突然おかしくなったと思ったら、手術着の紐を外し始めた。
「あっ! こ、これは……」
見ると、ぷっくりと膨らんだアズールの胸の赤い実から真っ白な汁がじわりと浮き出ているのが見える。
「アズール、どうしちゃったの?」
「大丈夫、心配はいらない。これはミルクだ。アズール、少し待っていてくれ。すぐに子どもたちを連れてこよう」
初乳は赤子にとって大切なものだと書かれていたはずだ。
通常は出産からミルクが出るようになるまでもう少し時間がかかるものだそうだが、きっと私の蜜を摂取したことによってアズールの身体がミルクを作り出すまでに回復したのだろうな。
早く子どもたちにあのミルクを飲ませてやらなくては。
私は急いで隣の部屋に向かった。
<sideアリーシャ>
「ああ、なんて可愛らしいのかしら。クレイとアズールが生まれた時のことを思い出すわね」
「はい。奥さま。本当に可愛らしいです」
「ほら、気持ちいいでしょう? さぁ、そろそろお風呂から出ましょうね」
産湯の中で気持ちよさそうにしていた赤ちゃんを抱き上げて、柔らかなバスタオルで包んでいると、ちょうどアントンが部屋に入ってきた。
「アズールの様子はどう?」
「はい。縫合も終わりまして安定しておりますが、アズールさまの体重に対して出血量が多かったものですから、今、ルーディーさまに体力が回復するようにお願いしてまいりました」
アズールの体力を回復させるもの……なるほど。
「その間に、私はこちらでお子さま方の診察をさせていただきますね。奥方さまとベン殿にもお手伝いいただきます」
そう言いながらも、手際よく二人の赤ちゃんの診察を進めていく。
予定日よりも早かったから、少し心配もしていたけれど丸々として大きな赤ちゃんでホッとした。
でもこんなにも大きな赤ちゃんを二人もアズールのあの小さなお腹で育てていたのかと思うとすごいとしか言いようがない。
この赤ちゃんたちの成長のためにも、そして、アズールの身体のためにもルーディーの蜜は本当に重要なものだったのね。
そして、疲れ果てた今のアズールの体力を回復させるのにも必要なものだなんて……。
やっぱりアズールとルーディーは二人揃っていなければ生きていけない存在なのかもしれない。
念入りに診察を済ませたアントンが、そろそろと腰をあげようとしていると、
「アズールにミルクが出始めた! すぐに子どもたちを渡してくれ!」
とルーディーが慌てた様子で駆け込んできた。
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