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第三章
汗の匂いと甘い蜜※
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<sideルーディー>
ヴェルナーに駆け寄った瞬間、聞いたこともないような唸り声をあげてその場に蹲ってしまったマクシミリアン。
しかも威嚇の声を上げながら、ヴェルナーを抱きかかえて風呂場に駆けていった。
そのあまりの勢いにただただ驚くしかなかったが、ベンは隣で全てを理解したように佇んでいた。
「ベン、今のは……」
「ヴェルナーさまは今までアズールさまのお部屋におられたので、ヴェルナーさまにルーディーさまの匂いがついてしまっていたのです。ですから、マクシミリアンさまにはこちらでしばらくお待ちいただいている間に、ヴェルナーさまにお風呂で匂いを落としていただこうと思っていたのです」
「ああ、そういうことか……。それは、マクシミリアンに申し訳ないことをしたな」
アズールが一日に何度も蜜を欲しいとねだるものだから部屋に私の強い匂いが充満するのも仕方がないことだ。
この屋敷の中ではそれが共通認識になっていたのだが、マクシミリアンに告げるのを忘れていた。
私と試合をして神経が昂っていたマクシミリアンにとって、違う雄の匂いを漂わせていたヴェルナーに迎えられたことはかなりのショックだったに違いない。
マクシミリアンがあんな唸り声を上げるのも初めて聞いたからな……。
もし私がマクシミリアンの立場だったら……。
アズールが私以外の雄の匂いを纏って現れたら……?
間違いなく理性を保てる気がしないな。
「ベン、すぐに二人の服の洗濯を頼む。最優先でな」
「はい。承知しました」
そういうとベンは急いで二人が消えていった風呂場に向かい、二人の衣服を回収して地下へ向かった。
あとはベンに任せておけば問題はないだろう。
かなり時間をとってしまった。
アズールが私を待ち続けてくれているはずだ。
私は急いで階段を駆け上がり、私たちの部屋に向かった。
扉を開けるといつものようにアズールが駆け寄ってくる。
子ができてからは流石に飛び込んでくることは無くなったが、すぐに駆け寄ってきてくれるのは嬉しい。
「ルー、おかえり!」
お腹を守りながらゆっくり駆け寄ってきてくれたアズールを優しく抱き上げる。
「ああ、ただいま。アズールも腹の子たちも元気で変わりないか?」
「うん。大丈夫だよ。さっきまでね、ヴェルとお話ししてたの。あれ? そういえば、お迎えにいかなかった? ルーと一緒にマックスの匂いがしたからヴェルに見てきてってお願いしたの」
「ああ、そうだったのか。アズールはマクシミリアンの匂いも感じたのか?」
「うん、ルーともう一人いるなってわかったの。マックスの匂いに似てたからそうかなって」
「そうか。二人はそのまま帰ったんだ」
「そっか。帰っちゃったんだ……。またヴェル、来てくれるかな?」
「ああ。もちろんだよ。楽しく過ごせたんだろう?」
「うん。ヴェルと話したらここが軽くなった気がしたよ」
そう言いながら、笑顔で胸の辺りを手で押さえる。
やはり重しになっていたのだな。
それをヴェルナーが楽にしてくれたわけか。
本当にヴェルナーに頼んで良かった。
「それなら良かった。アズールにはいつでも笑顔でいてほしいからな」
「ルー……」
「どうした?」
「アズール、心配かけちゃったね。ごめんね」
「何を言っているんだ。私たちは夫夫なのだから謝ることなんて何もない。そうだろう?」
「うん。ルー、大好き!」
「ああ。私もアズールが大好きだよ」
チュッと軽くキスをするとアズールが嬉しそうに微笑む。
「ふふっ。ルー、いつもよりいい匂いする」
胸元に擦り寄ってクンクンと匂いを嗅がれる。
耳が当たってくすぐったいが、嬉しいが勝つ。
「今日はマクシミリアンと試合をしたんだ。だから汗をかいたのだろう。くっ――!! アズールっ!」
訓練でのことを話をしていると、突然ぺろっと舐められてつい声を上げてしまった。
「何を……っ」
「だって、いい匂いだったから。だめ、だった?」
「いや、驚いただけだ。アズール、蜜が欲しいか?」
「うん。欲しい……っ」
「じゃあ、寝室に行こうか」
アズールが頷くと同時に寝室に連れ込む。
ベッドに優しく座らせて、アズールの目の前に立ち、ズボンの前を寛げるとアズールの手が伸びてきて、下着の上から優しく撫でてくる。
「あったかいね。それに……すっごく、おっきくていい匂いがしてる」
恍惚とした目で見上げられるとそれだけで興奮して昂りにさらに熱が籠る。
「うーん。いい匂い」
「アズール……っ」
下着の上から昂りに顔を寄せて、クンクンと匂いを嗅がれる。
やはりあっちでシャワーを浴びて帰ってこなくて正解だったな。
アズールは嬉しそうな顔で下着を下げ、出てきた昂りに自分からむしゃぶりついた。
むわっと汗の匂いを感じるが、アズールはそれが気に入っているようだ。
小さな舌でぺろぺろ舐められて、パクッと先端を咥えられ、舌先で先端を弄られただけであっという間に蜜を放った。
アズールに蜜を飲まれるようになってから、日に日に上手になっている気がする。
アズールはそれを美味しそうに飲み干して、空になった口の中を見せてくれる。
ああ、もう本当に可愛くて仕方がない。
ヴェルナーに駆け寄った瞬間、聞いたこともないような唸り声をあげてその場に蹲ってしまったマクシミリアン。
しかも威嚇の声を上げながら、ヴェルナーを抱きかかえて風呂場に駆けていった。
そのあまりの勢いにただただ驚くしかなかったが、ベンは隣で全てを理解したように佇んでいた。
「ベン、今のは……」
「ヴェルナーさまは今までアズールさまのお部屋におられたので、ヴェルナーさまにルーディーさまの匂いがついてしまっていたのです。ですから、マクシミリアンさまにはこちらでしばらくお待ちいただいている間に、ヴェルナーさまにお風呂で匂いを落としていただこうと思っていたのです」
「ああ、そういうことか……。それは、マクシミリアンに申し訳ないことをしたな」
アズールが一日に何度も蜜を欲しいとねだるものだから部屋に私の強い匂いが充満するのも仕方がないことだ。
この屋敷の中ではそれが共通認識になっていたのだが、マクシミリアンに告げるのを忘れていた。
私と試合をして神経が昂っていたマクシミリアンにとって、違う雄の匂いを漂わせていたヴェルナーに迎えられたことはかなりのショックだったに違いない。
マクシミリアンがあんな唸り声を上げるのも初めて聞いたからな……。
もし私がマクシミリアンの立場だったら……。
アズールが私以外の雄の匂いを纏って現れたら……?
間違いなく理性を保てる気がしないな。
「ベン、すぐに二人の服の洗濯を頼む。最優先でな」
「はい。承知しました」
そういうとベンは急いで二人が消えていった風呂場に向かい、二人の衣服を回収して地下へ向かった。
あとはベンに任せておけば問題はないだろう。
かなり時間をとってしまった。
アズールが私を待ち続けてくれているはずだ。
私は急いで階段を駆け上がり、私たちの部屋に向かった。
扉を開けるといつものようにアズールが駆け寄ってくる。
子ができてからは流石に飛び込んでくることは無くなったが、すぐに駆け寄ってきてくれるのは嬉しい。
「ルー、おかえり!」
お腹を守りながらゆっくり駆け寄ってきてくれたアズールを優しく抱き上げる。
「ああ、ただいま。アズールも腹の子たちも元気で変わりないか?」
「うん。大丈夫だよ。さっきまでね、ヴェルとお話ししてたの。あれ? そういえば、お迎えにいかなかった? ルーと一緒にマックスの匂いがしたからヴェルに見てきてってお願いしたの」
「ああ、そうだったのか。アズールはマクシミリアンの匂いも感じたのか?」
「うん、ルーともう一人いるなってわかったの。マックスの匂いに似てたからそうかなって」
「そうか。二人はそのまま帰ったんだ」
「そっか。帰っちゃったんだ……。またヴェル、来てくれるかな?」
「ああ。もちろんだよ。楽しく過ごせたんだろう?」
「うん。ヴェルと話したらここが軽くなった気がしたよ」
そう言いながら、笑顔で胸の辺りを手で押さえる。
やはり重しになっていたのだな。
それをヴェルナーが楽にしてくれたわけか。
本当にヴェルナーに頼んで良かった。
「それなら良かった。アズールにはいつでも笑顔でいてほしいからな」
「ルー……」
「どうした?」
「アズール、心配かけちゃったね。ごめんね」
「何を言っているんだ。私たちは夫夫なのだから謝ることなんて何もない。そうだろう?」
「うん。ルー、大好き!」
「ああ。私もアズールが大好きだよ」
チュッと軽くキスをするとアズールが嬉しそうに微笑む。
「ふふっ。ルー、いつもよりいい匂いする」
胸元に擦り寄ってクンクンと匂いを嗅がれる。
耳が当たってくすぐったいが、嬉しいが勝つ。
「今日はマクシミリアンと試合をしたんだ。だから汗をかいたのだろう。くっ――!! アズールっ!」
訓練でのことを話をしていると、突然ぺろっと舐められてつい声を上げてしまった。
「何を……っ」
「だって、いい匂いだったから。だめ、だった?」
「いや、驚いただけだ。アズール、蜜が欲しいか?」
「うん。欲しい……っ」
「じゃあ、寝室に行こうか」
アズールが頷くと同時に寝室に連れ込む。
ベッドに優しく座らせて、アズールの目の前に立ち、ズボンの前を寛げるとアズールの手が伸びてきて、下着の上から優しく撫でてくる。
「あったかいね。それに……すっごく、おっきくていい匂いがしてる」
恍惚とした目で見上げられるとそれだけで興奮して昂りにさらに熱が籠る。
「うーん。いい匂い」
「アズール……っ」
下着の上から昂りに顔を寄せて、クンクンと匂いを嗅がれる。
やはりあっちでシャワーを浴びて帰ってこなくて正解だったな。
アズールは嬉しそうな顔で下着を下げ、出てきた昂りに自分からむしゃぶりついた。
むわっと汗の匂いを感じるが、アズールはそれが気に入っているようだ。
小さな舌でぺろぺろ舐められて、パクッと先端を咥えられ、舌先で先端を弄られただけであっという間に蜜を放った。
アズールに蜜を飲まれるようになってから、日に日に上手になっている気がする。
アズールはそれを美味しそうに飲み干して、空になった口の中を見せてくれる。
ああ、もう本当に可愛くて仕方がない。
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