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第三章

可愛い子猫に夢中※

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「ティオ……」

ティオを抱き締めたまま、ベッドに横たわる。
耳元で名前を呼ぶと、

「んんっ……く、れいさま……」

と身を震わせながら甘い声で私の名を呼ぶ。

「初めてだというのに無理をさせてすまないが、もう一度だけいいか? ティオが可愛すぎて我慢できないんだ」

自分で自分の欲を制御できないなんて恥ずかしいが、初めての交わりを風呂場でするなんて暴挙に出た私を受け入れてくれたティオにはもう一度だけ私を受け入れてほしい。

「わたしも……」

「えっ?」

「わたしも……もっと、ほしぃです……く、れいさまの、この、おっきなので、おくを、ごりごりして、ください……っ」

「ぐぅ――っ!! ティ、ティオっ!!」

ティオの手が私の昂りを握って、ほしいとねだってこられたらもうどうしようもない。

横たわったままティオを後ろ向きに抱きしめて、先ほどの交わりでまだとろとろに蕩けている後孔にググッと押し込んだ。私の出した蜜も相まって、するすると中に吸い込まれていく。

「ああ……っ、ティオ。中が絡みついてくる」

「ああっ……んっ、く、れいさまぁ……っ、そ、こっ……きもち、いぃ……っ」

先ほどと体勢が違うからか、当たる場所が違うようでティオの反応がさらに強い気がする。
もしかして、ここがティオの快楽の場所なのか……。

それならそこを重点的に攻めるだけだ。

そこを狙うように激しく突き入れると、

「ひゃぁ――っ、んあっ……ああっ…も、うっ、また、おか、しく、なるぅ――っ!」

と可愛い声を上げたと思ったらビクビクと身体を震わせながら、蜜を飛ばす。

「ああっ……く、れいさまぁ……な、かに、だしてぇ……っ!!」

「くぅ――っ!! そんなに煽るなっ!! あ゛あっ!!」

ティオの甘いおねだりに私はあっという間にティオの中に蜜を吐き出した。
トプトプと大量の蜜が出ているのを感じる。

先ほどのようにティオの中から蜜が垂れてくるのが勿体無くて、しばらくの間、ティオの中に埋めておく。
一向に萎えることのない昂りは、このままもう一度とせがんでくるが流石にもうだめだろうか。

「ティオ……もう一度だけ、いいか?」

「く、れいさま……いっぱい、あいしてください……」

ティオからの嬉しい言葉に私の尻尾が大きく揺れ動いた。
考えてみれば、ティオと出会ってからずっと、それこそ陛下と出会っている時もずっと尻尾が動いていた気がする。

ああ、この歳になって尻尾も制御できないとは……。
恥ずかしいが運命と出会えば仕方がないのかもしれない。

もう私は狼としての本能のままに尻尾を振り乱しながら、ティオの中をたっぷりと堪能した。
何度蜜を注いだかわからないほどに、たっぷりと愛し続けて、ティオの身体にこれでもかというほどのマーキングをして、ようやく眠りについた。

蜜まみれのまま眠っていたから、私はしばしの眠りから覚めて、まだ眠ったままのティオを抱きかかえたまま身体を清めている間に、ベッドを整えてもらった。

風呂場から出てくると、美味しそうな匂いが鼻腔をくすぐる。
どうやら食事の支度もしてくれたらしい。

起こすのはかわいそうだと思ったが、せっかくなら暖かいうちに食べさせたい。

「ティオ、ティオ……」

何度か声をかけ、チュッと唇を重ね合わせるとティオの瞼がゆっくりと開き、ティオの綺麗な瞳に私の顔が映る。

「うん……あっ、えっ……かっこいい、ひとがいる……」

「ふふっ。褒めてもらえるのは嬉しいな」

「えっ? あっ!!」

ようやく記憶の糸が繋がったのか、恥ずかしそうに顔を真っ赤にして私の胸元に隠れてしまう。

「私の可愛い子猫、顔を見せてくれないか?」

「クレイ、さま……」

「ああ、愛しいティオ」

抱きしめながら私の尻尾をティオの身体に巻きつけると、ティオも細くて長いしなやかな尻尾を私の身体に巻き付けてくれる。

「ふふっ。クレイさま、の尻尾……ふさふさで気持ちがいいですね」

「気に入ったか?」

「はい。私のとは違って触り心地がいいです」

「そんなことはない。私はティオの尻尾が好きだぞ」

「尻尾だけ、ですか?」

「――っ!! もちろん、ティオも大好きだよ。愛している!」

「ふふっ。よかった……」

花が綻ぶような笑顔を見せてくれるティオを見て、私は一生勝てそうにない。
そう思った。

あの義兄上も、アズールには弱いからな。
そういえば父上も母上には勝てないな。

狼族の男は一途に愛するが故に最愛には弱い生き物なのだろう。
まぁ、それで最愛が幸せならそれで構わないのだがな。

「ティオ、食事の支度ができているから、食べよう。お腹が空いているだろう?」

そう尋ねると、空腹を感じたのか、きゅるると可愛い音が聞こえてきた。

「ふふっ。すぐにご飯を食べさせてあげないとな」

すぐにベッドにテーブルを置き、用意してもらった食事を並べる。

「わぁ、美味しそうですね」

「ああ、それでは食べるとしようか」

そう言って私はナイフとフォークを手に取った。

「あれ? クレイさま、私のカトラリーがありませんが……」

「ああ、それは必要ない」

「えっ?」

「我が家では愛しい伴侶に食べさせてあげるのが決まりなのだよ。義兄上もいつもアズールに食べさせている。たまに同じフォークや指を使ってアズールが義兄上に食べさせてあげることもあるな」

そういうと、ティオはハッとした表情を見せ、

「そういえば昔、訓練場に来られた時にそのように召し上がっておられました」

と教えてくれた。

「そうだろう? それが当然なのだよ。だからこれからは私と一緒に食事の際は私が食べさせるからな」

義兄上とアズールといういい見本がいるからか、ティオは素直に私の話を信じ、口を開けてご覧というと素直に口を開けてくれた。

ああ、愛しい人に食事を食べさせることがこんなにも幸せなことだったとは……。
義兄上があれほどまずい人参を美味しそうに食べたのが今ならわかる気がする。
私もティオの手からなら喜んであの人参を食べられることだろう。
これが運命の相手の力なのだな。
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