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第三章

ウサギ族の本能※

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「るー……ど、こ?」

「アズール、ここだ」

ふらふらとしながらも身体を起こし、すぐに私を探すアズールの姿に思わず笑みが溢れる。
たった今までアズールを抱きしめていて、水を取ろうとほんの少し隙間が空いただけなのに、それだけで私を探してくれるとは。
なんて可愛いのだろうな。

力が抜けて一人で水も飲めないだろう。
いや、たとえ、自分で飲めたとしても飲ませるわけがないのだが。

長い舌を使ってアズールに水を飲ませれば、火照った身体で縋り付くようにコクコクと水を飲み干していく。

「もういらないか?」

「いるぅ……もっと、ほしぃ……っ」

そう言って、目の前の私の昂りをぺろぺろと舐め始める。

「あまくて……おいしぃ……っ」

「ああ、アズールっ!」

もう少し身体を休ませてからと思っていたのにこんなことをされてはどうしようもない。

「るー、もっとぉ……みつ、ほしぃ……っ」

「くっ――!!」

昂りを弱々しい手で握ったまま、潤んだ瞳で見上げられてねだられてはひとたまりもない。
アズールは何の知識も持たぬはずなのに、全てにおいて私を翻弄してくる。
これがウサギ族の本能というものか。

「どこに欲しいんだ?」

アズールに舐められて最高潮に昂ったモノを見せつけながら尋ねると、

「ここ……ここに、いっぱい、ほしぃ……っ」

ヒクヒクと蠢く後孔を私に見せつける。

ああ、もうなんて淫らなんだ。
何も知らないアズールがこんなにも淫らに私を誘うなんて……。

「わかった、アズールが満足するまで注いでやろう」

「ひゃあっ」

アズールを抱きかかえて膝の上に座らせる。

欲情に塗れ恍惚とした表情で私を見つめるアズールの口内に舌を滑り込ませ、甘い唾液を堪能してから、アズールの尻の割れ目にぬちゅぬちゅと昂りを滑らせる。

「んんっ……んっ……はやくぅ……っ」

待ちきれない様子でねだってくるアズールが可愛すぎてたまらない。

願いを叶えてやろうとアズールの尻を持ち上げてとろとろにほぐれた後孔を広げながら、昂りをグッと押し込んでやると、アズールの身体は全く抗うこともなくズプっと一気に奥まで受け入れてくれる。

こんなにも小さな身体によく挿入はいるものだと思ってしまうが、これが運命の番というものなのだろう。
そう。アズールは私のために生まれてきてくれた存在なのだ。
だからこそ、こんなにもピッタリと嵌まるんだ。

まるで一人の人間であるかのように隙間なくくっついて、動かずともこんなにも気持ちいいものだと初めて知った。

「るー、きもちいぃ……っ」

私を抱きしめながら顔や耳に触れてくる。

そういえば、アズールは初めて私と会った時も、今よりもずっと小さな手で私の頬に触れてくれた。
あの時と同じだな。
アズールは全く変わらずにずっと私を愛してくれているのだ。

そんなアズールをもっと気持ちよくしてあげなければな。

アズールの身体を抱き上げ、ギリギリまで昂りを抜いていく。
そして、一気に身体を下ろしてやると、ズプっと大きな音を立てて、奥まで嵌まり込んでいく。

「ああっん! ひゃぁ――っん、ああっ、そこぉ……いい、ああっ……っん! きもち、いぃ……っ」

アズールを動かすたびに甘い嬌声が漏れて、その声にどんどん私の興奮が増していく。
ゆさゆさとさらに激しく動かしてやれば、グチュグチュといういやらしい音と共に

「ふぁ……っ、ああっ……おくぅ……っ、ああっ、そこ……っすきぃ…‥っ」

と可愛い声を漏らす。

「ここが好きか?」

「ああっ……いいっ、すきぃ…‥っ、るーのみつ、なかに、ちょーだい……っ」

さらに艶を帯びた甘い声でそんなおねだりをされたらひとたまりもない。

「くっ――! 中に出すぞ!」

激しく突き上げてやり、アズールの果実からピュルっと蜜が垂れたのをみて、たっぷりと私の蜜を中に注ぎ込んでやる。
何度出しても気持ち良すぎてとてつもない量が出るけれど、それも仕方ない。

「ああっ……あ、つい…‥っ、るーの、みつ……うれしぃ……っ」

アズールがこんなにも喜んでくれるのだから。

ああ、もう本当に愛おしすぎる。
こんな可愛いウサギを前によくぞここまで我慢できたものだ。
だが、もうアズールのこの甘い蜜を知った今は我慢することもできないだろうな。

まぁ、もう二度と我慢するつもりもないが。

それから私たちは時間を忘れて、ひたすらに交わりを続けた。
それこそ寝食を忘れて何日も。
食欲も睡眠欲も感じなかったのは、それを上回るほどの性欲に溢れていたからかもしれない。

アズールにたっぷりと欲望の蜜を注ぎ込み、ようやくアズールの発情が落ち着いたのは初めて身体をつなげてから一週間が経っていた。
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