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第三章
もう少しの辛抱
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<sideルーディー>
アズールに発情の兆候が見え始めた。
ということは、私たちの初夜が近いということだ。
ようやくアズールの全てを私のものにできる日が訪れるのだな……。
ああ、それを想像するだけでも昂ってしまうというのに、
――ルーはもうアズールのだよね? アズールももうずっと前からルーのだよ。
なんて当然のように言われたら、そのままアズールを寝室に連れ込んでしまいたくなる。
くっ!
まだ早い!
アズールとの初夜を想像しただけで、拘束具を突き抜けるほどの勢いで押し上げてくる。
それを必死に押し留めていると、
「ルー? どうかした? 顔、怖いよ」
と言われてしまう。
「ああ、怖がらせたか? すまない」
「ううん。アズールが何も知らないからルーを困らせちゃったのかなって」
「いや、そんなことはない。アズールは今のままでいいんだ。必要な時になれば、私がちゃんと教えるからアズールは私のいうことだけを聞いていればいいんだ」
「ルーの言うことだけ?」
「そうだ。守れるか?」
「うん、大丈夫。だって、アズールはルーのだもんね」
「くっ――!」
ああ、こんなにも無自覚に煽られて、よくぞ耐えていられるものだと自分で自分を尊敬する。
拘束具の痛みとアズールの可愛さに耐えながら、なんとか話を終えた。
「アズール、また明日も来るからな。決して外には出てはいけないぞ。私がいない間に何か身体に変化があれば、どんなことでもいい。ヴェルナーやアリーシャ殿にすぐに伝えるように。いいか?」
「うん。わかった。ねぇ、ルー……」
「んっ? どうした?」
「あのね……ルーと結婚したら、ルーと夜もずっと一緒にいられるんだよね? こうやってルーが帰るのを見送らなくていいんだよね?」
「――っ!!! アズールっ!」
アズールの悲しげな表情に胸が痛くなる。
いつもこうやって見送りながらこんなことを思っていてくれたのか……。
私もアズールの元から帰るときはいつも後ろ髪を引かれる思いだったが、アズールも同じように私と離れることを寂しく思ってくれていたのだな。
「ああ、もちろんだとも。私たちが許嫁から、結婚して伴侶に変わったら……いや、それよりも先にアズールが完全な大人になったら、その日から私たちが離れることはなくなるよ。ずっと一緒だ」
「ほんと? わぁ! 早く大人になりたいな。アズール、ルーとずっと一緒にいたい」
「ああ、私もだよ。だが、それももう少しの辛抱だ。アズール、我慢できるな?」
「うん。アズール、大人になれるまで我慢できる。だから、もしアズールがお誕生日よりも先に大人になったらすぐに迎えにきてね」
「アズールっ!! ああ、飛んでくるから待っていてくれ」
アズールをギュッと抱きしめ、いつものように長い舌でアズールの唇を舐めるとそっと唇が開いて中へと誘われる。
余すところなくアズールの口内を堪能し、お互いの唾液を混ぜて飲み干す。
初めてアズールと唇を重ね合わせた時からの大事な習慣だが、これもアズールと身も心も奥まで繋がれば唇からの摂取はしなくても体調を崩すことはほとんどなくなるだろう。
それくらい体内にお互いの蜜を入れることは重要なことだからな。
とはいえ、もうすっかり習慣となったこのキスも止めることはないだろう。
なんせアズールが私とのキスを好いてくれているのだから。
<sideアズール>
結局完全な大人になる方法はよくわからなかったけれど、とにかくいつもと違うなと思ったらヴェルかお母さまに相談するようにと言われたから、それだけは忘れないようにしておこう。
ぼくの様子がいつもと違うとヴェルから言われたからか、ルーはいつもよりも遅くまで僕のそばにいてくれた。
昼間ルーがそばにいてくれるのももちろん嬉しいけれど、夜にルーと一緒にいられるのはなんだか特別な感じがしてウキウキする。
だから、年に数回あるかないかルーがお泊まりしてくれる日はウキウキが止まらないんだ。
やっぱり夜、寝ている時もずっと一緒にいられるのは幸せだもんね。
そして、朝起きて隣にいるのももっと嬉しい。
まぁ、朝起きたらすぐに帰っちゃうんだけど。
でも結婚したらルーと朝になってもずっと一緒なんだ。
ああ、楽しみすぎてたまらないな。
帰る前にいつものように唇を舐められて、口の中も念入りに舐められる。
これをしないと体調が悪くなると言われてからずっとやっているけれど、今となったらやらない日の方が寂しくてたまらない。
たっぷりと舐められて、今日も幸せだ。
ルーの唾液をコクンと飲み干すと、
あれ?
なんだかお腹の奥がむずむずする。
なんだろう?
さっき、ルーの食べていたお肉を少し食べさせてもらったからかな。
慣れていないものを食べたからお腹がびっくりしたのかもしれない。
うん。きっとそうだな
でもあのお肉……ママレードの味がしっかりついてて美味しかったな。
ふふっ。自分が作ったから余計にそう感じたのかもしれないけど。
明日はルーのために何を作ろうかな。
アズールに発情の兆候が見え始めた。
ということは、私たちの初夜が近いということだ。
ようやくアズールの全てを私のものにできる日が訪れるのだな……。
ああ、それを想像するだけでも昂ってしまうというのに、
――ルーはもうアズールのだよね? アズールももうずっと前からルーのだよ。
なんて当然のように言われたら、そのままアズールを寝室に連れ込んでしまいたくなる。
くっ!
まだ早い!
アズールとの初夜を想像しただけで、拘束具を突き抜けるほどの勢いで押し上げてくる。
それを必死に押し留めていると、
「ルー? どうかした? 顔、怖いよ」
と言われてしまう。
「ああ、怖がらせたか? すまない」
「ううん。アズールが何も知らないからルーを困らせちゃったのかなって」
「いや、そんなことはない。アズールは今のままでいいんだ。必要な時になれば、私がちゃんと教えるからアズールは私のいうことだけを聞いていればいいんだ」
「ルーの言うことだけ?」
「そうだ。守れるか?」
「うん、大丈夫。だって、アズールはルーのだもんね」
「くっ――!」
ああ、こんなにも無自覚に煽られて、よくぞ耐えていられるものだと自分で自分を尊敬する。
拘束具の痛みとアズールの可愛さに耐えながら、なんとか話を終えた。
「アズール、また明日も来るからな。決して外には出てはいけないぞ。私がいない間に何か身体に変化があれば、どんなことでもいい。ヴェルナーやアリーシャ殿にすぐに伝えるように。いいか?」
「うん。わかった。ねぇ、ルー……」
「んっ? どうした?」
「あのね……ルーと結婚したら、ルーと夜もずっと一緒にいられるんだよね? こうやってルーが帰るのを見送らなくていいんだよね?」
「――っ!!! アズールっ!」
アズールの悲しげな表情に胸が痛くなる。
いつもこうやって見送りながらこんなことを思っていてくれたのか……。
私もアズールの元から帰るときはいつも後ろ髪を引かれる思いだったが、アズールも同じように私と離れることを寂しく思ってくれていたのだな。
「ああ、もちろんだとも。私たちが許嫁から、結婚して伴侶に変わったら……いや、それよりも先にアズールが完全な大人になったら、その日から私たちが離れることはなくなるよ。ずっと一緒だ」
「ほんと? わぁ! 早く大人になりたいな。アズール、ルーとずっと一緒にいたい」
「ああ、私もだよ。だが、それももう少しの辛抱だ。アズール、我慢できるな?」
「うん。アズール、大人になれるまで我慢できる。だから、もしアズールがお誕生日よりも先に大人になったらすぐに迎えにきてね」
「アズールっ!! ああ、飛んでくるから待っていてくれ」
アズールをギュッと抱きしめ、いつものように長い舌でアズールの唇を舐めるとそっと唇が開いて中へと誘われる。
余すところなくアズールの口内を堪能し、お互いの唾液を混ぜて飲み干す。
初めてアズールと唇を重ね合わせた時からの大事な習慣だが、これもアズールと身も心も奥まで繋がれば唇からの摂取はしなくても体調を崩すことはほとんどなくなるだろう。
それくらい体内にお互いの蜜を入れることは重要なことだからな。
とはいえ、もうすっかり習慣となったこのキスも止めることはないだろう。
なんせアズールが私とのキスを好いてくれているのだから。
<sideアズール>
結局完全な大人になる方法はよくわからなかったけれど、とにかくいつもと違うなと思ったらヴェルかお母さまに相談するようにと言われたから、それだけは忘れないようにしておこう。
ぼくの様子がいつもと違うとヴェルから言われたからか、ルーはいつもよりも遅くまで僕のそばにいてくれた。
昼間ルーがそばにいてくれるのももちろん嬉しいけれど、夜にルーと一緒にいられるのはなんだか特別な感じがしてウキウキする。
だから、年に数回あるかないかルーがお泊まりしてくれる日はウキウキが止まらないんだ。
やっぱり夜、寝ている時もずっと一緒にいられるのは幸せだもんね。
そして、朝起きて隣にいるのももっと嬉しい。
まぁ、朝起きたらすぐに帰っちゃうんだけど。
でも結婚したらルーと朝になってもずっと一緒なんだ。
ああ、楽しみすぎてたまらないな。
帰る前にいつものように唇を舐められて、口の中も念入りに舐められる。
これをしないと体調が悪くなると言われてからずっとやっているけれど、今となったらやらない日の方が寂しくてたまらない。
たっぷりと舐められて、今日も幸せだ。
ルーの唾液をコクンと飲み干すと、
あれ?
なんだかお腹の奥がむずむずする。
なんだろう?
さっき、ルーの食べていたお肉を少し食べさせてもらったからかな。
慣れていないものを食べたからお腹がびっくりしたのかもしれない。
うん。きっとそうだな
でもあのお肉……ママレードの味がしっかりついてて美味しかったな。
ふふっ。自分が作ったから余計にそう感じたのかもしれないけど。
明日はルーのために何を作ろうかな。
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