116 / 288
第二章
ヴェルナーからの手紙※
しおりを挟む
<sideルーディー>
ヴェルナーにアズールを任せて、我慢に我慢を重ねて疲労困憊した身体をベッドに沈めていたが、シーツや部屋中に漂うアズールの残り香に気が昂って眠れそうにない。
こうなれば自分の匂いでアズールの匂いを消してしまうしかない。
ベッドの上で前を寛げて昂りを解放すれば、もうすでに限界まで昂ったモノがとうとう出番かとでもいうように飛び出してきた。
いやいや、まだまだ出番までは早すぎる。
あと数年は我慢しなければな。
だが、私の頭の中には昨夜のアズールの可愛い姿も声も鮮明に残っている。
それに何より、私の腕に触れたアズールの果実のような可愛い昂り。
おおよそこの世のものとは思えないような極上の感触だった。
あの可愛い昂りを私の長い舌でたっぷりと味わったら、一体どんな味がするのだろう……。
――ルー、なめて……。ねぇ……おいしぃ? もっと、なめて……
ぐぅ――っ!!
想像するだけで先端からタラタラと蜜が溢れてくる。
ああっ、アズール! アズール!!
私の舌で気持ちよさそうに身悶えるアズールを想像した途端、あっという間に限界を迎えてしまった。
ビュルビュルと大量の蜜が噴き出してくる。
昨夜もたっぷりと出したと言うのに、私の欲望の強さにただただ驚くが、アズールと出会ってから12年我慢しまくっている身体だ。
アズールと初夜を迎えるまではこの欲望は減ることはないだろう。
いや、この分だとアズールと無事に初夜を迎えた後ですら欲望は増しそうな気がする。
なんせ、相手はあのアズール。
無自覚に私を煽り翻弄する天才なのだから、私は一生アズールへの欲と戦い続けるに決まっている。
『神の御意志』である最強の獣人も、運命の番相手にはどうしたって勝てるわけがないのだ。
たっぷりと欲望を放ち、寝室中が己の蜜の匂いで充満する。
これならアズールを思い出さずにすみそうだ。
やっと身体を休められる。
そう思ってベッドに身体を沈めて深い眠りに落ちそうになった瞬間、
「ルーディーさまっ! ルーディーさまっ!!」
ただならぬ様子の爺が部屋に入ってきた。
部屋を叩くこともせずに飛び込んでくるなど、普段の爺なら、いや、たとえ何かがあったとしても考えられない行為だ。
眠りを妨げられたという怒りよりも、何が起こったのか知りたかった。
これほどまでに爺が慌てふためくのはアズールに関することに違いないと思ったからだ。
鉛のように重い身体を起き上がらせ寝室を出ると、爺がクッと眉を顰める。
ああ、私の蜜の匂いが強烈すぎたか。
だが、どうしようもない。
「どうした? 何があった?」
「ヴェルナーさまからルーディーさまにお手紙が参りました。早急に公爵邸に来られたしとのことでございます」
「なんだと?!」
ヴェルナーが私を呼びつけるなんて、とんでもない事態が起こったとしか考えられない。
私は差し出された手紙を受け取り、中を確認した。
「な――っ! アズールが?」
「ルーディーさま、アズールさまに何がおありになったのですか?」
「どうやらアズールに精通がきたようだ」
私の言葉に爺は驚きつつも、予想した通りといった表情をしている。
「――っ、なんとっ! ルーディーさまが懸念なさっていた通りですね」
「ああ、おそらく私との風呂が刺激になったのだろうが、問題はそこじゃない。どうやらアズールに偽の情報を与えたものがいるらしい」
「偽の情報、でございますか? それはどういうことでしょう?」
「それはまだわからぬ。直接会ってから話をしたいと言っている。すぐに公爵家に向かうぞ!」
「ルーディーさま。ご体調はまだお戻りではないのでしょう? お出かけになってもし万が一……」
「背に腹は変えられん。アズールの一大事だというのに、それを放置して寝られるわけもないだろう?」
「承知しました。すぐにお薬をお持ちいたしますので、それだけでもお飲みになってくださいませ」
「ありがとう、爺」
すぐにでも向かいたいがとりあえずは蜜の匂いを落とさなければ。
慌てて風呂に入り、匂い落としの石鹸で身体を清め、爺の出してくれた薬を飲んで急いで馬を走らせ公爵家に向かった。
アズールの部屋までの道のりがとてつもなく長く感じる。
階段を駆け上がり廊下をひたすら走り、アズールの部屋にようやく到着した。
「アズールっ!」
「ルーっ!!」
部屋に飛び込むと、アズールがソファーから私の胸にぴょんと飛び込んでくる。
「私が来るのを待っていてくれたのか?」
「うん。アズール、ルーに会いたかったの。ルーに会えて嬉しい!」
「アズール! 私も嬉しいよ! んっ?」
ほんのり薬の匂いがする。
これは……目を冷やす薬か?
いつもより赤みが増した瞳にかなり長時間涙を流したのだろうと推測する。
「ルー? どうかした?」
「い、いや。なんでもない。それよりも嬉しい知らせがあると聞いて飛んできたのだが、何があったのか教えてくれるか?」
「ふふっ。あのね……アズール、大人になったの」
「アズールが大人に? もしかして……」
「ふふっ。わかった? アズールのここから白い、えっとなんだっけ……あっ、蜜が出たの」
「――っ!!! そ、そうか。それは素晴らしいことだな」
アズールがズボンのソコを手で触れて見せるから、あの時の腕の感触を思い出して一気に昂りそうになる。
「ヴェルも喜ばしいことだって言ってくれたの。だから、ルーがお祝いに美味しいケーキを食べさせてくれるって。ルー、いい? 一緒に行ってくれる?」
「ぐぅ――!!! あ、ああ。もちろんだよ。今すぐに行こう!!」
「わぁーい!!」
上目遣いに私を見つめ嬉しそうに抱きついてくるアズールはいつもと同じように見えるが、薬で治さなければいけないほど泣いて目を腫らしていたのだ。
私がそばにいない間に一体何があったのだろう?
そっとヴェルナーに視線を送れば、今は何も聞くなと訴えているように見える。
そうだな。
今はアズールを喜ばせることを第一に考えるとするか。
ヴェルナーにアズールを任せて、我慢に我慢を重ねて疲労困憊した身体をベッドに沈めていたが、シーツや部屋中に漂うアズールの残り香に気が昂って眠れそうにない。
こうなれば自分の匂いでアズールの匂いを消してしまうしかない。
ベッドの上で前を寛げて昂りを解放すれば、もうすでに限界まで昂ったモノがとうとう出番かとでもいうように飛び出してきた。
いやいや、まだまだ出番までは早すぎる。
あと数年は我慢しなければな。
だが、私の頭の中には昨夜のアズールの可愛い姿も声も鮮明に残っている。
それに何より、私の腕に触れたアズールの果実のような可愛い昂り。
おおよそこの世のものとは思えないような極上の感触だった。
あの可愛い昂りを私の長い舌でたっぷりと味わったら、一体どんな味がするのだろう……。
――ルー、なめて……。ねぇ……おいしぃ? もっと、なめて……
ぐぅ――っ!!
想像するだけで先端からタラタラと蜜が溢れてくる。
ああっ、アズール! アズール!!
私の舌で気持ちよさそうに身悶えるアズールを想像した途端、あっという間に限界を迎えてしまった。
ビュルビュルと大量の蜜が噴き出してくる。
昨夜もたっぷりと出したと言うのに、私の欲望の強さにただただ驚くが、アズールと出会ってから12年我慢しまくっている身体だ。
アズールと初夜を迎えるまではこの欲望は減ることはないだろう。
いや、この分だとアズールと無事に初夜を迎えた後ですら欲望は増しそうな気がする。
なんせ、相手はあのアズール。
無自覚に私を煽り翻弄する天才なのだから、私は一生アズールへの欲と戦い続けるに決まっている。
『神の御意志』である最強の獣人も、運命の番相手にはどうしたって勝てるわけがないのだ。
たっぷりと欲望を放ち、寝室中が己の蜜の匂いで充満する。
これならアズールを思い出さずにすみそうだ。
やっと身体を休められる。
そう思ってベッドに身体を沈めて深い眠りに落ちそうになった瞬間、
「ルーディーさまっ! ルーディーさまっ!!」
ただならぬ様子の爺が部屋に入ってきた。
部屋を叩くこともせずに飛び込んでくるなど、普段の爺なら、いや、たとえ何かがあったとしても考えられない行為だ。
眠りを妨げられたという怒りよりも、何が起こったのか知りたかった。
これほどまでに爺が慌てふためくのはアズールに関することに違いないと思ったからだ。
鉛のように重い身体を起き上がらせ寝室を出ると、爺がクッと眉を顰める。
ああ、私の蜜の匂いが強烈すぎたか。
だが、どうしようもない。
「どうした? 何があった?」
「ヴェルナーさまからルーディーさまにお手紙が参りました。早急に公爵邸に来られたしとのことでございます」
「なんだと?!」
ヴェルナーが私を呼びつけるなんて、とんでもない事態が起こったとしか考えられない。
私は差し出された手紙を受け取り、中を確認した。
「な――っ! アズールが?」
「ルーディーさま、アズールさまに何がおありになったのですか?」
「どうやらアズールに精通がきたようだ」
私の言葉に爺は驚きつつも、予想した通りといった表情をしている。
「――っ、なんとっ! ルーディーさまが懸念なさっていた通りですね」
「ああ、おそらく私との風呂が刺激になったのだろうが、問題はそこじゃない。どうやらアズールに偽の情報を与えたものがいるらしい」
「偽の情報、でございますか? それはどういうことでしょう?」
「それはまだわからぬ。直接会ってから話をしたいと言っている。すぐに公爵家に向かうぞ!」
「ルーディーさま。ご体調はまだお戻りではないのでしょう? お出かけになってもし万が一……」
「背に腹は変えられん。アズールの一大事だというのに、それを放置して寝られるわけもないだろう?」
「承知しました。すぐにお薬をお持ちいたしますので、それだけでもお飲みになってくださいませ」
「ありがとう、爺」
すぐにでも向かいたいがとりあえずは蜜の匂いを落とさなければ。
慌てて風呂に入り、匂い落としの石鹸で身体を清め、爺の出してくれた薬を飲んで急いで馬を走らせ公爵家に向かった。
アズールの部屋までの道のりがとてつもなく長く感じる。
階段を駆け上がり廊下をひたすら走り、アズールの部屋にようやく到着した。
「アズールっ!」
「ルーっ!!」
部屋に飛び込むと、アズールがソファーから私の胸にぴょんと飛び込んでくる。
「私が来るのを待っていてくれたのか?」
「うん。アズール、ルーに会いたかったの。ルーに会えて嬉しい!」
「アズール! 私も嬉しいよ! んっ?」
ほんのり薬の匂いがする。
これは……目を冷やす薬か?
いつもより赤みが増した瞳にかなり長時間涙を流したのだろうと推測する。
「ルー? どうかした?」
「い、いや。なんでもない。それよりも嬉しい知らせがあると聞いて飛んできたのだが、何があったのか教えてくれるか?」
「ふふっ。あのね……アズール、大人になったの」
「アズールが大人に? もしかして……」
「ふふっ。わかった? アズールのここから白い、えっとなんだっけ……あっ、蜜が出たの」
「――っ!!! そ、そうか。それは素晴らしいことだな」
アズールがズボンのソコを手で触れて見せるから、あの時の腕の感触を思い出して一気に昂りそうになる。
「ヴェルも喜ばしいことだって言ってくれたの。だから、ルーがお祝いに美味しいケーキを食べさせてくれるって。ルー、いい? 一緒に行ってくれる?」
「ぐぅ――!!! あ、ああ。もちろんだよ。今すぐに行こう!!」
「わぁーい!!」
上目遣いに私を見つめ嬉しそうに抱きついてくるアズールはいつもと同じように見えるが、薬で治さなければいけないほど泣いて目を腫らしていたのだ。
私がそばにいない間に一体何があったのだろう?
そっとヴェルナーに視線を送れば、今は何も聞くなと訴えているように見える。
そうだな。
今はアズールを喜ばせることを第一に考えるとするか。
233
お気に入りに追加
5,339
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
婚約破棄?しませんよ、そんなもの
おしゃべりマドレーヌ
BL
王太子の卒業パーティーで、王太子・フェリクスと婚約をしていた、侯爵家のアンリは突然「婚約を破棄する」と言い渡される。どうやら真実の愛を見つけたらしいが、それにアンリは「しませんよ、そんなもの」と返す。
アンリと婚約破棄をしないほうが良い理由は山ほどある。
けれどアンリは段々と、そんなメリット・デメリットを考えるよりも、フェリクスが幸せになるほうが良いと考えるようになり……
「………………それなら、こうしましょう。私が、第一王妃になって仕事をこなします。彼女には、第二王妃になって頂いて、貴方は彼女と暮らすのです」
それでフェリクスが幸せになるなら、それが良い。
<嚙み痕で愛を語るシリーズというシリーズで書いていきます/これはスピンオフのような話です>
【完結】守護霊さん、それは余計なお世話です。
N2O
BL
番のことが好きすぎる第二王子(熊の獣人/実は割と可愛い)
×
期間限定で心の声が聞こえるようになった黒髪青年(人間/番/実は割と逞しい)
Special thanks
illustration by 白鯨堂こち
※ご都合主義です。
※素人作品です。温かな目で見ていただけると助かります。
【完結】ここで会ったが、十年目。
N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化)
我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。
(追記5/14 : お互いぶん回してますね。)
Special thanks
illustration by おのつく 様
X(旧Twitter) @__oc_t
※ご都合主義です。あしからず。
※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。
※◎は視点が変わります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
────────────
※感想、いいね、お気に入り大歓迎です!!
僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました
楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。
ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。
喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。
「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」
契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。
エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる