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第二章
忍耐力の限界
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<sideルーディー>
爺としばらく話をして、私は寝室に戻ったが
「――っ!!」
寝室に漂うアズールの匂いに思わず声をあげそうになってしまった。
きっとこれはブランケットに吸い付いていたアズールの甘い唾液の匂いだ。
アズールの寝室に入った時も同じような匂いを感じるが、私の寝室で同じ匂いを嗅ぐのはわけがちがう。
そもそもアズールが寝ているベッドには私の欲望の蜜をたっぷりと放っているのだから。
私の欲望の蜜の上でアズールが眠っている、その事実だけで興奮してしまうのだ。
いつもの癖で寝室でアズールの匂いを嗅いだら、すぐに昂りが反応してしまう。
今日だけは我慢しなければ!
はぁー、さっき飲んだ興奮を鎮めるハーブティーもアズールにかかれば意味をなさないのだな……。
まだ夜は長い。
眠れればあっという間なのだろうが、眠れるかどうか……。
それすらもわからない。
気合いを入れるしかないか。
「るー」
アズールの寝言が聞こえる。
夢の中でも私といてくれるのか。
そんな喜びを噛み締める前にすぐにアズールのそばに行かなければいけない。
アズールが寝言を出す時は少し眠りの浅い時だからな。
私はそっとベッドに身体を滑り込ませ、アズールの握っていたブランケットと交代するようにアズールに身体を近づけると、アズールは嬉しそうに鼻をすんすん言わせながら私に擦り寄ってきた。
まるで私が隣にいるのを確認しているようなその動きにただ黙って耐えるしかない。
なんせ、眠って少し体温の高くなったアズールから芳しい匂いがしているのだから。
これは汗か、それとも体臭かわからないが、なんともいい匂いがして私の昂りに刺激を与える。
このままだと昂りが暴発してしまいそうになるが、それでもここで耐えなければならないのはアズールが目を覚ましてしまった方が大変なことになってしまうからだ。
一人で眠っている時のアズールはブランケットだけで朝まで起きることはないが、私と一緒に寝た時だけは必ず途中で私が隣にいるかどうかを無意識に確認する。
その時に隣にいれば問題ないが、もしその時に私がいなければ泣きながら寝室を出てしまう。
理由はいまだにわからない。
アズール本人も自分が夜中にこのような行動をとっていることを知らないのだ。
アズールと夜を過ごすようになって初めてこの光景を見た時は驚いたが、アズールから蒼央の話を聞いて、もしかしたらと思った。
蒼央は常に一人で過ごしていたのだ。
誰かがそばにいて眠ることをしたことがない。
だから目を覚ました時に一人でいることが怖いのだろう。
ずっと一人でいることよりも、いたはずの人がいなくなる方が蒼央にとっては恐怖だったに違いない。
それが事実かはわからないが、眠りの浅くなった時に必ずアズールのそばにいてやるようにすると、寝室から出ていくようなことは一度もなかった。
だからこそ、この時間だけは絶対にどれだけ昂りが苦しくても、アズールの望むようにしてあげたいのだ。
まだアズールの心の中に辛い思いは消えてはいない。
いつか蒼央の辛い思い出が全て幸せで上書きされる日を夢見て、私はアズールのそばにい続けるときめた。
「ふふっ。いい、においー」
幸せそうに寝言をいうアズールを見つめながら、このまま深い眠りについてくれればいいと願っていると、
「ぐぅ――っ!!!」
突然昂りに途轍もない刺激を感じた。
な、なんだ?
恐る恐る視線を向けると、アズールの可愛い両足で昂りが挟まれているのが見える。
いや、ただ挟まれているだけではない。
アズールの小さくて可愛い足が何度も何度も擦り上げるのだ。
そのなんともいえない感触に私の昂りは限界に近づいている。
以前、アズールが私の昂りを誤って掴んでしまったことがあったから、アズールの手がイタズラをしないようにしっかりと見ていたというのにまさか今度は足でイタズラされるとは思いもしなかった。
寝ているとは思えないその心地良い動きに、すぐに離れなければと思っても身体が動くのを拒否してしまっている。
だがこのままいけば、暴発は間違いない。
もう一度ブランケットに身代わりを頼むしかないか。
だが、もうすっかり私の匂いは落ちてしまっている。
あれだけアズールが吸い付いていればそれも仕方のないことだ。
こうなったら、ここでやるしかない。
アズールの唇に私の舌をあて、ぺろぺろと舐めてやるとアズールの意識がそちらに向いたようで足の力が弱まった。
今のうちだ!
アズールの唇を舐め小さく開いたその唇に長い舌を滑り込ませ、中の唾液を交換して味わっている間に、ズボンをさげ凶悪なほどに大きくなった昂りに先程のブランケットを纏わせた。
アズールとキスをしながら昂りを扱けば、ただでさえ興奮していたのだからひとたまりもない。
あっという間に三度ほど蜜を放出して、ようやく治まった昂りからブランケットを取り除き、自分の舌の代わりにアズールの口にそのブランケットをあてがってやるとアズールは嬉しそうにそのブランケットに吸い付いた。
そして、そのまま深い眠りに落ちていった。
ふぅ……。
これで朝まで寝てくれるはずだ。
風呂といい、添い寝といい、今夜は本当に大変な夜だった。
それにしても今夜だけで何度蜜を放ったことだろう。
これだけ出しても一向に衰えることがないのだから、運命の番とは本当にすごい存在なのだな。
夜が明けるまでもう少し。
私の忍耐力もそろそろ限界だ。
爺としばらく話をして、私は寝室に戻ったが
「――っ!!」
寝室に漂うアズールの匂いに思わず声をあげそうになってしまった。
きっとこれはブランケットに吸い付いていたアズールの甘い唾液の匂いだ。
アズールの寝室に入った時も同じような匂いを感じるが、私の寝室で同じ匂いを嗅ぐのはわけがちがう。
そもそもアズールが寝ているベッドには私の欲望の蜜をたっぷりと放っているのだから。
私の欲望の蜜の上でアズールが眠っている、その事実だけで興奮してしまうのだ。
いつもの癖で寝室でアズールの匂いを嗅いだら、すぐに昂りが反応してしまう。
今日だけは我慢しなければ!
はぁー、さっき飲んだ興奮を鎮めるハーブティーもアズールにかかれば意味をなさないのだな……。
まだ夜は長い。
眠れればあっという間なのだろうが、眠れるかどうか……。
それすらもわからない。
気合いを入れるしかないか。
「るー」
アズールの寝言が聞こえる。
夢の中でも私といてくれるのか。
そんな喜びを噛み締める前にすぐにアズールのそばに行かなければいけない。
アズールが寝言を出す時は少し眠りの浅い時だからな。
私はそっとベッドに身体を滑り込ませ、アズールの握っていたブランケットと交代するようにアズールに身体を近づけると、アズールは嬉しそうに鼻をすんすん言わせながら私に擦り寄ってきた。
まるで私が隣にいるのを確認しているようなその動きにただ黙って耐えるしかない。
なんせ、眠って少し体温の高くなったアズールから芳しい匂いがしているのだから。
これは汗か、それとも体臭かわからないが、なんともいい匂いがして私の昂りに刺激を与える。
このままだと昂りが暴発してしまいそうになるが、それでもここで耐えなければならないのはアズールが目を覚ましてしまった方が大変なことになってしまうからだ。
一人で眠っている時のアズールはブランケットだけで朝まで起きることはないが、私と一緒に寝た時だけは必ず途中で私が隣にいるかどうかを無意識に確認する。
その時に隣にいれば問題ないが、もしその時に私がいなければ泣きながら寝室を出てしまう。
理由はいまだにわからない。
アズール本人も自分が夜中にこのような行動をとっていることを知らないのだ。
アズールと夜を過ごすようになって初めてこの光景を見た時は驚いたが、アズールから蒼央の話を聞いて、もしかしたらと思った。
蒼央は常に一人で過ごしていたのだ。
誰かがそばにいて眠ることをしたことがない。
だから目を覚ました時に一人でいることが怖いのだろう。
ずっと一人でいることよりも、いたはずの人がいなくなる方が蒼央にとっては恐怖だったに違いない。
それが事実かはわからないが、眠りの浅くなった時に必ずアズールのそばにいてやるようにすると、寝室から出ていくようなことは一度もなかった。
だからこそ、この時間だけは絶対にどれだけ昂りが苦しくても、アズールの望むようにしてあげたいのだ。
まだアズールの心の中に辛い思いは消えてはいない。
いつか蒼央の辛い思い出が全て幸せで上書きされる日を夢見て、私はアズールのそばにい続けるときめた。
「ふふっ。いい、においー」
幸せそうに寝言をいうアズールを見つめながら、このまま深い眠りについてくれればいいと願っていると、
「ぐぅ――っ!!!」
突然昂りに途轍もない刺激を感じた。
な、なんだ?
恐る恐る視線を向けると、アズールの可愛い両足で昂りが挟まれているのが見える。
いや、ただ挟まれているだけではない。
アズールの小さくて可愛い足が何度も何度も擦り上げるのだ。
そのなんともいえない感触に私の昂りは限界に近づいている。
以前、アズールが私の昂りを誤って掴んでしまったことがあったから、アズールの手がイタズラをしないようにしっかりと見ていたというのにまさか今度は足でイタズラされるとは思いもしなかった。
寝ているとは思えないその心地良い動きに、すぐに離れなければと思っても身体が動くのを拒否してしまっている。
だがこのままいけば、暴発は間違いない。
もう一度ブランケットに身代わりを頼むしかないか。
だが、もうすっかり私の匂いは落ちてしまっている。
あれだけアズールが吸い付いていればそれも仕方のないことだ。
こうなったら、ここでやるしかない。
アズールの唇に私の舌をあて、ぺろぺろと舐めてやるとアズールの意識がそちらに向いたようで足の力が弱まった。
今のうちだ!
アズールの唇を舐め小さく開いたその唇に長い舌を滑り込ませ、中の唾液を交換して味わっている間に、ズボンをさげ凶悪なほどに大きくなった昂りに先程のブランケットを纏わせた。
アズールとキスをしながら昂りを扱けば、ただでさえ興奮していたのだからひとたまりもない。
あっという間に三度ほど蜜を放出して、ようやく治まった昂りからブランケットを取り除き、自分の舌の代わりにアズールの口にそのブランケットをあてがってやるとアズールは嬉しそうにそのブランケットに吸い付いた。
そして、そのまま深い眠りに落ちていった。
ふぅ……。
これで朝まで寝てくれるはずだ。
風呂といい、添い寝といい、今夜は本当に大変な夜だった。
それにしても今夜だけで何度蜜を放ったことだろう。
これだけ出しても一向に衰えることがないのだから、運命の番とは本当にすごい存在なのだな。
夜が明けるまでもう少し。
私の忍耐力もそろそろ限界だ。
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