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第一章
己の欲望と不思議な名前
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<sideルーディー>
「あずーると、おふろに、はいれる?」
アズールの言葉に頭が理解する前に、一気に昂りが反応するのがわかった。
ズボンの中で痛いほど張り詰める昂りを長いジャケットがなんとか隠してくれていて、アズールに欲望に満ちた身体を見せずに済んで良かった。
以前も一緒に入りたいとせがまれた時に、子どもは大人と一緒に入らなければいけないと言ってなんとか誤魔化したのだが、まさかそれを覚えているとは思ってもみなかった。
成人して大人になったのだから一緒に入れるだろうと言われた時は、なんと言って断れば良いのか答えが出てこなかった。
だが、本当なら私だってアズールと一緒に風呂に入りたいのだ。
そして、アズールの服の下に隠れたものを全てこの目に焼き付けたい。
滑らかな肌に手を滑らせて、その吸い付くような肌の感触を味わいたい。
そんな思いはアズールが生まれてからずっと持ち続けている。
だが、それは現実にはやってはいけないのだ。
ようやく私は成人になったが、アズールはまだ子ども。
しかも成人になるまであと13年もある。
アズールが成人を迎えるまでは決して、己の欲望など見せてはいけない。
そう誓ったのだ。
ただ、アズールが寝ている時にこっそりと自分を慰めることだけは許してほしい。
なんといっても私は欲望に満ち溢れた若い雄なのだから。
しかもアズールにしか欲望を感じない身体なのだ。
そういう風に神がなさったのだからどうしようもない。
私はただひたすらにアズールが成長するのを待ち侘びるだけだ。
アズールは毎日母であるアリーシャ殿と風呂に入っている。
それは私がそう願ったのだ。
アズールの裸を見ていいのは伴侶である私とアズールを産んだアリーシャ殿だけ。
これは生まれてすぐにアズールと出会った時から取り決めたものだからヴォルフ公爵も守ってくれていることだろう。
そのアリーシャ殿がアズールと風呂に入るのを楽しみにしているのではないか。
だから今日はやめておこう
そう理由をつけるとアズールは素直に受け入れてくれた。
アズールもまたアリーシャ殿がどれだけアズールとの風呂を大切に思っているかをわかっているのだろう。
アズールをアリーシャ殿のもとに届け、急いで部屋の風呂に入る。
脱衣所で服を脱げば、とんでもないほど凶悪に育ち切った昂りが先端から蜜を滴らせながら刺激が与えられるのを待っているようだった。
本当にアズールに見られずに済んで良かった。
ホッと安堵の息を漏らしながら風呂場に入る。
とりあえず何度か蜜を出しておかねばな。
この数日、幾度かは蜜を出したがあまり出すとヴェルナーに不快な思いをさせると思い、満足いくまでは出してはいなかった。
伴侶以外の雄の匂いを近くでずっと浴びせるのは、伴侶のいる夫には辛いことだからな。
だからこそ、今日は自室で心行くまで出すはずだったのだが、思いがけずアズールと一緒に泊まることになってしまった。
今までで一番悶々とした気持ちでアズールのそばで寝るわけにはいかない。
この風呂場が私の邪な思いを受け止める場所なのだ。
アズールが戻ってくるまでにできるだけ多くの蜜を出しておこう。
一気に五度の蜜を出し、風呂場中が私の匂いでいっぱいになる。
少し落ち着いたところで髪と身体を洗って長旅の汚れを落とし、もう一度昂りに刺激を与える。
アズールの可愛らしい顔を思えばあっという間に昂るのだから、私がどれほどアズールを好いているのかがわかるだろう。
あの宿で薄衣を着て脱衣所に座っていた女たちを見ても、ピクリとも動かなかったがな。
なんの反応もなしではいくら生殖能力の高い獣人とはいえ、子を作るなど難しい。
なんせ、蜜の一滴も出ないのだからな。
あいつらのことを思い出しただけで少し萎える昂りの正直さに笑ってしまう。
やはり私の心と昂りは繋がっているのだろう。
この数日分の欲と、そして可愛いアズールのことを思い出しながら、もうとっくに二十回は超えただろう蜜を弾けさせた。
そして、アズールには気づかれないように蜜を綺麗に洗い流し、手のひらに残る蜜の匂いもしっかりと石鹸で落とした。
これで一晩はなんとかなるだろうか……。
いや、絶対に無理だと頭の中で警鐘を鳴らしているがこれ以上己の力ではどうすることもできない。
あとは気合いで乗り切るしかないな。
それとアズールが早く寝るのを待つしかない。
眠ってさえくれれば、夜が明けるまで乗り切れるはずだ。
よしっ!
やるぞ! やるしかないんだ!
そう自分を鼓舞しながら、急いで夜着に着替えアズールが戻ってくるのを待った。
ほかほかと温まったアズールは色白の頬をほんのり赤く染め、いつも以上に可愛らしい姿で私の手の中に戻ってきた。
それだけで昂り始める。
まだ早すぎだろう!
必死に叱咤しながら、アズールを寝室に連れて行く。
アリーシャ殿に任せてくれ! と言った手前、愚かな失態など起こさないようにしなければな。
なんとか早くアズールを寝かしつけよう。
あれだけ眠たそうだったから上手くいけば寝てくれるだろう。
ベッドに寝かし、私も隣に身体を滑らせると、
「ルー、だっこぉー」
と可愛らしく甘えてくる。
これだけでも結構クるが、抱っこをせがむときはもう相当眠いはず。
これならいけそうだ。
最後の手段で尻尾でアズールの身体を撫でると
「ふふっ。くすぐったい」
と言いながら、目を瞑り始めた。
キュッと尻尾の先を握られてゾクリと身体が震えたが、これくらいならなんとか堪えられる。
もう少しの辛抱だ。
必死に戦いを続けていると、
「きょうの、ぱーてぃー、たのしかった?」
と眠そうな声で聞いてくる。
「ああ、アズールのおかげで幸せな誕生日だったな。ありがとう」
柔らかな髪を撫でながらそういうと、目を瞑ったまま嬉しそうに笑顔を見せた。
「そういえばあの歌は、アズールが考えたのだったな。歌も上手だったし、アズールにそんな才能があったとは知らなかったな。素晴らしい歌だったぞ」
「ふふっ。よかった……あおの、おかげだね」
「あお? 誰だ、それは? アズール?」
突然出てきた聞いたことのない名前に驚いて聞き返してみたが、アズールはすでに夢の中。
あおとやらの正体を知ることはできなかった。
あお……あお……あお。
一体どこの誰なのだろう?
そのあおとやらがあのパーティーに大きく関わっているというのか?
とすれば、爺かマクシミリアンの知り合いか?
私は聞き馴染みのない不思議な名前をひたすら考え続けていた。
「あずーると、おふろに、はいれる?」
アズールの言葉に頭が理解する前に、一気に昂りが反応するのがわかった。
ズボンの中で痛いほど張り詰める昂りを長いジャケットがなんとか隠してくれていて、アズールに欲望に満ちた身体を見せずに済んで良かった。
以前も一緒に入りたいとせがまれた時に、子どもは大人と一緒に入らなければいけないと言ってなんとか誤魔化したのだが、まさかそれを覚えているとは思ってもみなかった。
成人して大人になったのだから一緒に入れるだろうと言われた時は、なんと言って断れば良いのか答えが出てこなかった。
だが、本当なら私だってアズールと一緒に風呂に入りたいのだ。
そして、アズールの服の下に隠れたものを全てこの目に焼き付けたい。
滑らかな肌に手を滑らせて、その吸い付くような肌の感触を味わいたい。
そんな思いはアズールが生まれてからずっと持ち続けている。
だが、それは現実にはやってはいけないのだ。
ようやく私は成人になったが、アズールはまだ子ども。
しかも成人になるまであと13年もある。
アズールが成人を迎えるまでは決して、己の欲望など見せてはいけない。
そう誓ったのだ。
ただ、アズールが寝ている時にこっそりと自分を慰めることだけは許してほしい。
なんといっても私は欲望に満ち溢れた若い雄なのだから。
しかもアズールにしか欲望を感じない身体なのだ。
そういう風に神がなさったのだからどうしようもない。
私はただひたすらにアズールが成長するのを待ち侘びるだけだ。
アズールは毎日母であるアリーシャ殿と風呂に入っている。
それは私がそう願ったのだ。
アズールの裸を見ていいのは伴侶である私とアズールを産んだアリーシャ殿だけ。
これは生まれてすぐにアズールと出会った時から取り決めたものだからヴォルフ公爵も守ってくれていることだろう。
そのアリーシャ殿がアズールと風呂に入るのを楽しみにしているのではないか。
だから今日はやめておこう
そう理由をつけるとアズールは素直に受け入れてくれた。
アズールもまたアリーシャ殿がどれだけアズールとの風呂を大切に思っているかをわかっているのだろう。
アズールをアリーシャ殿のもとに届け、急いで部屋の風呂に入る。
脱衣所で服を脱げば、とんでもないほど凶悪に育ち切った昂りが先端から蜜を滴らせながら刺激が与えられるのを待っているようだった。
本当にアズールに見られずに済んで良かった。
ホッと安堵の息を漏らしながら風呂場に入る。
とりあえず何度か蜜を出しておかねばな。
この数日、幾度かは蜜を出したがあまり出すとヴェルナーに不快な思いをさせると思い、満足いくまでは出してはいなかった。
伴侶以外の雄の匂いを近くでずっと浴びせるのは、伴侶のいる夫には辛いことだからな。
だからこそ、今日は自室で心行くまで出すはずだったのだが、思いがけずアズールと一緒に泊まることになってしまった。
今までで一番悶々とした気持ちでアズールのそばで寝るわけにはいかない。
この風呂場が私の邪な思いを受け止める場所なのだ。
アズールが戻ってくるまでにできるだけ多くの蜜を出しておこう。
一気に五度の蜜を出し、風呂場中が私の匂いでいっぱいになる。
少し落ち着いたところで髪と身体を洗って長旅の汚れを落とし、もう一度昂りに刺激を与える。
アズールの可愛らしい顔を思えばあっという間に昂るのだから、私がどれほどアズールを好いているのかがわかるだろう。
あの宿で薄衣を着て脱衣所に座っていた女たちを見ても、ピクリとも動かなかったがな。
なんの反応もなしではいくら生殖能力の高い獣人とはいえ、子を作るなど難しい。
なんせ、蜜の一滴も出ないのだからな。
あいつらのことを思い出しただけで少し萎える昂りの正直さに笑ってしまう。
やはり私の心と昂りは繋がっているのだろう。
この数日分の欲と、そして可愛いアズールのことを思い出しながら、もうとっくに二十回は超えただろう蜜を弾けさせた。
そして、アズールには気づかれないように蜜を綺麗に洗い流し、手のひらに残る蜜の匂いもしっかりと石鹸で落とした。
これで一晩はなんとかなるだろうか……。
いや、絶対に無理だと頭の中で警鐘を鳴らしているがこれ以上己の力ではどうすることもできない。
あとは気合いで乗り切るしかないな。
それとアズールが早く寝るのを待つしかない。
眠ってさえくれれば、夜が明けるまで乗り切れるはずだ。
よしっ!
やるぞ! やるしかないんだ!
そう自分を鼓舞しながら、急いで夜着に着替えアズールが戻ってくるのを待った。
ほかほかと温まったアズールは色白の頬をほんのり赤く染め、いつも以上に可愛らしい姿で私の手の中に戻ってきた。
それだけで昂り始める。
まだ早すぎだろう!
必死に叱咤しながら、アズールを寝室に連れて行く。
アリーシャ殿に任せてくれ! と言った手前、愚かな失態など起こさないようにしなければな。
なんとか早くアズールを寝かしつけよう。
あれだけ眠たそうだったから上手くいけば寝てくれるだろう。
ベッドに寝かし、私も隣に身体を滑らせると、
「ルー、だっこぉー」
と可愛らしく甘えてくる。
これだけでも結構クるが、抱っこをせがむときはもう相当眠いはず。
これならいけそうだ。
最後の手段で尻尾でアズールの身体を撫でると
「ふふっ。くすぐったい」
と言いながら、目を瞑り始めた。
キュッと尻尾の先を握られてゾクリと身体が震えたが、これくらいならなんとか堪えられる。
もう少しの辛抱だ。
必死に戦いを続けていると、
「きょうの、ぱーてぃー、たのしかった?」
と眠そうな声で聞いてくる。
「ああ、アズールのおかげで幸せな誕生日だったな。ありがとう」
柔らかな髪を撫でながらそういうと、目を瞑ったまま嬉しそうに笑顔を見せた。
「そういえばあの歌は、アズールが考えたのだったな。歌も上手だったし、アズールにそんな才能があったとは知らなかったな。素晴らしい歌だったぞ」
「ふふっ。よかった……あおの、おかげだね」
「あお? 誰だ、それは? アズール?」
突然出てきた聞いたことのない名前に驚いて聞き返してみたが、アズールはすでに夢の中。
あおとやらの正体を知ることはできなかった。
あお……あお……あお。
一体どこの誰なのだろう?
そのあおとやらがあのパーティーに大きく関わっているというのか?
とすれば、爺かマクシミリアンの知り合いか?
私は聞き馴染みのない不思議な名前をひたすら考え続けていた。
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