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第一章
甘やかな誘惑
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<sideルーディー>
アズールの可愛い舌を見た瞬間、理性を飛ばしてしまいそうになりながらも爺とマクシミリアンのことを思い出し、咄嗟に可愛いアズールを胸に隠した。
アズールにそんな意図がないことはわかっている。
ただ単純に火傷したところを見せてくれただけだ。
私が勝手にそれを見て昂ってしまっただけなのだ。
そして、それを爺とマクシミリアンには見せたくないと思ってしまったのだ。
きっと爺にもマクシミリアンにも私の思いは理解してもらえるはずだ。
可愛い舌を見た上に、アズールと密着している今の状況でズボンの中はとんでもない状況になろうとしているが、それを必死に抑えつける。
そして、必死に冷静を装って、アズールに火傷をさせて申し訳ないと詫びた。
大丈夫だと言ったくせに火傷をさせるなんて文句を言われても仕方のないことだ。
だが、アズールの反応は私の予想は大いにかけ離れていた。
「るー、ぺろぺろちたら、なおりゅ」
あろうことか、キラキラとした目でそんなことをサラリと言ってきたのだ。
今、アズールはなんといった?
私が、アズールが火傷をした舌を舐めれば、治る。
私が舐めれば治る。
私が……。
ゴクリと喉がなる。
よ、よし。
アズールがそう望むなら、願いを叶えてやるのが婚約者としての務めだ。
い、いや、ルーディー。
待つんだ!
相手はアズール。
何かの聞き間違いだと言うことも有り得る。
もう一度きちんと確認しなければ。
そうだろう?
昂る気持ちを抑え、声を震わせながら
「あ、アズール、な、舐めても、いいのか?」
と尋ねると、
「んー、らいろーぶ!」
と嬉しそうに、かつ自信満々に言い切った。
これは確実だ!
勘違いではない!
そう頭が認識した瞬間、私の舌がアズールの口内に向かって一目散に突っ込んでいった。
アズールは口を開けたまま動きもせず、ただ私の舌の動くままに自分の舌を舐められている。
ああ、甘い。
なんという甘さだろう。
アズールに舐められ、手のひらについたものは幾度となく舐めとってきたが、アズールの口内にあるものはそれよりもずっとずっと甘い。
この前のケーキの甘ったるさとは全く違う。
ずっと舐めていたい甘やかな味。
ああ、これほどの甘味がここにあったか……。
もう、一滴残らずアズールの唾液を飲み干してやれ!
それをアズールも望んでいるぞ!
そうでもなければ舐めて欲しいなどと言わないはずだ!
そんな悪魔の囁きを感じながら、私はひたすらに舌を舐め尽くした。
ピチャピチャと滴る涎の音さえも興奮する。
ああ、このまま時が止まればいい。
私は最初の目的も忘れてひたすら舐め続けた。
「ルーディーさま。その辺でおやめください!」
爺の声にハッと我に返り、アズールの口から舌を離したが、自分が何をしてしまったのか、理解するまでに時間を要した。
「アズールさまのお顔がルーディーさまの涎まみれになっていますよ」
その声に急いでアズールに目をやれば、アズールの口元どころか、頬や顎からも私の卑しい涎が滴り落ちているのが見える。
慌ててアズールに詫びを入れながら、さっとマクシミリアンが手渡してくれた濡れタオルで、私の涎まみれになったアズールの顔を拭った。
こんな狼獣人から長い舌で顔を舐めまわされるなんてこと、いくら私を好きだと言ってくれるアズールであっても、恐ろしい体験だったに違いない。
もしかしたら食われると思ったかもしれない。
いくら舐めていいと言われたとしてもこれはやりすぎだ。
流石に嫌われてしまったかもしれないと落ち込みながら尋ねたが、アズールはきょとんとした顔で、私が舐めたから痛くなくなったと言ってくれた。
ああ、なんということだ!
アズールは天使だな。
私の全てを許してくれる。
私はアズールのために、もっと理性を強く保てるようにしなければな。
<sideフィデリオ>
図らずも、ルーディーさまとアズールさまの初めての口付けを目撃することになってしまった。
正確には口付けではなく、アズールさまが一方的に舐められただけだが、唾液の交換をしたことに間違いない。
これは陛下とヴォルフ公爵に報告案件だな。
それにしても、まさかアズールさまの方からルーディーさまをお誘いになるような言葉を仰られるとは……。
いや、本当のところは、私の中ではほんの少し、アズールさま自身が舐めるというのをルーディーさまに報告しただけのような気もするが、あれはたとえ勘違いだったとしてもルーディーさまを責められはしないだろう。
あれを愛しい存在に言われれば、絶対にそう思うに決まっている。
とにかく、唾液の交換をなさったお二人だ。
結びつきは今までよりさらに強くなった。
そして、これからより一層、ルーディーさまの試練の日々が続く。
それにルーディーさまが打ち勝てるかが重要になるだろう。
アズールさまが成人するまであと17年。
そこまで持たせられるように見守り続けねば。
マクシミリアン!
これからお前の仕事っぷりが重要になってくる。
しっかりと頑張るのだぞ!
マクシミリアンに目で訴えると、マクシミリアンは少し身体を強張らせながらも、強くしっかりとした眼差しで私を見つめ返した。
アズールの可愛い舌を見た瞬間、理性を飛ばしてしまいそうになりながらも爺とマクシミリアンのことを思い出し、咄嗟に可愛いアズールを胸に隠した。
アズールにそんな意図がないことはわかっている。
ただ単純に火傷したところを見せてくれただけだ。
私が勝手にそれを見て昂ってしまっただけなのだ。
そして、それを爺とマクシミリアンには見せたくないと思ってしまったのだ。
きっと爺にもマクシミリアンにも私の思いは理解してもらえるはずだ。
可愛い舌を見た上に、アズールと密着している今の状況でズボンの中はとんでもない状況になろうとしているが、それを必死に抑えつける。
そして、必死に冷静を装って、アズールに火傷をさせて申し訳ないと詫びた。
大丈夫だと言ったくせに火傷をさせるなんて文句を言われても仕方のないことだ。
だが、アズールの反応は私の予想は大いにかけ離れていた。
「るー、ぺろぺろちたら、なおりゅ」
あろうことか、キラキラとした目でそんなことをサラリと言ってきたのだ。
今、アズールはなんといった?
私が、アズールが火傷をした舌を舐めれば、治る。
私が舐めれば治る。
私が……。
ゴクリと喉がなる。
よ、よし。
アズールがそう望むなら、願いを叶えてやるのが婚約者としての務めだ。
い、いや、ルーディー。
待つんだ!
相手はアズール。
何かの聞き間違いだと言うことも有り得る。
もう一度きちんと確認しなければ。
そうだろう?
昂る気持ちを抑え、声を震わせながら
「あ、アズール、な、舐めても、いいのか?」
と尋ねると、
「んー、らいろーぶ!」
と嬉しそうに、かつ自信満々に言い切った。
これは確実だ!
勘違いではない!
そう頭が認識した瞬間、私の舌がアズールの口内に向かって一目散に突っ込んでいった。
アズールは口を開けたまま動きもせず、ただ私の舌の動くままに自分の舌を舐められている。
ああ、甘い。
なんという甘さだろう。
アズールに舐められ、手のひらについたものは幾度となく舐めとってきたが、アズールの口内にあるものはそれよりもずっとずっと甘い。
この前のケーキの甘ったるさとは全く違う。
ずっと舐めていたい甘やかな味。
ああ、これほどの甘味がここにあったか……。
もう、一滴残らずアズールの唾液を飲み干してやれ!
それをアズールも望んでいるぞ!
そうでもなければ舐めて欲しいなどと言わないはずだ!
そんな悪魔の囁きを感じながら、私はひたすらに舌を舐め尽くした。
ピチャピチャと滴る涎の音さえも興奮する。
ああ、このまま時が止まればいい。
私は最初の目的も忘れてひたすら舐め続けた。
「ルーディーさま。その辺でおやめください!」
爺の声にハッと我に返り、アズールの口から舌を離したが、自分が何をしてしまったのか、理解するまでに時間を要した。
「アズールさまのお顔がルーディーさまの涎まみれになっていますよ」
その声に急いでアズールに目をやれば、アズールの口元どころか、頬や顎からも私の卑しい涎が滴り落ちているのが見える。
慌ててアズールに詫びを入れながら、さっとマクシミリアンが手渡してくれた濡れタオルで、私の涎まみれになったアズールの顔を拭った。
こんな狼獣人から長い舌で顔を舐めまわされるなんてこと、いくら私を好きだと言ってくれるアズールであっても、恐ろしい体験だったに違いない。
もしかしたら食われると思ったかもしれない。
いくら舐めていいと言われたとしてもこれはやりすぎだ。
流石に嫌われてしまったかもしれないと落ち込みながら尋ねたが、アズールはきょとんとした顔で、私が舐めたから痛くなくなったと言ってくれた。
ああ、なんということだ!
アズールは天使だな。
私の全てを許してくれる。
私はアズールのために、もっと理性を強く保てるようにしなければな。
<sideフィデリオ>
図らずも、ルーディーさまとアズールさまの初めての口付けを目撃することになってしまった。
正確には口付けではなく、アズールさまが一方的に舐められただけだが、唾液の交換をしたことに間違いない。
これは陛下とヴォルフ公爵に報告案件だな。
それにしても、まさかアズールさまの方からルーディーさまをお誘いになるような言葉を仰られるとは……。
いや、本当のところは、私の中ではほんの少し、アズールさま自身が舐めるというのをルーディーさまに報告しただけのような気もするが、あれはたとえ勘違いだったとしてもルーディーさまを責められはしないだろう。
あれを愛しい存在に言われれば、絶対にそう思うに決まっている。
とにかく、唾液の交換をなさったお二人だ。
結びつきは今までよりさらに強くなった。
そして、これからより一層、ルーディーさまの試練の日々が続く。
それにルーディーさまが打ち勝てるかが重要になるだろう。
アズールさまが成人するまであと17年。
そこまで持たせられるように見守り続けねば。
マクシミリアン!
これからお前の仕事っぷりが重要になってくる。
しっかりと頑張るのだぞ!
マクシミリアンに目で訴えると、マクシミリアンは少し身体を強張らせながらも、強くしっかりとした眼差しで私を見つめ返した。
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