41 / 288
第一章
まさか、な……。
しおりを挟む
<sideヴィルヘルム(ヴォルフ公爵)>
王子とアズールが公衆の面前でお互いに食べさせ合い、しかも王子がアズールの手を大きな舌でベロベロと舐めている姿に、招待客から批判が出ないかと心配になったが、あまりにもアズールが幸せそうに笑っていたこと、それに王子が理性を飛ばしアズールをあの鋭い牙で傷つけるような心配も一切見られなかったことから、皆、好意的に二人を見守ってくれたようだ。
獣人というのは兎角批判されやすい。
流石に王族であるから表立っての批判は少ないが、やはり見た目のインパクトが強いため、本来の意図とは違う意味で広まって誤解を生じることもある。
特に今回はアズールがウサギ族で尚且つ世にも珍しい真っ白なウサギで、かなりの庇護欲をそそる相手である上に、なんと言っても可愛らしい赤子だ。
それとは対照的にルーディー王子はまだ成人前とはいえ、並の大人よりも強い力を持ち、牙も鋭く大きい。
その二人が婚約者として一緒にいるのだから極力、性を感じさせるような接触は避けるべきであったのだが、人前で食べさせ合うという、言うなれば唾液の交換が行われたわけだ。
だからこそ、どうなるものかと思ったが、あまりのアズールの可愛らしさに、皆が魅入ってしまっていたのがよかったのだろう。
だからこそ、王子がアズールとダンスをしにいくと言っても皆が喜んで見守ってくれたのだ。
結果的にあの食べさせ合う行為は良いことであったが、だからと言ってクレイがやったことはそう簡単に許してはいけない。
「クレイ、なぜ呼ばれたかわかってるか?」
「……はい。申し訳ありません」
いつもはピンと張ったクレイの耳は、今はシュンと項垂れて先端が頭についてしまいそうな勢いだ。
「なぜ呼ばれたか、申してみよ」
「私がアズールに、自分の食べている料理を王子に分けるように促したことです」
「そうだ。お前は以前、同じようにアズールのを食べて、本当は不味くて必死に喉に流し込んだと言っていただろう? それをわざと王子に同じ目にあわせようとしたのか?」
「ちょっとしたイタズラのつもりだったのです……」
クレイは賢いと思っていたが、やはりまだ子どもなのだな。
「百歩譲ってイタズラを考えることは悪いことではない。その時にどういった対応をするかで、その者の本性を見破る場合もあるだろう。だが、それをこのヴンダーシューン王国の主要な貴族はもちろん、国王陛下までいらっしゃる、アズールの大事な1歳のお披露目会でやるべきことだったか?」
「――っ、そこまで、考えが及びませんでした。申し訳ありません……」
「本当に考えていないかったのだな。お前が王子にどのような反応を期待していたのか分からんが、もし、アズールの食事を食べて王子が吐き出したとしたら、どうなっていたと思う?」
「どうって……アズールが、悲しむとか……」
「はぁーっ。お前はそれくらいのものだと思っていたか? もし現実にそうなっていたら、アズールはこの上なく傷ついて手もつけられないほど大泣きしただろう」
「えっ……」
「考えてもみろ、アズールは自分の大事なものを分け与えたのだぞ。それをまずいと言って吐き出されてみろ。アズールはもう二度と人参を口にすることはないだろう。それだけならまだしも、おそらく他の食事すら、王子の前では一切食べなくなるだろうな。アズールのような小さな身体で食事をしなくなれば、すぐに衰弱して死んでしまうのだぞ。そして、運命の番を失った王子もそのまま……。そうなれば、ヴンダーシューン王国は跡継ぎも何もかも失うのだぞ。そこまでのことを想像しなかったか?」
私の言葉に、クレイの顔が一気に青褪めていく。
「父上……私は、なんて愚かなことを……」
「アズールの食事をあんなにも美味しそうに食べてくれた王子に感謝するのだな。王子のおかげで我々はアズールもそして、この国の未来も失わずに済んだのだ。クレイ、お前はアズールの兄なのだ。お前のイタズラのために、アズールに余計な涙を流させるな」
「申し訳、ございません……」
クレイの目からぽろっと涙が溢れるのを見て、ようやく心に響いたかと嬉しくなった。
「クレイ、わかれば良いんだ。お前はアズールの兄として、いつでも笑顔で居させられるように考えてくれ」
「はい。父上」
「そろそろ宴も終わる。自分の席に戻りなさい」
私の言葉にクレイはゆっくりと自席に腰を下ろした。
さて、そろそろお開きの時間だ。
いくつかのトラブルはあったが、なんとか無事に終えられそうだ。
「ヴォルフ公爵、少しいいか?」
「はい。王子、何かございましたか?」
「そろそろお開きだろう? アズールが最後に話をしたいと言うのだ」
「アズールが? まことでございますか?」
「ああ。自分のために集まってくれたと知って、お礼が言いたいのだそうだ。アズール、そうだったな?」
「あじゅーる、おれい、ちゅるーっ」
「――っ、そ、そうか。なら、私も一緒に」
「いや、アズールには私がそばにいる。ヴォルフ公爵は最後の挨拶をするが良い」
「承知しました。お声がけをいたしますので、しばらくお待ちください」
そういうと、二人で嬉しそうに席に戻って行った。
本当に王子はアズールの願いを全て聞き届けてやろうとしてくれる。
しかも、必ずアズールのそばにいてくださるのだからな。
アズールは本当に幸せ者だな。
「宴の最後に、本日の主役である我が息子アズールと、ルーディー王子からのご挨拶がございます。王子、どうぞ」
私の言葉に大広間中がしんと静まり返り、二人の姿を見つめている。
王子はアズールを大事に抱きかかえ、その場に立ち上がった。
だがアズールの姿はまだブランケットに入ったまま、ここからは見えない。
「さぁ、アズール。話をしていいぞ」
王子の言葉にブランケットから長い耳がぴょこんと飛び出てきた。
ピクピクと何度か震わせ、ようやくブランケットから顔を覗かせた。
「わぁっ!」
その可愛さに感嘆の声が漏れる。
その声にアズールは少々びくついていたが、王子を振り返ると安心したように笑い合った。
そして、正面を向くとゆっくりと口を開いた。
「いっちゃい、おいわい、うれちぃ。ちちぇくりぇちぇ、あいあと。あじゅーる、るー、らいちゅき。あじゅーる、るーと、じゅっちょ、いっちょ。るー、は、あじゅーるの、らから、られも、とっちゃ、らめらよ」
辿々しくも、アズールは一生懸命お礼と、王子への愛を語る。
いや、アズールには愛を語っているつもりはないのかもしれないが。明らかに皆に牽制をしているようだ。
アズールから王子を奪おうとする者はいないだろうが、アズール自身の口から、そうはっきりと言われたことで、王子への皆の態度は変わるだろうな。
もしかしたらアズールはそのことをわかっていいだしたのだろうか?
いや、まさか、な……。
王子とアズールが公衆の面前でお互いに食べさせ合い、しかも王子がアズールの手を大きな舌でベロベロと舐めている姿に、招待客から批判が出ないかと心配になったが、あまりにもアズールが幸せそうに笑っていたこと、それに王子が理性を飛ばしアズールをあの鋭い牙で傷つけるような心配も一切見られなかったことから、皆、好意的に二人を見守ってくれたようだ。
獣人というのは兎角批判されやすい。
流石に王族であるから表立っての批判は少ないが、やはり見た目のインパクトが強いため、本来の意図とは違う意味で広まって誤解を生じることもある。
特に今回はアズールがウサギ族で尚且つ世にも珍しい真っ白なウサギで、かなりの庇護欲をそそる相手である上に、なんと言っても可愛らしい赤子だ。
それとは対照的にルーディー王子はまだ成人前とはいえ、並の大人よりも強い力を持ち、牙も鋭く大きい。
その二人が婚約者として一緒にいるのだから極力、性を感じさせるような接触は避けるべきであったのだが、人前で食べさせ合うという、言うなれば唾液の交換が行われたわけだ。
だからこそ、どうなるものかと思ったが、あまりのアズールの可愛らしさに、皆が魅入ってしまっていたのがよかったのだろう。
だからこそ、王子がアズールとダンスをしにいくと言っても皆が喜んで見守ってくれたのだ。
結果的にあの食べさせ合う行為は良いことであったが、だからと言ってクレイがやったことはそう簡単に許してはいけない。
「クレイ、なぜ呼ばれたかわかってるか?」
「……はい。申し訳ありません」
いつもはピンと張ったクレイの耳は、今はシュンと項垂れて先端が頭についてしまいそうな勢いだ。
「なぜ呼ばれたか、申してみよ」
「私がアズールに、自分の食べている料理を王子に分けるように促したことです」
「そうだ。お前は以前、同じようにアズールのを食べて、本当は不味くて必死に喉に流し込んだと言っていただろう? それをわざと王子に同じ目にあわせようとしたのか?」
「ちょっとしたイタズラのつもりだったのです……」
クレイは賢いと思っていたが、やはりまだ子どもなのだな。
「百歩譲ってイタズラを考えることは悪いことではない。その時にどういった対応をするかで、その者の本性を見破る場合もあるだろう。だが、それをこのヴンダーシューン王国の主要な貴族はもちろん、国王陛下までいらっしゃる、アズールの大事な1歳のお披露目会でやるべきことだったか?」
「――っ、そこまで、考えが及びませんでした。申し訳ありません……」
「本当に考えていないかったのだな。お前が王子にどのような反応を期待していたのか分からんが、もし、アズールの食事を食べて王子が吐き出したとしたら、どうなっていたと思う?」
「どうって……アズールが、悲しむとか……」
「はぁーっ。お前はそれくらいのものだと思っていたか? もし現実にそうなっていたら、アズールはこの上なく傷ついて手もつけられないほど大泣きしただろう」
「えっ……」
「考えてもみろ、アズールは自分の大事なものを分け与えたのだぞ。それをまずいと言って吐き出されてみろ。アズールはもう二度と人参を口にすることはないだろう。それだけならまだしも、おそらく他の食事すら、王子の前では一切食べなくなるだろうな。アズールのような小さな身体で食事をしなくなれば、すぐに衰弱して死んでしまうのだぞ。そして、運命の番を失った王子もそのまま……。そうなれば、ヴンダーシューン王国は跡継ぎも何もかも失うのだぞ。そこまでのことを想像しなかったか?」
私の言葉に、クレイの顔が一気に青褪めていく。
「父上……私は、なんて愚かなことを……」
「アズールの食事をあんなにも美味しそうに食べてくれた王子に感謝するのだな。王子のおかげで我々はアズールもそして、この国の未来も失わずに済んだのだ。クレイ、お前はアズールの兄なのだ。お前のイタズラのために、アズールに余計な涙を流させるな」
「申し訳、ございません……」
クレイの目からぽろっと涙が溢れるのを見て、ようやく心に響いたかと嬉しくなった。
「クレイ、わかれば良いんだ。お前はアズールの兄として、いつでも笑顔で居させられるように考えてくれ」
「はい。父上」
「そろそろ宴も終わる。自分の席に戻りなさい」
私の言葉にクレイはゆっくりと自席に腰を下ろした。
さて、そろそろお開きの時間だ。
いくつかのトラブルはあったが、なんとか無事に終えられそうだ。
「ヴォルフ公爵、少しいいか?」
「はい。王子、何かございましたか?」
「そろそろお開きだろう? アズールが最後に話をしたいと言うのだ」
「アズールが? まことでございますか?」
「ああ。自分のために集まってくれたと知って、お礼が言いたいのだそうだ。アズール、そうだったな?」
「あじゅーる、おれい、ちゅるーっ」
「――っ、そ、そうか。なら、私も一緒に」
「いや、アズールには私がそばにいる。ヴォルフ公爵は最後の挨拶をするが良い」
「承知しました。お声がけをいたしますので、しばらくお待ちください」
そういうと、二人で嬉しそうに席に戻って行った。
本当に王子はアズールの願いを全て聞き届けてやろうとしてくれる。
しかも、必ずアズールのそばにいてくださるのだからな。
アズールは本当に幸せ者だな。
「宴の最後に、本日の主役である我が息子アズールと、ルーディー王子からのご挨拶がございます。王子、どうぞ」
私の言葉に大広間中がしんと静まり返り、二人の姿を見つめている。
王子はアズールを大事に抱きかかえ、その場に立ち上がった。
だがアズールの姿はまだブランケットに入ったまま、ここからは見えない。
「さぁ、アズール。話をしていいぞ」
王子の言葉にブランケットから長い耳がぴょこんと飛び出てきた。
ピクピクと何度か震わせ、ようやくブランケットから顔を覗かせた。
「わぁっ!」
その可愛さに感嘆の声が漏れる。
その声にアズールは少々びくついていたが、王子を振り返ると安心したように笑い合った。
そして、正面を向くとゆっくりと口を開いた。
「いっちゃい、おいわい、うれちぃ。ちちぇくりぇちぇ、あいあと。あじゅーる、るー、らいちゅき。あじゅーる、るーと、じゅっちょ、いっちょ。るー、は、あじゅーるの、らから、られも、とっちゃ、らめらよ」
辿々しくも、アズールは一生懸命お礼と、王子への愛を語る。
いや、アズールには愛を語っているつもりはないのかもしれないが。明らかに皆に牽制をしているようだ。
アズールから王子を奪おうとする者はいないだろうが、アズール自身の口から、そうはっきりと言われたことで、王子への皆の態度は変わるだろうな。
もしかしたらアズールはそのことをわかっていいだしたのだろうか?
いや、まさか、な……。
348
お気に入りに追加
5,346
あなたにおすすめの小説

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪

元捨て子の新米王子様、今日もお仕事頑張ります!
藤なごみ
ファンタジー
簡易説明
転生前も転生後も捨て子として育てられた少年が、大きく成長する物語です
詳細説明
生まれた直後に病院に遺棄されるという運命を背負った少年は、様々な境遇の子どもが集まった孤児院で成長していった。
そして孤児院を退寮後に働いていたのだが、本人が気が付かないうちに就寝中に病気で亡くなってしまいす。
そして再び少年が目を覚ますと、前世の記憶を持ったまま全く別の世界で新たな生を受ける事に。
しかし、ここでも再び少年は生後直ぐに遺棄される運命を辿って行く事になります。
赤ん坊となった少年は、果たして家族と再会する事が出来るのか。
色々な視点が出てきて読みにくいと思いますがご了承ください。
家族の絆、血のつながりのある絆、血のつながらない絆とかを書いて行く予定です。
※小説家になろう様でも投稿しております
僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました
楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。
ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。
喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。
「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」
契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。
エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。

糸目推しは転生先でも推し活をしたい
翠雲花
BL
糸目イケメン。
それは糸目男性にのみ許された、目を開けた時とのギャップから生まれるイケメンであり、糸那柚鶴は糸目男性に憧れていたが、恋愛対象ではなかった。
いわゆる糸目推しというものだ。
そんな彼は容姿に恵まれ、ストーキングする者が増えていくなか、ある日突然、死んだ記憶がない状態で人型神獣に転生しており、ユルという名で生を受けることになる。
血の繋がりのない父親はユルを可愛がり、屋敷の者にも大切にされていたユルは、成人を迎えた頃、父親にある事を告げられる──
※さらっと書いています。
(重複投稿)
悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
*
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、自らを反省しました。BLゲームの世界で推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる