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番外編

初詣に行こう!※ <前編> 周平&敬介Ver.

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涼平&朝陽で書いた番外編 <初詣に行こう!>の周平たちsideのお話です。
長くなったので前後編に分けます。
楽しんでいただけると嬉しいです♡


  *   *   *


<side周平>

「敬介」

「あっ、周平さん」

「待ち遠しくて迎えに来てしまったよ」

「ふふっ。嬉しいです」

普段忙しい日々を過ごしている私と敬介。
正月休みだけは暦通り休もうと決めていた。
やはり新年を迎えるときは愛しい人と一緒に過ごしたいものだからな。

「もう終わりか?」

「はい。全て総支配人に任せていますから、もう帰れますよ」

「じゃあ、ゆっくり過ごそう」

敬介を連れて、急いで自宅に戻る。
二人で住み始めた家は敬介のものや匂いに包まれて本当に心地が良い。

これから数日、時間を気にする事なく敬介と愛しあえると思うと幸せでたまらない。
すぐに敬介が欲しくなるが、そんなにガツガツして嫌われても困る。

夕食をとって落ち着いてから、寝室に誘おうか。

と思っていたのに、自宅に着いてすぐに

「周平さん……寝室に、連れて行って……」

と甘い言葉で誘われる。

愛しい敬介にそんなことを言われて我慢できるはずもなく、私は敬介を抱きかかえて寝室に向かった。

いつもなら、シャワーを浴びたいと言い出すのに、今日は惜しげもなく敬介の匂いを嗅がせてくれるなんて。
夢なら覚めないでくれ……。

そう願いながら、敬介を貪り尽くす。

唇のキスから始まり、身体中に花弁を散らし、ぷっくりと膨らんだ赤い実を口に含み、じわじわと蜜を溢す敬介の可愛らしい果実を咥え、滾った愚息を敬介の最奥に突き入れてたっぷりと蜜を注いだ。

それも一度では飽き足らず、何度も何度も注いでようやく落ち着いた愚息を引き抜いた時には、敬介は私の腕の中で意識を失っていた。

「ああ……っ、敬介……」

ぐったりと身を横たえる敬介の姿に申し訳なさが募るが、私の愛を抑えようがない。
優しい敬介なら許してくれるだろうか。

身体を清め、綺麗に敷いたシーツに裸で横たわり、眠る敬介の寝顔をみ続けた。

「ん……っ」

それから一時間ほど経った頃、敬介が目を覚まし水を飲ませてから、歯止めが効かなかったことを謝ったが、

「俺が誘ったんですよ。周平さんに愛されて嬉しいです」

と笑顔を見せてくれる。

ああ、こうやって敬介が優しいから私はついつい甘えてしまうんだ。

「ふふっ。こうして時間を気にせずに裸で抱き合えるって幸せですね」

「敬介……」

「あの、新年を迎える時もこうして裸で寄り添っていたいです。いいですか?」

「ああ、もちろんだよ。私は寄り添うだけでなく、敬介の中にいたいがそれでもいいか?」

「――っ、は、はい。もちろんです。俺も……そうしたいです」

「ああっ、敬介っ!!」

強く抱きしめると壊れてしまいそうなほど華奢な身体付きをしているのに、私の欲望について来てくれるなんて……。
本当に敬介と出会えて私は幸せだな。

「あれ?」

「んっ? どうした?」

「いえ、あそこに置いてある箱……みたことないなって……」

「箱? ああ、そうだった! 敬介があまりにも魅力的すぎてすっかり忘れていたよ。ちょっと待っていてくれ」

そう言って敬介の唇にキスを贈り、電気をつけ急いでテーブルの上に置いていた箱をとって戻ってきた。

「敬介? どうした?」

こちらを向いている敬介の顔が赤いことに気づいて、熱でもあるのかと心配したが、

「周平さんが……そんな、かっこいい裸見せるからですよ」

と言われてしまった。

どうやら、私の裸にドキドキしてくれたようだ。
今まで散々愛し合っていたというのに、なんて可愛いことを言ってくれるのだろう。

「敬介がかっこいいと言ってくれるのなら、問題ないだろう?」

「もうっ、これ以上欲しくなっちゃったら困るので、不意打ちの裸はダメです」

「ははっ。わかったよ」

とりあえず置いていたガウンを羽織り、敬介の元に戻る。

「これは、母から敬介への贈り物だ。今日、届いたんだ」

「えっ? お義母さんから?」

「ああ、開けてごらん」

梱包を開けた状態で渡してやると、敬介がゆっくりと起き上がるがたっぷりと愛しすぎて動くのも辛そうだ。

「悪い、私が支えよう」

さっと敬介の後ろに回り込み、覆うように抱きかかえながら起こしてやると、色白の肌に私がつけた赤い花弁が私の目に飛び込んでくる。

みていたらまた欲しくなるからな。
手を伸ばしてガウンを取り、敬介にも羽織らせる。

そうして、敬介が箱を開けるのを見守っていると、

「わぁっ! 綺麗っ!!」

中から出て来たのは、母が若い頃よく着ていた淡い空色の訪問着。
一緒に入っていた添え状には

<敬介くんに似合いそうな訪問着が出てきたの。これで初詣に行って写真をみせてね>

とかなり強制めいた文章が書かれていた。

確かに敬介に似合いそうだが、着てくれるだろうか?
敬介はそれをじっと見つめたまま微動だにしない。

「敬介、嫌なら無理しなくていい。母さんには私から――」
「俺、周平さんとこれを着て初詣に行きたいです!」

「えっ? 本当に? いいのか?」

てっきり恥ずかしがって着てくれないと思っていたのに。

「はい。ちょっと恥ずかしいですけど、これ着たら堂々と周平さんと外歩けるんですもんね。たまには楽しいじゃないですか」

そんな可愛いことを言ってくれる。

「ああ、じゃあこれを着て出かけようか。私が着付けをしよう」

「はい。でも、その代わり……周平さんも変装してくださいね」

「変装? だが、どうしたら……」

「ふふっ。俺に任せてください」

嬉しそうな、でも何かを企んでいるような敬介の顔に少し不安を覚えたが、それ以上に敬介と出掛けられることが嬉しくてたまらなかった。

そして、あっという間に元日。
イリゼホテル銀座のおせちを食べ、ゆったりとした時間を過ごしてからそろそろ出かけようかと支度に入る。

以前、朝陽くんに習ったというメイクはかなりのもので、和装用のウイッグと飾りをつけると、どこからどうみても女性にしか見えない。
しかもそんじょそこらの女性ではない。
仕事柄、モデルの女性や芸能人にも会う機会はあるが、彼女たちよりも遥かに美しい女性の姿だ。

そこに綺麗な空色の訪問着を着せると、眩いほどの着物美人が現れた。

「ああ……私の愛しい伴侶は最高だな」

「ふふっ。喜んでもらえて嬉しいですよ。さぁ、周平さんも準備してください」

「私も和装にしようか?」

「いえ、周平さんはこのスーツにしましょう」

敬介の選んでくれたスーツに身を包み、軽くメイクと付け髭をつけると、何やら既視感を覚える格好の自分が鏡に現れた。

「敬介……これは……」

「ふふっ。さぁ、行きましょう」

以前、倉橋くんの愛しい子を助けるのにした格好に似ている気がするが……。
まぁ、敬介が喜んでいるのならいいか。

嬉しそうな敬介を連れて、私は毎年初詣の恒例場所になっている神社に向かった。
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