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番外編
サプライズ <朝陽&それぞれの旦那たちside>
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「うわーっ、すごいっ!! こんな綺麗なドレス初めて見ました!!」
「どれでも気に入ったものを試着してみていいからね」
航くんは浅香さんの言葉に、嬉しそうにドレスの前に駆け出していって、ああでもない、こうでもないと悩みまくっている。
「こんなにたくさんあると迷っちゃうな……祐悟さんはどれが好きかなぁ……。砂川さん、どれがいいと思います?」
選びきれない様子で砂川さんに尋ねると、
「社長は藤乃くんが着る物ならどれも気に入りそうですけど、そうですね……足も綺麗だから、こっちの裾の短いドレスはどうですか?」
とミニスカートタイプのウエディングドレスのゾーンを指差した。
「えっ、こんなに短いドレス……僕なんかに似合いますか?」
航くんは少し難色を示していたけれど、
「ああっ!! 絶対似合うよ!! さすが悠真くん、わかってるね!」
「これとかピッタリだと思う!!」
と皐月さんと浅香さんにも言われて顔を綻ばせた。
「じゃあ、僕……それにしようかな」
と言うわけで航くんは浅香さんの選んだ前部分だけが膝丈で後ろが長いタイプの可愛らしいドレスを選んでいた。
これなら航くんの綺麗な足が目立っていい感じだ。
倉橋さん、そのまま襲わないといいけど。
「もう自分だと選びきれないかもしれないんで、お互いにどのタイプのドレスにするか選び合うのはどうですか?
タイプさえ決まれば、選択肢も減るし」
砂川さんの言葉にそうしようとみんなが賛同する。
「朝陽くんは絶対王道のプリンセスラインだよ!!」
「うん、間違いない!」
と言うことで俺のドレスタイプはあっという間に満場一致で決まった。
「敬介くんは……そうだな」
「浅香さんはこのエンパイアタイプのドレスが似合いそう」
「ああ、確かに!」
と胸下ですぐ切り替えのある、神話で女神さまが着ていそうなドレスに決まった。
「悠真くんは絶対これ!!」
皐月さんがさっと指差したドレスは上品な雰囲気漂うスレンダータイプのドレス。
ジョーゼットという少し重みのある素材感がストンとしたラインを作っていてとてもエレガントなドレスだ。
「皐月さんが仰るなら私はそれにします」
その言葉に皐月さんはものすごく嬉しそうな表情を見せている。
「じゃあ、みんな着替えてきて!」
皐月さんの言葉に俺たちはみんな驚いた。
「何言ってるんですか? 皐月さんも選ばないと!」
「ええーっ、私はもう年だし……」
「宗一郎さんも絶対見たいと思いますよ。皐月さんのドレス姿」
「そうですよ、先生! どれにします?」
「皐月さんならこれかな?」
そう言って砂川さんが指差したのはマーメイドラインの綺麗なドレス。
うん、確かにピッタリだ。
それぞれ決定したドレスに着替えるのもお互いに着せあいっこしてそれはそれで何気に楽しい。
やっぱり航くんは若いだけあって肌もツルツルで綺麗だ。
砂川さんは普段沖縄で過ごしているとは思えないくらいきめが細やかな肌をしている。
浅香さんは日焼けを全然したことないんだろうって思うくらい色白で、皐月さんも40歳を超えているとは思えないくらいプルプルの肌をしている。
みんな揃いも揃って全然毛も生えてないし、驚いてしまう。
前に浅香さんと砂川さんに脱毛してるんですか? と聞いたけど、一度もしたことないし髭も生えないと言っていたから、きっと体質なんだろう。
多分、皐月さんや航くんも。
まぁ俺も同じだけど。
「メイクはどうします?」
「せっかくだからやってみたいけどわからないしな」
「俺がやりますよ」
仕事柄ナチュラルメイクはいつもやっているし、慣れている。
ささっとみんなを終わらせて自分も完成したところで、皐月さんが宗一郎さんにメールを送った。
「すぐに来るって。ここから10分くらいだからもうすぐだよ」
何だかドキドキするなぁ。涼平さん、驚いてくれるかな?
✳︎ ✳︎ ✳︎
浅香のホテルに向かうと、フロントの従業員に[白鷺の間]にいると言われてその時少しおかしいなと思った。
だってみんなでお茶をしていると言っていたからてっきりレストランにでも迎えに行くと思っていたのに。
そう思ったのは俺だけじゃなかったようだ。
不思議に思いつつも、教授に続いてその場所へと向かった。
「[白鷺の間]、ここだな」
俺が扉を開けると、ピカッと照明が会場の舞台を照らした。
「なんだ?」
突然の演出に驚いていると、
「ああっ!!! 朝陽っ!!」
「敬介っ!!」
「悠真っ!!」
「皐月っ!!!」
と次々にみんなから声が上がる。
なんだ? と俺もそっちに目を向けると可愛らしいウエディングドレスを着て俺に笑顔を向けている航の姿があった。
「航っ!!!!」
気づけば、俺は航の元へと駆け出していた。
同様に蓮見たちも自分の恋人の前に駆け寄っている。
「航、この姿は一体……」
「祐悟さんにみてもらいたくて……似合いませんか?」
「何言ってるんだ! 似合いすぎてこのまま押し倒してしまいそうだ」
俺はドレス姿の航を一度ギュッと腕に閉じ込めてから、
「ああ、可愛い。じっくり見させてくれ」
目に焼き付けようと食い入るように眺めた。
「それにしてもドレスはいろんな形があるんだな。航はこの形がよく似合ってる」
細くて綺麗な足が見えて、すごくセクシーだ。
ああ、このドレス……買取したいな。
✳︎ ✳︎ ✳︎
一瞬自分の目を疑った。
倉橋が扉を開けた瞬間、飛び込んできたドレス姿の朝陽。
5人並んでいても俺には朝陽しか見えなかった。
結婚式の時はお揃いのタキシードを着た。
本当は朝陽のドレス姿も見てみたいと思っていたんだ。
まさか、その夢が叶うとは……。
一目散に朝陽の元へと駆けて行った。
「どう? 似合う?」
出会った時のままの変わらぬ笑顔で俺を見つめてくれる朝陽の瞳。
俺はこの瞳で見つめられるのが好きなんだ。
「ああ、よく似合うよ。ずっとドレスを着せたいと思ってた」
「ふふっ。そうだろうと思った」
「そうなのか?」
「うん。涼平さん、可愛い俺が好きだから」
「違うよ、朝陽だから好きなんだ」
俺はそう言って朝陽をお姫さま抱っこした。
ふんわりとしたドレスが広がって本当に可愛い。
「このドレス、よく似合ってるよ」
「ありがとう。みんなが選んでくれたんだ」
その言葉に秘かに朝陽用のドレスを作ろうと思ったのは内緒だ。
✳︎ ✳︎ ✳︎
扉が開いてすぐに飛び込んできた悠真の姿。
あまりにも綺麗すぎて本当に女神だと思った。
儚げですぐにでも天に連れていかれそうで急いで悠真の元へ向かった。
「伊織さん、似合いますか?」
「ああ。悠真は私のものだ。誰にも触れさせないよ」
そう言って悠真をギュッと抱きしめると、
「伊織さん……どうしたんですか?」
と悠真の戸惑った声が聞こえる。
「悠真があまりにも綺麗すぎておかしくなってるんです」
「ふふっ。そうなんですね。よかった、伊織さんを驚かせられて……ドッキリ大成功ですね」
そうやって可愛らしいことを言ってくれるのも私にだけだ。
悠真はどこまで私を幸せにしてくれるのだろうな。
✳︎ ✳︎ ✳︎
「敬介……」
ずっと着せたいと思っていたドレス。
ああ、こんなにも似合うなんて……。
「周平さん……どうですか?」
「似合いすぎて悔しいよ」
「えっ?」
「敬介に似合うものはいつでも私の服であって欲しいんだが……このドレスは敬介に本当によく似合ってる」
「じゃあ、俺のためにドレス作ってくれますか?」
「えっ……それって……」
「周平さんの作ってくれたドレスで結婚式あげたいです」
ほんのりと頬を染めながらの予期せぬ敬介からの言葉に嬉しすぎて倒れそうになった。
「周平さん、だめ……ですか?」
私の返事が遅れて不安げな表情の敬介に
「そんなわけない!! 嬉しすぎて答えられなかったんだ。すぐにでもたった一つのドレスを作るよ。
できたら結婚式を挙げよう」
というと、敬介は嬉しそうに笑いながらも、
「ドレス作りに夢中になって、俺を忘れないでくださいね」
と可愛らしく注意されてしまった。
✳︎ ✳︎ ✳︎
皐月から浅香くんと悠真くんの計画の相談をされた時、皐月もドレスをきてくれたら……と思っていた。
けれど、悠真くんたちのドレスに夢中の皐月が自分のことは考えていないことがわかったから、私は何も言わずにいた。
倉橋くんたちを連れてこっちにきた時も、みんなの驚く顔が見られればいいいと思っていた。
それが……まさか。
皐月のこんなにも美しい姿が見られるとは!
「宗一郎さん、どうですか? 若い子たちと並んで少し恥ずかしいんですけど」
「何言っているんだ。私には皐月しか見えてないよ。もっと良く見せてくれ。
ああ、皐月が神々しくておかしくなりそうだよ。こんなにも美しい人が私の伴侶とは……。私はなんて幸せなんだろうな」
「ふふっ。宗一郎さん……愛してますよ」
「ああ、私もだよ」
私は皐月を抱き上げた。
定年を過ぎたっていつまでも皐月を抱き上げられるように鍛えているんだ。
若いものにはまだまだ負けんぞ。
✳︎ ✳︎ ✳︎
その後、周平さんを除く4人からドレス買取の打診があり、それぞれ4人のデザイナーには西表イリゼにドレスを置くことを引き換えに同じデザインのドレスはもう作らないことを約束させた。
彼らは唯一無二となったそのドレスをいつまでも恋人に着せて楽しんだという。
「どれでも気に入ったものを試着してみていいからね」
航くんは浅香さんの言葉に、嬉しそうにドレスの前に駆け出していって、ああでもない、こうでもないと悩みまくっている。
「こんなにたくさんあると迷っちゃうな……祐悟さんはどれが好きかなぁ……。砂川さん、どれがいいと思います?」
選びきれない様子で砂川さんに尋ねると、
「社長は藤乃くんが着る物ならどれも気に入りそうですけど、そうですね……足も綺麗だから、こっちの裾の短いドレスはどうですか?」
とミニスカートタイプのウエディングドレスのゾーンを指差した。
「えっ、こんなに短いドレス……僕なんかに似合いますか?」
航くんは少し難色を示していたけれど、
「ああっ!! 絶対似合うよ!! さすが悠真くん、わかってるね!」
「これとかピッタリだと思う!!」
と皐月さんと浅香さんにも言われて顔を綻ばせた。
「じゃあ、僕……それにしようかな」
と言うわけで航くんは浅香さんの選んだ前部分だけが膝丈で後ろが長いタイプの可愛らしいドレスを選んでいた。
これなら航くんの綺麗な足が目立っていい感じだ。
倉橋さん、そのまま襲わないといいけど。
「もう自分だと選びきれないかもしれないんで、お互いにどのタイプのドレスにするか選び合うのはどうですか?
タイプさえ決まれば、選択肢も減るし」
砂川さんの言葉にそうしようとみんなが賛同する。
「朝陽くんは絶対王道のプリンセスラインだよ!!」
「うん、間違いない!」
と言うことで俺のドレスタイプはあっという間に満場一致で決まった。
「敬介くんは……そうだな」
「浅香さんはこのエンパイアタイプのドレスが似合いそう」
「ああ、確かに!」
と胸下ですぐ切り替えのある、神話で女神さまが着ていそうなドレスに決まった。
「悠真くんは絶対これ!!」
皐月さんがさっと指差したドレスは上品な雰囲気漂うスレンダータイプのドレス。
ジョーゼットという少し重みのある素材感がストンとしたラインを作っていてとてもエレガントなドレスだ。
「皐月さんが仰るなら私はそれにします」
その言葉に皐月さんはものすごく嬉しそうな表情を見せている。
「じゃあ、みんな着替えてきて!」
皐月さんの言葉に俺たちはみんな驚いた。
「何言ってるんですか? 皐月さんも選ばないと!」
「ええーっ、私はもう年だし……」
「宗一郎さんも絶対見たいと思いますよ。皐月さんのドレス姿」
「そうですよ、先生! どれにします?」
「皐月さんならこれかな?」
そう言って砂川さんが指差したのはマーメイドラインの綺麗なドレス。
うん、確かにピッタリだ。
それぞれ決定したドレスに着替えるのもお互いに着せあいっこしてそれはそれで何気に楽しい。
やっぱり航くんは若いだけあって肌もツルツルで綺麗だ。
砂川さんは普段沖縄で過ごしているとは思えないくらいきめが細やかな肌をしている。
浅香さんは日焼けを全然したことないんだろうって思うくらい色白で、皐月さんも40歳を超えているとは思えないくらいプルプルの肌をしている。
みんな揃いも揃って全然毛も生えてないし、驚いてしまう。
前に浅香さんと砂川さんに脱毛してるんですか? と聞いたけど、一度もしたことないし髭も生えないと言っていたから、きっと体質なんだろう。
多分、皐月さんや航くんも。
まぁ俺も同じだけど。
「メイクはどうします?」
「せっかくだからやってみたいけどわからないしな」
「俺がやりますよ」
仕事柄ナチュラルメイクはいつもやっているし、慣れている。
ささっとみんなを終わらせて自分も完成したところで、皐月さんが宗一郎さんにメールを送った。
「すぐに来るって。ここから10分くらいだからもうすぐだよ」
何だかドキドキするなぁ。涼平さん、驚いてくれるかな?
✳︎ ✳︎ ✳︎
浅香のホテルに向かうと、フロントの従業員に[白鷺の間]にいると言われてその時少しおかしいなと思った。
だってみんなでお茶をしていると言っていたからてっきりレストランにでも迎えに行くと思っていたのに。
そう思ったのは俺だけじゃなかったようだ。
不思議に思いつつも、教授に続いてその場所へと向かった。
「[白鷺の間]、ここだな」
俺が扉を開けると、ピカッと照明が会場の舞台を照らした。
「なんだ?」
突然の演出に驚いていると、
「ああっ!!! 朝陽っ!!」
「敬介っ!!」
「悠真っ!!」
「皐月っ!!!」
と次々にみんなから声が上がる。
なんだ? と俺もそっちに目を向けると可愛らしいウエディングドレスを着て俺に笑顔を向けている航の姿があった。
「航っ!!!!」
気づけば、俺は航の元へと駆け出していた。
同様に蓮見たちも自分の恋人の前に駆け寄っている。
「航、この姿は一体……」
「祐悟さんにみてもらいたくて……似合いませんか?」
「何言ってるんだ! 似合いすぎてこのまま押し倒してしまいそうだ」
俺はドレス姿の航を一度ギュッと腕に閉じ込めてから、
「ああ、可愛い。じっくり見させてくれ」
目に焼き付けようと食い入るように眺めた。
「それにしてもドレスはいろんな形があるんだな。航はこの形がよく似合ってる」
細くて綺麗な足が見えて、すごくセクシーだ。
ああ、このドレス……買取したいな。
✳︎ ✳︎ ✳︎
一瞬自分の目を疑った。
倉橋が扉を開けた瞬間、飛び込んできたドレス姿の朝陽。
5人並んでいても俺には朝陽しか見えなかった。
結婚式の時はお揃いのタキシードを着た。
本当は朝陽のドレス姿も見てみたいと思っていたんだ。
まさか、その夢が叶うとは……。
一目散に朝陽の元へと駆けて行った。
「どう? 似合う?」
出会った時のままの変わらぬ笑顔で俺を見つめてくれる朝陽の瞳。
俺はこの瞳で見つめられるのが好きなんだ。
「ああ、よく似合うよ。ずっとドレスを着せたいと思ってた」
「ふふっ。そうだろうと思った」
「そうなのか?」
「うん。涼平さん、可愛い俺が好きだから」
「違うよ、朝陽だから好きなんだ」
俺はそう言って朝陽をお姫さま抱っこした。
ふんわりとしたドレスが広がって本当に可愛い。
「このドレス、よく似合ってるよ」
「ありがとう。みんなが選んでくれたんだ」
その言葉に秘かに朝陽用のドレスを作ろうと思ったのは内緒だ。
✳︎ ✳︎ ✳︎
扉が開いてすぐに飛び込んできた悠真の姿。
あまりにも綺麗すぎて本当に女神だと思った。
儚げですぐにでも天に連れていかれそうで急いで悠真の元へ向かった。
「伊織さん、似合いますか?」
「ああ。悠真は私のものだ。誰にも触れさせないよ」
そう言って悠真をギュッと抱きしめると、
「伊織さん……どうしたんですか?」
と悠真の戸惑った声が聞こえる。
「悠真があまりにも綺麗すぎておかしくなってるんです」
「ふふっ。そうなんですね。よかった、伊織さんを驚かせられて……ドッキリ大成功ですね」
そうやって可愛らしいことを言ってくれるのも私にだけだ。
悠真はどこまで私を幸せにしてくれるのだろうな。
✳︎ ✳︎ ✳︎
「敬介……」
ずっと着せたいと思っていたドレス。
ああ、こんなにも似合うなんて……。
「周平さん……どうですか?」
「似合いすぎて悔しいよ」
「えっ?」
「敬介に似合うものはいつでも私の服であって欲しいんだが……このドレスは敬介に本当によく似合ってる」
「じゃあ、俺のためにドレス作ってくれますか?」
「えっ……それって……」
「周平さんの作ってくれたドレスで結婚式あげたいです」
ほんのりと頬を染めながらの予期せぬ敬介からの言葉に嬉しすぎて倒れそうになった。
「周平さん、だめ……ですか?」
私の返事が遅れて不安げな表情の敬介に
「そんなわけない!! 嬉しすぎて答えられなかったんだ。すぐにでもたった一つのドレスを作るよ。
できたら結婚式を挙げよう」
というと、敬介は嬉しそうに笑いながらも、
「ドレス作りに夢中になって、俺を忘れないでくださいね」
と可愛らしく注意されてしまった。
✳︎ ✳︎ ✳︎
皐月から浅香くんと悠真くんの計画の相談をされた時、皐月もドレスをきてくれたら……と思っていた。
けれど、悠真くんたちのドレスに夢中の皐月が自分のことは考えていないことがわかったから、私は何も言わずにいた。
倉橋くんたちを連れてこっちにきた時も、みんなの驚く顔が見られればいいいと思っていた。
それが……まさか。
皐月のこんなにも美しい姿が見られるとは!
「宗一郎さん、どうですか? 若い子たちと並んで少し恥ずかしいんですけど」
「何言っているんだ。私には皐月しか見えてないよ。もっと良く見せてくれ。
ああ、皐月が神々しくておかしくなりそうだよ。こんなにも美しい人が私の伴侶とは……。私はなんて幸せなんだろうな」
「ふふっ。宗一郎さん……愛してますよ」
「ああ、私もだよ」
私は皐月を抱き上げた。
定年を過ぎたっていつまでも皐月を抱き上げられるように鍛えているんだ。
若いものにはまだまだ負けんぞ。
✳︎ ✳︎ ✳︎
その後、周平さんを除く4人からドレス買取の打診があり、それぞれ4人のデザイナーには西表イリゼにドレスを置くことを引き換えに同じデザインのドレスはもう作らないことを約束させた。
彼らは唯一無二となったそのドレスをいつまでも恋人に着せて楽しんだという。
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