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番外編
触れ合いたい※
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久しぶりに瑞季視点。
瑞季の妊婦姿が見たいとリクエストをいただいたのでちょこっと書いてみました。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<side瑞季>
「哉藍、これは……」
「瑞季の新しい孕妇装だ。美しいだろう?」
ようやく悪阻の時期を終え、少しお腹が目立ってきた頃、哉藍は十数着の美しい孕妇装を私たちの部屋に運び入れた。柔らかく着心地の良さそうなそのドレスは全て私のために仕立てられた世界に一つだけのもの。あまりの美しさに私がうっとりしているのがわかるのか、お腹の子もさっきより元気に動いている気がする。
「え、ええ。それはとっても。ですが、多すぎです。つい数日前にもお出かけ用の衣装を下さったばかりですよ」
私の好きな淡い色味の美しい漢服に目を奪われてしまうが、ここはしっかりとお伝えしないと。まだお腹が少し大きくなったばかりだというのに、数日おきにこんなにも衣装を用意してもらっては出産の頃には一部屋が衣装で埋まってしまうかもしれない。
「あと数ヶ月で着られなくなってしまうものですから、そんなにたくさんは用意してくださらなくてもいいのですよ」
「何を言っているんだ? 瑞季の腹にいるその子はこの天翠帝国の皇帝である私の跡を継ぐ大事な子なのだぞ。そして、瑞季は私の愛しい伴侶。私の大事な二人を守る大事な衣装を作るのは伴侶として当然のことだ。腹の子は日に日に大きくなっているのだ。先週着ていた衣装が今週はもう着られないなんてこともあるかもしれない。私は瑞季が安心して過ごせる衣装を用意したいだけだ。私の気持ちは瑞季にとって迷惑なのか?」
「そんなっ、迷惑だなんて! 哉藍の気持ちはとても嬉しいです。ただ着られなくなってしまったらもったいない気がして……」
「さすが瑞季だな。そのようなことを考えてくれていたのか……。だがそのようなことは気にしないでいい。私が瑞季の衣装を仕立てることで民が潤うのだ。衣装だけではないぞ。私が瑞季と赤子のために用意したらしただけ民が潤うのだ。そうして、結果的に国が潤うことになる。だから何も気にしないでいい」
哉藍の言葉に驚いてしまうけれど、確かに哉藍が私のためにしてくれたことがすぐに城下で流行り、かなり活気づいていた。数ヶ月しか着ない服のためにもったいないと思ったけれど、それで城下が潤い、国が潤うならば私はその機会を奪ってはいけないのかもしれない。やっぱり哉藍は素晴らしい皇帝だ。私の浅はかな考えよりもずっと周りに目を向けていらっしゃる。
「哉藍。わかりました。この美しい衣装を喜んで着させていただきますね」
「おお、そうか、よかった。では、着て見せてくれぬか?」
「えっ? 今、ですか?」
「ああ。やっと出来たこの衣装をぜひ瑞季に着てもらいたいのだ。ダメか?」
縋るような目で見つめられると、ダメだなんて言えるわけがない。哉藍が私のために作ってくださった衣装なのだから。望んでくださるのなら、喜んで着よう。
「哉藍……手伝ってくださいますか?」
「ああ。喜んで」
哉藍はそれはそれは嬉しそうな表情で私の服に手をかけするりと脱がせていく。少しふっくらとしたお腹を優しく撫でてくれる。
「ここに私たちの子がいると思うと幸せでたまらないな」
「哉藍が触れてくださっているから、赤ちゃんも嬉しそうですよ」
「瑞季も嬉しいか?」
「ええ。それはもちろん。でも……」
「どうした?」
「もっと、奥まで触れてほしいです……」
「だが、それは……」
お腹に子ができて、重い悪阻が続いた私を心配して哉藍はいつも優しく抱きしめてくれていたけれど、決して身体をつなげようとはしなかった。それが私と赤ちゃんを守るためだとわかっていてもやっぱり哉藍と触れ合えないのは辛い。
「大丈夫です。先生にお尋ねしたら、激しくしなければいいんだそうですよ。特に、哉藍の蜜は私にもお腹の子にもいい栄養になるそうですから」
「そう、なのか?」
「はい。でも、優しくしてくださいね」
「――っ!! ああ、もちろんだとも」
私のお願いに、哉藍は新しい衣装に着替えることも忘れて、そのまま私を抱き上げて寝台に連れて行った。
「ああ……瑞季。この数ヶ月、ずっと触れたかった……特に、このぷっくりと膨らんだ赤い実に」
「ひゃあっん」
妊娠中のせいか、いつも以上に敏感になっている気がする。
「瑞季、可愛い……」
パクリと優しく喰まれるだけで身体の奥が疼く。
「せい、らん……っ、ここ……っ、おくに、ほ、しぃ……っ」
哉藍の手をとって、もうすっかりトロトロになっているそこに導くと哉藍の目に欲情の炎が見えた。
「優しくするからな」
興奮しつつも、優しい言葉を耳元で囁き、私を安心させてくれながらゆっくりと哉藍の大きな昂りが私の中に入ってくる。いつものように私を揺らしたり、最奥を激しく突いたりはしないけれど、哉藍のおっきなモノが入ってきて一つになっているというだけで私の中に安心感と心地よさが溢れてくる。
――妊娠中はとかく精神的に不安定になりがちですから、身体をお繋げになるだけで出産への不安も消えてしまいますよ。きっとお腹の御子さまもご両親が仲良くしていることに安心なさるのですよ。ですから、皇妃さまが不安だとお感じになったら、陛下の愛情をいただいたら良いのです。
先生の仰った通りだったな。哉藍の愛情が私を心から安心させてくれる。
「ああ……っ、せい、らん……っ」
小刻みに気持ちい箇所を擦られて、私はあっという間に蜜を溢した。
そんな私の姿にとろけるような笑顔を見せながら、哉藍も私の中に熱い蜜を吐き出してくれた。
「ああ……すごぃ。せい、らんのみつ、いっぱぃ……」
「瑞季……愛してるよ」
まだ中に入ったまま、哉藍からの甘い口付けに私はこの上ない幸せを感じた。
翌日目覚めるとほんの少しふっくらしていたお腹が、目に見えてわかるほどに大きくなっていた。
どうやら哉藍の蜜が本当に栄養になったみたいだ。
「すぐに瑞季の新しい孕妇装を仕立てよう」
大きくなったお腹を撫でる哉藍の声に反応するように、お腹がポコポコっと嬉しそうに動いていた。
瑞季の妊婦姿が見たいとリクエストをいただいたのでちょこっと書いてみました。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<side瑞季>
「哉藍、これは……」
「瑞季の新しい孕妇装だ。美しいだろう?」
ようやく悪阻の時期を終え、少しお腹が目立ってきた頃、哉藍は十数着の美しい孕妇装を私たちの部屋に運び入れた。柔らかく着心地の良さそうなそのドレスは全て私のために仕立てられた世界に一つだけのもの。あまりの美しさに私がうっとりしているのがわかるのか、お腹の子もさっきより元気に動いている気がする。
「え、ええ。それはとっても。ですが、多すぎです。つい数日前にもお出かけ用の衣装を下さったばかりですよ」
私の好きな淡い色味の美しい漢服に目を奪われてしまうが、ここはしっかりとお伝えしないと。まだお腹が少し大きくなったばかりだというのに、数日おきにこんなにも衣装を用意してもらっては出産の頃には一部屋が衣装で埋まってしまうかもしれない。
「あと数ヶ月で着られなくなってしまうものですから、そんなにたくさんは用意してくださらなくてもいいのですよ」
「何を言っているんだ? 瑞季の腹にいるその子はこの天翠帝国の皇帝である私の跡を継ぐ大事な子なのだぞ。そして、瑞季は私の愛しい伴侶。私の大事な二人を守る大事な衣装を作るのは伴侶として当然のことだ。腹の子は日に日に大きくなっているのだ。先週着ていた衣装が今週はもう着られないなんてこともあるかもしれない。私は瑞季が安心して過ごせる衣装を用意したいだけだ。私の気持ちは瑞季にとって迷惑なのか?」
「そんなっ、迷惑だなんて! 哉藍の気持ちはとても嬉しいです。ただ着られなくなってしまったらもったいない気がして……」
「さすが瑞季だな。そのようなことを考えてくれていたのか……。だがそのようなことは気にしないでいい。私が瑞季の衣装を仕立てることで民が潤うのだ。衣装だけではないぞ。私が瑞季と赤子のために用意したらしただけ民が潤うのだ。そうして、結果的に国が潤うことになる。だから何も気にしないでいい」
哉藍の言葉に驚いてしまうけれど、確かに哉藍が私のためにしてくれたことがすぐに城下で流行り、かなり活気づいていた。数ヶ月しか着ない服のためにもったいないと思ったけれど、それで城下が潤い、国が潤うならば私はその機会を奪ってはいけないのかもしれない。やっぱり哉藍は素晴らしい皇帝だ。私の浅はかな考えよりもずっと周りに目を向けていらっしゃる。
「哉藍。わかりました。この美しい衣装を喜んで着させていただきますね」
「おお、そうか、よかった。では、着て見せてくれぬか?」
「えっ? 今、ですか?」
「ああ。やっと出来たこの衣装をぜひ瑞季に着てもらいたいのだ。ダメか?」
縋るような目で見つめられると、ダメだなんて言えるわけがない。哉藍が私のために作ってくださった衣装なのだから。望んでくださるのなら、喜んで着よう。
「哉藍……手伝ってくださいますか?」
「ああ。喜んで」
哉藍はそれはそれは嬉しそうな表情で私の服に手をかけするりと脱がせていく。少しふっくらとしたお腹を優しく撫でてくれる。
「ここに私たちの子がいると思うと幸せでたまらないな」
「哉藍が触れてくださっているから、赤ちゃんも嬉しそうですよ」
「瑞季も嬉しいか?」
「ええ。それはもちろん。でも……」
「どうした?」
「もっと、奥まで触れてほしいです……」
「だが、それは……」
お腹に子ができて、重い悪阻が続いた私を心配して哉藍はいつも優しく抱きしめてくれていたけれど、決して身体をつなげようとはしなかった。それが私と赤ちゃんを守るためだとわかっていてもやっぱり哉藍と触れ合えないのは辛い。
「大丈夫です。先生にお尋ねしたら、激しくしなければいいんだそうですよ。特に、哉藍の蜜は私にもお腹の子にもいい栄養になるそうですから」
「そう、なのか?」
「はい。でも、優しくしてくださいね」
「――っ!! ああ、もちろんだとも」
私のお願いに、哉藍は新しい衣装に着替えることも忘れて、そのまま私を抱き上げて寝台に連れて行った。
「ああ……瑞季。この数ヶ月、ずっと触れたかった……特に、このぷっくりと膨らんだ赤い実に」
「ひゃあっん」
妊娠中のせいか、いつも以上に敏感になっている気がする。
「瑞季、可愛い……」
パクリと優しく喰まれるだけで身体の奥が疼く。
「せい、らん……っ、ここ……っ、おくに、ほ、しぃ……っ」
哉藍の手をとって、もうすっかりトロトロになっているそこに導くと哉藍の目に欲情の炎が見えた。
「優しくするからな」
興奮しつつも、優しい言葉を耳元で囁き、私を安心させてくれながらゆっくりと哉藍の大きな昂りが私の中に入ってくる。いつものように私を揺らしたり、最奥を激しく突いたりはしないけれど、哉藍のおっきなモノが入ってきて一つになっているというだけで私の中に安心感と心地よさが溢れてくる。
――妊娠中はとかく精神的に不安定になりがちですから、身体をお繋げになるだけで出産への不安も消えてしまいますよ。きっとお腹の御子さまもご両親が仲良くしていることに安心なさるのですよ。ですから、皇妃さまが不安だとお感じになったら、陛下の愛情をいただいたら良いのです。
先生の仰った通りだったな。哉藍の愛情が私を心から安心させてくれる。
「ああ……っ、せい、らん……っ」
小刻みに気持ちい箇所を擦られて、私はあっという間に蜜を溢した。
そんな私の姿にとろけるような笑顔を見せながら、哉藍も私の中に熱い蜜を吐き出してくれた。
「ああ……すごぃ。せい、らんのみつ、いっぱぃ……」
「瑞季……愛してるよ」
まだ中に入ったまま、哉藍からの甘い口付けに私はこの上ない幸せを感じた。
翌日目覚めるとほんの少しふっくらしていたお腹が、目に見えてわかるほどに大きくなっていた。
どうやら哉藍の蜜が本当に栄養になったみたいだ。
「すぐに瑞季の新しい孕妇装を仕立てよう」
大きくなったお腹を撫でる哉藍の声に反応するように、お腹がポコポコっと嬉しそうに動いていた。
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表紙と挿絵は、トリュフさん(@trufflechocolat)
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