鷹城先生の特別授業

波木真帆

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先生、教えて※ <後編>

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あっという間に弁当箱は空っぽになり、食後に持ってきたフルーツも食べ終わると、幸翔くんが

「あの、話をしてもいいですか?」

と意を決したような表情で私を見つめた。

「ここで話す? それともカーテンで仕切られたベッドに行こうか?」

目の前には大きな窓があり、ここからサッカーをしている生徒たちが見える。
話が聞こえたりすることはないが、知り合いがチラチラと視界に入ると話しづらいかもしれないと思ったのだ。

「あ、できたらあっちがいいです」

「わかった」

それほど話しにくい話なのか。
家族か、それとも友人か、恋人の話?
いくつか想像しながら彼を抱き上げ、カーテンで仕切られたベッドに座らせて私も隣に腰を下ろした。
カーテンを閉めると、そこはほぼ密室。
外からは何も見えない。

「幸翔くんが話したくなったら話してくれていいよ」

「は、はい。あの……僕……もうどうしていいのか、わからなくて……」

「うん。何か困っていることがあるんだね」

「はい。父さんも母さんも仕事で忙しいから、僕のことで心配かけたくなくて……」

「そうか、幸翔くんこそ優しいな。でもね、迷惑はかけるのは良くないけど、心配はかけてもいいんだよ。子どもなんだから。親は子どもが生まれてからずっといっぱい心配して、そして、親として強くなるんだ」

「先生……」

「だから心配かけたくないとは思わなくていいんだよ」

そういうと、彼の目から涙が溢れる。

「ごめんね、言い方がきつかったかな?」

「違うんです、先生が優しいから……」

私の胸に顔を寄せ、泣きじゃくる彼を抱きしめながら、彼の心を軽くしてやりたいとそればかり思っていた。

「落ち着いたかな?」

「はい……あの、僕……病気になってしまって……」

「えっ? 病気?」

思いがけない言葉に思わず大声が出た。
ビクッと震えた彼の身体を抱きしめながら、

「ごめん、驚かせたね。それで、病気って? どこが悪いって言われたんだ?」

「あの、違くて……親に心配かけたくなくて、まだ病院にいけてないんです」

「そうだったのか、それでどんな症状が出てるんだ? 私の専門なら病院ですぐに検査しよう」

「あの……それが……」

「んっ?」

症状を聞くと顔を真っ赤にして、言い出しにくそうにしている。

「私は医師だから恥ずかしがらなくていいよ」

「は、はい。あの………んが……はれて……」

「ごめん、うまく聞き取れなくて、どこが腫れてるんだ?」

「あの、だから……おちん、ちんが……はれて、おっきくなってて、朝、起きたら、白いのが、出てて……怖くて…
…」

「えっ……」

今、なんて言った?
おちんちんが、腫れて大きくなって、朝起きたら、白いのが出ててって……それって……。

「やっぱり、怖い病気なんですね……僕、どうしたらいいか、わからなくて……」

ああ、今どきこんなにも純真無垢な高校生男子がいるとは……。
これはまた驚いたな。

「大丈夫。それは病気じゃないよ」

「えっ、病気、じゃない? 本当ですか?」

「ふふっ。私は医者だよ。嘘は言わないよ」

「でも、じゃあ……あれはなんですか?」

今が彼にとって良い性教育の時間だろう。
というか、保健の時間に学習をしているだろうがな。
まぁ受験科目でもないし、そこまで時間をかけてやらなかったのかもしれない。
なんせ最難関コースだからな。

「あれは、身体が大人になった証かな」

「大人になった、証……」

「そう。君の下着についた白いものは精液なんだ。おちんちんの下にある睾丸で精子が日々作られて、寝ている時に出てしまうことがある。でもそれは病気じゃないから心配しないでいい」

「そうなんですね……でも、寝ている間に出ないようにするにはどうしたらいいんですか?」

「それは……時々自分で刺激を与えて出してやるといい」

「えっ、自分で? そんなことできるんですか?」

目を丸くして驚いているが、君の歳ならみんな普通にやっているだろうな。
それこそ、君の幼馴染も。

まぁ確かに幼馴染とそんな話はしないか。
こんなにも無垢な子なら尚更言いにくかったのかもしれない。

「ああ、綺麗な手でおちんちんを握って上下に擦ってあげると、大きくなって快感を得られるようになる。そうしたら、先端から精液が出てくるよ」

とりあえず端的に話してみたが、わかるだろうか?

「あの……実践で教えてもらえませんか?」

「えっ、実践って……それは、流石に……」

「だめ、ですか?」

「――っ、いや……だめというか、幸翔くんは私が触れても大丈夫なのか?」

「はい。だって、先生はお医者さんですもんね」

にっこりと言われたら、それ以上返す言葉もない。

「幸翔くんがいいなら、じゃあ実践してみようか……」

「はいっ。あの、どうしたらいいですか?」

「とりあえず、その短パンと下着を脱いでごらん。って、自分では難しいか」

捻挫しているんだもんな。

「私が手伝ってもいいか?」

「はい。お願いします」

彼を抱き上げてお尻を浮かせている間にズボンと下着に手をかけて下ろし脱がせた。
長い体操服の裾がギリギリ彼のモノを隠しているが、それがとてつもなく興奮する。

「顔を見ながらだと恥ずかしいかもしれないから後ろに回るよ」

「は、はい」

彼を抱き上げ、ベッドのヘッドボードに背中をつけて座り、投げ出した足の間に幸翔くんを座らせて後ろから抱きかかえる。

「大丈夫か? このまま続けても?」

「は、はい。大丈夫です」

「じゃあ、触るよ」

ポケットに入れていたハンドクリームを手のひらに纏わせてからそっと手を彼の股間に伸ばし、体操着の下に隠れていたモノに触れる。

「ひゃあっ!!」

「――っ!!」

私の手のひらにすっぽりと包み込めるほどの小さな果実のような可愛いモノ。
柔らかさの中に芯があって、彼がすでに興奮しているのがわかる。

「大丈夫か?」

「だ、大丈夫です」

「少し動かすよ」

「は、はい」

ハンドクリームが熱を帯びてほどよい粘り気をだし、滑りがいい。
ゆっくりと上下に扱いてあげると、クチュクチュといやらしい音を立てる。

「あっ、あっ、やぁ――っ、な、んか、おか、しくなっちゃ、う……っ、やぁんっ、だめぇ……っ」

「それでいいんだ。そのまま感じていたらいい」

少しずつ速度を上げてやると、

「ひゃぁっん、だめぇ……っ、ああっ、やぁっ……こわぃっ、なん、か、くるぅ……っ!」

と言いながらも腰が動いている。

ああ、もうなんて可愛いんだ!
私の手で初めての快感を得ようとしている彼が愛おしくてたまらない。

「ああ、っ…だ、めっ……ああ――っ!!」

限界を迎えた彼がそう叫んだ瞬間、可愛い果実の先端からピュルピュルピュルと蜜が弾け飛んだ。
その蜜を全て手のひらで受け止めたが、その温もりがなんとも心地いい。

幸翔くんは初めての快感にぐったりと力が抜けたようで、私の胸に全てを預けて寄りかかっている。
その重みが私を幸せにしてくれる。

「幸翔くん、大丈夫?」

「は、い……何かが、パーンって弾けた気がしました……」

「ふふっ。それは、これかな」

そう言って手のひらの彼が飛ばした精液を見せると、

「これが、精液ですか?」

「ああ、下着についていたものと同じだろう?」

粘り気のある白い精液を目の前で見せてやると、本当だ……と小さく呟いた。

「こうやって、時々出してやるといいよ」

「時々って……どれくらいですか?」

「うーん、そうだな。個人差があるからなんとも言えないが、高校生なら週に2~3回くらいはしているんじゃないかな?」

「えっ、そんなに?」

「だけど、幸翔くんの場合は今までしたことがなかったわけだから、週に一度くらいでもいいんじゃないかな」

「週に一度……」

「ああ、ちょっと待ってて。濡れタオルをもってくるから」

彼をその場に残し、私はタオルを持ってキッチンスベースでお湯に濡らし、少しだけ緩めに絞って彼の元に戻った。

「カーテン開けるよ」

そう声をかけて中に入ると、

「――っ、幸翔くん?」

彼が自分のモノを握り、扱いているのが見えた。

「ごめん、邪魔したかな?」

「あっ、違うんです。自分でするなら、さっき先生にしてもらったようにできるようにならないとって思ったんですけど……」

「どうだった?」

「全然、さっきと違くて気持ちよくないんです……」

「――っ!! それは……」

「どうしてですか? どこか違うか、教えてください」

彼は頭がいいから、わからないことをそのままにしておきたくないんだろうがそれはきっと……。

「ちょっといいかな?」

すっかり萎えてしまった可愛いモノにそっと触れると、

「ひゃあっ!!」

それだけで一気に芯をもつ。

「あっ、硬くなってる! すごいっ! なんでだろう?」

「それに答える前に質問してもいいかな?」

「はい。なんですか?」

「もし、こうやって触れたのが、そうだな……君の幼馴染の大輔くんならどうだろう? 想像できるかな?」

「えっ、大輔だったら……?」

すると、あっという間に彼の可愛いモノが萎えていく。

「それは……っ、触れられるのは、嫌かも」

「でも、私ならいいのかな?」

「はい。だって先生だから……」

「じゃあ、いつもの保健室の先生はどうかな?」

「えっ……それは、嫌です……あっ、どうしてだろう?」

やっぱりな。
きっと彼は本能で私を選んだんだ。
私だから反応もするし、私だから感じてくれた。

彼が悩んでいる間に彼の可愛い果実をタオルで拭い、下着と短パンを穿かせてあげる。
その間も彼はずっと考えているようだった。

「ふふっ、教えてほしい?」

「はい。教えて欲しいです」

「――っ!!!」

キラキラと目を輝かせながらそんなことを言われたら、もう抑えが効かなかった。

ベッドに腰を下ろし、彼を抱きしめながら耳元で囁く。

「幸翔くんが、私を好きだからだよ。だから、私だけに触れて欲しいんだ」

「僕が、先生を、好き?」

「ああ、そうだ。そうじゃなきゃ、そんな大事なところを触れて欲しいだなんて思わないだろう?」

「でも、僕も先生も男で……」

「人を好きになるのに性別なんて関係ないよ。私も幸翔くんが好きだよ」

「先生も、僕を、好き?」

「ああ、きっと一目惚れだったんだろうな」

「先生……っ」

潤んだ瞳で見上げられ、気づけば吸い寄せられるように彼の唇を奪っていた。

「んんっ……」

小さくて形の良い唇に重ねるだけの軽いキス。
それでも私は今までに感じたことのないくらいに興奮していた。

「どうだった?」

「ドキドキ、しました……」

「ふふっ。私もだよ」

「先生……っ、僕も……先生が好き、みたいです」

みたい、か……。
まぁ今はそれでいい。
卒業まではそれで。

これからたっぷりと時間をかけて、私だけのものにしよう。
やっと見つかった、一生の恋人なのだから。
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