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私にも……※
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<sideジュア皇帝>
愚息がミオの顔の上に並んでいる。
興奮せずにいられないその光景に理性が飛んだ。
それでも必死に抑えようとしたが、その一瞬で一気に昂りを増した愚息はこれまでの我慢を一気に爆発させてしまった。
欲を出したことに一瞬の快楽はあったが、気づけば、ミオの可愛らしい顔が愚息から溢れた欲望の蜜に塗れている。
「うわぁーっ!! ミオっ!! 申し訳ない!!」
慌てて自分の脱ぎ捨てた服で拭おうとしたが、乾いたもので拭ってもミオの顔に撫で付けることになるだけだ。
「風呂場に! 風呂場に連れて行こう!」
突然のことに茫然としているのか身動きひとつしないミオを抱きかかえて、風呂場に駆け込んだ。
ああ、もうおしまいだ。
こんな蜜を、しかも大量に顔にかけられて嫌にならないわけがない。
せっかくミオが私と愛し合おうと言ってくれたというのに。
堪え性のない己の欲望のせいでもう全てが終わってしまった。
「ミオ……怒ったか? いや、怒らないわけがないな……。どれだけ謝っても足りないが、本当に申し訳ない」
シャワーを出しながら、未だ反応のない腕の中のミオに視線を落とすと、ミオは顔についた私の蜜を自分の手で拭い取っていた。
「ミオ、あの……」
顔だけでなくミオの美しい手まで私の欲望で汚してしまったことに申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
しかし目があったミオは私に変わらぬ笑顔を見せてくれた。
「ジュア! すごいです! 発見がありましたよ! この世界の精液って甘いんですね!」
「えっ?」
てっきりもう口に聞いてくれないくらい怒っていると思っていた。
それがなぜだか目の前のミオは怒る様子どころかむしろ嬉しそうな表情を見せ、しかも目を輝かせている。
「ジュアは知ってましたか? こんなに甘いって」
「えっ、あ、そうだな。書物に書かれていたのを読んだことがある。運命の相手に触れられて出した蜜は甘くなるそうだ」
「へぇー、そうなんですね。それじゃあ。今までは甘くなかったんですか?」
今まで……ミオと出会う前にも己の欲望を自分で発散させるときはもちろんあった。
ミオの存在を知るまではそこまで頻繁ではなかったが、ミオの存在を知ってからは毎日欲望を抑えることができなくなっていた。日々の鍛錬のあと風呂に入るたびに、ミオの美しい顔が浮かんできては興奮してそれを抑えられず発散させる。
その繰り返しだった。欲望を溜めれば溜めるほど濃い匂いを出すから、浴室には私の欲望の匂いで充満していたことだろう。
むせかえるほど独特なその蜜は運命の相手以外が口にしたりしないように、毒に似た味と匂いがすると言われている。
いや、運命の相手以外が口にするどころか、身体に触れたり、体内に入ったりしても痙攣などを引き起こすと言われているのだから、毒そのものなのかもしれない。もちろんこれは私たち一族のみに与えられたものだそうだ。
おそらく私たちが運命の相手以外を伴侶に選ぶのを阻止するためのものなのだろう。
だから私たち一族以外の国民は、毒でも甘くもない味がするそうだが、私もミオもその味を一生知ることはない。
あの独特な匂いがどこまで変わるのかはわからなかったが、ミオに触れられて吐き出したあの蜜は、ミオが驚くほどの甘さだったようだ。
「神により授けられた私たち一族の欲望の蜜は、運命の相手以外には毒のような味がすると言われている。今までに誰にも舐めさせたことなどないから実際のところはわからんが、決してすすんで口にしたい者はいないだろう」
蜜に触れるだけで痙攣を起こすのは言わない方がいいか。ミオを怖がらせそうだ。
「毒みたいな味……こんなに甘いのに不思議」
そう言いつつ、ミオは手についた私の蜜をもう一度口に運ぶ。
私の蜜を舐めてくれている。その姿を見るだけで興奮してしまう。
「洗い流そう」
直接シャワーの湯が当たらぬように優しく洗い流す間、ミオは大人しくしていたが湯を止めた途端、私に笑顔を向けてきた。
「甘くて美味しかったから、洗い流すの勿体無いって思っちゃいました」
「くっ!!」
ミオは素直に感想を伝えてくれているだけなのだろうが、こうも無意識に煽られると昂りが抑えられなくなる。
「あ、じゃあもしかしたら僕のもジュアには甘く感じるってことですか?」
「おそらくそうだろうな。本来はそうではないのだろう?」
「はい。不思議な匂いがしますし、すすんで舐めたいとは思わないと思います」
こう言ってくれるということは、ミオは自分の蜜がどのようなものか知っているということだ。
くっ、ミオの蜜が舐めたい!
正直にそれを告げて、引かれないか気になるがここは言ってみてもいいだろうか?
「わ、私にも、ミオの蜜を舐めさせてもらえないか?」
「えっ……」
ミオの表情が固まった。
やはりこれは流石に無理だったか……。
そう思ったが、ミオは一瞬の間を置いて、ゆっくりと口を開いた。
「いいですよ、試してみてください!」
その答えに、愚息が一気に昂るのがわかった。
愚息がミオの顔の上に並んでいる。
興奮せずにいられないその光景に理性が飛んだ。
それでも必死に抑えようとしたが、その一瞬で一気に昂りを増した愚息はこれまでの我慢を一気に爆発させてしまった。
欲を出したことに一瞬の快楽はあったが、気づけば、ミオの可愛らしい顔が愚息から溢れた欲望の蜜に塗れている。
「うわぁーっ!! ミオっ!! 申し訳ない!!」
慌てて自分の脱ぎ捨てた服で拭おうとしたが、乾いたもので拭ってもミオの顔に撫で付けることになるだけだ。
「風呂場に! 風呂場に連れて行こう!」
突然のことに茫然としているのか身動きひとつしないミオを抱きかかえて、風呂場に駆け込んだ。
ああ、もうおしまいだ。
こんな蜜を、しかも大量に顔にかけられて嫌にならないわけがない。
せっかくミオが私と愛し合おうと言ってくれたというのに。
堪え性のない己の欲望のせいでもう全てが終わってしまった。
「ミオ……怒ったか? いや、怒らないわけがないな……。どれだけ謝っても足りないが、本当に申し訳ない」
シャワーを出しながら、未だ反応のない腕の中のミオに視線を落とすと、ミオは顔についた私の蜜を自分の手で拭い取っていた。
「ミオ、あの……」
顔だけでなくミオの美しい手まで私の欲望で汚してしまったことに申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
しかし目があったミオは私に変わらぬ笑顔を見せてくれた。
「ジュア! すごいです! 発見がありましたよ! この世界の精液って甘いんですね!」
「えっ?」
てっきりもう口に聞いてくれないくらい怒っていると思っていた。
それがなぜだか目の前のミオは怒る様子どころかむしろ嬉しそうな表情を見せ、しかも目を輝かせている。
「ジュアは知ってましたか? こんなに甘いって」
「えっ、あ、そうだな。書物に書かれていたのを読んだことがある。運命の相手に触れられて出した蜜は甘くなるそうだ」
「へぇー、そうなんですね。それじゃあ。今までは甘くなかったんですか?」
今まで……ミオと出会う前にも己の欲望を自分で発散させるときはもちろんあった。
ミオの存在を知るまではそこまで頻繁ではなかったが、ミオの存在を知ってからは毎日欲望を抑えることができなくなっていた。日々の鍛錬のあと風呂に入るたびに、ミオの美しい顔が浮かんできては興奮してそれを抑えられず発散させる。
その繰り返しだった。欲望を溜めれば溜めるほど濃い匂いを出すから、浴室には私の欲望の匂いで充満していたことだろう。
むせかえるほど独特なその蜜は運命の相手以外が口にしたりしないように、毒に似た味と匂いがすると言われている。
いや、運命の相手以外が口にするどころか、身体に触れたり、体内に入ったりしても痙攣などを引き起こすと言われているのだから、毒そのものなのかもしれない。もちろんこれは私たち一族のみに与えられたものだそうだ。
おそらく私たちが運命の相手以外を伴侶に選ぶのを阻止するためのものなのだろう。
だから私たち一族以外の国民は、毒でも甘くもない味がするそうだが、私もミオもその味を一生知ることはない。
あの独特な匂いがどこまで変わるのかはわからなかったが、ミオに触れられて吐き出したあの蜜は、ミオが驚くほどの甘さだったようだ。
「神により授けられた私たち一族の欲望の蜜は、運命の相手以外には毒のような味がすると言われている。今までに誰にも舐めさせたことなどないから実際のところはわからんが、決してすすんで口にしたい者はいないだろう」
蜜に触れるだけで痙攣を起こすのは言わない方がいいか。ミオを怖がらせそうだ。
「毒みたいな味……こんなに甘いのに不思議」
そう言いつつ、ミオは手についた私の蜜をもう一度口に運ぶ。
私の蜜を舐めてくれている。その姿を見るだけで興奮してしまう。
「洗い流そう」
直接シャワーの湯が当たらぬように優しく洗い流す間、ミオは大人しくしていたが湯を止めた途端、私に笑顔を向けてきた。
「甘くて美味しかったから、洗い流すの勿体無いって思っちゃいました」
「くっ!!」
ミオは素直に感想を伝えてくれているだけなのだろうが、こうも無意識に煽られると昂りが抑えられなくなる。
「あ、じゃあもしかしたら僕のもジュアには甘く感じるってことですか?」
「おそらくそうだろうな。本来はそうではないのだろう?」
「はい。不思議な匂いがしますし、すすんで舐めたいとは思わないと思います」
こう言ってくれるということは、ミオは自分の蜜がどのようなものか知っているということだ。
くっ、ミオの蜜が舐めたい!
正直にそれを告げて、引かれないか気になるがここは言ってみてもいいだろうか?
「わ、私にも、ミオの蜜を舐めさせてもらえないか?」
「えっ……」
ミオの表情が固まった。
やはりこれは流石に無理だったか……。
そう思ったが、ミオは一瞬の間を置いて、ゆっくりと口を開いた。
「いいですよ、試してみてください!」
その答えに、愚息が一気に昂るのがわかった。
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