運命の出会いは空港で 〜クールなイケメン社長は無自覚煽りの可愛い子ちゃんに我慢できない

波木真帆

文字の大きさ
上 下
71 / 77
番外編

社長夫人になりたくて※ <後編>

しおりを挟む
「んーっ、んーっ!!」

布を外せと訴えるけれど、一向に外してくれない。

それからすぐに一人の男性が私の元にやってきた。
この人……さっき社長と話をしていた人だ。

「あなたが何の目的で現れたか伺いますので、今からその布を外しますが、少しでも大声を出したり抵抗するようなら、すぐに元に戻します。わかりましたか?」

綺麗だけど、怖い。
何もかも見透かされそうな視線に震えてしまう。

私が首を縦に振ると、彼の指示でようやく布が外された。
けれど、両腕は二人の男にガシッと掴まれたまま身動き一つ取れない。

「社員から聞きました。あなたは倉橋の秘書になると乗り込んできたそうですね。その意図はなんですか?」

その鋭い視線に声が震える。

「あ、あの……求人、を見て……それで、私がなって、あげようと思って……」

「ここで働きたいのならまず履歴書を送るべきではありませんか? 現にそのように記載されていたはずです。突然ここまできたのには他にも理由があるのでしょう。全て包み隠さず話してください。そうでなければ警察を呼びます」

「け、警察? それはやめて! あの、だから、その……社長の、秘書になって……それで、社長と結婚……」

「なるほど。倉橋の資産目当てですか。あの求人広告にも弊社のHPにも、倉橋の顔も名前も記載していませんでしたが、素性を知っていたということは水商売の方ですね」

「えっ、どうしてそれを……」

「それくらい分からなければ倉橋の秘書など務まりませんよ。残念ですが、倉橋にはもうすでに生涯の伴侶がいますのであなたが入り込む余地はありません。そもそもさっきのあなたに対する対応からしても、一夜の恋人にも選ばれることはないでしょうから、いつものように小遣いをねだろうとしても無理でしょうね」

「な――っ、なんで……」

「倉橋ほどの相手になると、あなたのようなおかしな人は年に数人は現れますから。邪な思いを持って倉橋に近づこうとする人物が現れると、こちらに報告がくるのですよ」

「うそっ、そんなことあるわけない!」

「信じる信じないはあなたの自由ですが、今回の件はいつもとは違うんですよ」

「何? どういう意味?」

「あなたがしでかしたことは最悪だったということです。今すぐにここから立ち去って、もう二度と倉橋にもその周りにも近づかないと約束すれば、最悪の事態は免れるかもしれませんが、これ以上何かをするつもりなら、二度と太陽の光を浴びる生活はできなくなりますよ。どうしますか?」

怖い……。
この人、口調は優しいのに、めっちゃ怖いんだけど……。

でも、こんな辺鄙な場所まで来てやったのに、あんなふうに邪険に扱われてそのままスゴスゴと引き下がるなんて、そんなのムカつく!

「ふざけないでよ! 秘書だかなんだか知らないけど、私に指図しないで! 私が社長夫人になったらあんたなんてすぐにクビにしてやるんだから!!」

勢いのままにそう怒鳴りつけてやると、目の前の男はにっこりと口角を上げて、

「あなたのお考えはよくわかりました。せっかく忠告したのに、残念でしたね」

と言い放った。

知念ちねんさん、お願いします」

「な、なに――んっ!!!」

突然何かに鼻と口を覆われた途端、目の前が真っ暗になっていく。

気がつくと、窓もない狭い場所に寝かされていた。

「何? ここ……どこ? えっ、なんで私、裸なの?」

「目が覚めたか」

「誰?」

突然現れた声に視線を向ければ、フルフェイスのマスクを被った男が一人立っている。
慌てて手で身体を隠したけれど、

「俺はお前の夫だから、隠すことなんて必要ないだろう」

と笑われる。

「はっ? どういうこと?」

「そのままの言葉だよ。もうすでに婚姻届も出したから、俺たちは正式な夫婦だよ」

「ちょっと待って! 私、婚姻届なんて書いてない! 勝手に書いて出すのは犯罪でしょう!」

「へぇ、そんな知識を持っているとは意外だな。だが、あれは正真正銘お前の直筆だよ。つい、先日キャバクラの客と書いただろう?」

「えっ……? あっ、あれはふざけて書いたやつですぐに捨てたはず!」

「ふふっ。それが捨ててなかったんだな。だからお前は俺の妻だよ」

「ちょっと待って! じゃあ、あんたは……」

「覚えててくれて嬉しいよ、佳代かよちゃん」

ニヤリと笑いながらマクスを取り去った。
その顔はまさしくあの時の男。

「いやーっ! こないで!!」

「ひどいな! あんなに愛し合ったのに。私とのセックスが気持ちいいって喜んでたじゃないか」

「いや、やめて!」

「今度は全部収めてあげるから、もっと気持ちよくなれるよ!」

男があっという間に服を脱ぐと現れたのは通常でも20センチ以上は余裕である大きなブツ。
勃起すると30センチ以上になってしまう凶器だ。

「佳代ちゃんだけだよ。俺のを半分以上中に収められたのは」

「無理だって! 今度こそ死んでしまう!!」

「ふふっ。佳代ちゃんなら大丈夫だよ」

「いやーっ、やめて!!」

大声で助けを求めるけれど、窓も何もないこの狭い場所じゃどこからも逃げられない。

ものすごい力で押さえつけられて、そのまま凶器を押し当てられる。

「いやーっ、やめて! 本当にやめて!! ぎゃあぁーっ!!」

「ああっ、気持ちいいっ、最高だ!!」

身体が真っ二つに切り裂かれるような激しい痛みに耐え続けること、数時間。
ようやくことが終わった。

「俺は倉橋社長ほどの稼ぎはないけど、一応社長だから、社長夫人としてこれから楽な生活をやらせてあげるよ。その代わり、毎日楽しませてもらうからな」

「む、無理……っ」

「お前が無理だっていうなら、お前の親に支払った三億円。今すぐ耳を揃えて返してもらおうか」

「えっ? 三億? 親がってどういうこと?」

「結婚の挨拶に行ってきたんだよ。実家の会社の経営が行き詰まっているっていうから三億融資してやった。お前が俺と結婚するのと引き換えにな。それが守れないなら三億返してもらうしかないな」

「くっ――!」

「ふふっ。素直に俺のいうこと聞いてりゃ、幸せにしてやるよ。俺も、やっと性欲を発散させられる相手ができたし、壊したくないからな」

それからはずっと部屋から出してもらえないまま、毎日毎日夫の相手をする日々が続いている。
妊娠でもすればこの生活から少しの間は抜け出せるかもと思ったけれど、どうやら夫には子種がないらしい。

ただひたすらに性欲をぶつけられ続ける毎日におかしくなってしまいそう。
そして、今夜もまた痛みに耐える時間がやってくる。
しおりを挟む
感想 69

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが

五右衛門
BL
 月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。  しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

処理中です...