運命の出会いは空港で 〜クールなイケメン社長は無自覚煽りの可愛い子ちゃんに我慢できない

波木真帆

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番外編

その後の話※  <朝陽と悠真の場合>

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その後のお話、朝陽と悠真編です。
こちらで終了にしようと思いましたが、面白いリクエストをいただきましたので、そちらもアップしてから終了とします。
他にもリクエストをいただいたので、こちらに書くか、違うところに書くかは検討中です。
その時は活動報告でお知らせするのでそちらをご覧ください。
いつも読んでいただきありがとうございます。






<朝陽の場合>


「さっきも言ったが、朝陽……お前は自分が有名人だって自覚あるか?」

「ゔぅ……っ、ごめんなさい……」

「久々の舞台でテンション上がって、友人たちと楽しみたい気持ちはわかるが、お前も含めてあの4人で外を出歩いたらどうなるかわかってるだろう?」

「うん……でも、近くだからいいかなって。確かにちょっと考えなしだった……。ごめんなさい」

「わかってくれたらいいんだ。何もなくてよかったよ……」

さっきまでの涼平さんは少し怖かったけど、ギュッと抱きしめてくれるこの腕はすごく優しい。

「ありがとう。涼平さん……大好き」

「ああ、俺も大好きだよ。朝陽」

リビングで2人で抱き合っていると、突然チャイムが鳴った。
あの音はコンシェルジュさんからの連絡音だ。

「何?」

「ああ、さっきデリバリー頼んでおいたんだ。朝陽、腹減ってるだろう?」

「あっ、『グゥーーッ』 えへへっ、お腹鳴っちゃった」

「食事をなしにして連れ帰ったからな。舞台明けで腹減ってるのに悪かったな」

涼平さんがエレベーターの解除ボタンを押すと、それからすぐに玄関扉のチャイムが鳴った。

持ってきてもらった食事をダイニングに並べながら、

「でも、どうして俺たちがあそこにいるってわかったの?」

と尋ねると、

「ふふっ。聞きたいか?」

と涼平さんはニヤリと意味深な笑顔を見せ教えてくれた。

「倉橋が藤乃くんのスマホにGPS入れてるんだよ」

「えっ? GPS?」

「笑えるだろ? あいつがこっそり恋人のスマホにGPS入れるくらい溺れるとはな。
まぁ今回はあいつのその束縛っぷりが功を奏したんだけど……」

「ええーっ、いいなぁ」

「えっ? いい?」

「俺も涼平さんにGPS入れてもらいたいよ。というか、お互いに入れちゃおうよ。そしたら、いつでも涼平さんがどこにいるかわかって嬉しいし」

俺がそう提案すると、涼平さんは目を丸くして

「いいのか?」

と聞いてきた。

「いいのかって?」

「いつでも俺に行動を監視されてそうで嫌だとか思わないか?」

「……涼平さんは、そう思うの? 俺に把握されるのはヤダ?」

「そんなことあるわけないだろう! 俺もできれば倉橋みたいにいつでも一緒にいたいくらいなんだ」

「ふふっ。よかった。じゃあ、入れようよ」

「ああ。そうだな」

倉橋さんが入れているアプリが数あるGPSアプリの中でも一番正確だそう。
実は倉橋さんはその開発に携わっているらしく、きっと航くんのためにかなりの資金を費やしたんだろうって笑ってた。
もう本当驚きを通り越して、さすがだなとさえ思ってしまう。

俺と涼平さんのスマホには、無事お揃いのアプリが入れられた。

アプリを開いてみると、今の現在地は同じ場所。
2人のアイコンが重なって見える。

「一緒の場所にいるっていいね」

「俺は早くこれ以上にピッタリとくっつきたいが」

後ろから抱きしめながら、首筋に顔を埋めてくる。
涼平さんが甘えたい時の仕草だ。

「ご飯食べるまで待って。お腹空きすぎて倒れそう」

「ふふっ。わかってるよ。今日の舞台お疲れさん」

ちゅっと重ね合わさった唇がスッと離れていく。
お腹すいてるくせに、さっさと離れていく唇がなんだか少し寂しく感じる俺はわがままだ。

「そんな目で見るな。朝陽がお腹いっぱいになったら、次は俺をお腹いっぱいにさせてもらうから」

「ふふっ。もうっ」

俺たちの夜はまだ始まったばかりだ。

<悠真の場合>


「悠真、劇場を出る前にスマホは見たか?」

「えっ?」

まさか……と思い慌てて上着のポケットからスマホを取り出すと、伊織さんからのメッセージがと着信が数件入っていた。

「はぁーーっ、既読にならなかったから気づいていないとは思ったが、今まで確認していないとはな」

「ごめんなさい……」

「悠真が珍しいな。本当にどうしたんだ?」

「今日の舞台が本当に素晴らしすぎて、気持ちがふわふわしてて……」

「私のことを忘れていたのか?」

「ごめんなさい……」

「ふふっ。もういいよ。悠真を虐めようと思っているじゃないんだ」

「伊織さん……」

私は優しく微笑む伊織さんに抱きつくと、伊織さんは優しく抱き止めてくれた。

「目が少し腫れてる。泣いたのか?」

「南條さんの演技が素晴らしくて……」

「そうか、だが……少し妬けるな」

「えっ?」

「悠真を涙を見るのは私だけの特権だろう? そんな潤んだ瞳をみんなに見られたなんて……悔しいな」

伊織さんがそんなふうに思ってくれるなんて……なんだかすごく嬉しい。

「あの、お仕置き……してください」

「えっ?」

「私がもう伊織さんに悔しい思いをさせたりしないように、躾けてください」

「――っ! 悠真っ……今日は寝かさないよ」

「はい。お願いします」

伊織さんは私を抱き上げると、すぐに寝室へと連れて行った。
少し手荒に私の服を脱がせたかと思ったら、私を跨いで自分のネクタイをサッと緩めてシュッと引き抜いた。
そのセクシーな姿に私はゾクリと身体を震わせた。

久しぶりにみるワイルドな伊織さんの姿に私の胸の高鳴りは止まらなかった。

翌日お腹が空いて目を覚ました私は、そういえば食事を取るのを忘れていたのを思い出した。
それでもこんなにも満足な目覚めなのは、私を抱きしめながら眠っている伊織さんのおかげだろう。

いつも体を繋げるとき、気持ちよくなかったことなんて一度もない。
私はいつも大満足させられて……でも、伊織さんがいつも紳士で満足してもらえているのかが不安だった。

だけど、昨夜は私がイくよりも先に伊織さんが私の中でイッてくれた。
しかもその後も何度も何度も求めてくれて……身体は辛いけど、こんなにも充足感があるのは本当に久しぶりだ。

「悠真……起きたのか?」

「はい、コホッ、コホッ」

「ああ、無理しないでいい。昨日はかなり……その、無理をさせてしまったからな。
悠真のおねだりが可愛くて、つい箍が外れてしまったようだ。悪い」

そう言いながら、私に水を飲ませてくれた。
もちろん溢さないように口移しで……。

「伊織さんから、あんなに激しく求められて私……嬉しかったので謝らないでください。
それとも後悔してますか?」

「そんなわけ――」

「ふふっ。なら、いいんです。激しい伊織さんも好きですよ」

「――っ!!! ああ、もう君はどこまで……今日はもう悠真を離せそうにないっ!」

ふふっ。私の幸せな時間はまだまだ続きそうです。
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