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俺のものだと見せつけてやる
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すみません。投稿前に手間取って少し遅れちゃいました。
今日も楽しんでいただけると嬉しいです♡
航を抱きかかえて社長室へと連れて行き、砂川が補佐でつくときに使わせている席に航を座らせた。
ここからなら俺が仕事をしていても航を見ることができる。
航には社長秘書として必要な知識を身につけてもらうために、このK.Yリゾートの重要な資料ファイルを取り出し航に手渡した。
これらはK.Yリゾートの企画会議や経営会議の議事録やら決算書類などの重要機密書類、これまでに手がけた観光ツアーの詳細に至るまでの全てが詰まっている重要なファイルでこれを理解してもらえていれば、どこに連れて行っても恥をかくことはないだろう。
俺としては航がいてくれるだけで俺の仕事が捗るのだから、航自身が仕事ができぬとも問題はないのだが、それは航の望むことではない。
航は仕事で評価されたがっている。
あの会社で5年も自分の尊厳を奪われて来たのだから、うちでも仕事をさせてもらえないとなれば自分の価値を見出せなくなってしまう。
この数時間でも航の取り組み方でおそらくどれほど仕事ができるものかわかるだろう。
まずは航の実力をみさせてもらうとしよう。
知識として頭に入れてくれたらいいから……俺は確かにそう言った。
しかし、こんなことが実際にあるのか? と思うほど、航は一心不乱にそのファイルを順に読み始めた。
周りの物音など一切聞こえないのか、微動だにせず、ただ紙を捲る音だけが聞こえる。
その迫力に驚きながらも俺は自分の仕事に取りかかった。
途中砂川が飲み物を運んできても、航は目を向けることもなくただひたすらにファイルを見続けていた。
俺はその集中力に驚きながらも、航の集中力に便乗するように目の前の仕事を片付けリモートでの会議も難なく終わらせた。
この数時間でもうすでに2日分の仕事を終えている。
俺も知らぬ間に集中力を増していたようだ。
やはり集中力のあるもののそばだと俺も仕事が捗るな。
航は俺の公私に渡って必要な存在なんだな。
出会うべくして出会った最高のパートナーだ。
少し休憩するか。
俺は航の元にそっと近づいたが、気付く気配もない。
本当にこの集中力すごいな。
航の耳元で何度か優しく名前を呼びかけると、『わぁっ』と大声を上げて俺に気づいてくれた。
驚かせてしまったことを詫びると、航は俺が会議をしていたことすら気づいていないようだった。
そんな航を可愛らしく思いながら、
「それだけ集中できるってすごいことだぞ。だが、悪い、ちょっと充電させてくれ」
と航に言ってやると、充電の意味がわかっていないようだったが、俺は航を抱き上げソファーへと連れて行き膝に乗せ抱き締めるとようやく充電の意味に気づいたようだった。
航の首筋に顔を寄せると、少し汗ばんだ濃い匂いがする。
その汗の匂いに昨夜抱いて眠ったのが脳裏に甦ってきて、グッと息子が昂るのがわかる。
今夜には航を味わわせてやるから、今は匂いだけで我慢しておけと息子を説得しながら、航の匂いに癒されていた。
目の前にある首筋が本当に美味しそうで俺は気付けば舌を這わせていた。
ああ、なんて美味しいんだ。
航も感じてくれているのか。
最高だな。
社員たちには航が俺のものだと宣言したが、所有の証を見せつけておいた方がいいだろう。
俺のものだとわかっている航に手を出すような馬鹿はうちの会社にはいないはずだが、一応な。
首筋の目立つ位置にいくつかのキスマークをつけてやる。
航の白肌には赤いキスマークがよく映えて綺麗だ。
「ああ、最高だ……可愛い」
俺は航の首筋についたキスマークに満足しながら、残りの仕事に取り掛かるために航を元の席へと戻した時、航のモノが反応していることに気づいた。
ふふっ。どうやら俺の愛撫に感じてくれていたようだ。
すぐにでも航のモノにむしゃぶりついて可愛がりたい気持ちを必死に抑え、俺は航との未来のために必死に仕事を終わらせた。
日も落ちてきた。
今日のところはこの辺にしておくか。
これでも十分すぎるほど仕事を進めておいた。
この分なら後2日もあれば全て終えられるだろう。
砂川との約束は余裕で守れそうだな。
そろそろ砂川が様子を見にくる頃だろうと思っていると、トントントンと扉が叩かれた。
その音で航がビクッと体を震わせた。
本当に集中力がすごいな。尊敬すらしてしまう。
俺は航が気になって時折見つめてしまっていたというのに、あの集中力は真似できないほどだな。
俺の仕事ぶりを確かめにきたか。
今日終えたものを全て見せてやると、砂川は目を丸くして信じられないと言った様子で俺を見ていた。
ふふっ。さすがの砂川も驚いただろう。
なんて言ったって最重要事項のほとんどはもう終わっているのだからな。
途中会議にも参加していた上でのこの進み具合に驚きが隠せないようだった。
砂川は驚きのままに航に目を向け、目敏い砂川は俺のつけたキスマークに気づいたようだ。
まぁ気付くようにつけてやったんだがな。
砂川は『はぁーっ』と大きなため息を吐きつつもこれだけの仕事を終えていることもあって、さすがに咎めはしなかった。
俺の仕事が捗るには航が必要だと気づいてくれたようだ。
ふふっ。それでいい。
「明日藤乃くんが使い物にならないような事態にはならないようにしてくださいね」
砂川は俺をジトっと睨みながらそう注意してきたが、そればっかりは息子次第だからな。
今まで散々我慢させている息子が聞き分けがいいとは思えないが、まぁなんとか善処しよう。
あくまでも善処するだけだがな。
砂川とそんな会話をしていると、航からとんでもない爆弾が放り込まれた。
「だ、大丈夫です! 俺、やれます! 祐悟さんが頑張れるように奉仕しますから!!」
俺も砂川も航のその破壊力抜群の発言に開いた口が塞がらなかったが、きっとまた何かを言い間違えているに違いない。
「社長、あの純粋な藤乃くんに無体なことはしないでくださいよ!
彼の言動に爆発なんてしないように、本当にくれぐれも気をつけてくださいね!!」
「爆発ってお前……。俺のことを少しは信用しろ」
「ですが、こんなにも無垢な子は初めてでしょう?
社長は無垢な子の無自覚発言には耐性がないでしょうから心配してるんですよ」
確かに今まで俺が相手にしていた子たちに航のようなタイプはいない。
そういう子たちの方が楽でいいと思っていたし、後腐れもないと思っていたから。
おそらく初めてだろう航に無理なことをさせるつもりなど全くないが、もしかしたら俺の方が航に溺れてしまうのではないかという危機感は持っている。
それはこれまで航にずっと煽られ続けてきたことがその危機感に繋がっているのかもしれない。
正直なところ、航との夜がどうなるのか俺には見当もついていない。
ただ航と深く愛し合いたい……そう、それだけだ。
砂川はそんな俺に気づいたのか、航に今日は身体を十分に休ませるようにと声をかけ、
俺にも再度『社長、気をつけて、くださいね!』と念を押してきた。
頭では理解しているが、それは息子に聞いてくれ。
俺は航の全てを前にして理性を保てるかだけが心配なんだ。
今日も楽しんでいただけると嬉しいです♡
航を抱きかかえて社長室へと連れて行き、砂川が補佐でつくときに使わせている席に航を座らせた。
ここからなら俺が仕事をしていても航を見ることができる。
航には社長秘書として必要な知識を身につけてもらうために、このK.Yリゾートの重要な資料ファイルを取り出し航に手渡した。
これらはK.Yリゾートの企画会議や経営会議の議事録やら決算書類などの重要機密書類、これまでに手がけた観光ツアーの詳細に至るまでの全てが詰まっている重要なファイルでこれを理解してもらえていれば、どこに連れて行っても恥をかくことはないだろう。
俺としては航がいてくれるだけで俺の仕事が捗るのだから、航自身が仕事ができぬとも問題はないのだが、それは航の望むことではない。
航は仕事で評価されたがっている。
あの会社で5年も自分の尊厳を奪われて来たのだから、うちでも仕事をさせてもらえないとなれば自分の価値を見出せなくなってしまう。
この数時間でも航の取り組み方でおそらくどれほど仕事ができるものかわかるだろう。
まずは航の実力をみさせてもらうとしよう。
知識として頭に入れてくれたらいいから……俺は確かにそう言った。
しかし、こんなことが実際にあるのか? と思うほど、航は一心不乱にそのファイルを順に読み始めた。
周りの物音など一切聞こえないのか、微動だにせず、ただ紙を捲る音だけが聞こえる。
その迫力に驚きながらも俺は自分の仕事に取りかかった。
途中砂川が飲み物を運んできても、航は目を向けることもなくただひたすらにファイルを見続けていた。
俺はその集中力に驚きながらも、航の集中力に便乗するように目の前の仕事を片付けリモートでの会議も難なく終わらせた。
この数時間でもうすでに2日分の仕事を終えている。
俺も知らぬ間に集中力を増していたようだ。
やはり集中力のあるもののそばだと俺も仕事が捗るな。
航は俺の公私に渡って必要な存在なんだな。
出会うべくして出会った最高のパートナーだ。
少し休憩するか。
俺は航の元にそっと近づいたが、気付く気配もない。
本当にこの集中力すごいな。
航の耳元で何度か優しく名前を呼びかけると、『わぁっ』と大声を上げて俺に気づいてくれた。
驚かせてしまったことを詫びると、航は俺が会議をしていたことすら気づいていないようだった。
そんな航を可愛らしく思いながら、
「それだけ集中できるってすごいことだぞ。だが、悪い、ちょっと充電させてくれ」
と航に言ってやると、充電の意味がわかっていないようだったが、俺は航を抱き上げソファーへと連れて行き膝に乗せ抱き締めるとようやく充電の意味に気づいたようだった。
航の首筋に顔を寄せると、少し汗ばんだ濃い匂いがする。
その汗の匂いに昨夜抱いて眠ったのが脳裏に甦ってきて、グッと息子が昂るのがわかる。
今夜には航を味わわせてやるから、今は匂いだけで我慢しておけと息子を説得しながら、航の匂いに癒されていた。
目の前にある首筋が本当に美味しそうで俺は気付けば舌を這わせていた。
ああ、なんて美味しいんだ。
航も感じてくれているのか。
最高だな。
社員たちには航が俺のものだと宣言したが、所有の証を見せつけておいた方がいいだろう。
俺のものだとわかっている航に手を出すような馬鹿はうちの会社にはいないはずだが、一応な。
首筋の目立つ位置にいくつかのキスマークをつけてやる。
航の白肌には赤いキスマークがよく映えて綺麗だ。
「ああ、最高だ……可愛い」
俺は航の首筋についたキスマークに満足しながら、残りの仕事に取り掛かるために航を元の席へと戻した時、航のモノが反応していることに気づいた。
ふふっ。どうやら俺の愛撫に感じてくれていたようだ。
すぐにでも航のモノにむしゃぶりついて可愛がりたい気持ちを必死に抑え、俺は航との未来のために必死に仕事を終わらせた。
日も落ちてきた。
今日のところはこの辺にしておくか。
これでも十分すぎるほど仕事を進めておいた。
この分なら後2日もあれば全て終えられるだろう。
砂川との約束は余裕で守れそうだな。
そろそろ砂川が様子を見にくる頃だろうと思っていると、トントントンと扉が叩かれた。
その音で航がビクッと体を震わせた。
本当に集中力がすごいな。尊敬すらしてしまう。
俺は航が気になって時折見つめてしまっていたというのに、あの集中力は真似できないほどだな。
俺の仕事ぶりを確かめにきたか。
今日終えたものを全て見せてやると、砂川は目を丸くして信じられないと言った様子で俺を見ていた。
ふふっ。さすがの砂川も驚いただろう。
なんて言ったって最重要事項のほとんどはもう終わっているのだからな。
途中会議にも参加していた上でのこの進み具合に驚きが隠せないようだった。
砂川は驚きのままに航に目を向け、目敏い砂川は俺のつけたキスマークに気づいたようだ。
まぁ気付くようにつけてやったんだがな。
砂川は『はぁーっ』と大きなため息を吐きつつもこれだけの仕事を終えていることもあって、さすがに咎めはしなかった。
俺の仕事が捗るには航が必要だと気づいてくれたようだ。
ふふっ。それでいい。
「明日藤乃くんが使い物にならないような事態にはならないようにしてくださいね」
砂川は俺をジトっと睨みながらそう注意してきたが、そればっかりは息子次第だからな。
今まで散々我慢させている息子が聞き分けがいいとは思えないが、まぁなんとか善処しよう。
あくまでも善処するだけだがな。
砂川とそんな会話をしていると、航からとんでもない爆弾が放り込まれた。
「だ、大丈夫です! 俺、やれます! 祐悟さんが頑張れるように奉仕しますから!!」
俺も砂川も航のその破壊力抜群の発言に開いた口が塞がらなかったが、きっとまた何かを言い間違えているに違いない。
「社長、あの純粋な藤乃くんに無体なことはしないでくださいよ!
彼の言動に爆発なんてしないように、本当にくれぐれも気をつけてくださいね!!」
「爆発ってお前……。俺のことを少しは信用しろ」
「ですが、こんなにも無垢な子は初めてでしょう?
社長は無垢な子の無自覚発言には耐性がないでしょうから心配してるんですよ」
確かに今まで俺が相手にしていた子たちに航のようなタイプはいない。
そういう子たちの方が楽でいいと思っていたし、後腐れもないと思っていたから。
おそらく初めてだろう航に無理なことをさせるつもりなど全くないが、もしかしたら俺の方が航に溺れてしまうのではないかという危機感は持っている。
それはこれまで航にずっと煽られ続けてきたことがその危機感に繋がっているのかもしれない。
正直なところ、航との夜がどうなるのか俺には見当もついていない。
ただ航と深く愛し合いたい……そう、それだけだ。
砂川はそんな俺に気づいたのか、航に今日は身体を十分に休ませるようにと声をかけ、
俺にも再度『社長、気をつけて、くださいね!』と念を押してきた。
頭では理解しているが、それは息子に聞いてくれ。
俺は航の全てを前にして理性を保てるかだけが心配なんだ。
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