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一緒に泊まろう
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飛行機を降り、空港到着ゲートに向かうとすぐ目につく案内板には離島ターミナルからの情報が書かれていて、そこには、<船のエンジントラブルのため、西表島への運行は終日欠航>と赤い文字で強調するように並んでいた。
ということは今日中に西表に着くのは無理だな。
俺はすぐ砂川に電話をかけた。
ーはい。砂川です。
ー私だ。今石垣島の空港に着いたんだが、今日は西表島への船が終日欠航しているようだ。
ーえっ? そうなんですか? 気づきませんで申し訳ありません。
あっ、では今日面接予定の彼もこちらには来られないということですね。
こちらから連絡しておきます。
ーいや、彼から電話させるよ。実は、今彼と一緒にいるんだ。
ーえっ? 彼って藤乃くんですか?
ーああ。羽田で偶然出逢ってね。彼には私が社長ということは隠しているから余計なことを言わないようにな。
ーまた、あなたは……。はぁーっ。
後で詳しくお話しきかせていただきますからね。
ーああ。わかった。じゃあ、すぐに彼から電話が来ると思うからよろしくな。
ーかしこまりました。
電話を切り、慌てて藤乃くんの姿を探すと彼はもうすでに空港の外に出ていて、南国の太陽の光を気持ちよさそうに浴びているのが見えた。
ふふっ。かわいいな。
本当に23歳だなんて思えないくらいだ。
俺は藤乃くんのそばに駆け寄り、西表島への船が欠航していることを伝えると藤乃くんはかなりのショックを受けているようだった。
おそらく今日面接に行けなければ落とされると思っているのだろう。
今回の件は、交通手段が断たれているのだから行けなくても藤乃くんのせいではない。
そんなので責め立ててくるような会社はそれこそブラックだ。
藤乃くんはそういう思考になってしまうほどにあの会社でいろんなことで理不尽に責められていたんだろうな。
かわいそうに。
俺は面接予定の会社に船が欠航になったことを連絡してみるようにと促した。
藤乃くんは緊張の面持ちで電話をかけていたが、よほど焦っていたのか電話がスピーカーになっていることには気づいていないようだった。
ーはい。お電話いただきありがとうございます。K.Yリゾートでございます。
ーあ、あの私、今日そちらで面接をしていただくことになっています藤乃と申します。
面接担当の砂川さまにお繋ぎいただきたいのですが……
ーああ。藤乃くん。私が担当の砂川です。
ーお世話になっております。藤乃と申します。実は今、石垣島空港に到着したのですが、西表島への船が欠航しているそうで今日そちらにお伺いするのは難しいようです。本当に申し訳ございません。
ー欠航? そうでしたか。こちらこそ、確認を怠ってしまい申し訳ございません。
面接は明日以降に延期させていただきますのでご心配くださいませんように。
船が出港でき次第、西表に向かっていただければ結構です。
ーええっ! 本当ですかっ?! ああっ、良かったぁ。
あ、いえ。ありがとうございます。
ーふふっ。本日は石垣島で宿をおとりください。
領収書を出していただければ、こちらで精算いたします。
ーそ、そんな……いいんですか?
ーはい。もちろんでございます。
それではどうぞよろしくお願いいたします。
ーはい。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。はい。ありがとうございます。
藤乃くんは何度もお礼を言って、興奮しきった様子で砂川との電話を切っていた。
砂川も藤乃くんの素直な性格に気がついただろうな。
砂川が電話口で笑うなんて本当に珍しいことだ。
さて、俺も石垣から出られないことになったことだし、車は必要だろうというわけで、俺は藤乃くんを連れレンタカーを借りに向かった。
いつも借りるのと同じ車にしようと思ったが、藤乃くんも運転するとなればMT車は難しいだろう。
今回はAT車を頼むと対応していたいつもの担当者は少し驚いている様子だった。
レンタカーの手続きをしている間に、浅香の宿に連絡をしておく。
いつも常駐している部屋は俺や蓮見が行く時専用にほぼ空けてあり、突然泊りに行っても困ることはない。
そこは本当に助かっている。
今日も予定通りとでもいうのか部屋は空いていたので、2人でいく旨を伝えておいた。
そして、機内と同じように俺のことを『倉田』と呼ぶようにということも忘れなかった。
電話を受けたコンシェルジュは理由を問いただすこともなく、『畏まりました』と了承してくれ、『頼む』と言って電話を切った。
誰かを連れて行くことなど今まで一度もなかったから、きっと驚いているだろうな。
決して言葉や態度には出さないだろうが。
車を借り、宿へと向かう途中せっかくだからと俺がよく行く八重山そばの店へと連れて行った。
八重山そばは初めてだという彼がキラキラとした笑顔で見つめてくれるのが嬉しい。
店の前の空き地に車を止め急いで回り込み、姫のように扉を『さぁ、どうぞ』と開けてやると、藤乃くんは恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながらも『ありがとう』とお礼を言ってくれた。
なぜだろう、彼の『ありがとう』はクセになる。
何度でも聴きたいと思ってしまうんだ。
若い子だし普通なら野菜そば大盛りでも食べられそうだが、機内での食事の様子を見ている限り、藤乃くんはあまり一度には多く食べられなさそうだ。
まぁ機内で食事もしているし、ここでお腹いっぱいになって浅香の宿の夕食が食べられなくなるのは勿体無いからな。
ここの名物でもあるソーキそばの普通盛りを頼むと、藤乃くんは出てきたトロットロのソーキに目を奪われていて、
『わぁっ、美味しそう』と大きな声をあげていた。
藤乃くんのそんな無邪気な声に店のおかみさんも『ふふっ』と笑顔を見せる。
藤乃くんには周りを笑顔にする才能があるな。
目を輝かせあっという間にそばを平らげたのを見て、一瞬大盛りにしてやれば良かったかと思ったが、大きく膨らんだお腹を満足そうにさする姿を見て、普通で良かったんだと思うことにした。
さっと伝票をとりレジへと向かうと、藤乃くんは『俺が払います』と言ってくれたのだが、その気持ちだけで嬉しい。
君が美味しそうに食べてくれる姿を見ただけでお釣りが出るほどに満足させてもらってるんだから。
藤乃くんは店を出る時にもおかみさんたちに
『美味しかったです、ご馳走さまでした』と笑顔で声をかけ、外で俺にもお礼を言ってくれた。
たった500円かそこらのそばを奢ってあげただけでこの笑顔を見せてもらえるなんて……もっと彼を喜ばせてあげたいそんな気にさせられる。
『この後どこに行こうか?』と尋ねた俺に、藤乃くんは『お任せします』と言ってくれた。
色々案内したい場所はあるが、まずは宿に連れて行くほうがいいだろう。
『常駐している宿があって、そこを一部屋押さえてもらってるから』というと、藤乃くんの表情が少し曇った。
てっきり安心してくれると思っていただけに藤乃くんの反応はいささかショックだった。
俺と一緒のホテルが嫌なのかと思ってがっかりしたのだが、少し考えて藤乃くんがどうやら勘違いをしているのだということに気がついた。
一部屋と言ったから、自分の部屋はないと思ったに違いない。
俺が用意してもらっている部屋は一部屋と言っても、部屋もいくつかあるし数人で泊まれるほど広い。
そう説明すると少し困惑したようだったが、一緒の部屋に泊まれば部屋代もいらないからと必死に説得をし、なんとか一緒の部屋に泊まってくれるという確約を取り付けた。
自慢じゃないが、一緒の部屋に泊まらせるのにこんなにも苦労したのは初めてだ。
何もしないから! 泊まるだけだから! とラブホ前で縋りつきながら必死に頼んでいるような男の気持ちが初めてわかった気がすると一瞬思ってしまったことは、誰にも……特に蓮見や浅香には死んでも言えないな。
ということは今日中に西表に着くのは無理だな。
俺はすぐ砂川に電話をかけた。
ーはい。砂川です。
ー私だ。今石垣島の空港に着いたんだが、今日は西表島への船が終日欠航しているようだ。
ーえっ? そうなんですか? 気づきませんで申し訳ありません。
あっ、では今日面接予定の彼もこちらには来られないということですね。
こちらから連絡しておきます。
ーいや、彼から電話させるよ。実は、今彼と一緒にいるんだ。
ーえっ? 彼って藤乃くんですか?
ーああ。羽田で偶然出逢ってね。彼には私が社長ということは隠しているから余計なことを言わないようにな。
ーまた、あなたは……。はぁーっ。
後で詳しくお話しきかせていただきますからね。
ーああ。わかった。じゃあ、すぐに彼から電話が来ると思うからよろしくな。
ーかしこまりました。
電話を切り、慌てて藤乃くんの姿を探すと彼はもうすでに空港の外に出ていて、南国の太陽の光を気持ちよさそうに浴びているのが見えた。
ふふっ。かわいいな。
本当に23歳だなんて思えないくらいだ。
俺は藤乃くんのそばに駆け寄り、西表島への船が欠航していることを伝えると藤乃くんはかなりのショックを受けているようだった。
おそらく今日面接に行けなければ落とされると思っているのだろう。
今回の件は、交通手段が断たれているのだから行けなくても藤乃くんのせいではない。
そんなので責め立ててくるような会社はそれこそブラックだ。
藤乃くんはそういう思考になってしまうほどにあの会社でいろんなことで理不尽に責められていたんだろうな。
かわいそうに。
俺は面接予定の会社に船が欠航になったことを連絡してみるようにと促した。
藤乃くんは緊張の面持ちで電話をかけていたが、よほど焦っていたのか電話がスピーカーになっていることには気づいていないようだった。
ーはい。お電話いただきありがとうございます。K.Yリゾートでございます。
ーあ、あの私、今日そちらで面接をしていただくことになっています藤乃と申します。
面接担当の砂川さまにお繋ぎいただきたいのですが……
ーああ。藤乃くん。私が担当の砂川です。
ーお世話になっております。藤乃と申します。実は今、石垣島空港に到着したのですが、西表島への船が欠航しているそうで今日そちらにお伺いするのは難しいようです。本当に申し訳ございません。
ー欠航? そうでしたか。こちらこそ、確認を怠ってしまい申し訳ございません。
面接は明日以降に延期させていただきますのでご心配くださいませんように。
船が出港でき次第、西表に向かっていただければ結構です。
ーええっ! 本当ですかっ?! ああっ、良かったぁ。
あ、いえ。ありがとうございます。
ーふふっ。本日は石垣島で宿をおとりください。
領収書を出していただければ、こちらで精算いたします。
ーそ、そんな……いいんですか?
ーはい。もちろんでございます。
それではどうぞよろしくお願いいたします。
ーはい。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。はい。ありがとうございます。
藤乃くんは何度もお礼を言って、興奮しきった様子で砂川との電話を切っていた。
砂川も藤乃くんの素直な性格に気がついただろうな。
砂川が電話口で笑うなんて本当に珍しいことだ。
さて、俺も石垣から出られないことになったことだし、車は必要だろうというわけで、俺は藤乃くんを連れレンタカーを借りに向かった。
いつも借りるのと同じ車にしようと思ったが、藤乃くんも運転するとなればMT車は難しいだろう。
今回はAT車を頼むと対応していたいつもの担当者は少し驚いている様子だった。
レンタカーの手続きをしている間に、浅香の宿に連絡をしておく。
いつも常駐している部屋は俺や蓮見が行く時専用にほぼ空けてあり、突然泊りに行っても困ることはない。
そこは本当に助かっている。
今日も予定通りとでもいうのか部屋は空いていたので、2人でいく旨を伝えておいた。
そして、機内と同じように俺のことを『倉田』と呼ぶようにということも忘れなかった。
電話を受けたコンシェルジュは理由を問いただすこともなく、『畏まりました』と了承してくれ、『頼む』と言って電話を切った。
誰かを連れて行くことなど今まで一度もなかったから、きっと驚いているだろうな。
決して言葉や態度には出さないだろうが。
車を借り、宿へと向かう途中せっかくだからと俺がよく行く八重山そばの店へと連れて行った。
八重山そばは初めてだという彼がキラキラとした笑顔で見つめてくれるのが嬉しい。
店の前の空き地に車を止め急いで回り込み、姫のように扉を『さぁ、どうぞ』と開けてやると、藤乃くんは恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながらも『ありがとう』とお礼を言ってくれた。
なぜだろう、彼の『ありがとう』はクセになる。
何度でも聴きたいと思ってしまうんだ。
若い子だし普通なら野菜そば大盛りでも食べられそうだが、機内での食事の様子を見ている限り、藤乃くんはあまり一度には多く食べられなさそうだ。
まぁ機内で食事もしているし、ここでお腹いっぱいになって浅香の宿の夕食が食べられなくなるのは勿体無いからな。
ここの名物でもあるソーキそばの普通盛りを頼むと、藤乃くんは出てきたトロットロのソーキに目を奪われていて、
『わぁっ、美味しそう』と大きな声をあげていた。
藤乃くんのそんな無邪気な声に店のおかみさんも『ふふっ』と笑顔を見せる。
藤乃くんには周りを笑顔にする才能があるな。
目を輝かせあっという間にそばを平らげたのを見て、一瞬大盛りにしてやれば良かったかと思ったが、大きく膨らんだお腹を満足そうにさする姿を見て、普通で良かったんだと思うことにした。
さっと伝票をとりレジへと向かうと、藤乃くんは『俺が払います』と言ってくれたのだが、その気持ちだけで嬉しい。
君が美味しそうに食べてくれる姿を見ただけでお釣りが出るほどに満足させてもらってるんだから。
藤乃くんは店を出る時にもおかみさんたちに
『美味しかったです、ご馳走さまでした』と笑顔で声をかけ、外で俺にもお礼を言ってくれた。
たった500円かそこらのそばを奢ってあげただけでこの笑顔を見せてもらえるなんて……もっと彼を喜ばせてあげたいそんな気にさせられる。
『この後どこに行こうか?』と尋ねた俺に、藤乃くんは『お任せします』と言ってくれた。
色々案内したい場所はあるが、まずは宿に連れて行くほうがいいだろう。
『常駐している宿があって、そこを一部屋押さえてもらってるから』というと、藤乃くんの表情が少し曇った。
てっきり安心してくれると思っていただけに藤乃くんの反応はいささかショックだった。
俺と一緒のホテルが嫌なのかと思ってがっかりしたのだが、少し考えて藤乃くんがどうやら勘違いをしているのだということに気がついた。
一部屋と言ったから、自分の部屋はないと思ったに違いない。
俺が用意してもらっている部屋は一部屋と言っても、部屋もいくつかあるし数人で泊まれるほど広い。
そう説明すると少し困惑したようだったが、一緒の部屋に泊まれば部屋代もいらないからと必死に説得をし、なんとか一緒の部屋に泊まってくれるという確約を取り付けた。
自慢じゃないが、一緒の部屋に泊まらせるのにこんなにも苦労したのは初めてだ。
何もしないから! 泊まるだけだから! とラブホ前で縋りつきながら必死に頼んでいるような男の気持ちが初めてわかった気がすると一瞬思ってしまったことは、誰にも……特に蓮見や浅香には死んでも言えないな。
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