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薄明かりでの練習
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「じゃあ、暗いところから練習したら大丈夫になれるかもしれません」
練習という言葉に慎一さんは驚いていたけれど、何事にも練習は大事だ。
リハビリの時も急に難しいことをやるのは危険だって尚孝くんに言われたし、少しずつ慣れていくのが大事なんだって言ってたもんね。
「急に明るい場所で裸を見られるのは恥ずかしいですけど、暗いところなら恥ずかしさも少しは減るかもしれませんよね」
薄暗い場所ならそこまで見えないだろうし、でも裸になったっていう事実は残るから次に明るいところで脱いでも二回目だと思えば恥ずかしさも減るはずだ。自分で言うものなんだけど、かなりいいアイディアじゃない?
これを乗り越えたら慎一さんと一緒にお風呂に入って入浴剤で楽しむこともできるんだし、ここはやるしかない。
慎一さんがオッケーだと言ってくれたら、の話だけど。
どうかなと思っていると、
「じゃあ、練習してみる?」
と言ってくれた。
まだ恥ずかしさが消えたわけではないけど、練習はしてみたい。
僕が頷くとどちらからに脱ぐかを尋ねられる。
僕から? いや、やっぱり最初は慎一さんがいい。
自分以外の裸を見たことがないから好奇心もある。
「あ、あの……慎一、さんから……上、だけ……」
すぐに了承してくれて、リモコンを操作し部屋の電気を暗くした。
煌々と照らしていた部屋の電気が消え、ベッドと周りの小さな灯りだけがついていて、ぼんやりとしか見えない。
でも近づけば見える範囲だ。これなら僕が脱いでも大丈夫そう。
慎一さんはささっとボタンを外すと、さっと上の服を脱ぎ捨てた。
と同時に鍛えられた上半身が露わになった。
「わぁ……っ」
まるで彫刻のような逞しい身体が格好良すぎて、吸い寄せられるように近づいた。
触ってもいいかを尋ねると、
「俺たちは恋人だから、俺の身体は伊月くんのものだよ。好きに触って」
と笑顔で返された。
そうか……。僕たち、恋人同士なんだよね。
うわ、なんか嬉しい。
誰も触れたことのない慎一さんに僕が触れる。
なんとも言えない優越感と、これからも誰にも触らせたくない独占欲が湧き上がってくる。
これが恋人ってことなんだろうか?
ドキドキしたまま、慎一さんの胸に手を当てて自分との違いに驚いて声が出た。
「わぁー、すっごく硬いです!!」
僕のぷにぷにしていて、すぐに骨に触れてしまう身体とは大違いだ。
あまりにも格好良すぎて胸だけでなく硬いお腹も触らせてもらっていると、
「今度は伊月くんも上を脱いで見せてよ」
と言われてしまう。
練習だし、お互いに見せ合わないと意味がないんだけど、慎一さんの格好いい裸を見た後では僕の裸を見てもつまらないかもしれない。
やっぱり先に脱ぐべきだったかと後悔しながら、慎一さんと比べると貧相に見えるかもと正直に言ってみた。
「そんなことを心配してるの? 貧相だなんて思うわけないよ。俺は伊月くんの裸、見たいよ」
優しい慎一さんはそう言ってくれた。それならいいか。
ちょっとまだ恥ずかしいけれど、薄暗いから大丈夫と自分に言い聞かせて、ボタンを外していく。
大きめのパジャマはボタンが二個外れただけでスルリとズレていく。
貧相な身体だと実感してしまいながらも、全部のボタンを外して上着を脱いだ。
「触ってもいい?」
慎一さんの言葉に頷くと、慎一さんの大きな手が僕の胸に触れる。
僕が触れたところと同じような場所だけど、慎一さんの指が触れた瞬間、身体中に何かピリッと刺激を感じた。
「んっ……!」
思わず声が出ると慎一さんから謝られた。でも慎一さんのせいじゃない。僕がただおかしかっただけだ。
どうしてだろう? 自分で触れても何も刺激なんて感じたことないのに。
今まで人に触れられたことがなかったから肌がびっくりしちゃったのかな?
「嫌だった?」
そんなことを聞かれたけど、嫌なはずがない。だって、慎一さんだから。
嫌じゃないというとほっとしたような表情を向けられて、これからどうしようかと尋ねられる。
「これで終わりにしておく? それとも下も脱ぐ? お風呂に入る時は下も脱ぐから練習するんだったら下も脱いでおいたほうがいいと思うけど……」
そう言われてまだ上半身しか脱いでないことに気がついた。
実は僕には誰も知らない秘密がある。
多分、いや絶対に両親も知らない。本当に僕だけの秘密だ。
それを今、見せるべきか?
明るい場所で初めて見せるよりは暗い方がいいのかもしれない。
「あ、あの……僕の、その……見ても、笑わないで欲しいんですけど……」
「笑ったりしないよ。約束する」
慎一さんの真剣な声に安心する。だって慎一さんは嘘を言わないもん。
「何か不安がある? 俺は伊月くんの不安を取り除きたいよ」
優しく抱きしめられて、さらにほっとする。やっぱり慎一さんだ。
他の誰にも見せられないけど、慎一さんなら僕の全てを知っていて欲しい。そう思えたんだ。
練習という言葉に慎一さんは驚いていたけれど、何事にも練習は大事だ。
リハビリの時も急に難しいことをやるのは危険だって尚孝くんに言われたし、少しずつ慣れていくのが大事なんだって言ってたもんね。
「急に明るい場所で裸を見られるのは恥ずかしいですけど、暗いところなら恥ずかしさも少しは減るかもしれませんよね」
薄暗い場所ならそこまで見えないだろうし、でも裸になったっていう事実は残るから次に明るいところで脱いでも二回目だと思えば恥ずかしさも減るはずだ。自分で言うものなんだけど、かなりいいアイディアじゃない?
これを乗り越えたら慎一さんと一緒にお風呂に入って入浴剤で楽しむこともできるんだし、ここはやるしかない。
慎一さんがオッケーだと言ってくれたら、の話だけど。
どうかなと思っていると、
「じゃあ、練習してみる?」
と言ってくれた。
まだ恥ずかしさが消えたわけではないけど、練習はしてみたい。
僕が頷くとどちらからに脱ぐかを尋ねられる。
僕から? いや、やっぱり最初は慎一さんがいい。
自分以外の裸を見たことがないから好奇心もある。
「あ、あの……慎一、さんから……上、だけ……」
すぐに了承してくれて、リモコンを操作し部屋の電気を暗くした。
煌々と照らしていた部屋の電気が消え、ベッドと周りの小さな灯りだけがついていて、ぼんやりとしか見えない。
でも近づけば見える範囲だ。これなら僕が脱いでも大丈夫そう。
慎一さんはささっとボタンを外すと、さっと上の服を脱ぎ捨てた。
と同時に鍛えられた上半身が露わになった。
「わぁ……っ」
まるで彫刻のような逞しい身体が格好良すぎて、吸い寄せられるように近づいた。
触ってもいいかを尋ねると、
「俺たちは恋人だから、俺の身体は伊月くんのものだよ。好きに触って」
と笑顔で返された。
そうか……。僕たち、恋人同士なんだよね。
うわ、なんか嬉しい。
誰も触れたことのない慎一さんに僕が触れる。
なんとも言えない優越感と、これからも誰にも触らせたくない独占欲が湧き上がってくる。
これが恋人ってことなんだろうか?
ドキドキしたまま、慎一さんの胸に手を当てて自分との違いに驚いて声が出た。
「わぁー、すっごく硬いです!!」
僕のぷにぷにしていて、すぐに骨に触れてしまう身体とは大違いだ。
あまりにも格好良すぎて胸だけでなく硬いお腹も触らせてもらっていると、
「今度は伊月くんも上を脱いで見せてよ」
と言われてしまう。
練習だし、お互いに見せ合わないと意味がないんだけど、慎一さんの格好いい裸を見た後では僕の裸を見てもつまらないかもしれない。
やっぱり先に脱ぐべきだったかと後悔しながら、慎一さんと比べると貧相に見えるかもと正直に言ってみた。
「そんなことを心配してるの? 貧相だなんて思うわけないよ。俺は伊月くんの裸、見たいよ」
優しい慎一さんはそう言ってくれた。それならいいか。
ちょっとまだ恥ずかしいけれど、薄暗いから大丈夫と自分に言い聞かせて、ボタンを外していく。
大きめのパジャマはボタンが二個外れただけでスルリとズレていく。
貧相な身体だと実感してしまいながらも、全部のボタンを外して上着を脱いだ。
「触ってもいい?」
慎一さんの言葉に頷くと、慎一さんの大きな手が僕の胸に触れる。
僕が触れたところと同じような場所だけど、慎一さんの指が触れた瞬間、身体中に何かピリッと刺激を感じた。
「んっ……!」
思わず声が出ると慎一さんから謝られた。でも慎一さんのせいじゃない。僕がただおかしかっただけだ。
どうしてだろう? 自分で触れても何も刺激なんて感じたことないのに。
今まで人に触れられたことがなかったから肌がびっくりしちゃったのかな?
「嫌だった?」
そんなことを聞かれたけど、嫌なはずがない。だって、慎一さんだから。
嫌じゃないというとほっとしたような表情を向けられて、これからどうしようかと尋ねられる。
「これで終わりにしておく? それとも下も脱ぐ? お風呂に入る時は下も脱ぐから練習するんだったら下も脱いでおいたほうがいいと思うけど……」
そう言われてまだ上半身しか脱いでないことに気がついた。
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それを今、見せるべきか?
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「あ、あの……僕の、その……見ても、笑わないで欲しいんですけど……」
「笑ったりしないよ。約束する」
慎一さんの真剣な声に安心する。だって慎一さんは嘘を言わないもん。
「何か不安がある? 俺は伊月くんの不安を取り除きたいよ」
優しく抱きしめられて、さらにほっとする。やっぱり慎一さんだ。
他の誰にも見せられないけど、慎一さんなら僕の全てを知っていて欲しい。そう思えたんだ。
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