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命が尽きるその時まで……
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<side友哉>
これからの生活はどうしようか。
アーチーから尋ねられた時、私の頭には一つしか選択はなかった。
二十六年前、アーチーとの別れを選び日本に戻ってきてからの私は抜け殻同然だった。
アーチーと過ごした時間が夢だったら良かったのに……と思いつつ、身体中に残ったアーチーの痕跡から抜け出すこともできず、何もすることもできなくて正直あの頃のことはほとんど記憶にない。
身体中につけられた花びらが全て消し去ってしまい、アーチーとのことをいよいよ忘れないといけないと思った頃に有沙と出会い、有沙を育てることに集中することでアーチーとのことを忘れることにした。
それでもふとした瞬間にアーチーを思い出しては身体を震わせる。
結局私にはアーチーを忘れることなんてできなかった。
だからこうして再会できて、お互いに気持ちが通じ合っているとわかったらもう離れて暮らすなんて考えられなかった。
有沙も愛する人を見つけて新しい人生を歩み始めた。
アーチーと再会したのがこのタイミングだったのも運命なのだろう。
有沙と遠く離れて過ごすことになっても、私が有沙の父であることに変わりはない。
有沙がもし、私とアーチーのことを認めてくれなくても私はずっと有沙を娘だと思い続ける。
アーチーを忘れられなかったように、有沙のことも決して忘れない。
有沙のことを思いつつ、私はアーチーと幸せになる道を選ぶ。
だから有沙にも幸せでいてほしい。
『私はアーチーと一緒に暮らしたい。できれば、アーチーと出会ったあのロサランで暮らしたい。もう二度と行きたくないと思っていた思い出を上書きしたい』
アーチーに思いの丈を告げると、喜んで賛成してくれた。
どうやらアーチーも同じように思っていてくれたみたいだ。
そんなところも私たちは似ているのだと思うと嬉しかった。
小芝くんと吾妻くんが待っていてくれた部屋で、アーチーの孫のエリックさんとロサラン王国のジェラルド王子にその想いを告げると、賛成してくれた。
もちろん。大学側とも話をしなければいけないからすぐに大学を辞めてロサランで暮らすなんてことはできないけれど、今年度で退職するように準備を整えておこう。
『アーチーの家族は私を認めてくれるか心配だけど……』
『何を言っているんだ。死ぬまで一人生活を続けると思われていた私が、愛する人を見つけたというだけでみんなが大賛成して喜んでくれるよ。それに、私の生まれ故郷であるスウェーデンも第二の故郷にしようと思っているロサラン王国も同性婚は認められているから私たちは誰からも認められる夫夫になれるよ。だからトモヤは何も心配はいらない』
『アーチー……』
私の不安を一瞬にして消し去ってくれる。
本当に頼もしくて愛しい人だ。
『ありがとう。あとは、有沙だけだ』
『トモヤの娘だね』
『うん。有沙にはきちんと話をして日本を発ちたい。愛しい人と幸せな日々を過ごしている有沙を苦しめることになるのだけは避けたいけど、有沙には友人だとか親友だとか言って嘘をつきたくない。アーチーが私の愛する人だとちゃんと話をしたいんだ。認めてもらえるまで時間がかかるかもしれないけど、私の気が済むまで有沙と話し合いたい。アーチー…‥それまで待っていてくれる?』
『もちろん。これまでずっと待ったんだ。トモヤが私のそばにいてくれる未来が決まっているんだから、これからどれだけだって待ち続けられるよ』
『アーチー……』
私と一緒に待ち続けてくれる。アーチーのその言葉が嬉しくてたまらなかった。
アーチーに抱きつきに行こうとしたその時、突然、私たちの左側にあった扉がガチャリと開き、誰かが出てくるのが視界に入った。
驚きのままに視線を向けた瞬間、
「お父さん、私は、大賛成、だよ」
涙でかおをくしゃくしゃにしながら有沙が飛び出してきた。
「えっ? はっ? えっ? なっ、有沙? どうして、ここに?」
突然の有沙の登場に混乱しっぱなしで言葉が出てこない。
有沙はそんな私を見て、涙に塗れながらも表情は笑っていた。
「もう、お父さん! 落ち着いて!」
笑顔で涙する有沙が私に声をかける横で、有沙の夫となった東堂くんが優しくハンカチで涙を拭ってあげている。
有沙は本当に優しくていい人と出会ったものだ。
『トモヤ。彼女が君の娘なのか?』
『えっ? あっ、ごめん。日本語だったからアーチーはわかってなかったよね』
『アリサという名前だけは聞き取れたよ。それで彼女はどうして泣いているんだ?』
『あの、大賛成だって……』
『えっ! 本当に?』
アーチーは困惑したり喜んだり一気に表情が変わっていく。
私も混乱していたから同じか。
『アーチー、とりあえず落ち着いて話をしよう』
有沙にも英語で話をしてくれるように頼み、改めてソファーに座って話をすることにした。
私たちが移動すると、端の方に小芝くんたちも座ってくれた。
そうしてようやく全員が席に着いたところで涙が落ち着いたらしい有沙がゆっくりと口を開いた。
『実は、昨日小芝さんとエリックさんから電話をもらったの。その時にお父さんとアーチーさんのことを教えてもらった』
『えっ……本当に?』
私とアーチーが驚いて小芝くんたちを見ると、彼らは大きく頷いて教えてくれた。
『アーチーとトモヤさんのために私たちにできることを探したんだ。余計なことだとは思ったけれど、ずっと辛い想いをしていた二人にはこれ以上辛い目にはあってほしくなくて、先にアリサさんに連絡を入れた。突然言われたら驚きのあまり言葉が出なくなるかもしれない。でも会って話をするまでに落ち着ける時間があれば、冷静に話し合えると思った』
『エリック……私たちのために色々考えてくれたんだな』
確かに二人で有沙の元に尋ねて行って、全てを打ち明けて理解をしてもらうまでお互いに冷静ではいられないだろう。
『私、エリックさんと話をしてお父さんがアーチーさんのことが好きだったんだって知ってもちろん驚いたけれど、お父さんがずっと言っていた忘れられない人がアーチーさんのことだったんだって思ったらスッと納得できたんだ』
『えっ? どうして?』
『お父さん、気づいてなかったかもしれないけどテレビやラジオでアーチーって名前が出るたびに反応してたよ、だから、その名前に何かあるんだなって子ども心にずっと気になってた』
『――っ!!!』
ずっと有沙には隠していたのに、バレバレだったってことか……。恥ずかしい。
『そのアーチーがアーチー・カーディフのことじゃないかって思ってからは、もしかしたらお父さんは男の人が好きなのかもしれないって思ってた。でもね、エリックさんと話をしてそれが違ったんだってわかったんだ』
『えっ? 違った?』
『うん。お父さんは男の人が好きなんじゃなくて、アーチーさんだけをずっと愛していたんだって。だから、私は二人のことを応援したいって思ったんだよ。だからお父さん、アーチーさんと幸せになって!』
『――っ!! うっ!』
もう、だめだ……嬉しすぎて我慢できない……。
私は隣にいるアーチーの腕に縋りついて涙を流した。
『トモヤ……』
アーチーが優しく私を抱き寄せて背中をさすってくれる。
『トモヤによく似た、優しくていい子を育てたんだな』
『アーチー……」
もう泣きすぎておかしくなりそうだ。
アーチーはそんな私を優しく胸に抱いたまま、有沙に声をかけた。
『君たちは私にとっても可愛い娘と息子だ。私たちはいずれロサランに移住するが、いつでも遊びに来てほしい』
『はい。夫婦でお邪魔します。アーチーお義父さん、有沙さんは私にお任せください。そして、友哉お義父さんのことをお願いします』
東堂くんは、アーチーに深々と頭を下げ、有沙と一緒に笑顔を浮かべていた。
私たちはこうして、全員に祝福されたんだ。
離れ離れの二十六年が勿体無かったといえば嘘になる。
でも有沙の父となり、精一杯育ててきて東堂くんという素晴らしい伴侶と巡り会って幸せになる姿も見られた。
そんな有沙と東堂くんに祝福されてアーチーとの第二の人生を歩む。
これ以上幸せなことはないだろう。
もう決してアーチーから離れない。私たちはずっと二人だ。
これからはずっと幸せに過ごしていこう。命が尽きるその時まで……。
* * *
これで一旦完結です。
有沙の夫、東堂くんは他作品で既出の人ですが多分気づく方はいないかも……。
また番外編を書ければと思っていますので、その時はぜひ読みにきてください♡
ここまで読んでくださりありがとうございます!
これからの生活はどうしようか。
アーチーから尋ねられた時、私の頭には一つしか選択はなかった。
二十六年前、アーチーとの別れを選び日本に戻ってきてからの私は抜け殻同然だった。
アーチーと過ごした時間が夢だったら良かったのに……と思いつつ、身体中に残ったアーチーの痕跡から抜け出すこともできず、何もすることもできなくて正直あの頃のことはほとんど記憶にない。
身体中につけられた花びらが全て消し去ってしまい、アーチーとのことをいよいよ忘れないといけないと思った頃に有沙と出会い、有沙を育てることに集中することでアーチーとのことを忘れることにした。
それでもふとした瞬間にアーチーを思い出しては身体を震わせる。
結局私にはアーチーを忘れることなんてできなかった。
だからこうして再会できて、お互いに気持ちが通じ合っているとわかったらもう離れて暮らすなんて考えられなかった。
有沙も愛する人を見つけて新しい人生を歩み始めた。
アーチーと再会したのがこのタイミングだったのも運命なのだろう。
有沙と遠く離れて過ごすことになっても、私が有沙の父であることに変わりはない。
有沙がもし、私とアーチーのことを認めてくれなくても私はずっと有沙を娘だと思い続ける。
アーチーを忘れられなかったように、有沙のことも決して忘れない。
有沙のことを思いつつ、私はアーチーと幸せになる道を選ぶ。
だから有沙にも幸せでいてほしい。
『私はアーチーと一緒に暮らしたい。できれば、アーチーと出会ったあのロサランで暮らしたい。もう二度と行きたくないと思っていた思い出を上書きしたい』
アーチーに思いの丈を告げると、喜んで賛成してくれた。
どうやらアーチーも同じように思っていてくれたみたいだ。
そんなところも私たちは似ているのだと思うと嬉しかった。
小芝くんと吾妻くんが待っていてくれた部屋で、アーチーの孫のエリックさんとロサラン王国のジェラルド王子にその想いを告げると、賛成してくれた。
もちろん。大学側とも話をしなければいけないからすぐに大学を辞めてロサランで暮らすなんてことはできないけれど、今年度で退職するように準備を整えておこう。
『アーチーの家族は私を認めてくれるか心配だけど……』
『何を言っているんだ。死ぬまで一人生活を続けると思われていた私が、愛する人を見つけたというだけでみんなが大賛成して喜んでくれるよ。それに、私の生まれ故郷であるスウェーデンも第二の故郷にしようと思っているロサラン王国も同性婚は認められているから私たちは誰からも認められる夫夫になれるよ。だからトモヤは何も心配はいらない』
『アーチー……』
私の不安を一瞬にして消し去ってくれる。
本当に頼もしくて愛しい人だ。
『ありがとう。あとは、有沙だけだ』
『トモヤの娘だね』
『うん。有沙にはきちんと話をして日本を発ちたい。愛しい人と幸せな日々を過ごしている有沙を苦しめることになるのだけは避けたいけど、有沙には友人だとか親友だとか言って嘘をつきたくない。アーチーが私の愛する人だとちゃんと話をしたいんだ。認めてもらえるまで時間がかかるかもしれないけど、私の気が済むまで有沙と話し合いたい。アーチー…‥それまで待っていてくれる?』
『もちろん。これまでずっと待ったんだ。トモヤが私のそばにいてくれる未来が決まっているんだから、これからどれだけだって待ち続けられるよ』
『アーチー……』
私と一緒に待ち続けてくれる。アーチーのその言葉が嬉しくてたまらなかった。
アーチーに抱きつきに行こうとしたその時、突然、私たちの左側にあった扉がガチャリと開き、誰かが出てくるのが視界に入った。
驚きのままに視線を向けた瞬間、
「お父さん、私は、大賛成、だよ」
涙でかおをくしゃくしゃにしながら有沙が飛び出してきた。
「えっ? はっ? えっ? なっ、有沙? どうして、ここに?」
突然の有沙の登場に混乱しっぱなしで言葉が出てこない。
有沙はそんな私を見て、涙に塗れながらも表情は笑っていた。
「もう、お父さん! 落ち着いて!」
笑顔で涙する有沙が私に声をかける横で、有沙の夫となった東堂くんが優しくハンカチで涙を拭ってあげている。
有沙は本当に優しくていい人と出会ったものだ。
『トモヤ。彼女が君の娘なのか?』
『えっ? あっ、ごめん。日本語だったからアーチーはわかってなかったよね』
『アリサという名前だけは聞き取れたよ。それで彼女はどうして泣いているんだ?』
『あの、大賛成だって……』
『えっ! 本当に?』
アーチーは困惑したり喜んだり一気に表情が変わっていく。
私も混乱していたから同じか。
『アーチー、とりあえず落ち着いて話をしよう』
有沙にも英語で話をしてくれるように頼み、改めてソファーに座って話をすることにした。
私たちが移動すると、端の方に小芝くんたちも座ってくれた。
そうしてようやく全員が席に着いたところで涙が落ち着いたらしい有沙がゆっくりと口を開いた。
『実は、昨日小芝さんとエリックさんから電話をもらったの。その時にお父さんとアーチーさんのことを教えてもらった』
『えっ……本当に?』
私とアーチーが驚いて小芝くんたちを見ると、彼らは大きく頷いて教えてくれた。
『アーチーとトモヤさんのために私たちにできることを探したんだ。余計なことだとは思ったけれど、ずっと辛い想いをしていた二人にはこれ以上辛い目にはあってほしくなくて、先にアリサさんに連絡を入れた。突然言われたら驚きのあまり言葉が出なくなるかもしれない。でも会って話をするまでに落ち着ける時間があれば、冷静に話し合えると思った』
『エリック……私たちのために色々考えてくれたんだな』
確かに二人で有沙の元に尋ねて行って、全てを打ち明けて理解をしてもらうまでお互いに冷静ではいられないだろう。
『私、エリックさんと話をしてお父さんがアーチーさんのことが好きだったんだって知ってもちろん驚いたけれど、お父さんがずっと言っていた忘れられない人がアーチーさんのことだったんだって思ったらスッと納得できたんだ』
『えっ? どうして?』
『お父さん、気づいてなかったかもしれないけどテレビやラジオでアーチーって名前が出るたびに反応してたよ、だから、その名前に何かあるんだなって子ども心にずっと気になってた』
『――っ!!!』
ずっと有沙には隠していたのに、バレバレだったってことか……。恥ずかしい。
『そのアーチーがアーチー・カーディフのことじゃないかって思ってからは、もしかしたらお父さんは男の人が好きなのかもしれないって思ってた。でもね、エリックさんと話をしてそれが違ったんだってわかったんだ』
『えっ? 違った?』
『うん。お父さんは男の人が好きなんじゃなくて、アーチーさんだけをずっと愛していたんだって。だから、私は二人のことを応援したいって思ったんだよ。だからお父さん、アーチーさんと幸せになって!』
『――っ!! うっ!』
もう、だめだ……嬉しすぎて我慢できない……。
私は隣にいるアーチーの腕に縋りついて涙を流した。
『トモヤ……』
アーチーが優しく私を抱き寄せて背中をさすってくれる。
『トモヤによく似た、優しくていい子を育てたんだな』
『アーチー……」
もう泣きすぎておかしくなりそうだ。
アーチーはそんな私を優しく胸に抱いたまま、有沙に声をかけた。
『君たちは私にとっても可愛い娘と息子だ。私たちはいずれロサランに移住するが、いつでも遊びに来てほしい』
『はい。夫婦でお邪魔します。アーチーお義父さん、有沙さんは私にお任せください。そして、友哉お義父さんのことをお願いします』
東堂くんは、アーチーに深々と頭を下げ、有沙と一緒に笑顔を浮かべていた。
私たちはこうして、全員に祝福されたんだ。
離れ離れの二十六年が勿体無かったといえば嘘になる。
でも有沙の父となり、精一杯育ててきて東堂くんという素晴らしい伴侶と巡り会って幸せになる姿も見られた。
そんな有沙と東堂くんに祝福されてアーチーとの第二の人生を歩む。
これ以上幸せなことはないだろう。
もう決してアーチーから離れない。私たちはずっと二人だ。
これからはずっと幸せに過ごしていこう。命が尽きるその時まで……。
* * *
これで一旦完結です。
有沙の夫、東堂くんは他作品で既出の人ですが多分気づく方はいないかも……。
また番外編を書ければと思っていますので、その時はぜひ読みにきてください♡
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いぬぞ〜さま。コメントありがとうございます!
誰がいいかなと思ってたらふってきました。
確かにあれから後の祐悟、すごかったですよね(笑)
彼の印象消えちゃいますwww
お互いに同性婚には理解ある人で有沙より年上の紳士。
意外といい相手かも✨
ヒロさま。コメントありがとうございます!
すごい! 大正解です!!
気づてくださる方はいないんじゃないかなと思っていたので正解が出てびっくりしてます。
物腰柔らかくて、男性同士のカップルにも柔軟な対応をしてくれる。しかも祐悟の信頼もあるいい男性です💕
有沙の旦那さまにはぴったりかなと。
あててくださってありがとうございます!!!!
四葩さま。コメントありがとうございます!
大正解一番乗りです!!
まさかあててくださるとは思ってなかったのでびっくりして声出ちゃいましたよ!!
そうですそうです。その東堂くんです✨
有沙の旦那さまにはぴったりなイメージかなと💕
というわけでこちらと繋げてみましたwww