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<side響也>
瑛に愛を※
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「あの、先輩……じゃあ、結婚はしないんですよね? 仕事も辞めないんですよね?」
あれから長い時間、愛を確かめ合ったと言うのに、まだこの質問。
本当に鈍感すぎる。
瑛にはしっかりと言葉にした方が誤解を生まずにすみそうだ。
結婚するなら瑛しか考えていない。
そういうと、瑛の表情が一気に明るくなった。
だが、仕事は辞めると話した途端、この世の終わりのように顔を暗くした。
ふふっ。
俺は思った以上に瑛に愛されているらしい。
もっといじめてやりたいが、安心もさせてやりたい。
そんな思いで、起業したから瑛も連れて行くと言うと、目を丸くして驚いていた。
ああ、この顔が可愛いんだ。
お前の力が必要だから連れていきたいんだ、来てくれるだろう? と告げると、嬉しそうに
「はいっ! 先輩っ僕を連れていってください!!」
と元気よく言ってくれた。
瑛と二人で仕事を始めたら……と願っていたこと。
それは先輩ではなく名前で呼んでもらうこと。
もちろん、瑛から先輩と呼ばれるのは嫌じゃない。
だが、瑛にとって先輩は何人もいる。
俺は瑛の特別な存在になったんだ。
「瑛……俺たちはこれから新しい会社で頑張る対等な関係だ。もう先輩じゃない。俺のこと、響也と呼んでほしい」
真剣にそう頼むと、瑛は少し緊張しながら、
「響也、さん……」
と囁いた。
正直、『さん』付けなんかいらないのだが……まぁすぐには無理だろうか。
いつか、響也と呼ばせてみせる。
* * *
瑛は俺と同棲を始めたと同時に今まで瑛の尻を慰めていたディルドたちを全て処分した。
「あれ、全部捨ててよかったのか? 少しくらい残しておけばよかったのに。瑛が自分でするのも見たかったのにな」
「えっ? やっ、だめです、だめですっ。そんなの見せられませんっ! それに……」
「それに?」
「響也さんの、知っちゃったらもうあのディルドを気持ちいいなんて思えないから……」
「くっ――!! お前はまた……」
「えっ? なん、で……どうして……っ」
相変わらず、俺は瑛の無自覚発言に煽られっぱなしだ。
いつも煽られては瑛を寝室に連れ込むのはもうお決まりのパターン。
だが、一つだけ瑛が気づいていないこと。
それは……
「ああっん! きょー、や……っ、きてぇ……っ」
「ふふっ。瑛……可愛いよ」
「ひゃぁ――っ、お、くぅ……っ、きもちいぃ……っ、ああっ、きょー、や……っ、もっとぉ ……っ」
最高潮に気持ちいい時には俺を呼び捨てにするんだ。
俺を呼び捨てで呼びながら、俺の与える刺激にピクピクと身体を震わせる。
それも毎回。
瑛が俺ので満足しているのを感じるのが最高に気持ちがいい。
「ああっ! きょー、や……っ、おっきぃ……、こわれ、ちゃう……っ! ああっん……っ、きもちいぃ ……っ」
これだけ感じてくれてるなら、そりゃあディルドなんていらないよな。
俺は今日も瑛に『きょーや』と呼んでもらえるように、愛を与え続ける。
あれから長い時間、愛を確かめ合ったと言うのに、まだこの質問。
本当に鈍感すぎる。
瑛にはしっかりと言葉にした方が誤解を生まずにすみそうだ。
結婚するなら瑛しか考えていない。
そういうと、瑛の表情が一気に明るくなった。
だが、仕事は辞めると話した途端、この世の終わりのように顔を暗くした。
ふふっ。
俺は思った以上に瑛に愛されているらしい。
もっといじめてやりたいが、安心もさせてやりたい。
そんな思いで、起業したから瑛も連れて行くと言うと、目を丸くして驚いていた。
ああ、この顔が可愛いんだ。
お前の力が必要だから連れていきたいんだ、来てくれるだろう? と告げると、嬉しそうに
「はいっ! 先輩っ僕を連れていってください!!」
と元気よく言ってくれた。
瑛と二人で仕事を始めたら……と願っていたこと。
それは先輩ではなく名前で呼んでもらうこと。
もちろん、瑛から先輩と呼ばれるのは嫌じゃない。
だが、瑛にとって先輩は何人もいる。
俺は瑛の特別な存在になったんだ。
「瑛……俺たちはこれから新しい会社で頑張る対等な関係だ。もう先輩じゃない。俺のこと、響也と呼んでほしい」
真剣にそう頼むと、瑛は少し緊張しながら、
「響也、さん……」
と囁いた。
正直、『さん』付けなんかいらないのだが……まぁすぐには無理だろうか。
いつか、響也と呼ばせてみせる。
* * *
瑛は俺と同棲を始めたと同時に今まで瑛の尻を慰めていたディルドたちを全て処分した。
「あれ、全部捨ててよかったのか? 少しくらい残しておけばよかったのに。瑛が自分でするのも見たかったのにな」
「えっ? やっ、だめです、だめですっ。そんなの見せられませんっ! それに……」
「それに?」
「響也さんの、知っちゃったらもうあのディルドを気持ちいいなんて思えないから……」
「くっ――!! お前はまた……」
「えっ? なん、で……どうして……っ」
相変わらず、俺は瑛の無自覚発言に煽られっぱなしだ。
いつも煽られては瑛を寝室に連れ込むのはもうお決まりのパターン。
だが、一つだけ瑛が気づいていないこと。
それは……
「ああっん! きょー、や……っ、きてぇ……っ」
「ふふっ。瑛……可愛いよ」
「ひゃぁ――っ、お、くぅ……っ、きもちいぃ……っ、ああっ、きょー、や……っ、もっとぉ ……っ」
最高潮に気持ちいい時には俺を呼び捨てにするんだ。
俺を呼び捨てで呼びながら、俺の与える刺激にピクピクと身体を震わせる。
それも毎回。
瑛が俺ので満足しているのを感じるのが最高に気持ちがいい。
「ああっ! きょー、や……っ、おっきぃ……、こわれ、ちゃう……っ! ああっん……っ、きもちいぃ ……っ」
これだけ感じてくれてるなら、そりゃあディルドなんていらないよな。
俺は今日も瑛に『きょーや』と呼んでもらえるように、愛を与え続ける。
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