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<side響也>
瑛のお願い
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瑛を愚かな虫たちから遠ざけ続けて5年。
その間に業績を安定させたい上層部からは俺宛に何度も縁談の打診があった。
その度に大切な人がいるから見合いは受けないと言い続けてきたが、つい先日打ち合わせだと嘘をつかれて、H物産の社長の娘との縁談に連れて行かれた。
怒りを通り越して呆れてしまった俺は、その場ではっきりと大事な人がいるから結婚する気はさらさらないと言い切り自宅へと戻った。
ああ、本当に外野がうるさくなってきたな。
私の大事な相手が瑛だとバレる前にそろそろ会社を辞めておいた方が良さそうだな。
起業の準備もすっかり整っている。
あとはタイミングだけだったが今が時期なのだろう。
翌日、部長に話があると言って、会議室に呼び出し辞職願を提出した。
「な――っ、岬、どういうことだ?」
「見ての通り、辞職願です。この会社を辞めます」
「なぜだ? お前の評価は十分にもらっているはずだろう?」
「確かに給料には別に不満はありません。私自身の問題です」
「いや、待ってくれ。お前に抜けられたらこの会社の業績は確実に下がる。なんとか考え直してもらえないか?」
「すでにじっくり考えた結果です。申し訳ありませんが、撤回するつもりはありません」
「岬、頼む。明日またゆっくり話そう! 頼む!!」
部長の清水に懇願されて、とりあえず明日もう一度話すことになったが、どれだけ引き留められてもこの気持ちは変えられない。
5年間、この日のために必死でやってきたのだから。
俺の辞職願が受理されたら、その日に瑛に思いを伝えるとしよう。
そう思っていたのに、翌日会議室には清水だけでなく、社長や専務といった役員の姿もあった。
「これはどういうことですか?」
「君が我が社を辞めるつもりだと聞いて考えたんだ。君が不満があるとすればなんだったかと……。それでわかった。君は我が社の社長の座が欲しいのだろう? 金がある君に足りないとすれば地位だけだ。だから、私の娘を君にやろう! そうしたら君は次期社長だ!! これなら辞める必要などないだろう?」
「はぁーーつ。何を仰るかと思えば、くだらない」
「くだらないとはなんだ! 私は君のために大事な娘まで渡してやると言っているのだぞ! 喜ぶのが筋だろう!!」
「社長の娘に興味などありません。ついでに言えば、ここの社長になるつもりもありません。何度も言っていますが、私には大事な人がいて、その人以外との結婚は考えていません。これ以上話し合うつもりはありません。辞職願受理してください。失礼します」
「おいっ! 岬っ!!」
社長の怒鳴り声も無視して、言いたいことを言いまくって会議室を出た。
これでいい。
今夜、瑛に思いを伝えよう。
どんな表情をするか、いや、きっと喜んでくれるだろう。楽しみだな。
そう思っていると、給湯室の前に可愛い瑛の姿を見つけた。
俺の目にはいつでも瑛が飛び込んでくる。
きっと瑛センサーが付いているのかもしれない。
そんなことを思いながら、
「松坂、そんなところで何してるんだ?」
と声をかけると、今まで見たことがないほど慌てふためいた様子で俺に振り返った。
なんとなく目に涙が潤んでいるような気がする。
顔も赤いし、何か言われたりしたんだろうか?
心配になって医務室に連れて行こうかと思い、熱を測ろうと手を伸ばしておでこに触れると、
「ひゃ――っ」
と可愛らしい声をあげて見上げてくる。
それだけで滾って来そうになるのを必死に抑えて、悩みでもあるのかと声をかけ、営業の力を発揮して怒涛の口撃で瑛を飲みに連れて行くことに成功した。
今夜は2人で飲んでそのままどこかに泊まってもいい。
俺たちの初めての夜だ。
そんな邪な思いを抱きながら、俺は瑛を連れ行きつけの店に連れて行った。
決して邪魔されることのない空間に瑛を連れて行き、まずはビールで乾杯し、たわいもない話で瑛の緊張をほぐしていく。
いつまでも変わらないここの美味しい料理を食べ、嬉しそうな顔をする瑛を愛おしく思いながら、
「それで、どうしたんだ? 何かあったのか?」
と話を切り出した。
俺の知らないところで、瑛が傷つけられるなんてとんでもないことだし、瑛が俺以外のことで頭がいっぱいになっているのも面白くない。
さっさとその元凶を潰してやらないとな。
そう考えていると、瑛から思いもかけない言葉が飛び出した。
「あの、僕……仕事、辞めようと思って……」
はぁ?
瑛が、仕事を辞める?
なぜだ?
まだ俺が誘ったわけでもないのに、どうして辞めるなどと言い出したんだ?
少なくとも仕事の面では好調だったはずだ!
営業成績だって、ずっと俺に次いで2番をキープしてる。
俺がまだ誘いもしていないうちに仕事を辞めるなんて選択をするわけがないんだ。
もしかして本当に俺の知らないところで何かがあったのか?
瑛に仕事を辞めたいと決意させるほどの何かが……。
「何があったんだ? お前が仕事辞めようと思うなんて……。誰かに何かされたのか?」
あまりの驚きに感情を抑えることもできなくて、声を荒らげながら尋ねると、
「ち、違いますっ!! ただ、このまま続けていく自信がなくなっただけで」
と返してきたが、明らかに嘘だとわかる。
瑛は俺には嘘はつかないと信じていた。
だが、こうして本当のことも言ってもらえない仲だったのかと思うと悔しい。
まさか俺に言えないことがあるとは……。
悔し紛れにため息を吐きながらそう言ってやると、瑛は急に表情をかえ、
「先輩……じゃあ、話したら……僕のお願い、聞いてくれるんですか?」
と言い出した。
瑛のお願い?
そんなのなんだって聞いてやるよ。
俺はそのためにこの5年必死に頑張って来たんだからな。
そう返してやると、瑛は突然目の前のジョッキを手に取り、まだ半分近く残っていたビールを一気に飲み干して
「僕はっ、入社してからずっと先輩のことが好きだったんですっ!! でも、先輩が結婚されるって聞いて悲しくて……仕事にいく気がなくなったんです! せめてもの思い出に先輩が一度だけでも僕を抱いてくれたら、僕……仕事辞めるの、辞めます!! でも、無理でしょう? いいんです、わかってますから、だから僕のことは放っといてください!!」
と大声で叫んだ。
えっ?
俺が結婚?
そのせいで辞めたくなった?
一度でいいから抱いてくれたら……
って、いや、ちょっと待てっ!
あまりの情報量にキャパオーバーになっている。
他の奴らはともかく、あれだけ瑛にだけ特別扱いをしていたのに俺が好意を持っていることすら気づかれてなかったということか?
それどころか他の女と結婚すると信じられていたなんて。
なんなんだよ、一体。
茫然と瑛を見つめていると、瑛は言いたいだけ言って
「すみません、失礼します。今の全部忘れてください」
と自分の荷物を持って部屋を出ようとする。
何言ってるんだ、逃すかよっ!
俺は横を通り過ぎようとする瑛の腕をがっしりと掴んで、
「なんでも願いを聞いてやるって言っただろう? 抱いて欲しいんだろう? 願い通りにしてやるよ」
とそのまま会計を済ませて、最初から今日連れ込もうと思って予約していた高級ラブホに瑛を連れ込んだ。
本当ならスイートルームのある高級ホテルがよかったが、流石に当日予約は取れなかった。
まぁ瑛と繋がるなら、全ての準備が整ったラブホの方が都合がよかったという理由もある。
スイートルーム並みの料金がかかるここのホテルなら、瑛との初夜にもぴったりだろう。
そんな思いで予約したここに2人で愛を語り合いながら入ろうと思っていたが、実際には腕を掴んで無理やり連れ込んでいるという現実。
しかも本意ではないとでも言いたげに拒み続ける瑛にイライラして
「静かにしろっ!」
と怒鳴ってしまった。
こんな夜になるはずではなかった。
そんな後悔をしながら部屋に到着した俺は、瑛をベッドに押し倒した。
その間に業績を安定させたい上層部からは俺宛に何度も縁談の打診があった。
その度に大切な人がいるから見合いは受けないと言い続けてきたが、つい先日打ち合わせだと嘘をつかれて、H物産の社長の娘との縁談に連れて行かれた。
怒りを通り越して呆れてしまった俺は、その場ではっきりと大事な人がいるから結婚する気はさらさらないと言い切り自宅へと戻った。
ああ、本当に外野がうるさくなってきたな。
私の大事な相手が瑛だとバレる前にそろそろ会社を辞めておいた方が良さそうだな。
起業の準備もすっかり整っている。
あとはタイミングだけだったが今が時期なのだろう。
翌日、部長に話があると言って、会議室に呼び出し辞職願を提出した。
「な――っ、岬、どういうことだ?」
「見ての通り、辞職願です。この会社を辞めます」
「なぜだ? お前の評価は十分にもらっているはずだろう?」
「確かに給料には別に不満はありません。私自身の問題です」
「いや、待ってくれ。お前に抜けられたらこの会社の業績は確実に下がる。なんとか考え直してもらえないか?」
「すでにじっくり考えた結果です。申し訳ありませんが、撤回するつもりはありません」
「岬、頼む。明日またゆっくり話そう! 頼む!!」
部長の清水に懇願されて、とりあえず明日もう一度話すことになったが、どれだけ引き留められてもこの気持ちは変えられない。
5年間、この日のために必死でやってきたのだから。
俺の辞職願が受理されたら、その日に瑛に思いを伝えるとしよう。
そう思っていたのに、翌日会議室には清水だけでなく、社長や専務といった役員の姿もあった。
「これはどういうことですか?」
「君が我が社を辞めるつもりだと聞いて考えたんだ。君が不満があるとすればなんだったかと……。それでわかった。君は我が社の社長の座が欲しいのだろう? 金がある君に足りないとすれば地位だけだ。だから、私の娘を君にやろう! そうしたら君は次期社長だ!! これなら辞める必要などないだろう?」
「はぁーーつ。何を仰るかと思えば、くだらない」
「くだらないとはなんだ! 私は君のために大事な娘まで渡してやると言っているのだぞ! 喜ぶのが筋だろう!!」
「社長の娘に興味などありません。ついでに言えば、ここの社長になるつもりもありません。何度も言っていますが、私には大事な人がいて、その人以外との結婚は考えていません。これ以上話し合うつもりはありません。辞職願受理してください。失礼します」
「おいっ! 岬っ!!」
社長の怒鳴り声も無視して、言いたいことを言いまくって会議室を出た。
これでいい。
今夜、瑛に思いを伝えよう。
どんな表情をするか、いや、きっと喜んでくれるだろう。楽しみだな。
そう思っていると、給湯室の前に可愛い瑛の姿を見つけた。
俺の目にはいつでも瑛が飛び込んでくる。
きっと瑛センサーが付いているのかもしれない。
そんなことを思いながら、
「松坂、そんなところで何してるんだ?」
と声をかけると、今まで見たことがないほど慌てふためいた様子で俺に振り返った。
なんとなく目に涙が潤んでいるような気がする。
顔も赤いし、何か言われたりしたんだろうか?
心配になって医務室に連れて行こうかと思い、熱を測ろうと手を伸ばしておでこに触れると、
「ひゃ――っ」
と可愛らしい声をあげて見上げてくる。
それだけで滾って来そうになるのを必死に抑えて、悩みでもあるのかと声をかけ、営業の力を発揮して怒涛の口撃で瑛を飲みに連れて行くことに成功した。
今夜は2人で飲んでそのままどこかに泊まってもいい。
俺たちの初めての夜だ。
そんな邪な思いを抱きながら、俺は瑛を連れ行きつけの店に連れて行った。
決して邪魔されることのない空間に瑛を連れて行き、まずはビールで乾杯し、たわいもない話で瑛の緊張をほぐしていく。
いつまでも変わらないここの美味しい料理を食べ、嬉しそうな顔をする瑛を愛おしく思いながら、
「それで、どうしたんだ? 何かあったのか?」
と話を切り出した。
俺の知らないところで、瑛が傷つけられるなんてとんでもないことだし、瑛が俺以外のことで頭がいっぱいになっているのも面白くない。
さっさとその元凶を潰してやらないとな。
そう考えていると、瑛から思いもかけない言葉が飛び出した。
「あの、僕……仕事、辞めようと思って……」
はぁ?
瑛が、仕事を辞める?
なぜだ?
まだ俺が誘ったわけでもないのに、どうして辞めるなどと言い出したんだ?
少なくとも仕事の面では好調だったはずだ!
営業成績だって、ずっと俺に次いで2番をキープしてる。
俺がまだ誘いもしていないうちに仕事を辞めるなんて選択をするわけがないんだ。
もしかして本当に俺の知らないところで何かがあったのか?
瑛に仕事を辞めたいと決意させるほどの何かが……。
「何があったんだ? お前が仕事辞めようと思うなんて……。誰かに何かされたのか?」
あまりの驚きに感情を抑えることもできなくて、声を荒らげながら尋ねると、
「ち、違いますっ!! ただ、このまま続けていく自信がなくなっただけで」
と返してきたが、明らかに嘘だとわかる。
瑛は俺には嘘はつかないと信じていた。
だが、こうして本当のことも言ってもらえない仲だったのかと思うと悔しい。
まさか俺に言えないことがあるとは……。
悔し紛れにため息を吐きながらそう言ってやると、瑛は急に表情をかえ、
「先輩……じゃあ、話したら……僕のお願い、聞いてくれるんですか?」
と言い出した。
瑛のお願い?
そんなのなんだって聞いてやるよ。
俺はそのためにこの5年必死に頑張って来たんだからな。
そう返してやると、瑛は突然目の前のジョッキを手に取り、まだ半分近く残っていたビールを一気に飲み干して
「僕はっ、入社してからずっと先輩のことが好きだったんですっ!! でも、先輩が結婚されるって聞いて悲しくて……仕事にいく気がなくなったんです! せめてもの思い出に先輩が一度だけでも僕を抱いてくれたら、僕……仕事辞めるの、辞めます!! でも、無理でしょう? いいんです、わかってますから、だから僕のことは放っといてください!!」
と大声で叫んだ。
えっ?
俺が結婚?
そのせいで辞めたくなった?
一度でいいから抱いてくれたら……
って、いや、ちょっと待てっ!
あまりの情報量にキャパオーバーになっている。
他の奴らはともかく、あれだけ瑛にだけ特別扱いをしていたのに俺が好意を持っていることすら気づかれてなかったということか?
それどころか他の女と結婚すると信じられていたなんて。
なんなんだよ、一体。
茫然と瑛を見つめていると、瑛は言いたいだけ言って
「すみません、失礼します。今の全部忘れてください」
と自分の荷物を持って部屋を出ようとする。
何言ってるんだ、逃すかよっ!
俺は横を通り過ぎようとする瑛の腕をがっしりと掴んで、
「なんでも願いを聞いてやるって言っただろう? 抱いて欲しいんだろう? 願い通りにしてやるよ」
とそのまま会計を済ませて、最初から今日連れ込もうと思って予約していた高級ラブホに瑛を連れ込んだ。
本当ならスイートルームのある高級ホテルがよかったが、流石に当日予約は取れなかった。
まぁ瑛と繋がるなら、全ての準備が整ったラブホの方が都合がよかったという理由もある。
スイートルーム並みの料金がかかるここのホテルなら、瑛との初夜にもぴったりだろう。
そんな思いで予約したここに2人で愛を語り合いながら入ろうと思っていたが、実際には腕を掴んで無理やり連れ込んでいるという現実。
しかも本意ではないとでも言いたげに拒み続ける瑛にイライラして
「静かにしろっ!」
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