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番外編
僕の妊夫生活※
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「ルカ、ほら動いてはいけないよ」
「でも……ずっとベッドにいるのも疲れちゃって……。少し外の空気を吸いたいんだけどだめ?」
「――っ、仕方ないな。じゃあ、ルカは無理しないように私が抱きかかえて行こう」
僕の妊娠がわかってから、ウィルはほんの少しでも僕が立ったり動いたりするのが心配みたいで何もかもお世話されている。
食事もベッドの上で僕は口を開けるだけだし、トイレもウィルが抱き上げて連れて行ってくれる。
お風呂に入るのはもちろん、歯を磨いたりするのも全部ウィルにやってもらっている。
確かに僕のお腹に大切な命が宿っているわけだし、心配なのもよくわかるんだけど……こんなに動かずにいて大丈夫なのかなと少し不安になる。
でも、不思議なことにちょっと気になってたお腹のお肉はこんなに動いてないのに少しずつ減ってきてるんだよね。
前に食べ過ぎて太ってきてるから運動した方がいいかなってセスに相談した時、
――婚礼の儀が終わりましたら、すぐにお痩せになりますよ。今は栄養を蓄える時期ですから
そう言われたのを思い出した。
あの時はセスが何を言っているのかわからなかったけど、もしかしたら赤ちゃんに栄養を取られるからってことだったのかな?
そうなると、もっといっぱい食べた方がいいのかな?
どうなんだろう……。
「わぁ、風が気持ちいい」
「そうだな、今日は天気もいいから少しここでゆっくりしようか」
ウィルがそういうと、どこからやってきたのかわからない勢いでセスが現れて木の陰に柔らかな敷物を敷いてくれた。
そして、ウィルはそこに腰を下ろし膝に乗せた僕にセスから手渡された暖かいブランケットをかけてくれた。
「どうだ? 寒くないか?」
「うん、平気」
「ルカ、体調に少しでも気になることがあるならちゃんと私にいうんだぞ」
真剣な表情でそう言われて、僕はさっき気になっていたことを話してみることにした。
「あのね、ウィル……僕、ウィルにずっとお世話されてるでしょ?」
「ルカ、私が世話をするのは嫌か?」
「ううん、そうじゃなくて……あのね、僕全然動いていないのに少し痩せた気がするんだ」
「ああ。それは私も思っていた」
「えっ? 気づいてたの?」
思いがけないウィルの言葉に僕はびっくりしてしまった。
痩せたと言っても見た目にはそこまで変わっていないのに、なんでわかったんだろう?
「ああ、わからないわけがないだろう? 私が毎日ルカの身体に触れているのだからな。私も少し気になって少量でも栄養の取れるものを食事に出すように頼んだんだ。それでもまだ痩せたのは戻っていないようだな」
「うん、もっと食べた方がいいのかな?」
「いや、無闇矢鱈に食べるだけでは逆に体調を崩してしまうからな。一度ジョージ医師の診断を受けた方がいいだろう。ジョージ医師もほんの少しでも気になることがあればいつでも呼んでくれと言っていたしな。すぐに呼ぶか?」
「うん……でも、もう少しウィルとここにいたい」
「――っ、ああ。そうだな、私ももう少しここでルカと腹の子と心地よい風に吹かれていたいな」
「うん、家族水いらずだね」
ウィルは僕を抱きしめながら、ブランケットの中に手を入れ僕のお腹を優しく撫でてくれた。
ウィルの手の温もりが赤ちゃんに届いたのか、僕は知らない間に眠ってしまっていた。
目を覚ますといつものベッドに横たわっていた。
もちろん隣にはウィルの姿がある。
起きた時にいないのは寂しいからと前に言った事を覚えてくれているようで、いつも僕を優しく抱きしめてくれているんだ。
ウィルからスウスウと寝息が聞こえる。
ウィルの寝顔、久しぶりに見た気がする。
いつも僕よりも先に起きてたからな。
そっとウィルの頬に触れると、
「うーん」
と可愛らしい声が聞こえる。
愛しい気持ちが込み上げてくるのを抑えられなくて、ウィルの唇にそっとキスをすると、ウィルの瞳がそっと開いた。
ああ、まるで眠り姫みたい。
でもウィルが姫……ふふっ、似合わないな。
やっぱりウィルは王子さまかな。
うん、僕だけの王子様だ。
「ルカ、起きてたのか?」
「うん、ウィルの寝顔を見てた。可愛かったよ」
「可愛いなんて、ルカ以外に言われた事ないな」
「いいの。僕だけが知ってれば」
「ルカ……ああ、そうだな。ルカだけが知っていればいい」
ウィルが優しく僕の唇にキスをする。
柔らかな唇を当てられるだけで安心する。
嬉しくてお腹に負担をかけないように気遣いながらウィルに抱きつくとウィルのお腹の下に硬いものを感じた。
「あれ? これって……」
確か前にも同じ感触を……
「ルカ、気にしないでいい。これは寝起きだからそうなっているだけだ」
ウィルがそう説明するけれど、そういえば最近ウィルの方からしようと言ってこない。
きっと赤ちゃんの事を心配しているんだろうけど、こんなに硬くなってたら辛いよね?
僕はそっとウィルのソレに触れると、ガチガチに反り返っているのがわかる。
「――っ! ルカ、気にしないでいいと言ったろう?」
「でも、ウィルのこんなに硬くなって辛そう……」
「それはそうだが……」
「挿入るのはウィルのおっきぃし心配だから、口でしてもいい?」
「ルカっ! それは……赤子のためにやめた方がいいんじゃないか?」
「赤ちゃんはウィルの蜜でできたんだから、きっとウィルの蜜は好きだと思うよ。それにすごくいい匂いがするし。ウィル、僕に見せて。だめ?」
「――っ! ルカに言われてはダメだとはいえないな……」
ウィルは僕の前で膝立ちになりズボンの前を寛げてくれると、勢いよくウィルの大きなモノが飛び出てきた。
僕はその匂いに誘われるようにウィルの先っぽを舌でペロリと舐めとった。
久しぶりの蜜に身体がピクリと震える。
ああ、やっぱり僕の身体にはウィルの蜜が必要なんじゃないかな。
そう思うとどんどん舐めたくなって、猫のようにぺろぺろと舐め尽くしていると
「ゔぅ――っ、ルカ! もう、出そう、だ……」
という声が聞こえ、慌てて口を開けて咥えると、僕の口の中に大量の蜜が入ってきた。
それを僕は一滴残らず飲み干し、先っぽに残った蜜まで綺麗に舐めとった。
「ルカ……なんで」
「えっ? おいしかったよ……ほら」
何もなくなった口の中を見せると、ウィルは
「――っ!! ああっもう! 私が必死に我慢しているのにそんなのを見せられたら我慢できなくなるだろう」
と苦しげに僕を抱きしめた。
我慢しなくていいのに……と思ったけれど、やっぱり赤ちゃんがいるから心配はある。
「ウィル……ジョージ先生を呼んでもらえる?」
そう頼むと、ウィルも思うところがあったのかセスに頼んでくれた。
それからしばらく経ってジョージ先生が来た。
寝室ではなくリビングだったのはウィルがどうしてもここがいいと言ったからだ。
ソファーに腰掛けたウィルの膝に座り、ジョージ先生に診察してもらう。
「ルカさま、お顔の色はよろしいですね。何か気になることがございますか?」
「あの……食事はちゃんと摂ってるんですけど、少し痩せているみたいなのが気になって……」
「お痩せに? それは心配ですね。ちょっと見てみましょう」
そういうと、ジョージ先生は僕の腕をとって脈を診始めた。
こんなのでわかるのかな?
と不思議に思ったけれど、ジョージ先生の表情がどんどん変わっていく。
やっぱり何かあるのかな?
「一度病院に来ていただいて詳しく検査をさせていただきたいのですが……お腹の御子はおそらく双子かと……」
「「えっ?」」
思いもかけない言葉に僕もウィルもびっくりして言葉が出ない。
「ジョージ医師、双子とは本当なのか?」
「はい。おそらく間違いはないかと存じます。ですから、お一人分の栄養で足りずルカさまの元々の栄養をもらって大きくなっているようですね。ルカさまがお痩せになったのはそのせいかと……」
ルカの生まれ変わりが生まれると聞いていたから、てっきり一人だと思っていたのに。
まさか双子だなんて……。
「元々秘薬での出産は多胎出産になりやすいようです。おそらく蜜をたくさん注ぐからだと思われますが、なにぶん秘薬での出産自体がそう数があることではないので確実ではありません。ですが、ルカさまが双子を御懐妊されたのは間違いないと思われます」
「ルカ、驚いたが嬉しい事実だ。そうだろう?」
「うん。一気に二人だもんね。お父さまも国王さまもびっくりするだろうな」
「そうだな。これからはさらに気をつけていかねばな」
そうだ。双子となれば今以上に気をつけないとね。
でもウィルをずっと我慢させるのは嫌だな。
それに僕だってウィルに愛されたい……。
「あの……ジョージ先生。質問してもいいですか?」
「はい。何なりとお尋ねください」
「あの……お腹に赤ちゃんがいるから、その……ウィルと、愛し合うのはダメですか?」
「えっ?」
「――っ! ルカ! 私のことなど気にしなくとも……」
「ううん、僕がウィルと愛し合いたいんだもん。ちゃんと聞いとかなくちゃ!」
ジョージ先生は驚いた表情で僕を診ていたけれど、すぐににっこりと笑顔を浮かべて
「お二人の愛情はお腹の御子にとっても大事な栄養になりますのであまり激しくされなければ大丈夫ですよ。蜜も与えてあげてください」
と言ってくれた。
「ジョージ医師、そうなのか?」
「はい。我慢なさってストレスになるのがお腹の御子のためにもよくありませんから。ですが、ルカさまを激しく揺り動かしたり、奥まで突くのはダメです。あくまで優しくが基本です」
「わかった。気をつけよう」
「ウィル、よかったね」
「ルカさま、近いうちに診察にお越しください。体調のよろしい時で構いませんよ」
「ああ、私が責任持ってルカを連れて行こう」
ジョージ先生が帰った後、僕たちは久しぶりに愛し合った。
挿入ももちろんしたけれど、すごく優しかった。
でも赤ちゃんたちも喜んでくれていたのか、すごく気持ちがよかった。
やっぱりウィルと愛し合うのは嬉しいな。
双子ちゃん、元気に大きくなって生まれてきてね。
「でも……ずっとベッドにいるのも疲れちゃって……。少し外の空気を吸いたいんだけどだめ?」
「――っ、仕方ないな。じゃあ、ルカは無理しないように私が抱きかかえて行こう」
僕の妊娠がわかってから、ウィルはほんの少しでも僕が立ったり動いたりするのが心配みたいで何もかもお世話されている。
食事もベッドの上で僕は口を開けるだけだし、トイレもウィルが抱き上げて連れて行ってくれる。
お風呂に入るのはもちろん、歯を磨いたりするのも全部ウィルにやってもらっている。
確かに僕のお腹に大切な命が宿っているわけだし、心配なのもよくわかるんだけど……こんなに動かずにいて大丈夫なのかなと少し不安になる。
でも、不思議なことにちょっと気になってたお腹のお肉はこんなに動いてないのに少しずつ減ってきてるんだよね。
前に食べ過ぎて太ってきてるから運動した方がいいかなってセスに相談した時、
――婚礼の儀が終わりましたら、すぐにお痩せになりますよ。今は栄養を蓄える時期ですから
そう言われたのを思い出した。
あの時はセスが何を言っているのかわからなかったけど、もしかしたら赤ちゃんに栄養を取られるからってことだったのかな?
そうなると、もっといっぱい食べた方がいいのかな?
どうなんだろう……。
「わぁ、風が気持ちいい」
「そうだな、今日は天気もいいから少しここでゆっくりしようか」
ウィルがそういうと、どこからやってきたのかわからない勢いでセスが現れて木の陰に柔らかな敷物を敷いてくれた。
そして、ウィルはそこに腰を下ろし膝に乗せた僕にセスから手渡された暖かいブランケットをかけてくれた。
「どうだ? 寒くないか?」
「うん、平気」
「ルカ、体調に少しでも気になることがあるならちゃんと私にいうんだぞ」
真剣な表情でそう言われて、僕はさっき気になっていたことを話してみることにした。
「あのね、ウィル……僕、ウィルにずっとお世話されてるでしょ?」
「ルカ、私が世話をするのは嫌か?」
「ううん、そうじゃなくて……あのね、僕全然動いていないのに少し痩せた気がするんだ」
「ああ。それは私も思っていた」
「えっ? 気づいてたの?」
思いがけないウィルの言葉に僕はびっくりしてしまった。
痩せたと言っても見た目にはそこまで変わっていないのに、なんでわかったんだろう?
「ああ、わからないわけがないだろう? 私が毎日ルカの身体に触れているのだからな。私も少し気になって少量でも栄養の取れるものを食事に出すように頼んだんだ。それでもまだ痩せたのは戻っていないようだな」
「うん、もっと食べた方がいいのかな?」
「いや、無闇矢鱈に食べるだけでは逆に体調を崩してしまうからな。一度ジョージ医師の診断を受けた方がいいだろう。ジョージ医師もほんの少しでも気になることがあればいつでも呼んでくれと言っていたしな。すぐに呼ぶか?」
「うん……でも、もう少しウィルとここにいたい」
「――っ、ああ。そうだな、私ももう少しここでルカと腹の子と心地よい風に吹かれていたいな」
「うん、家族水いらずだね」
ウィルは僕を抱きしめながら、ブランケットの中に手を入れ僕のお腹を優しく撫でてくれた。
ウィルの手の温もりが赤ちゃんに届いたのか、僕は知らない間に眠ってしまっていた。
目を覚ますといつものベッドに横たわっていた。
もちろん隣にはウィルの姿がある。
起きた時にいないのは寂しいからと前に言った事を覚えてくれているようで、いつも僕を優しく抱きしめてくれているんだ。
ウィルからスウスウと寝息が聞こえる。
ウィルの寝顔、久しぶりに見た気がする。
いつも僕よりも先に起きてたからな。
そっとウィルの頬に触れると、
「うーん」
と可愛らしい声が聞こえる。
愛しい気持ちが込み上げてくるのを抑えられなくて、ウィルの唇にそっとキスをすると、ウィルの瞳がそっと開いた。
ああ、まるで眠り姫みたい。
でもウィルが姫……ふふっ、似合わないな。
やっぱりウィルは王子さまかな。
うん、僕だけの王子様だ。
「ルカ、起きてたのか?」
「うん、ウィルの寝顔を見てた。可愛かったよ」
「可愛いなんて、ルカ以外に言われた事ないな」
「いいの。僕だけが知ってれば」
「ルカ……ああ、そうだな。ルカだけが知っていればいい」
ウィルが優しく僕の唇にキスをする。
柔らかな唇を当てられるだけで安心する。
嬉しくてお腹に負担をかけないように気遣いながらウィルに抱きつくとウィルのお腹の下に硬いものを感じた。
「あれ? これって……」
確か前にも同じ感触を……
「ルカ、気にしないでいい。これは寝起きだからそうなっているだけだ」
ウィルがそう説明するけれど、そういえば最近ウィルの方からしようと言ってこない。
きっと赤ちゃんの事を心配しているんだろうけど、こんなに硬くなってたら辛いよね?
僕はそっとウィルのソレに触れると、ガチガチに反り返っているのがわかる。
「――っ! ルカ、気にしないでいいと言ったろう?」
「でも、ウィルのこんなに硬くなって辛そう……」
「それはそうだが……」
「挿入るのはウィルのおっきぃし心配だから、口でしてもいい?」
「ルカっ! それは……赤子のためにやめた方がいいんじゃないか?」
「赤ちゃんはウィルの蜜でできたんだから、きっとウィルの蜜は好きだと思うよ。それにすごくいい匂いがするし。ウィル、僕に見せて。だめ?」
「――っ! ルカに言われてはダメだとはいえないな……」
ウィルは僕の前で膝立ちになりズボンの前を寛げてくれると、勢いよくウィルの大きなモノが飛び出てきた。
僕はその匂いに誘われるようにウィルの先っぽを舌でペロリと舐めとった。
久しぶりの蜜に身体がピクリと震える。
ああ、やっぱり僕の身体にはウィルの蜜が必要なんじゃないかな。
そう思うとどんどん舐めたくなって、猫のようにぺろぺろと舐め尽くしていると
「ゔぅ――っ、ルカ! もう、出そう、だ……」
という声が聞こえ、慌てて口を開けて咥えると、僕の口の中に大量の蜜が入ってきた。
それを僕は一滴残らず飲み干し、先っぽに残った蜜まで綺麗に舐めとった。
「ルカ……なんで」
「えっ? おいしかったよ……ほら」
何もなくなった口の中を見せると、ウィルは
「――っ!! ああっもう! 私が必死に我慢しているのにそんなのを見せられたら我慢できなくなるだろう」
と苦しげに僕を抱きしめた。
我慢しなくていいのに……と思ったけれど、やっぱり赤ちゃんがいるから心配はある。
「ウィル……ジョージ先生を呼んでもらえる?」
そう頼むと、ウィルも思うところがあったのかセスに頼んでくれた。
それからしばらく経ってジョージ先生が来た。
寝室ではなくリビングだったのはウィルがどうしてもここがいいと言ったからだ。
ソファーに腰掛けたウィルの膝に座り、ジョージ先生に診察してもらう。
「ルカさま、お顔の色はよろしいですね。何か気になることがございますか?」
「あの……食事はちゃんと摂ってるんですけど、少し痩せているみたいなのが気になって……」
「お痩せに? それは心配ですね。ちょっと見てみましょう」
そういうと、ジョージ先生は僕の腕をとって脈を診始めた。
こんなのでわかるのかな?
と不思議に思ったけれど、ジョージ先生の表情がどんどん変わっていく。
やっぱり何かあるのかな?
「一度病院に来ていただいて詳しく検査をさせていただきたいのですが……お腹の御子はおそらく双子かと……」
「「えっ?」」
思いもかけない言葉に僕もウィルもびっくりして言葉が出ない。
「ジョージ医師、双子とは本当なのか?」
「はい。おそらく間違いはないかと存じます。ですから、お一人分の栄養で足りずルカさまの元々の栄養をもらって大きくなっているようですね。ルカさまがお痩せになったのはそのせいかと……」
ルカの生まれ変わりが生まれると聞いていたから、てっきり一人だと思っていたのに。
まさか双子だなんて……。
「元々秘薬での出産は多胎出産になりやすいようです。おそらく蜜をたくさん注ぐからだと思われますが、なにぶん秘薬での出産自体がそう数があることではないので確実ではありません。ですが、ルカさまが双子を御懐妊されたのは間違いないと思われます」
「ルカ、驚いたが嬉しい事実だ。そうだろう?」
「うん。一気に二人だもんね。お父さまも国王さまもびっくりするだろうな」
「そうだな。これからはさらに気をつけていかねばな」
そうだ。双子となれば今以上に気をつけないとね。
でもウィルをずっと我慢させるのは嫌だな。
それに僕だってウィルに愛されたい……。
「あの……ジョージ先生。質問してもいいですか?」
「はい。何なりとお尋ねください」
「あの……お腹に赤ちゃんがいるから、その……ウィルと、愛し合うのはダメですか?」
「えっ?」
「――っ! ルカ! 私のことなど気にしなくとも……」
「ううん、僕がウィルと愛し合いたいんだもん。ちゃんと聞いとかなくちゃ!」
ジョージ先生は驚いた表情で僕を診ていたけれど、すぐににっこりと笑顔を浮かべて
「お二人の愛情はお腹の御子にとっても大事な栄養になりますのであまり激しくされなければ大丈夫ですよ。蜜も与えてあげてください」
と言ってくれた。
「ジョージ医師、そうなのか?」
「はい。我慢なさってストレスになるのがお腹の御子のためにもよくありませんから。ですが、ルカさまを激しく揺り動かしたり、奥まで突くのはダメです。あくまで優しくが基本です」
「わかった。気をつけよう」
「ウィル、よかったね」
「ルカさま、近いうちに診察にお越しください。体調のよろしい時で構いませんよ」
「ああ、私が責任持ってルカを連れて行こう」
ジョージ先生が帰った後、僕たちは久しぶりに愛し合った。
挿入ももちろんしたけれど、すごく優しかった。
でも赤ちゃんたちも喜んでくれていたのか、すごく気持ちがよかった。
やっぱりウィルと愛し合うのは嬉しいな。
双子ちゃん、元気に大きくなって生まれてきてね。
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