天涯孤独になった僕をイケメン外国人が甘やかしてくれます

波木真帆

文字の大きさ
上 下
196 / 204
日本旅行編

頑張ってよかった

しおりを挟む
すみません(汗)章の設定忘れてました。教えてくださった方、ありがとうございます!!

  *        *       *


「やったー! 二人ともすごい、すごい!」

「理央くんのおかげだよ!」

「ほんと! 理央くんありがとう!!」

「ううん、二人が頑張ったからだよ! 僕、本当に嬉しい!」

目に涙を潤ませて、自分のことのように喜んでくれる理央くんを見て本当に頑張ってよかったなって思えた。

「あ、理央くん! パピーのは?」

「大丈夫! 僕もできたよ! ほら!」

「わぁー、さすが理央くんだ! 明日パピーに渡したらすごく喜んでくれるよ」

僕たちのと同じ柄の、綺麗な深い赤色のマフラー。
パピーが喜ぶところを絶対見逃さないようにしないとね!

「ねぇ、弓弦くんも空良くんもせっかく出来上がったから渡しに行こうよ! あ、それとも二人っきりの時に渡したほうがいいかな?」

「あー、どうしよう。空良くんはどうする?」

「うーん、お父さんとお母さんにも頑張ったところを見てもらいたいし、今見せに行っちゃおうかな」

「エヴァンさんもみんなの前で渡したら、そのままつけてくれるかも。じゃあ、僕もそうしようかな」

「行こう、行こう! 弓弦くんも空良くんも出来上がったマフラー、これに入れて」

渡された紙袋に綺麗に畳んだマフラーを入れて、それを大切に胸に抱いた。
エヴァンさん、喜んでくれるといいな

エヴァンさんたちが時間になったら呼びに来るって言ってたし、その前に僕たちは理央くんの部屋を出た。

静かに階段を下り、そっとリビングを覗くとエヴァンさんと観月さんと悠木さん、それから観月さんと悠木さんのお父さんの五人で話をしているのが見えた。

「邪魔になるかな?」

「大丈夫だよ」

「ママたちがいないね」

「そうだね、どこだろう?」

理央くんがリビングの奥まで覗き込んでお母さんたちを探していると、

「あら? おしゃべりはもう終わったの?」

突然後ろから声をかけられた。

「「「わぁっ!」」」

「ユヅル!」
「「理央!」」
「「空良!」」

あまりにもびっくりしすぎて大声を出してしまい、リビングにいたエヴァンさんたちが一斉に僕たちの名前を呼んで駆け寄ってきた。

「どうしたんだ? 何かあったのか?」

「あっ、えっと……」

なんて言っていいのか悩んでいると、

「ごめんなさいね。私が急に声をかけて驚かせてしまったみたい。大丈夫?」

驚いた拍子に力が抜けて床に座り込んでしまっていたから、心配させてしまったみたい。

「大丈夫です。大声出してごめんなさい」

立ち上がりながら謝ると、僕の言葉に続くように理央くんも空良くんも謝っていた。

「大丈夫、誰も悪くないよ。さぁ、リビングに戻ろう」

理央くんのお父さんが優しく言ってくれて、僕はエヴァンさんに肩を抱かれ、さっきまでエヴァンさんたちが座っていたソファーに腰を下ろした。

理央くんと空良くんもそれぞれの旦那さまの隣に座ると、

「さぁ、飲みなさい。落ち着くよ」

理央くんのお父さんがマブカップを渡してくれた。

「これは?」

「ロイヤルミルクティだよ。ジュールさんには及ばないが私の紅茶も美味しいよ」

優しい笑顔にホッとしながら、僕は早速口をつけた。
熱すぎないで飲みやすい。それに甘くて美味しい。

「すっごく美味しいです」

「それはよかった」

理央くんも空良くんも甘いミルクティにホッとしたみたい。

いち早く空良くんがマグカップをテーブルに置くと、

「僕、寛人さんに渡したいものがあるんです」

笑顔で声をかけた。

「僕も、エヴァンさんに渡したいものがあります!」

僕は空良くんと顔を見合わせて、同じタイミングでエヴァンさんと悠木さんに紙袋ごと渡した。

「開けていいのか?」

「は、はい」

エヴァンさんがゆっくりと紙袋を開け、手を入れるのが見えて、思わず目を瞑ってしまう。
だって、ドキドキが止まらない。

喜んでくれるかな?
うわー、緊張する……。

でも、何も声が聞こえない。あれ? どうしたんだろう?

恐る恐る目を開けようとした時、

「ユヅルっ!!!」

エヴァンさんの嬉そうな声が聞こえたと思ったら、エヴァンさんの腕にギュッと抱きしめられていた。

「えっ?」

「ユヅル!! なんて素晴らしい贈り物なんだ!! 新年早々こんなに嬉しい贈り物をもらえるなんて!! ああ、ユヅル!! 私にためにありがとう!!!」

エヴァンさんの嬉しい声が何度も何度も耳に飛び込んでくる。

「エヴァンさん……っ、よかった……。喜んでくれて、僕嬉しいっ!!」

「喜ばないわけないだろう!! 本当に嬉しいよ、ありがとう!!」

エヴァンさんに抱きしめられている視線の向こうに、空良くんも悠木さんに抱きしめられているのが見えた。

お互いに喜んでもらえたみたいだ。本当に頑張ってよかった。
しおりを挟む
感想 166

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

私の庇護欲を掻き立てるのです

まめ
BL
ぼんやりとした受けが、よく分からないうちに攻めに囲われていく話。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

処理中です...