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日本旅行編
おしゃべりが楽しい!
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「ねぇねぇ、弓弦くんとエヴァンさんの結婚式の写真。テレビで見たよ。すっごく綺麗でお似合いの二人だったよ。ね、空良くん」
「うん! あれ、お城のおっきな階段のところの写真だよね? すっごく綺麗で大人っぽかったよ」
「ありがとう。あの時撮った写真の中であの写真がエヴァンさんのお気に入りみたい」
あのエヴァンさんが格好良すぎて他の人に見せるのは勿体無いっていう気持ちもちょっとあったけど、こうして褒めてもらえるとよかったなって思う。
「でも僕、もう一枚の写真も好きだったな、あのコンサバトリーで二人で座ってたの!」
「うん! すっごく仲良い感じが溢れてて見てるだけで笑顔になっちゃった」
「理央くん、空良くん。ありがとう」
きっとあの時はエヴァンさんしか見えてなかったんだろうな。自分がエヴァンさんにあんな表情を向けていたことも初めて知ったし。全身からエヴァンさん大好きっていうのが溢れててちょっと恥ずかしかったけど、エヴァンさんが自然で可愛い笑顔だって言ってくれたからほっとしたんだ。
「あの写真は誰が撮ったの?」
「パピーが撮ってくれてたんだって。僕、全然気づいてなくていつ撮ったのかもわからなかったよ」
「そうなんだ。でもそれがものすごく自然だったからよかったよ。凌也さんとパパとママもいっぱい写真を撮ってくれるけど、僕、いまだに緊張しちゃうもん」
「わかる!! なんか、ドキドキしちゃうよね」
「そう! だから、うちも弓弦くんのところみたいに知らない間に撮られているのもいっぱいあるよ。その方がいいかも。カメラ向けられると緊張しちゃうもん」
確かにそうだよね。だからあの結婚式の撮影の時も、カメラを気にしなくていいからってエヴァンさん、ずっと言ってくれてたもんね。やっぱりカメラ向けられて緊張しちゃうのって僕だけじゃないんだ。
「ねぇ、ちょっと写真撮ってみようか? 理央くんの部屋に来た記念に。自撮りなら緊張しないよ」
「あ、そうだね! それいい!! 撮ろう、撮ろう!」
みんなでスマホを取り出してみると、理央くんの画面が凱旋門でみんなで撮った写真で、空良くんの画面がエッフェル塔の前でみんなで撮った写真で嬉しくなった。
「二人ともフランスの写真にしてくれてるんだね。嬉しい!」
「だって、大事な思い出だもん。ね、理央くん」
「うん。すっごく楽しかった」
心から言ってくれるのがわかって、僕は嬉しかった。
「弓弦くんの画面はどんな写真?」
「僕はこれだよ」
「わぁー! これも可愛い!!」
僕の画面はクリスマスプレゼントでもらったコートをみんなで着て、庭にある大きなクリスマスツリーをバックに撮った写真。エヴァンさんに貰ったんだ。
「このコート、みんなが着てくれてお母さんがすごく喜んでたよ」
「すっごくあったかくて可愛かったもん。今回の旅行にもちゃんと持ってきてるよ」
「そうなんだ! 嬉しい!」
本当はあのコートを着てきたかったけど、人が多いところを歩くからエヴァンさんとお揃いのものを着た方がいいって言われて違うコートになったんだ。空良くんたちと出かける時はあのコートにしようかな。
「ねぇねぇ、どうやって撮る?」
「くっつこう!」
僕の言葉に理央くんと空良くんがギュッとくっついてきて、思いっきり手を伸ばすと三人の顔が画面に映った。
このタイミングだと思ってボタンを押すと、僕たち三人の写真は綺麗に撮れた。
「わぁー、撮れたね」
「うん、みんなよく撮れてる。これ、スマホに送るね」
このやり方もちゃんとマスターしておいてよかった。
「初詣行ったらまたみんなで撮ろうね」
「うん、すっごく楽しみ! 弓弦くんはどんなお着物選んだの?」
「明日までの楽しみなんだって」
「そうなんだ。ああ、待ち遠しいなぁ」
僕が選んだあの着物、理央くんのお母さんも気に入ってくれてたしきっと理央くんも好きだろうな。
理央くんはお母さんの着物って言ってたっけ。どんなんだろう。楽しみだな。
「ねぇねぇ、フランスの大晦日とか元日ってなにするの? こっちとが違うの?」
「えっとね、年越しそばとか決められた食べ物とかはなくて、クリスマスに食べた料理と同じような感じだったよ。あ、でもね、新年になったと同時に家の前の大きな川があったでしょう? そこから花火があがってそれを見ながらエヴァンさんたちとみんなで乾杯したよ」
「ええー、なんかオシャレだね」
「うん。冬に花火って不思議な感じがしたけど、綺麗だったよ。空良くんと理央くんは年越しそば食べたの?」
「うん。おっきなえびの天ぷらが乗っててすごくおいしかった」
「僕のところもおっきなえびの天ぷらが載ってたよ。僕、年越しそばも初めてだったから嬉しくて味わって食べちゃった」
理央くん、年越しそばも食べたことなかったんだ……。
僕はかまぼことネギだけだったけど、年越しそばだけは毎年母さんが作ってくれていた。これも懐かしい思い出だ。
「そっか。お蕎麦美味しいよね」
「弓弦くん、お蕎麦食べたいって言ってたでしょう? さっきパパに伝えたんだ。そうしたら明日の初詣の帰りにみんなで行こうって言ってたよ」
「えー、本当に? 嬉しい!」
なんだか口にすること全てが叶ってる気がする。明日、楽しみだな。
「うん! あれ、お城のおっきな階段のところの写真だよね? すっごく綺麗で大人っぽかったよ」
「ありがとう。あの時撮った写真の中であの写真がエヴァンさんのお気に入りみたい」
あのエヴァンさんが格好良すぎて他の人に見せるのは勿体無いっていう気持ちもちょっとあったけど、こうして褒めてもらえるとよかったなって思う。
「でも僕、もう一枚の写真も好きだったな、あのコンサバトリーで二人で座ってたの!」
「うん! すっごく仲良い感じが溢れてて見てるだけで笑顔になっちゃった」
「理央くん、空良くん。ありがとう」
きっとあの時はエヴァンさんしか見えてなかったんだろうな。自分がエヴァンさんにあんな表情を向けていたことも初めて知ったし。全身からエヴァンさん大好きっていうのが溢れててちょっと恥ずかしかったけど、エヴァンさんが自然で可愛い笑顔だって言ってくれたからほっとしたんだ。
「あの写真は誰が撮ったの?」
「パピーが撮ってくれてたんだって。僕、全然気づいてなくていつ撮ったのかもわからなかったよ」
「そうなんだ。でもそれがものすごく自然だったからよかったよ。凌也さんとパパとママもいっぱい写真を撮ってくれるけど、僕、いまだに緊張しちゃうもん」
「わかる!! なんか、ドキドキしちゃうよね」
「そう! だから、うちも弓弦くんのところみたいに知らない間に撮られているのもいっぱいあるよ。その方がいいかも。カメラ向けられると緊張しちゃうもん」
確かにそうだよね。だからあの結婚式の撮影の時も、カメラを気にしなくていいからってエヴァンさん、ずっと言ってくれてたもんね。やっぱりカメラ向けられて緊張しちゃうのって僕だけじゃないんだ。
「ねぇ、ちょっと写真撮ってみようか? 理央くんの部屋に来た記念に。自撮りなら緊張しないよ」
「あ、そうだね! それいい!! 撮ろう、撮ろう!」
みんなでスマホを取り出してみると、理央くんの画面が凱旋門でみんなで撮った写真で、空良くんの画面がエッフェル塔の前でみんなで撮った写真で嬉しくなった。
「二人ともフランスの写真にしてくれてるんだね。嬉しい!」
「だって、大事な思い出だもん。ね、理央くん」
「うん。すっごく楽しかった」
心から言ってくれるのがわかって、僕は嬉しかった。
「弓弦くんの画面はどんな写真?」
「僕はこれだよ」
「わぁー! これも可愛い!!」
僕の画面はクリスマスプレゼントでもらったコートをみんなで着て、庭にある大きなクリスマスツリーをバックに撮った写真。エヴァンさんに貰ったんだ。
「このコート、みんなが着てくれてお母さんがすごく喜んでたよ」
「すっごくあったかくて可愛かったもん。今回の旅行にもちゃんと持ってきてるよ」
「そうなんだ! 嬉しい!」
本当はあのコートを着てきたかったけど、人が多いところを歩くからエヴァンさんとお揃いのものを着た方がいいって言われて違うコートになったんだ。空良くんたちと出かける時はあのコートにしようかな。
「ねぇねぇ、どうやって撮る?」
「くっつこう!」
僕の言葉に理央くんと空良くんがギュッとくっついてきて、思いっきり手を伸ばすと三人の顔が画面に映った。
このタイミングだと思ってボタンを押すと、僕たち三人の写真は綺麗に撮れた。
「わぁー、撮れたね」
「うん、みんなよく撮れてる。これ、スマホに送るね」
このやり方もちゃんとマスターしておいてよかった。
「初詣行ったらまたみんなで撮ろうね」
「うん、すっごく楽しみ! 弓弦くんはどんなお着物選んだの?」
「明日までの楽しみなんだって」
「そうなんだ。ああ、待ち遠しいなぁ」
僕が選んだあの着物、理央くんのお母さんも気に入ってくれてたしきっと理央くんも好きだろうな。
理央くんはお母さんの着物って言ってたっけ。どんなんだろう。楽しみだな。
「ねぇねぇ、フランスの大晦日とか元日ってなにするの? こっちとが違うの?」
「えっとね、年越しそばとか決められた食べ物とかはなくて、クリスマスに食べた料理と同じような感じだったよ。あ、でもね、新年になったと同時に家の前の大きな川があったでしょう? そこから花火があがってそれを見ながらエヴァンさんたちとみんなで乾杯したよ」
「ええー、なんかオシャレだね」
「うん。冬に花火って不思議な感じがしたけど、綺麗だったよ。空良くんと理央くんは年越しそば食べたの?」
「うん。おっきなえびの天ぷらが乗っててすごくおいしかった」
「僕のところもおっきなえびの天ぷらが載ってたよ。僕、年越しそばも初めてだったから嬉しくて味わって食べちゃった」
理央くん、年越しそばも食べたことなかったんだ……。
僕はかまぼことネギだけだったけど、年越しそばだけは毎年母さんが作ってくれていた。これも懐かしい思い出だ。
「そっか。お蕎麦美味しいよね」
「弓弦くん、お蕎麦食べたいって言ってたでしょう? さっきパパに伝えたんだ。そうしたら明日の初詣の帰りにみんなで行こうって言ってたよ」
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なんだか口にすること全てが叶ってる気がする。明日、楽しみだな。
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