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愛する人なら……
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「観月さん、悠木さんいいですか? 自分の恋人だと思う子の後ろに立ってくださいね」
「ああ、わかったよ」
二人は余裕の声でそう返事を返す。
「はーい、いいですよ。目を開けてください」
佳都さんの声に二人が同時に目を開けると、目の前の二人の赤ずきんちゃんの姿を捉えたかどうかくらいで、観月さんと悠木さんが同時に動き出す。
観月さんも悠木さんも一瞬も迷うことなく正面ではなく、対角線にいる子の隣にスタスタと歩いて行って、後ろ向きで立っている理央くんたちの前で止まった。
「えっ? もういいんですか?」
あまりにも悩む様子もないので佳都さんが驚いて声をかけるけれど、
「ああ、間違いない。どうみたってこっちが俺の理央だ。なぁ、悠木」
「ああ、そうだな。こっちが俺の空良だよ。こんなの間違えるわけがない」
と堂々と言い切った。
正直、後ろ姿を見ている僕には、どっちが理央くんか空良くんか全然わからない。
それをそこまで言い切れるなんて……凄すぎる。
「エヴァンさんはわかります?」
「ふふっ、いや確率的には二分の一だからなんとなくこっちかなとは言えるだろうが、ミヅキやユウキのようにあれほど自信満々には言えないだろうな。だが……」
「んっ?」
「私もユヅルを当てるなら、二人のように一瞬で見つけられる自信はあるよ」
「――っ!!」
パチンとウィンクされてドキッとする。
もうエヴァンさんのウィンクってかっこ良すぎて困っちゃうな。
「可愛い理央……赤ずきんの姿を見せてくれ」
観月さんの蕩けるような甘い声が聞こえる。
同様に、
「空良……こっちを向いて」
と悠木さんの優しくて甘い声が聞こえる。
二人の声に理央くんたちが一斉に僕たちの方に振り返った。
「凌也さんっ!!」
「寛人さんっ!!」
自分の目の前にいた旦那さまたちに嬉しそうに飛び込んでいく。
「わぁっ! 当たったぁ~!」
「すごい、すご~い!!」
「お二人ともさすがです!!」
『chouette !』
『super』
あまりにも凄すぎて声を上げると、僕だけじゃなくみんな声をあげていた。
それくらいスマートすぎていた。
「ふふっ。もふもふ~」
「理央、この姿気に入ったか?」
「はい。すっごく似合ってます。でも、どうして僕だってわかったんですか?」
「なんでって、わかるに決まってるだろ。後ろ姿でも俺が理央を間違えるわけがないよ。理央は俺のだからな」
「ふふっ、そうなんだ。嬉しい」
自分を間違えるどころか、悩むこともなく選んでくれた観月さんのもふもふの毛を触る理央くんはとっても幸せそうだ。
隣では同じように
「寛人さん、もふもふしてる~」
「ああ、空良も可愛いぞ」
「寛人さんもすぐにわかりましたね」
「当たり前だろう。俺には空良しか見えてないからな」
「寛人さん、大好き」
「ああ、俺も空良が大好きだよ」
と悠木さんに抱きしめられながら愛の言葉を言われて、空良くんとっても嬉しそう!
「あーあ、少しは悩むかと思ったのに、悠木さんも観月さんも一瞬だったね」
「俺だって佳都の後ろ姿だけでわかるし、なんならここにいる全員がわかると思うぞ」
そんな綾城さんの言葉にみんなが頷く。
確かにエヴァンさんとセルジュさんが並んでても、僕もわかる自信はあるなぁ。
大好きな相手だとやっぱり見つけられるものなのかもしれない。
「それで、ここからが本題だがパジャマパーティーは何するんだ?」
茶色の狼姿の綾城さんが佳都さんに尋ねると、嬉しそうに笑いながら答えた。
「来るときの飛行機でみんなでゲームしたのが楽しかったから、またみんなでしたいなって」
「ゲーム?」
「うん、トランプしたんだよ。僕、初めてだったからすっごく楽しかった。またやりたいって思ってたから、みんなでできるの嬉しい!!」
「どんなのをしたの?」
「えっと……何だったっけ?」
「ふふっ。ババ抜きだよ」
観月さんに教えられて、嬉しそうに笑いながら
「そう! ババ抜き! 僕、最後の一枚当てて勝ったんだよ!」
と教えてくれる。
「ババ抜き?」
「そっか、エヴァンさん……というか、フランスではやらないのかな?」
僕はババ抜きの仕方をエヴァンさんだけでなくジョルジュさんとリュカにも教えた。
セルジュさんとミシェルさんは秀吾さんから教えてもらっているみたい。
「なるほど、同じものを合わせればいいのだな。似たようなものはフランスにもあるから大丈夫だろう」
エヴァンさんの声にジョルジュさんとリュカも頷く。
「じゃあ人数が多いからペアでやろう」
綾城さんの声かけに
「ゲームをやるならパーティールームに行こうか。あそこなら絨毯の上で座ってできるだろう」
とエヴァンさんが言ってくれて、みんなでパーティールームに移動した。
ここのお屋敷は基本土足だけど、僕のために土足禁止で床に座れる部屋を作ってくれたんだ。
元々はクリスマスパーティーをした部屋より少し小さめのパーティールームだったけれど、入り口に靴を脱ぐスペースを作ってくれて、裸足でも中に入れるようにしてくれた。
床暖房をつけてくれているから絨毯がなくても全然寒くない。
部屋の中央にふわふわな毛足の長い絨毯を敷いてくれたおかげでそこに寝転がったりもできるんだ。
最初は裸足なのが不思議だって言ってたミシェルさんも、今ではこの部屋がお気に入りになっている。
みんなも気に入ってくれるかな。
「ああ、わかったよ」
二人は余裕の声でそう返事を返す。
「はーい、いいですよ。目を開けてください」
佳都さんの声に二人が同時に目を開けると、目の前の二人の赤ずきんちゃんの姿を捉えたかどうかくらいで、観月さんと悠木さんが同時に動き出す。
観月さんも悠木さんも一瞬も迷うことなく正面ではなく、対角線にいる子の隣にスタスタと歩いて行って、後ろ向きで立っている理央くんたちの前で止まった。
「えっ? もういいんですか?」
あまりにも悩む様子もないので佳都さんが驚いて声をかけるけれど、
「ああ、間違いない。どうみたってこっちが俺の理央だ。なぁ、悠木」
「ああ、そうだな。こっちが俺の空良だよ。こんなの間違えるわけがない」
と堂々と言い切った。
正直、後ろ姿を見ている僕には、どっちが理央くんか空良くんか全然わからない。
それをそこまで言い切れるなんて……凄すぎる。
「エヴァンさんはわかります?」
「ふふっ、いや確率的には二分の一だからなんとなくこっちかなとは言えるだろうが、ミヅキやユウキのようにあれほど自信満々には言えないだろうな。だが……」
「んっ?」
「私もユヅルを当てるなら、二人のように一瞬で見つけられる自信はあるよ」
「――っ!!」
パチンとウィンクされてドキッとする。
もうエヴァンさんのウィンクってかっこ良すぎて困っちゃうな。
「可愛い理央……赤ずきんの姿を見せてくれ」
観月さんの蕩けるような甘い声が聞こえる。
同様に、
「空良……こっちを向いて」
と悠木さんの優しくて甘い声が聞こえる。
二人の声に理央くんたちが一斉に僕たちの方に振り返った。
「凌也さんっ!!」
「寛人さんっ!!」
自分の目の前にいた旦那さまたちに嬉しそうに飛び込んでいく。
「わぁっ! 当たったぁ~!」
「すごい、すご~い!!」
「お二人ともさすがです!!」
『chouette !』
『super』
あまりにも凄すぎて声を上げると、僕だけじゃなくみんな声をあげていた。
それくらいスマートすぎていた。
「ふふっ。もふもふ~」
「理央、この姿気に入ったか?」
「はい。すっごく似合ってます。でも、どうして僕だってわかったんですか?」
「なんでって、わかるに決まってるだろ。後ろ姿でも俺が理央を間違えるわけがないよ。理央は俺のだからな」
「ふふっ、そうなんだ。嬉しい」
自分を間違えるどころか、悩むこともなく選んでくれた観月さんのもふもふの毛を触る理央くんはとっても幸せそうだ。
隣では同じように
「寛人さん、もふもふしてる~」
「ああ、空良も可愛いぞ」
「寛人さんもすぐにわかりましたね」
「当たり前だろう。俺には空良しか見えてないからな」
「寛人さん、大好き」
「ああ、俺も空良が大好きだよ」
と悠木さんに抱きしめられながら愛の言葉を言われて、空良くんとっても嬉しそう!
「あーあ、少しは悩むかと思ったのに、悠木さんも観月さんも一瞬だったね」
「俺だって佳都の後ろ姿だけでわかるし、なんならここにいる全員がわかると思うぞ」
そんな綾城さんの言葉にみんなが頷く。
確かにエヴァンさんとセルジュさんが並んでても、僕もわかる自信はあるなぁ。
大好きな相手だとやっぱり見つけられるものなのかもしれない。
「それで、ここからが本題だがパジャマパーティーは何するんだ?」
茶色の狼姿の綾城さんが佳都さんに尋ねると、嬉しそうに笑いながら答えた。
「来るときの飛行機でみんなでゲームしたのが楽しかったから、またみんなでしたいなって」
「ゲーム?」
「うん、トランプしたんだよ。僕、初めてだったからすっごく楽しかった。またやりたいって思ってたから、みんなでできるの嬉しい!!」
「どんなのをしたの?」
「えっと……何だったっけ?」
「ふふっ。ババ抜きだよ」
観月さんに教えられて、嬉しそうに笑いながら
「そう! ババ抜き! 僕、最後の一枚当てて勝ったんだよ!」
と教えてくれる。
「ババ抜き?」
「そっか、エヴァンさん……というか、フランスではやらないのかな?」
僕はババ抜きの仕方をエヴァンさんだけでなくジョルジュさんとリュカにも教えた。
セルジュさんとミシェルさんは秀吾さんから教えてもらっているみたい。
「なるほど、同じものを合わせればいいのだな。似たようなものはフランスにもあるから大丈夫だろう」
エヴァンさんの声にジョルジュさんとリュカも頷く。
「じゃあ人数が多いからペアでやろう」
綾城さんの声かけに
「ゲームをやるならパーティールームに行こうか。あそこなら絨毯の上で座ってできるだろう」
とエヴァンさんが言ってくれて、みんなでパーティールームに移動した。
ここのお屋敷は基本土足だけど、僕のために土足禁止で床に座れる部屋を作ってくれたんだ。
元々はクリスマスパーティーをした部屋より少し小さめのパーティールームだったけれど、入り口に靴を脱ぐスペースを作ってくれて、裸足でも中に入れるようにしてくれた。
床暖房をつけてくれているから絨毯がなくても全然寒くない。
部屋の中央にふわふわな毛足の長い絨毯を敷いてくれたおかげでそこに寝転がったりもできるんだ。
最初は裸足なのが不思議だって言ってたミシェルさんも、今ではこの部屋がお気に入りになっている。
みんなも気に入ってくれるかな。
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