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パジャマパーティーのはじまり
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「うーん、やっぱり美味しいっ!」
「でしょう?」
「うん、うん。このお砂糖がいっぱいついたのがすっごく美味しい!!」
「ふふっ。わかるーっ!!」
僕の声に得意げな顔をしてみせるミシェルさんの隣で、理央くんも空良くんも嬉しそうにケーキを食べている。
「これって、日本でも売ってるのかな?」
「もちろんだよ。本場のと変わらないくらい美味しいのを売っている店を知ってるよ!」
「わぁー、さすが秀吾さん!!」
「理央、そんなに気に入ったなら今度榊くんのおすすめのを買ってみよう」
「ほんと? わぁー、嬉しい!」
秀吾さんにむけていた笑顔がさっと観月さんに向かうと、観月さんはそれを嬉しそうに受け止めていた。
ふふっ。きっと秀吾さんに嫉妬したんだろう。
観月さんも可愛いところがある。
「マカロンも美味しいね。ここに来ていっぱいマカロン食べちゃったね」
「うん。どれも味が違うから全然飽きないよね」
「この黄色いのは、ケーキとおんなじ香りがしたよ」
「そうそう、これシトロンだから同じだよ。空良くん、よくわかったね」
「これ、すっごく美味しかったから」
理央くんは相変わらずピンク色のを食べてたし、それぞれ好きな味がわかったのかもね。
僕はヴァニラが美味しかったな。
美味しいケーキとマカロン、それに紅茶を楽しんでいると、
「お待たせーっ!!」
コンサバトリーの入り口から佳都さんの声が聞こえた。
隣にいる綾城さんが大きな段ボールを抱えている。
その後ろからジョルジュさんとリュカも一緒にいて、ジョルジュさんの腕にも大きな段ボールがある。
二人の姿が見えないなと思っていたら、佳都さんと一緒に荷物を取りに行ってくれていたみたいだ。
考えてみたらこんなに大勢の着ぐるみパジャマだもんね。
その段ボールをテーブルに乗せて佳都さんが嬉しそうに箱を開ける。
「こっちが僕たちのだよ。これが、理央くん。こっちが空良くん、弓弦くんと――――」
一人ずつ手渡してくれる赤い袋の中身はまだ見えないようになっている。
「ふふっ。どんな感じかなー」
「ワクワクしちゃうね」
理央くんと空良くんは待ちきれない様子でぎゅっとその袋を抱きかかえている。
そして、綾城さんがもう一つの箱を開けて、エヴァンさんと観月さん、悠木さんたちへとどんどん手渡していく。
茶色の袋に入ったこっちもまだ中は見えない。
正直、僕の中身よりエヴァンさんの中身が気になって仕方がない。
「じゃあ、みんな袋を開けてくださーい!! まずは茶色の袋の方からね」
楽しげな佳都さんの声に従って、エヴァンさんたちが袋を開け始める。
ふふっ。やっぱり僕たちがこっちが気になることに気づいてくれたのかな。
佳都さん、さすがだ。
エヴァンさんがリボンを解くのを見るのだけでもワクワクする。
さっと袋を開いて出てきたのは……
「わっ! かっこいいっ! 狼だ!!!」
黒と灰色が混ざったようなかっこいい狼のパジャマ。お腹だけ白くてそれがまた可愛い!!
「これを、私が着るのか……?」
広げて胸に当ててるエヴァンさんは少し恥ずかしそうにしている。
「ええ……かっこいいのに、いや、ですか?」
「あっ、いや。そんなことはないよ。ユヅルが気に入ってくれたなら喜んで着よう」
「本当!? わぁ、エヴァンさん。大好き!!」
周りを見ると、観月さんや悠木さんはグレーの狼。
秀吾さんと綾城さんは茶色の狼。
ジョルジュさんとセルジュさんはエヴァンさんと同じ黒っぽいグレーの狼。
うん。それぞれすごく似合ってる。
「じゃあ、次は赤い袋の方を開けてね」
「エヴァンさんが狼だからなんだろうなぁ……」
ウサギさんかな、それともクマさんとか?
前は可愛い白犬だったから違う色の犬ってこともあるかも。
ウキウキしながら、金色のリボンを解いて袋を開くと、
「んっ? サンタ、さん?」
真っ赤な生地に白い部分が見えて、一瞬サンタさんかと思った。
その瞬間、
「わっ! 可愛い!! 赤ずきんだ!!」
という可愛らしい理央くんの声が響く。
えっ? 赤ずきん?
ああ、そっか。ふふっ。だから、狼。
なるほど、それは思いつかなかったな。
「せいか~いっ!! ここはフランスだから赤ずきんパジャマにしたんだ。理央くん、よくわかったね」
「うん、絵本で見たのとそっくり!! わぁー、頭巾まである!!」
「ふふっ。可愛いよね。弓弦くんもどう?」
「そっか、赤ずきんなんだ。僕、また違うサンタさんかと思ったよ」
「ああ、確かにー、赤いからそう思っちゃうかも」
「ねぇねぇ、エヴァンさん。どう?」
「ぐぅ――!! か、可愛いっ!!」
広げた赤ずきんちゃんの服を胸に当てて見せると、エヴァンさんは苦しげな声をあげながら僕を抱きしめた。
「でしょう?」
「うん、うん。このお砂糖がいっぱいついたのがすっごく美味しい!!」
「ふふっ。わかるーっ!!」
僕の声に得意げな顔をしてみせるミシェルさんの隣で、理央くんも空良くんも嬉しそうにケーキを食べている。
「これって、日本でも売ってるのかな?」
「もちろんだよ。本場のと変わらないくらい美味しいのを売っている店を知ってるよ!」
「わぁー、さすが秀吾さん!!」
「理央、そんなに気に入ったなら今度榊くんのおすすめのを買ってみよう」
「ほんと? わぁー、嬉しい!」
秀吾さんにむけていた笑顔がさっと観月さんに向かうと、観月さんはそれを嬉しそうに受け止めていた。
ふふっ。きっと秀吾さんに嫉妬したんだろう。
観月さんも可愛いところがある。
「マカロンも美味しいね。ここに来ていっぱいマカロン食べちゃったね」
「うん。どれも味が違うから全然飽きないよね」
「この黄色いのは、ケーキとおんなじ香りがしたよ」
「そうそう、これシトロンだから同じだよ。空良くん、よくわかったね」
「これ、すっごく美味しかったから」
理央くんは相変わらずピンク色のを食べてたし、それぞれ好きな味がわかったのかもね。
僕はヴァニラが美味しかったな。
美味しいケーキとマカロン、それに紅茶を楽しんでいると、
「お待たせーっ!!」
コンサバトリーの入り口から佳都さんの声が聞こえた。
隣にいる綾城さんが大きな段ボールを抱えている。
その後ろからジョルジュさんとリュカも一緒にいて、ジョルジュさんの腕にも大きな段ボールがある。
二人の姿が見えないなと思っていたら、佳都さんと一緒に荷物を取りに行ってくれていたみたいだ。
考えてみたらこんなに大勢の着ぐるみパジャマだもんね。
その段ボールをテーブルに乗せて佳都さんが嬉しそうに箱を開ける。
「こっちが僕たちのだよ。これが、理央くん。こっちが空良くん、弓弦くんと――――」
一人ずつ手渡してくれる赤い袋の中身はまだ見えないようになっている。
「ふふっ。どんな感じかなー」
「ワクワクしちゃうね」
理央くんと空良くんは待ちきれない様子でぎゅっとその袋を抱きかかえている。
そして、綾城さんがもう一つの箱を開けて、エヴァンさんと観月さん、悠木さんたちへとどんどん手渡していく。
茶色の袋に入ったこっちもまだ中は見えない。
正直、僕の中身よりエヴァンさんの中身が気になって仕方がない。
「じゃあ、みんな袋を開けてくださーい!! まずは茶色の袋の方からね」
楽しげな佳都さんの声に従って、エヴァンさんたちが袋を開け始める。
ふふっ。やっぱり僕たちがこっちが気になることに気づいてくれたのかな。
佳都さん、さすがだ。
エヴァンさんがリボンを解くのを見るのだけでもワクワクする。
さっと袋を開いて出てきたのは……
「わっ! かっこいいっ! 狼だ!!!」
黒と灰色が混ざったようなかっこいい狼のパジャマ。お腹だけ白くてそれがまた可愛い!!
「これを、私が着るのか……?」
広げて胸に当ててるエヴァンさんは少し恥ずかしそうにしている。
「ええ……かっこいいのに、いや、ですか?」
「あっ、いや。そんなことはないよ。ユヅルが気に入ってくれたなら喜んで着よう」
「本当!? わぁ、エヴァンさん。大好き!!」
周りを見ると、観月さんや悠木さんはグレーの狼。
秀吾さんと綾城さんは茶色の狼。
ジョルジュさんとセルジュさんはエヴァンさんと同じ黒っぽいグレーの狼。
うん。それぞれすごく似合ってる。
「じゃあ、次は赤い袋の方を開けてね」
「エヴァンさんが狼だからなんだろうなぁ……」
ウサギさんかな、それともクマさんとか?
前は可愛い白犬だったから違う色の犬ってこともあるかも。
ウキウキしながら、金色のリボンを解いて袋を開くと、
「んっ? サンタ、さん?」
真っ赤な生地に白い部分が見えて、一瞬サンタさんかと思った。
その瞬間、
「わっ! 可愛い!! 赤ずきんだ!!」
という可愛らしい理央くんの声が響く。
えっ? 赤ずきん?
ああ、そっか。ふふっ。だから、狼。
なるほど、それは思いつかなかったな。
「せいか~いっ!! ここはフランスだから赤ずきんパジャマにしたんだ。理央くん、よくわかったね」
「うん、絵本で見たのとそっくり!! わぁー、頭巾まである!!」
「ふふっ。可愛いよね。弓弦くんもどう?」
「そっか、赤ずきんなんだ。僕、また違うサンタさんかと思ったよ」
「ああ、確かにー、赤いからそう思っちゃうかも」
「ねぇねぇ、エヴァンさん。どう?」
「ぐぅ――!! か、可愛いっ!!」
広げた赤ずきんちゃんの服を胸に当てて見せると、エヴァンさんは苦しげな声をあげながら僕を抱きしめた。
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