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夫夫たちの食事風景
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「ユヅル、昼食の支度ができたようだ。ダイニングルームに移動しようか。それとも、ここに料理を運んでもらおうか?」
理央くんたちと話をしている間にもうそんな時間になっていたみたい。
全然わからなかったけど、そういえばお腹が空いている気がする。
お腹は正直だな。
ダイニングルームでのお食事も楽しいけれど、このコンサバトリーはお花がいっぱいで良い香りだし、あったかいし、みんなとの距離がすごく近く感じる。
僕がここで食べたい! という前にエヴァンさんはもう僕の答えがわかっていたみたいだ。
優しい笑顔で了承してくれると、そのままパピーに伝えてくれた。
「それで……随分と話が盛り上がっていたようだったな。何を話していたんだ?」
「ふふっ。内緒です」
「なんだ? 気になるな」
「あの、それよりもクリスマスマーケット、行けそうですか?」
せっかくリュカと秀吾さんからエヴァンさんを喜ばせる方法を聞いたのにここでポロッと喋っちゃったら意味がないからなと思い、なんとか話題を変えてみた。
でも上に乗るって結構難しそう。
いつか上に乗って、エヴァンさんに喜んでもらえたら良いんだけど……。
あれ? でもちょっと思ったんだけど……それって、自分から乗りますって宣言して乗るのかな?
それってかなり恥ずかしいんだけど……。
後でもう一度リュカと秀吾さんにどうやってスムーズに上に乗れるのか、教えてもらおうっと。
きっと理央くんだってそこのところは知りたいよね。
「ああ、ジョルジュにも話したから問題ない。せっかくだから夜に出かけようか」
「わぁ! 夜に行けるんですか? 嬉しい!」
「ふふっ。以前行った時、ユヅルがイルミネーションを喜んでいたからな、きっとリオたちも喜ぶだろうと思ったんだ」
「エヴァンさん! 嬉しい! 覚えててくれたんですね」
「当たり前だろう。ユヅルと出かけた時のことは忘れるわけがないさ」
当然のように言ってくれるエヴァンさんの優しい言葉に僕は舞い上がりそうなくらい嬉しかった。
あのクリスマスマーケットに行った日のことは、今でも思い出すくらい僕には楽しい時間だったから、エヴァンさんが同じ気持ちでいてくれていることが嬉しかったんだ。
そんな話をしている間に僕たちがいたテーブルの上に次々と料理が運ばれる。
スープにサンドイッチ、果物にサラダ。
どれも美味しそうだ。
特に、僕が大好きなローストビーフのサンドイッチ!
ああ、みているだけで涎が出てきちゃうな。
このサンドイッチ、一口でかぶりつけないほどボリュームたっぷりだけど、不思議とペロッと食べられちゃうんだよね。
「わぁ、美味しそう!」
目を輝かせて料理を見ている理央くんはやっぱり可愛い。
僕が初めてこのローストビーフのサンドイッチを見た時も同じような感じだったのかななんて思うと、なんだかとても懐かしく感じる。
先輩ぶって、これすごく美味しいからたくさん食べられるよと教えると、すごい! と尊敬の眼差しで見てくれる。
ふふっ。なんか本当に一緒にいると楽しいな。
「さぁ、料理も揃ったことだし食べようか」
エヴァンさんの声にふと周りを見ると、理央くんも秀吾さんも、それにリュカもみんな膝の上に抱っこされて座っている。
リュカだけは少し照れているように見えるけど、全然嫌がっている様子もない。
やっぱりこれが普通なんだなと改めて思う。
最初はエヴァンさんに抱っこされてご飯を食べるなんて良いのかな……なんて思っていたけど、ミシェルさんも普通にやってたしなんだか気にならなくなってきたんだよね。
理央くんたちも普通にやっているし、恋人なら……あ、もう夫夫だけど……これが当然なんだろうな。
「理央、どれから食べたい?」
「あのね、このサンドイッチが美味しいって教えてもらったの。でもおっきいから全部食べられるかわからないんですけど……」
「そうか。じゃあ、これを食べてみよう。半分こして食べたら残す心配はしなくて良いだろう?」
「わぁーっ、凌也さん。大好き!」
無邪気な理央くんの声が響く。
ああ、なんだか微笑ましいな。
ずっと見ていたくなる。
そっと秀吾さんに視線を受けると秀吾さんたちも嬉しそうに理央くんたちを見ているのがわかった。
ああ、やっぱりみんな同じなんだな。
「んーっ! おいひぃっ!」
「ふふっ。理央、ソースが垂れてる」
「ありがとう」
あまりにも自然に理央くんのソースを舐めとる観月さんの姿に驚きつつも、そういえばエヴァンさんもいつも舐めとってくれるよねと思い出して納得する。
これが夫夫なんだよね。
「エヴァンさん。僕もサンドイッチ食べたいです」
「ああ、半分こしようか」
「ふふっ。はい」
どうやら理央くんたちと同じことをしたいと思った僕の気持ちをわかってくれたみたいだ。
パクッと大きな口を開けてかぶりついたら、すぐにエヴァンさんが唇の端を舐めてくれる。
うん、何だかいつも以上に美味しい気がする。
夫夫になったら味も変わるのかな。
これは発見だな。
理央くんたちと話をしている間にもうそんな時間になっていたみたい。
全然わからなかったけど、そういえばお腹が空いている気がする。
お腹は正直だな。
ダイニングルームでのお食事も楽しいけれど、このコンサバトリーはお花がいっぱいで良い香りだし、あったかいし、みんなとの距離がすごく近く感じる。
僕がここで食べたい! という前にエヴァンさんはもう僕の答えがわかっていたみたいだ。
優しい笑顔で了承してくれると、そのままパピーに伝えてくれた。
「それで……随分と話が盛り上がっていたようだったな。何を話していたんだ?」
「ふふっ。内緒です」
「なんだ? 気になるな」
「あの、それよりもクリスマスマーケット、行けそうですか?」
せっかくリュカと秀吾さんからエヴァンさんを喜ばせる方法を聞いたのにここでポロッと喋っちゃったら意味がないからなと思い、なんとか話題を変えてみた。
でも上に乗るって結構難しそう。
いつか上に乗って、エヴァンさんに喜んでもらえたら良いんだけど……。
あれ? でもちょっと思ったんだけど……それって、自分から乗りますって宣言して乗るのかな?
それってかなり恥ずかしいんだけど……。
後でもう一度リュカと秀吾さんにどうやってスムーズに上に乗れるのか、教えてもらおうっと。
きっと理央くんだってそこのところは知りたいよね。
「ああ、ジョルジュにも話したから問題ない。せっかくだから夜に出かけようか」
「わぁ! 夜に行けるんですか? 嬉しい!」
「ふふっ。以前行った時、ユヅルがイルミネーションを喜んでいたからな、きっとリオたちも喜ぶだろうと思ったんだ」
「エヴァンさん! 嬉しい! 覚えててくれたんですね」
「当たり前だろう。ユヅルと出かけた時のことは忘れるわけがないさ」
当然のように言ってくれるエヴァンさんの優しい言葉に僕は舞い上がりそうなくらい嬉しかった。
あのクリスマスマーケットに行った日のことは、今でも思い出すくらい僕には楽しい時間だったから、エヴァンさんが同じ気持ちでいてくれていることが嬉しかったんだ。
そんな話をしている間に僕たちがいたテーブルの上に次々と料理が運ばれる。
スープにサンドイッチ、果物にサラダ。
どれも美味しそうだ。
特に、僕が大好きなローストビーフのサンドイッチ!
ああ、みているだけで涎が出てきちゃうな。
このサンドイッチ、一口でかぶりつけないほどボリュームたっぷりだけど、不思議とペロッと食べられちゃうんだよね。
「わぁ、美味しそう!」
目を輝かせて料理を見ている理央くんはやっぱり可愛い。
僕が初めてこのローストビーフのサンドイッチを見た時も同じような感じだったのかななんて思うと、なんだかとても懐かしく感じる。
先輩ぶって、これすごく美味しいからたくさん食べられるよと教えると、すごい! と尊敬の眼差しで見てくれる。
ふふっ。なんか本当に一緒にいると楽しいな。
「さぁ、料理も揃ったことだし食べようか」
エヴァンさんの声にふと周りを見ると、理央くんも秀吾さんも、それにリュカもみんな膝の上に抱っこされて座っている。
リュカだけは少し照れているように見えるけど、全然嫌がっている様子もない。
やっぱりこれが普通なんだなと改めて思う。
最初はエヴァンさんに抱っこされてご飯を食べるなんて良いのかな……なんて思っていたけど、ミシェルさんも普通にやってたしなんだか気にならなくなってきたんだよね。
理央くんたちも普通にやっているし、恋人なら……あ、もう夫夫だけど……これが当然なんだろうな。
「理央、どれから食べたい?」
「あのね、このサンドイッチが美味しいって教えてもらったの。でもおっきいから全部食べられるかわからないんですけど……」
「そうか。じゃあ、これを食べてみよう。半分こして食べたら残す心配はしなくて良いだろう?」
「わぁーっ、凌也さん。大好き!」
無邪気な理央くんの声が響く。
ああ、なんだか微笑ましいな。
ずっと見ていたくなる。
そっと秀吾さんに視線を受けると秀吾さんたちも嬉しそうに理央くんたちを見ているのがわかった。
ああ、やっぱりみんな同じなんだな。
「んーっ! おいひぃっ!」
「ふふっ。理央、ソースが垂れてる」
「ありがとう」
あまりにも自然に理央くんのソースを舐めとる観月さんの姿に驚きつつも、そういえばエヴァンさんもいつも舐めとってくれるよねと思い出して納得する。
これが夫夫なんだよね。
「エヴァンさん。僕もサンドイッチ食べたいです」
「ああ、半分こしようか」
「ふふっ。はい」
どうやら理央くんたちと同じことをしたいと思った僕の気持ちをわかってくれたみたいだ。
パクッと大きな口を開けてかぶりついたら、すぐにエヴァンさんが唇の端を舐めてくれる。
うん、何だかいつも以上に美味しい気がする。
夫夫になったら味も変わるのかな。
これは発見だな。
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