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愛がいっぱい
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途中で視点が変わります
* * *
「ユヅル……そんなにも私のことを愛してくれているとは……私はなんて幸せなのだろうな」
「エヴァンさん……」
「結婚式が終わって、日本の友人たちが帰ったら二人だけで旅行に出かけよう」
「二人だけで? いいんですか?」
「ああ、ちょうどクリスマスからそのままニューイヤー休暇に入るからな。仕事も休みだからあの南太平洋にある無人島に二人で行こう。あそこにはコテージがあるからゆっくり過ごせるぞ。もちろん、誰も連れて行かないから、食事の支度も二人ですることになるがそれでもいいか?」
誰もいない、エヴァンさんと二人だけの空間。
食事の支度も二人でなんて……嬉しい以外何もない。
あの家でエヴァンさんと二人で暮らした日々を思い出す。
エヴァンさんにとっては不便で狭い家だっただろうけど、僕にとってはものすごく楽しい時間だったんだ。
その無人島で同じように二人っきりで過ごせるなんて……嬉しすぎる。
「エヴァンさんと一緒なら、食事の支度だって楽しみです」
「ふふっ。可愛いことを言ってくれる」
「僕、それまでにシャルルさんにお料理を習っておこうかな」
「それは嬉しいが……シャルルと二人はダメだぞ。私も一緒に習うとしよう」
「ふふっ。エヴァンさんったら……」
エヴァンさんのそんな独占欲さえも嬉しいと思ってしまう。
ああ、僕は本当に心からエヴァンさんが好きなんだ。
<sideミシェル>
『ねぇ、セルジュ。せっかくクリスマスからの予定を立ててくれてたのにごめんね』
『ふふっ。何を言い出すかと思えば……。旅行などクリスマスでなくてもいつだって行けるだろう? それに比べて、エヴァンさまとユヅルさまの結婚式も、日本から友人が来て合同で結婚式を挙げるというのも一生に一度のことなのだぞ。それに参加する上に、ミシェルの美しい演奏がその結婚式に華を添えることができるなんて……幸せなことだろう?』
『うん……。セルジュ……僕ね、誰かの結婚式に参加できるなんてこと、一生ないって思ってたんだ。だから誘われた時、すごく嬉しかった』
『ああ、ミシェルの気持ちはよくわかってるよ。ミシェル……以前二人っきりで結婚式を挙げたのを覚えているか?』
『もちろん! 忘れるわけないよ。セルジュが作ってくれたドレス着て……二人だけであの思い出の教会で挙げたよね』
『あの時、式を挙げていなければ今回みんなと一緒に挙げられたのにという後悔はないか?』
『ふふっ。なんだ、セルジュったらそんなことを思ってたの?』
『いや、みんながドレスを着ていたら羨ましく思うんじゃないかと思って……』
『僕にはあの時のドレスの思い出があるから羨ましくなんて思わないよ。あの時のことを思って懐かしくは思うかもしれないけど。あの時のセルジュのスーツ、かっこよかったし素敵だったな……』
『今はどうだ?』
『ふふっ。今はもっと素敵!』
僕はセルジュに抱きついて、セルジュの綺麗な唇にキスをする。
セルジュと出会ってどれだけキスを交わしても、重なり合うこの瞬間がドキドキする。
セルジュに愛されてるって僕に自信を与えてくれる甘く蕩けるような優しいキス。
ああ、セルジュに出会えて本当によかった。
『ミシェルの美しい演奏を聴くのを楽しみにしているよ』
『うん。セルジュと、幸せいっぱいの新郎新夫に向けて愛をいっぱい伝えるから楽しみにしてて』
『ミシェル……愛は私だけがいいんだが……』
『ふふっ。セルジュへの愛は特別だから大丈夫』
『じゃあ、それを先に見せてもらおうかな』
『いいよ、連れてって……』
そういうと、セルジュは嬉しそうに僕を抱き上げて寝室に連れて行ってくれた。
セルジュの愛は重くて、すごく優しい。
* * *
次から結婚式の話に入るので、しばらくお休みして
イケメンスパダリシリーズ(社長・医師・弁護士)の結婚式までのお話をいくつか更新していきます。
どうぞお楽しみに♡
* * *
「ユヅル……そんなにも私のことを愛してくれているとは……私はなんて幸せなのだろうな」
「エヴァンさん……」
「結婚式が終わって、日本の友人たちが帰ったら二人だけで旅行に出かけよう」
「二人だけで? いいんですか?」
「ああ、ちょうどクリスマスからそのままニューイヤー休暇に入るからな。仕事も休みだからあの南太平洋にある無人島に二人で行こう。あそこにはコテージがあるからゆっくり過ごせるぞ。もちろん、誰も連れて行かないから、食事の支度も二人ですることになるがそれでもいいか?」
誰もいない、エヴァンさんと二人だけの空間。
食事の支度も二人でなんて……嬉しい以外何もない。
あの家でエヴァンさんと二人で暮らした日々を思い出す。
エヴァンさんにとっては不便で狭い家だっただろうけど、僕にとってはものすごく楽しい時間だったんだ。
その無人島で同じように二人っきりで過ごせるなんて……嬉しすぎる。
「エヴァンさんと一緒なら、食事の支度だって楽しみです」
「ふふっ。可愛いことを言ってくれる」
「僕、それまでにシャルルさんにお料理を習っておこうかな」
「それは嬉しいが……シャルルと二人はダメだぞ。私も一緒に習うとしよう」
「ふふっ。エヴァンさんったら……」
エヴァンさんのそんな独占欲さえも嬉しいと思ってしまう。
ああ、僕は本当に心からエヴァンさんが好きなんだ。
<sideミシェル>
『ねぇ、セルジュ。せっかくクリスマスからの予定を立ててくれてたのにごめんね』
『ふふっ。何を言い出すかと思えば……。旅行などクリスマスでなくてもいつだって行けるだろう? それに比べて、エヴァンさまとユヅルさまの結婚式も、日本から友人が来て合同で結婚式を挙げるというのも一生に一度のことなのだぞ。それに参加する上に、ミシェルの美しい演奏がその結婚式に華を添えることができるなんて……幸せなことだろう?』
『うん……。セルジュ……僕ね、誰かの結婚式に参加できるなんてこと、一生ないって思ってたんだ。だから誘われた時、すごく嬉しかった』
『ああ、ミシェルの気持ちはよくわかってるよ。ミシェル……以前二人っきりで結婚式を挙げたのを覚えているか?』
『もちろん! 忘れるわけないよ。セルジュが作ってくれたドレス着て……二人だけであの思い出の教会で挙げたよね』
『あの時、式を挙げていなければ今回みんなと一緒に挙げられたのにという後悔はないか?』
『ふふっ。なんだ、セルジュったらそんなことを思ってたの?』
『いや、みんながドレスを着ていたら羨ましく思うんじゃないかと思って……』
『僕にはあの時のドレスの思い出があるから羨ましくなんて思わないよ。あの時のことを思って懐かしくは思うかもしれないけど。あの時のセルジュのスーツ、かっこよかったし素敵だったな……』
『今はどうだ?』
『ふふっ。今はもっと素敵!』
僕はセルジュに抱きついて、セルジュの綺麗な唇にキスをする。
セルジュと出会ってどれだけキスを交わしても、重なり合うこの瞬間がドキドキする。
セルジュに愛されてるって僕に自信を与えてくれる甘く蕩けるような優しいキス。
ああ、セルジュに出会えて本当によかった。
『ミシェルの美しい演奏を聴くのを楽しみにしているよ』
『うん。セルジュと、幸せいっぱいの新郎新夫に向けて愛をいっぱい伝えるから楽しみにしてて』
『ミシェル……愛は私だけがいいんだが……』
『ふふっ。セルジュへの愛は特別だから大丈夫』
『じゃあ、それを先に見せてもらおうかな』
『いいよ、連れてって……』
そういうと、セルジュは嬉しそうに僕を抱き上げて寝室に連れて行ってくれた。
セルジュの愛は重くて、すごく優しい。
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次から結婚式の話に入るので、しばらくお休みして
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