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あの時の答えを※
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「わっ! エヴァ――っ! んんっ!」
僕の驚きの声はエヴァンさんにギュッと抱きしめられて消えてしまった。
顔をエヴァンさんの胸で隠されて何も見えない。
「どう、したんですか?」
顔を隠されながらくぐもった声で必死にエヴァンさんに尋ねると、
「自分が今どんな顔をしているのかわかっていないのか?」
と少し怒ったような口調で聞き返されてしまい、必死に見上げながらもう一度尋ねてみた。
「あの、僕の顔って……そんなに変、でしたか?」
「はぁーーっ。もう、本当にユヅルは……」
少し呆れたような、それでいて少し不安そうな声を上げると、エヴァンさんはリュカに向かって何やら話し始めた。
二人とも流れるようなフランス語で話すから、やっと最近フランス語の発音に慣れたばかりの僕には聞き取れるはずもない。
そもそも単語もまだあまりわからないし。
でも、一つだけ聞き取れた言葉があったからふたりの話が一区切りついたところで、気になって尋ねてみた。
「ねぇ、エヴァンさん……」
顔を上げると、エヴァンさんはホッとした表情を見せた。
どうやら今の顔は大丈夫みたい。
何が悪かったのか、結局わかっていないままだけど……。
「あの、じょるじゅ? って誰ですか? 人の名前ですよね?」
「――っ、ユヅル聞き取れたのか?」
「なんとなく、そう言っていた気がして……合ってましたか?」
「やはり耳が慣れてきたんだな。合っているよ、ジョルジュはリュカの夫なんだ。二人は3年前に結婚して夫夫になったんだよ」
「夫夫? あっ、そういえばフランスでは同性でも結婚できるんだって、エヴァンさんが仰ってましたよね。じゃあ、本当にご夫夫なんですか?」
リュカに視線を送ると、彼は嬉しそうに笑顔を返した。
その笑顔がとっても幸せそうだったから、それが答えなんだろう。
そうか……。
本当に夫夫になれるんだ。
すごいな、フランスって……。
――フランスでは、同性婚が認められているんだ。だから、私はフランスに帰ったら……ユヅルと結婚して正真正銘の夫夫になりたいと思ってる。もう私はユヅルを手放したくないんだ。それくらい、ユヅルを心から愛してる。だから、私と結婚してずっとそばにいてほしい……。
あの時、僕の家でエヴァンさんは確かにそう言ってくれた。
――明日……東京に戻ったら、答えを聞かせて欲しい。いい?
そう言われたけど、そういえば僕……あの時の返事を東京でちゃんと言葉にしたんだっけ?
一生そばにいる、とか
『てゅ え らむーる ど ま ゔぃ』とか
『じゅてーむ』とか自分の思いは伝えたけれど、あれだけでは足りなかったのかもしれない。
正確にいえば、あの時の答えになっていなかったのかも。
だから、フランスに来て1ヶ月も経つというのに、結婚のことを話してくれなかったんだろうか?
きっと、そうだ。そうに違いない。
こんな大事なことをおざなりにしてしまっていた僕を、今でもまだエヴァンさんは夫にしたいと思ってくれているだろうか?
僕も、あんなに幸せそうなリュカのように早くなりたい……。
頭の中がそのことでいっぱいになってきて、もう我慢できなくなってしまった。
「エヴァンさん……」
「んっ? どうした、ユヅル」
「僕……エヴァンさんと結婚して夫夫になりたいです」
「えっ? ユヅル、いきなり、どうしたんだ?」
やっぱりもうあの話は無くなってしまったのかもしれない。
「もう、遅いですか? 僕……正式にエヴァンさんと結婚して夫夫になりたいです。僕を夫にしてもらえませんか?」
「――っ!!! ユヅルっ!! どうして、お前はそんなに……」
エヴァンさんは苦しげな表情を浮かべると、とてつもない勢いで何かを叫び、駆け足で部屋を飛び出した。
何も言わず、ただ黙々と駆けていって着いたのは僕たちの部屋。
そこに勢いよく飛び込むと、エヴァンさんは僕を抱きかかえたまま寝室へと駆け込んだ。
ポスっとベッドに座らされて見上げると、いつかみたあの獰猛な瞳をしたエヴァンさんがいた。
あれは初めて愛し合ったあの時と同じ瞳。
声を出したいのに、エヴァンさんの迫力に押されて声が出ない。
「煽ったのは、ユヅルだからな」
「んんっ……っ!!!」
ギラギラと獰猛な視線を向けたまま、顔が近づいてきたと思ったらそのまま唇を奪われる。
口内を激しく蹂躙されている間に、一気に服が脱がされてキスをしながら乳首も弄られてしまう。
「ひゃぁーーっん、やぁーーっ、だめぇ……っ、そこっ……す、ぐ、イっちゃ、う……っ!」
このひと月の間にもう何十回もエヴァンさんに弄られ続けた乳首はエヴァンさんに触れられただけでとてつもない快感を得るようになってしまった。
しかも今日はそれがキューっと摘まれて、いつもよりさらに激しい刺激が襲ってくる。
「ああっ、だめぇ……っ、イくぅ……っ、イっちゃう、からぁ――っ!!」
いつもなら僕が声をあげれば止めてくれるのに、エヴァンさんの刺激が止まらない。
「ああっんっ! やぁ……っん、ああっ!!!!」
僕はあっという間に絶頂に達してイッてしまった。
あまりにも早い吐精に息が上がったままだ。
「ユヅル……愛してるよ」
「――っ! え、ゔぁんさん……」
いつもと違うエヴァンさんの様子にてっきり怒っているのかと思っていた。
そんなエヴァンさんからの愛の言葉に一気に心が温かくなる。
「ユヅル……」
優しいキスを受けながら、お尻にエヴァンさんの指が挿入ってくる。
毎日のように解されている後ろはもうすっかりエヴァンさんの指もアレも覚えてしまっている。
挿入ってきている感触はもちろんするけれど、痛みも何もない。
ただ気持ちがいいだけだ。
ゆっくりと唇が離されても中の指の動きは止まらない。
中をクチュクチュとかき混ぜると、僕がさっき飛ばした蜜をもう片方の指で掬い取り、そのままエヴァンさんの大きなモノに擦り付ける。
どうやら今日はローションを使わずに僕の蜜を使うみたいだ。
僕がみた感じ、僕の蜜を纏わせた方がエヴァンさんが気持ちよさそうな表情をするんだよね。
今日はあの表情が見られるんだと思ったら嬉しくなる。
「え、ゔぁんさん…きてぇ……っ」
我慢できずに漏らした言葉にエヴァンさんは獰猛な瞳のまま嬉しそうに笑っていた。
僕の驚きの声はエヴァンさんにギュッと抱きしめられて消えてしまった。
顔をエヴァンさんの胸で隠されて何も見えない。
「どう、したんですか?」
顔を隠されながらくぐもった声で必死にエヴァンさんに尋ねると、
「自分が今どんな顔をしているのかわかっていないのか?」
と少し怒ったような口調で聞き返されてしまい、必死に見上げながらもう一度尋ねてみた。
「あの、僕の顔って……そんなに変、でしたか?」
「はぁーーっ。もう、本当にユヅルは……」
少し呆れたような、それでいて少し不安そうな声を上げると、エヴァンさんはリュカに向かって何やら話し始めた。
二人とも流れるようなフランス語で話すから、やっと最近フランス語の発音に慣れたばかりの僕には聞き取れるはずもない。
そもそも単語もまだあまりわからないし。
でも、一つだけ聞き取れた言葉があったからふたりの話が一区切りついたところで、気になって尋ねてみた。
「ねぇ、エヴァンさん……」
顔を上げると、エヴァンさんはホッとした表情を見せた。
どうやら今の顔は大丈夫みたい。
何が悪かったのか、結局わかっていないままだけど……。
「あの、じょるじゅ? って誰ですか? 人の名前ですよね?」
「――っ、ユヅル聞き取れたのか?」
「なんとなく、そう言っていた気がして……合ってましたか?」
「やはり耳が慣れてきたんだな。合っているよ、ジョルジュはリュカの夫なんだ。二人は3年前に結婚して夫夫になったんだよ」
「夫夫? あっ、そういえばフランスでは同性でも結婚できるんだって、エヴァンさんが仰ってましたよね。じゃあ、本当にご夫夫なんですか?」
リュカに視線を送ると、彼は嬉しそうに笑顔を返した。
その笑顔がとっても幸せそうだったから、それが答えなんだろう。
そうか……。
本当に夫夫になれるんだ。
すごいな、フランスって……。
――フランスでは、同性婚が認められているんだ。だから、私はフランスに帰ったら……ユヅルと結婚して正真正銘の夫夫になりたいと思ってる。もう私はユヅルを手放したくないんだ。それくらい、ユヅルを心から愛してる。だから、私と結婚してずっとそばにいてほしい……。
あの時、僕の家でエヴァンさんは確かにそう言ってくれた。
――明日……東京に戻ったら、答えを聞かせて欲しい。いい?
そう言われたけど、そういえば僕……あの時の返事を東京でちゃんと言葉にしたんだっけ?
一生そばにいる、とか
『てゅ え らむーる ど ま ゔぃ』とか
『じゅてーむ』とか自分の思いは伝えたけれど、あれだけでは足りなかったのかもしれない。
正確にいえば、あの時の答えになっていなかったのかも。
だから、フランスに来て1ヶ月も経つというのに、結婚のことを話してくれなかったんだろうか?
きっと、そうだ。そうに違いない。
こんな大事なことをおざなりにしてしまっていた僕を、今でもまだエヴァンさんは夫にしたいと思ってくれているだろうか?
僕も、あんなに幸せそうなリュカのように早くなりたい……。
頭の中がそのことでいっぱいになってきて、もう我慢できなくなってしまった。
「エヴァンさん……」
「んっ? どうした、ユヅル」
「僕……エヴァンさんと結婚して夫夫になりたいです」
「えっ? ユヅル、いきなり、どうしたんだ?」
やっぱりもうあの話は無くなってしまったのかもしれない。
「もう、遅いですか? 僕……正式にエヴァンさんと結婚して夫夫になりたいです。僕を夫にしてもらえませんか?」
「――っ!!! ユヅルっ!! どうして、お前はそんなに……」
エヴァンさんは苦しげな表情を浮かべると、とてつもない勢いで何かを叫び、駆け足で部屋を飛び出した。
何も言わず、ただ黙々と駆けていって着いたのは僕たちの部屋。
そこに勢いよく飛び込むと、エヴァンさんは僕を抱きかかえたまま寝室へと駆け込んだ。
ポスっとベッドに座らされて見上げると、いつかみたあの獰猛な瞳をしたエヴァンさんがいた。
あれは初めて愛し合ったあの時と同じ瞳。
声を出したいのに、エヴァンさんの迫力に押されて声が出ない。
「煽ったのは、ユヅルだからな」
「んんっ……っ!!!」
ギラギラと獰猛な視線を向けたまま、顔が近づいてきたと思ったらそのまま唇を奪われる。
口内を激しく蹂躙されている間に、一気に服が脱がされてキスをしながら乳首も弄られてしまう。
「ひゃぁーーっん、やぁーーっ、だめぇ……っ、そこっ……す、ぐ、イっちゃ、う……っ!」
このひと月の間にもう何十回もエヴァンさんに弄られ続けた乳首はエヴァンさんに触れられただけでとてつもない快感を得るようになってしまった。
しかも今日はそれがキューっと摘まれて、いつもよりさらに激しい刺激が襲ってくる。
「ああっ、だめぇ……っ、イくぅ……っ、イっちゃう、からぁ――っ!!」
いつもなら僕が声をあげれば止めてくれるのに、エヴァンさんの刺激が止まらない。
「ああっんっ! やぁ……っん、ああっ!!!!」
僕はあっという間に絶頂に達してイッてしまった。
あまりにも早い吐精に息が上がったままだ。
「ユヅル……愛してるよ」
「――っ! え、ゔぁんさん……」
いつもと違うエヴァンさんの様子にてっきり怒っているのかと思っていた。
そんなエヴァンさんからの愛の言葉に一気に心が温かくなる。
「ユヅル……」
優しいキスを受けながら、お尻にエヴァンさんの指が挿入ってくる。
毎日のように解されている後ろはもうすっかりエヴァンさんの指もアレも覚えてしまっている。
挿入ってきている感触はもちろんするけれど、痛みも何もない。
ただ気持ちがいいだけだ。
ゆっくりと唇が離されても中の指の動きは止まらない。
中をクチュクチュとかき混ぜると、僕がさっき飛ばした蜜をもう片方の指で掬い取り、そのままエヴァンさんの大きなモノに擦り付ける。
どうやら今日はローションを使わずに僕の蜜を使うみたいだ。
僕がみた感じ、僕の蜜を纏わせた方がエヴァンさんが気持ちよさそうな表情をするんだよね。
今日はあの表情が見られるんだと思ったら嬉しくなる。
「え、ゔぁんさん…きてぇ……っ」
我慢できずに漏らした言葉にエヴァンさんは獰猛な瞳のまま嬉しそうに笑っていた。
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