天涯孤独になった僕をイケメン外国人が甘やかしてくれます

波木真帆

文字の大きさ
上 下
37 / 204

快適すぎる空の旅

しおりを挟む
ハウラナを陥れるつもりが自分達の首を絞めることになった側室達。

特にレーネは焦って愚行に走り、取り返しがつかない事態に無い頭を痛めていた。

「どうしてうまくいかないの!私には時間がないのに!」
第三側室レーネはあと1週間で年季が終わる、つまり正妃になるチャンスはほぼ消えたのだ。
すでに離縁の為の引っ越し準備も帝国側が始めている、契約通りなので文句も言えない。


最後の手段にと、皇帝の寝室へ夜這いをかける計画をたてたが護衛たちがそれを許さなかった。
ふつう王宮に居室を持つものだが、皇帝は隣接された黒曜宮に住んでいた。
そこは軍部の機密組織でもあるため、簡単には入れない。

など通されるわけもないのだ。
屈強な護衛を排除しなければ到底無理だし、侵入したとて謀反人として捕縛され処罰されるだろう。


結局なんの打開もできないまま、レーネは母国イースレッドへ帰された。
とうぜん白い結婚だ、皇帝クレイブとは赤の他人に戻った。




帰国後、レーネは軍国の姫らしくドレスから軍服に着替え凛とした姿に戻り鼻息荒く宣った。
「ゼベールを討つべし」

怒りの矛先をハウラナの母国ゼベールへ向けたレーネは、父である国王と王太子の兄ルードに国力にものを謂わせ潰せないかと相談したのだ。


「ふむ、お前の無念は、余の無念でもある。しかしだな相手は小国なれど優れた魔導士が大勢おる、簡単には墜とせまいよ」

軍事国家イースレッドは軍艦建造に力を入れており海戦に強い、帝国に次ぐ強さを有してはいるが魔法国と戦ったことはない。それゆえに王は危惧しているのだ。


「お気の弱いことを、あの国の脅威などほとんど聞いたことがないですわ!文献にもございません、他国も我が国も魔法を使う者がほとんどいないせいで警戒しすぎなのですわ!」

咆える妹の声に兄が言う。
「うむ、確かにな……蔑称で”臆病な鎖国”と言われてもいたな、たしかにあの国を落とせば魔道具技術は我が手に……悪くはない、艦隊と戦用に開発した魔道具を有すれば帝国さえ敵でなくなるぞ」


王太子ルードのその言葉に気を良くしたレーネはほくそ笑む。

「さすがですわ兄様!ゼベールは東海に位置する小国です、背後は険しい山脈があり逃げるのも一苦労でしょう、海側から攻めればひとたまりもないですわ」


王子と王女の強い意気込みにイースレッド王は長考し口を開く。

「我が代で偉業を達するのも悪くないだろう、優れた船を幾隻と持とうが持ち腐れ。ルードよ、ゼベールに探りをいれろ。」

「御意、すぐに密偵を放ちましょう」




しおりを挟む
感想 166

あなたにおすすめの小説

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた

翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」 そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。 チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

悩める文官のひとりごと

きりか
BL
幼い頃から憧れていた騎士団に入りたくても、小柄でひ弱なリュカ・アルマンは、学校を卒業と同時に、文官として騎士団に入団する。方向音痴なリュカは、マルーン副団長の部屋と間違え、イザーク団長の部屋に入り込む。 そこでは、惚れ薬を口にした団長がいて…。 エチシーンが書けなくて、朝チュンとなりました。 ムーンライト様にも掲載しております。 

今日も、俺の彼氏がかっこいい。

春音優月
BL
中野良典《なかのよしのり》は、可もなく不可もない、どこにでもいる普通の男子高校生。特技もないし、部活もやってないし、夢中になれるものも特にない。 そんな自分と退屈な日常を変えたくて、良典はカースト上位で学年で一番の美人に告白することを決意する。 しかし、良典は告白する相手を間違えてしまい、これまたカースト上位でクラスの人気者のさわやかイケメンに告白してしまう。 あっさりフラれるかと思いきや、告白をOKされてしまって……。良典も今さら間違えて告白したとは言い出しづらくなり、そのまま付き合うことに。 どうやって別れようか悩んでいた良典だけど、彼氏(?)の圧倒的顔の良さとさわやかさと性格の良さにきゅんとする毎日。男同士だけど、楽しいし幸せだしあいつのこと大好きだし、まあいっか……なちょろくてゆるい感じで付き合っているうちに、どんどん相手のことが大好きになっていく。 間違いから始まった二人のほのぼの平和な胸キュンお付き合いライフ。 2021.07.15〜2021.07.16

一日だけの魔法

うりぼう
BL
一日だけの魔法をかけた。 彼が自分を好きになってくれる魔法。 禁忌とされている、たった一日しか持たない魔法。 彼は魔法にかかり、自分に夢中になってくれた。 俺の名を呼び、俺に微笑みかけ、俺だけを好きだと言ってくれる。 嬉しいはずなのに、これを望んでいたはずなのに…… ※いきなり始まりいきなり終わる ※エセファンタジー ※エセ魔法 ※二重人格もどき ※細かいツッコミはなしで

とある文官のひとりごと

きりか
BL
貧乏な弱小子爵家出身のノア・マキシム。 アシュリー王国の花形騎士団の文官として、日々頑張っているが、学生の頃からやたらと絡んでくるイケメン部隊長であるアベル・エメを大の苦手というか、天敵認定をしていた。しかし、ある日、父の借金が判明して…。 基本コメディで、少しだけシリアス? エチシーンところか、チュッどまりで申し訳ございません(土下座) ムーンライト様でも公開しております。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

紹介なんてされたくありません!

mahiro
BL
普通ならば「家族に紹介したい」と言われたら、嬉しいものなのだと思う。 けれど僕は男で目の前で平然と言ってのけたこの人物も男なわけで。 断りの言葉を言いかけた瞬間、来客を知らせるインターフォンが鳴り響き……?

帰宅

pAp1Ko
BL
遊んでばかりいた養子の長男と実子の双子の次男たち。 双子を庇い、拐われた長男のその後のおはなし。 書きたいところだけ書いた。作者が読みたいだけです。

処理中です...