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番外編
空良への誓い
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「空良くんのベール、素敵。それにティアラも可愛いっ!」
弓弦くんと理央くんにそう言われて、空良は満面の笑みで返した。
陽の光に当たると、ピンク色になると嬉しそうに伝えると二人はそれが見たい! といい出した。
そんなふうに興味を持ってくれるのが嬉しい。
やはりいい友人に出会ったものだ。
挙式が終わったら、みんなで庭に行きたいという空良になんと答えようかと思って、ロレーヌ総帥に視線を向ければ、もともと行くつもりだったから大丈夫だと嬉しい言葉が返ってきた。
もしかしたらそんな予定ではなかったのかもしれないが、俺たちが気にしないようにそう言ってくれたのだろう。
ロレーヌ総帥の気遣いに喜んでいると、
『ご歓談中、失礼致します。準備が整いましてございます』
とジュールさんが声をかけてくれた。
ああ、とうとうか。
俺の頭の中に綾城と佳都くんのあの挙式の様子が思い出される。
あれから数ヶ月、まさかこの素晴らしい城で空良との結婚式を迎えられるとは夢にも思っていなかったな。
そう思うだけで胸が熱くなる。
先に観月たちが入場することになり、扉の前に立つ二人の様子を離れた場所でそっと伺う。
ふふっ。観月、緊張しているな。
あんな緊張している姿、初めて見るかもしれない。
あいつはいつでもなんでも簡単にこなせるやつで、困ったり焦ったりする表情なんて理央くんと出会うまで一度も見たことがなかった。
それがあんなに嬉しそうに理央くんに微笑みかけて……。
やっと人間らしくなったななんて思うのは流石に失礼か。
でも、そんな観月を見られて俺は嬉しいんだ。
大きな歓声と拍手に迎え入れられて、観月たちが礼拝堂の中へ進んでいく。
その様子を俺たちはずっと見守っていた。
空良と弓弦くんはそんな二人の様子を見ながら、緊張すると話をしている。
空良の様子が気になるなと少し心配に思っていると、
「空良くん、ドキドキするね」
「うん。弓弦くん、最後だから頑張って!」
「うん、頑張る!」
と弓弦くんと可愛らしいハイタッチをしていた。
そんな子猫の戯れあいに俺とロレーヌ総帥は思わず顔を見合わせた。
緊張を楽しめるようなら大丈夫だ。
きっと楽しく思い出に残る式になるはずだ。
俺たちも扉の前に立ち、その瞬間を待つ。
観月たちと同様に大歓声と拍手に迎えられて、中に入る。
「おめでとう、悠木!」
大歓声の中、綾城の言葉がスッと耳に飛び込んできた。
「ああ、ありがとう。って、お前、もう泣いてるのか?」
「うるさい! 仕方ないだろう!」
まさか綾城がこんなにも喜んでくれるとはな。
「ありがとうな、綾城。空良と出会えたのは、お前のおかげだよ」
「ああ、一生恩を感じてくれ」
ニヤリと笑いながらも、目には涙が溜まっている。
俺はこいつの親友で本当に良かったな。
「綺麗っ!」
「可愛いっ!」
と声をかけられて嬉しそうな笑顔を見せている空良を連れて、観月たちの待つ祭壇へ進む。
「寛人さん、みんなが祝福してくれて……僕、幸せです」
「ああ。そうだな。これからもっと幸せを見てもらおう」
「はい」
涙に濡れる頬を優しく拭いながら、ロレーヌ総帥たちがやってくるのを待った。
大きな歓声に包まれながら、ロレーヌ総帥と弓弦くんが入場してくる。
「――っ、あれは……っ」
「寛人さん、どうしたんですか?」
空良には見えていないのか?
ロレーヌ総帥と弓弦くんのすぐ後ろに見守るように立っているのが二人にそっくりな人たちの姿が。
あれはもしかして……。
そんなことあるわけないと否定しつつも、信じないわけにはいかない。
そっと観月に視線を送れば観月もまた驚きの表情を俺に向けていた。
あいつも見えているのなら、本物なのかもしれない。
きっと二人のことを祝福しにきたのだろう。
そんな人たちなら、ロレーヌ総帥と弓弦くんに危害を及ぼすこともない。
それなら、一緒にこの幸せを共有できればいい。
それが一番だ。
俺たち三組のカップルを前に、厳かな式が始まった。
最初は司祭による聖書の朗読。
フランス語だから空良には理解できていないだろうが、きっと心で伝わっているだろう。
ひとしきり聖書の朗読が終わると、司祭はパタンと聖書を閉じ、俺たち三組にそれぞれ視線を向けた。
そして、辿々しい日本語で声をかけてくれたんだ。
まずは観月たちに。
そして、次は俺たち。
「ソラ、あなたの、スナオなコトバは、ヒロトの、ココロを、イやす、チカラが、アリマス。いつまでも、ウソイツワりの、ない、コトバで、ヒロトのイやし、となるヨウニ。そして、ヒロトは、ソラに、アイするキモチを、いつでも、いつまでも、ツタエつづけるヨウニ。おタガイに、コトバをかける、コトをワスれず、アカルい、カテイを、ツクるコト、がダイジ」
この司祭は今日のこの挙式に当たり、俺たちのことをきちんと理解して臨んでくれたのだろうということがありありとわかった。
俺は空良の素直な言葉に救われていた。
ちゃんと俺の内面まで理解して愛してくれるその言葉に。
それがどれだけ俺を強くしてくれたか……。
「僕……寛人さんへの思いをいつも伝えます。寛人さん、大好きです」
今日もこうして素直な気持ちを俺に伝えてくれる。
だから、俺も空良に俺の愛を囁き続ける。
そして、一生、空良の心を俺の愛の言葉で埋め尽くしてやるよ。
「私も空良を愛しているよ。これから先もずっと一生愛してる」
空良を抱きしめながら、空良への愛を固く誓った。
弓弦くんと理央くんにそう言われて、空良は満面の笑みで返した。
陽の光に当たると、ピンク色になると嬉しそうに伝えると二人はそれが見たい! といい出した。
そんなふうに興味を持ってくれるのが嬉しい。
やはりいい友人に出会ったものだ。
挙式が終わったら、みんなで庭に行きたいという空良になんと答えようかと思って、ロレーヌ総帥に視線を向ければ、もともと行くつもりだったから大丈夫だと嬉しい言葉が返ってきた。
もしかしたらそんな予定ではなかったのかもしれないが、俺たちが気にしないようにそう言ってくれたのだろう。
ロレーヌ総帥の気遣いに喜んでいると、
『ご歓談中、失礼致します。準備が整いましてございます』
とジュールさんが声をかけてくれた。
ああ、とうとうか。
俺の頭の中に綾城と佳都くんのあの挙式の様子が思い出される。
あれから数ヶ月、まさかこの素晴らしい城で空良との結婚式を迎えられるとは夢にも思っていなかったな。
そう思うだけで胸が熱くなる。
先に観月たちが入場することになり、扉の前に立つ二人の様子を離れた場所でそっと伺う。
ふふっ。観月、緊張しているな。
あんな緊張している姿、初めて見るかもしれない。
あいつはいつでもなんでも簡単にこなせるやつで、困ったり焦ったりする表情なんて理央くんと出会うまで一度も見たことがなかった。
それがあんなに嬉しそうに理央くんに微笑みかけて……。
やっと人間らしくなったななんて思うのは流石に失礼か。
でも、そんな観月を見られて俺は嬉しいんだ。
大きな歓声と拍手に迎え入れられて、観月たちが礼拝堂の中へ進んでいく。
その様子を俺たちはずっと見守っていた。
空良と弓弦くんはそんな二人の様子を見ながら、緊張すると話をしている。
空良の様子が気になるなと少し心配に思っていると、
「空良くん、ドキドキするね」
「うん。弓弦くん、最後だから頑張って!」
「うん、頑張る!」
と弓弦くんと可愛らしいハイタッチをしていた。
そんな子猫の戯れあいに俺とロレーヌ総帥は思わず顔を見合わせた。
緊張を楽しめるようなら大丈夫だ。
きっと楽しく思い出に残る式になるはずだ。
俺たちも扉の前に立ち、その瞬間を待つ。
観月たちと同様に大歓声と拍手に迎えられて、中に入る。
「おめでとう、悠木!」
大歓声の中、綾城の言葉がスッと耳に飛び込んできた。
「ああ、ありがとう。って、お前、もう泣いてるのか?」
「うるさい! 仕方ないだろう!」
まさか綾城がこんなにも喜んでくれるとはな。
「ありがとうな、綾城。空良と出会えたのは、お前のおかげだよ」
「ああ、一生恩を感じてくれ」
ニヤリと笑いながらも、目には涙が溜まっている。
俺はこいつの親友で本当に良かったな。
「綺麗っ!」
「可愛いっ!」
と声をかけられて嬉しそうな笑顔を見せている空良を連れて、観月たちの待つ祭壇へ進む。
「寛人さん、みんなが祝福してくれて……僕、幸せです」
「ああ。そうだな。これからもっと幸せを見てもらおう」
「はい」
涙に濡れる頬を優しく拭いながら、ロレーヌ総帥たちがやってくるのを待った。
大きな歓声に包まれながら、ロレーヌ総帥と弓弦くんが入場してくる。
「――っ、あれは……っ」
「寛人さん、どうしたんですか?」
空良には見えていないのか?
ロレーヌ総帥と弓弦くんのすぐ後ろに見守るように立っているのが二人にそっくりな人たちの姿が。
あれはもしかして……。
そんなことあるわけないと否定しつつも、信じないわけにはいかない。
そっと観月に視線を送れば観月もまた驚きの表情を俺に向けていた。
あいつも見えているのなら、本物なのかもしれない。
きっと二人のことを祝福しにきたのだろう。
そんな人たちなら、ロレーヌ総帥と弓弦くんに危害を及ぼすこともない。
それなら、一緒にこの幸せを共有できればいい。
それが一番だ。
俺たち三組のカップルを前に、厳かな式が始まった。
最初は司祭による聖書の朗読。
フランス語だから空良には理解できていないだろうが、きっと心で伝わっているだろう。
ひとしきり聖書の朗読が終わると、司祭はパタンと聖書を閉じ、俺たち三組にそれぞれ視線を向けた。
そして、辿々しい日本語で声をかけてくれたんだ。
まずは観月たちに。
そして、次は俺たち。
「ソラ、あなたの、スナオなコトバは、ヒロトの、ココロを、イやす、チカラが、アリマス。いつまでも、ウソイツワりの、ない、コトバで、ヒロトのイやし、となるヨウニ。そして、ヒロトは、ソラに、アイするキモチを、いつでも、いつまでも、ツタエつづけるヨウニ。おタガイに、コトバをかける、コトをワスれず、アカルい、カテイを、ツクるコト、がダイジ」
この司祭は今日のこの挙式に当たり、俺たちのことをきちんと理解して臨んでくれたのだろうということがありありとわかった。
俺は空良の素直な言葉に救われていた。
ちゃんと俺の内面まで理解して愛してくれるその言葉に。
それがどれだけ俺を強くしてくれたか……。
「僕……寛人さんへの思いをいつも伝えます。寛人さん、大好きです」
今日もこうして素直な気持ちを俺に伝えてくれる。
だから、俺も空良に俺の愛を囁き続ける。
そして、一生、空良の心を俺の愛の言葉で埋め尽くしてやるよ。
「私も空良を愛しているよ。これから先もずっと一生愛してる」
空良を抱きしめながら、空良への愛を固く誓った。
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