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番外編
罰ゲーム
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「わぁー、すごいっ! ベッドがふかふかだ!」
楽しそうにベッドに座ってはしゃいでいる空良の姿をみながらも、ついついベッドでの淫らな姿を想像してしまう。
昨夜は結局口でだけだったな。
それはそれで最高なのだが、やっぱり空良の中に挿入りたいという気持ちがないわけではない。
綾城の話では部屋も風呂も完全防音だと言っていた。
ならば少しくらい空良と愛し合っても問題はないだろう。
多分、あいつらも同じ気持ちに違いない。
俺のことを鬼畜だと言って揶揄っているが、結局のところ俺たちは似たもの同士なんだからな。
「空良、こっちにおいで」
「なぁに、寛人さん。わぁー、大きなお風呂だ!」
「それだけじゃないぞ。夜はここから星も見えるんだ。雲の上だから、手に届きそうなくらい近い星が見えるぞ」
「すごいっ!! 早くみたいなぁ……」
「空良、一緒に見ような。そして星たちに見せつけてやろう、俺たちが愛し合ってるところを……」
「――っ、寛人さんったら恥ずかしいよ」
そう言って照れてはいるが、嫌がるそぶりは全くない。
あたりまえだ。
俺たちは愛し合っている恋人だし、それにもう結婚式まであげる夫夫なんだ。
仲良くして何が悪い。
「空良……いいだろう?」
甘く誘うように声をかけただけで、空良の目の奥に欲情の色が見える。
「夜まで我慢するから、風呂で可愛い姿を見せてくれ」
耳元で囁いて、唇を奪うと空良は抵抗することもなく、俺の舌にされるがままになっていた。
それどころか、空良からも積極的に舌を絡めてきて嬉しくなる。
しばらく空良の唇を堪能してゆっくりと唇を離すと、空良はぐったりと俺にもたれかかってきた。
ああ、ちょっとやりすぎたか。
慌てて空良の服を着替えさせ、俺の楽な服装に着替えて部屋を出た。
同じタイミングで出てきた佳都くんも、そして、榊くんも空良と同じように頬を赤く染めている。
やりすぎたと少し焦ったが、なんだみんな同じだな。
違うのは観月だけか。
あいつだけは本当に頭が下がる。
俺たちの中で一番紳士だと言われているそうだからな。
きっと一番幼い理央くんに合わせて理性で抑えているだけだ。
あいつも結婚式をあげた後なら今まで抑えていた分、爆発するかもしれないな。
そんな観月を見てみたい気もする。
そうしたら、観月を鬼畜と呼んで揶揄ってやろう。
そんなことを考えながら、観月と理央くんの隣に空良と一緒に腰を下ろすと
「なんだ? いやにニヤニヤしてるな」
と勘のいい観月にそう言われてしまった。
「何もないよ。ただ、旅行が楽しみなだけだ」
「ふーん、ならいいけど」
そう言いながらもなんとなく疑っているような目つきだ。
やっぱり観月だけは敵に回したくないな。
「ねぇ、トランプ持ってきたんだ! みんなでやろう!!」
安定飛行に入り、ソファーに集まった俺たちは佳都くんの誘いに
「トランプか、懐かしいな」
「わぁ、やろう! やろう!」
と声が上がった。
「トランプ……どうするのかわからない……」
と理央くんが悲しげな顔で観月に助けを求める。
「ああ、理央。大丈夫だ。心配しないでいい」
優しく宥めてから、ペア戦にしようと俺たちに提案した。
「いいな、4ペアで対戦な。負けたら、どうする?」
「ははっ。そうだな。佳都、何にする?」
「じゃあ……質問に答えるって言うのはどう? 恋人の好きなところとか」
「わぁ、それ楽しそう!」
「うん、いいね、いいね」
「ふふ、ちょっと恥ずかしいかも。でも楽しそうだね」
と無邪気な声が聞こえてきて、もうすっかりその話で盛り上がっている。
どんな質問かはわからないがそんなおかしなことは聞かれないだろう。
俺たち4人で静かに頷き合った。
とにかく勝てばいいんだ!
よし! 気合いが入るな。
「じゃあ、ババ抜きね。最下位のチームは罰ゲームね!」
観月が理央くんにゲームのやり方を説明して、とうとう負けられない試合が始まった。
「わぁっ、おんなじのが揃った!」
「ああ、僕たちも揃ったよ!!」
「えーっ、全然揃わない!!」
「あっ、来た来た!!」
小学生以来かもしれないトランプに白熱すること十数分。
「よしっ! あがった!!」
一番のりは綾城&佳都くんペア。
綾城は嬉しそうに佳都くんとハイタッチを交わしている。
「やった! お先に失礼します!」
2番目は周防くん&榊くんペア。
嬉しそうに微笑み合う二人。
やっぱり長年の夫夫感が溢れているな。
あとは俺たちと観月たちの一騎打ち。
最後の一枚を理央くんが選ぶ。
「わぁー、どっちにしよう」
「いいよ、理央の好きな方で」
「じゃあ……こっち!!」
理央くんが空良の持っているカードを引き抜いた瞬間、
「わぁーーっ!! 当たった!!」
「よし、よくやった理央!!」
嬉しそうに抱きしめあっている。
空良は悔しがっていたが、それ以上にみんなでトランプができたことが楽しかったようだ。
「ふふっ。じゃあ、悠木さんと空良くんに質問に答えてもらおうかな。じゃあ、二人とも立って!」
「はーい」
意外とノリノリで嬉しそうに立ち上がった空良の横で俺は何を言われるのかとドキドキしながら待っていると、理央くんや榊くんと質問を話し合ったらしい佳都くんが発表した。
「お互いのすごいなとか、可愛いなとか思っているところを教えてください。まず、悠木さんから」
空良の可愛いところなんか無限にあるが何を言おうか。
「空良は全てが可愛いが、時に朝起きて寝ぼけたまま抱きついて、キスを強請ってくるところが可愛い」
考えた末に観月たちに教えてもよさそうな空良の可愛いところを発表すると、綾城も観月もにやけた顔で俺を見つめていた。
きっとお前たちだって当たり障りのないことを話すくせに。
「ふふっ。空良くん可愛い。じゃあ、次は空良くんね、悠木さんのすごいところとか、可愛いところを教えて」
「えーっと、多すぎて悩んじゃうな……。あっ、でもあった! すごいとこ!」
そういうと、空良は嬉しそうに
「寛人さんの蜜、おっきいから一度にたくさん出るんだよ! 僕の倍くらい」
と大きな声で発表してしまった。
「――っ!!」
「昨日口の中に出してもらって飲み干す時、たくさんでびっくりしちゃったんだ。でも美味し――」
「空良っ!!」
「んんっ!」
驚きのあまりに茫然としている間にどんどん話してしまう空良を必死に制して口を押さえたけど、時すでに遅し……。
理央くんたちは顔を真っ赤にしているし、観月たちは冷ややかな目で俺を見ている。
ああ……これで俺の鬼畜疑惑は当分消えそうにないな。
とりあえず空良にはその辺のところは二人だけの秘密にしておくように言っておこうか。
純粋で無邪気な恋人を持つと本当に大変だとしみじみ思ってしまった出来事だった……。
楽しそうにベッドに座ってはしゃいでいる空良の姿をみながらも、ついついベッドでの淫らな姿を想像してしまう。
昨夜は結局口でだけだったな。
それはそれで最高なのだが、やっぱり空良の中に挿入りたいという気持ちがないわけではない。
綾城の話では部屋も風呂も完全防音だと言っていた。
ならば少しくらい空良と愛し合っても問題はないだろう。
多分、あいつらも同じ気持ちに違いない。
俺のことを鬼畜だと言って揶揄っているが、結局のところ俺たちは似たもの同士なんだからな。
「空良、こっちにおいで」
「なぁに、寛人さん。わぁー、大きなお風呂だ!」
「それだけじゃないぞ。夜はここから星も見えるんだ。雲の上だから、手に届きそうなくらい近い星が見えるぞ」
「すごいっ!! 早くみたいなぁ……」
「空良、一緒に見ような。そして星たちに見せつけてやろう、俺たちが愛し合ってるところを……」
「――っ、寛人さんったら恥ずかしいよ」
そう言って照れてはいるが、嫌がるそぶりは全くない。
あたりまえだ。
俺たちは愛し合っている恋人だし、それにもう結婚式まであげる夫夫なんだ。
仲良くして何が悪い。
「空良……いいだろう?」
甘く誘うように声をかけただけで、空良の目の奥に欲情の色が見える。
「夜まで我慢するから、風呂で可愛い姿を見せてくれ」
耳元で囁いて、唇を奪うと空良は抵抗することもなく、俺の舌にされるがままになっていた。
それどころか、空良からも積極的に舌を絡めてきて嬉しくなる。
しばらく空良の唇を堪能してゆっくりと唇を離すと、空良はぐったりと俺にもたれかかってきた。
ああ、ちょっとやりすぎたか。
慌てて空良の服を着替えさせ、俺の楽な服装に着替えて部屋を出た。
同じタイミングで出てきた佳都くんも、そして、榊くんも空良と同じように頬を赤く染めている。
やりすぎたと少し焦ったが、なんだみんな同じだな。
違うのは観月だけか。
あいつだけは本当に頭が下がる。
俺たちの中で一番紳士だと言われているそうだからな。
きっと一番幼い理央くんに合わせて理性で抑えているだけだ。
あいつも結婚式をあげた後なら今まで抑えていた分、爆発するかもしれないな。
そんな観月を見てみたい気もする。
そうしたら、観月を鬼畜と呼んで揶揄ってやろう。
そんなことを考えながら、観月と理央くんの隣に空良と一緒に腰を下ろすと
「なんだ? いやにニヤニヤしてるな」
と勘のいい観月にそう言われてしまった。
「何もないよ。ただ、旅行が楽しみなだけだ」
「ふーん、ならいいけど」
そう言いながらもなんとなく疑っているような目つきだ。
やっぱり観月だけは敵に回したくないな。
「ねぇ、トランプ持ってきたんだ! みんなでやろう!!」
安定飛行に入り、ソファーに集まった俺たちは佳都くんの誘いに
「トランプか、懐かしいな」
「わぁ、やろう! やろう!」
と声が上がった。
「トランプ……どうするのかわからない……」
と理央くんが悲しげな顔で観月に助けを求める。
「ああ、理央。大丈夫だ。心配しないでいい」
優しく宥めてから、ペア戦にしようと俺たちに提案した。
「いいな、4ペアで対戦な。負けたら、どうする?」
「ははっ。そうだな。佳都、何にする?」
「じゃあ……質問に答えるって言うのはどう? 恋人の好きなところとか」
「わぁ、それ楽しそう!」
「うん、いいね、いいね」
「ふふ、ちょっと恥ずかしいかも。でも楽しそうだね」
と無邪気な声が聞こえてきて、もうすっかりその話で盛り上がっている。
どんな質問かはわからないがそんなおかしなことは聞かれないだろう。
俺たち4人で静かに頷き合った。
とにかく勝てばいいんだ!
よし! 気合いが入るな。
「じゃあ、ババ抜きね。最下位のチームは罰ゲームね!」
観月が理央くんにゲームのやり方を説明して、とうとう負けられない試合が始まった。
「わぁっ、おんなじのが揃った!」
「ああ、僕たちも揃ったよ!!」
「えーっ、全然揃わない!!」
「あっ、来た来た!!」
小学生以来かもしれないトランプに白熱すること十数分。
「よしっ! あがった!!」
一番のりは綾城&佳都くんペア。
綾城は嬉しそうに佳都くんとハイタッチを交わしている。
「やった! お先に失礼します!」
2番目は周防くん&榊くんペア。
嬉しそうに微笑み合う二人。
やっぱり長年の夫夫感が溢れているな。
あとは俺たちと観月たちの一騎打ち。
最後の一枚を理央くんが選ぶ。
「わぁー、どっちにしよう」
「いいよ、理央の好きな方で」
「じゃあ……こっち!!」
理央くんが空良の持っているカードを引き抜いた瞬間、
「わぁーーっ!! 当たった!!」
「よし、よくやった理央!!」
嬉しそうに抱きしめあっている。
空良は悔しがっていたが、それ以上にみんなでトランプができたことが楽しかったようだ。
「ふふっ。じゃあ、悠木さんと空良くんに質問に答えてもらおうかな。じゃあ、二人とも立って!」
「はーい」
意外とノリノリで嬉しそうに立ち上がった空良の横で俺は何を言われるのかとドキドキしながら待っていると、理央くんや榊くんと質問を話し合ったらしい佳都くんが発表した。
「お互いのすごいなとか、可愛いなとか思っているところを教えてください。まず、悠木さんから」
空良の可愛いところなんか無限にあるが何を言おうか。
「空良は全てが可愛いが、時に朝起きて寝ぼけたまま抱きついて、キスを強請ってくるところが可愛い」
考えた末に観月たちに教えてもよさそうな空良の可愛いところを発表すると、綾城も観月もにやけた顔で俺を見つめていた。
きっとお前たちだって当たり障りのないことを話すくせに。
「ふふっ。空良くん可愛い。じゃあ、次は空良くんね、悠木さんのすごいところとか、可愛いところを教えて」
「えーっと、多すぎて悩んじゃうな……。あっ、でもあった! すごいとこ!」
そういうと、空良は嬉しそうに
「寛人さんの蜜、おっきいから一度にたくさん出るんだよ! 僕の倍くらい」
と大きな声で発表してしまった。
「――っ!!」
「昨日口の中に出してもらって飲み干す時、たくさんでびっくりしちゃったんだ。でも美味し――」
「空良っ!!」
「んんっ!」
驚きのあまりに茫然としている間にどんどん話してしまう空良を必死に制して口を押さえたけど、時すでに遅し……。
理央くんたちは顔を真っ赤にしているし、観月たちは冷ややかな目で俺を見ている。
ああ……これで俺の鬼畜疑惑は当分消えそうにないな。
とりあえず空良にはその辺のところは二人だけの秘密にしておくように言っておこうか。
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