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もう、ダメだ……※

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そんなタイミングで扉が叩かれ、思わずびくりとしてしまったが、一花には気づかれていないようだ。

いつものように牧田が食事を運んできて思い出した。
そういえば食事を頼んでいたんだった。
いろんなことが重なってすっかり忘れてしまっていたな。

「一花、先に食事にしようか」

早くしたいと望んでいた一花だったが、私の言葉に素直に頷いた。

「はい。わかりました」

その純真無垢な笑顔を見ると、まさかあんなことを試したいと思っているようには到底見えないが、

――一花、私を気持ちよくさせてくれるか?

なんてアプリに言わせていたしな……。

いやいや、まだ本当にアレ・・をやってくれるのかも分かってないというのに緊張しすぎだ。

ああ、こんなことで緊張していると志摩くんに知られたら笑われてしまいそうだ。
それくらい、今の私は中学生のような恋愛になってしまっている。

数種類のフルーツや、ポタージュスープ、フランスパンにチーズとハムを挟んだカスクートが目の前に置かれ、

「わぁ、美味しそう!」

と一花は喜びの声をあげている。

カスクートは一花が食べやすいように通常より小さめに切り分けられている。
しかし、口の小さな一花がそれを手に持ってパクリと頬張るのを見るだけで、よからぬ妄想を抱いてしまう。
ああ、本当に私はおかしくなってしまっているようだ。

これからのことを考えて心ここにあらずといった状態で食事を済ませ、一花を抱きかかえて私の寝室に向かう。
行き先はベッドではなく、先に風呂だ。

流石に風呂に入らないままで一花にしてもらうのは抵抗がある。

いや、まだアレ・・をしてもらえると決まったわけではないが、準備はしておくに越したことはない。

「征哉さん、先にお風呂に入るんですか?」

「ああ、今日は外出したし一花も汗をかいただろう?」

「じゃあ、お風呂場で試せますね。楽しみです!」

「――っ!!!」

やっぱり、そうなのか?
一気に興奮が高まってくる。

鎮まれ!
とんでもない状態のモノを一花に咥えさせるわけにはいかないだろう!!

すでにいうことを聞きそうにない愚息と戦っていると、

「征哉さん、服を脱がせてください」

可愛一花からそんなおねだりが飛んでくる。
いや、風呂に入ると言っているのだから、当然なのだろうが、今の私にはおねだりとしか思えない。

「あ、ああ」

いつだって一花の服を脱がせるのは興奮してしまう。
それでも必死に堪えることができていたというのに、今日は興奮が抑えられない。
鼻血でも出たら目も当てられない。
精神を統一させながら、できるだけ見ないように服を脱がせバスタオルをかけておいた。

なんとか第一関門はクリアしたが、今度は私が服を脱がなければいけない。
なんとなく一花の視線を感じる気がする。

自分が咥える予定のモノを見たいというのは当然のことかもしれないが、その視線だけで昂りを増していく。

気合いで一気に服を脱ぎ去ってすぐに一花を抱きかかえる。
これで今の間は一花には見られない。

「一花の髪と身体を洗おう」

それはいつものパターンだから、一花も素直に受け入れる。
一花を椅子に座らせて髪をいつも通りに洗ってから、いつもは両手で洗う一花の身体を今日は片手で洗う。
もちろん、もう片方の手は愚息用だ。

一花の身体を洗いながら、興奮してすっかり昂ってしまった愚息に刺激を与え、一花に気づかれないうちに欲望の蜜を溢す。
とめどなく溢れる欲望の蜜を三度零してから、ようやく少し落ち着きを取り戻した。

一花を前向きに座らせたまま、私も髪を洗っていると、突然一花が身体ごとくるりと振り返った。

「えっ……」

両手を上げたままの無防備な裸が一花に晒されて、焦ってしまうが一花はそんな私の焦りを気にする様子もなく、ただただ視線は愚息に向いている。

さっき蜜を三度も出しておいたから、少しは昂りが抑えられているが一花に見られているだけで反応してしまう。

落ち着け! 落ち着くんだ!

必死に愚息に言い聞かせるが、

「わっ! おっきくなってきましたよ!」

という嬉しそうな声と共に一花の小さな手に触れられたらひとたまりもない。

さっき出しておいたおかげで暴発こそはしなかったが、一気に興奮状態になってしまった。

「い、一花……っ」

「やっぱり、征哉さんのおっきぃですね。これ、本当に口に入るかなぁ……」

「ぐぅ――っ!!」

一花が愚息に顔を近づけているのを見下ろすこのアングルがまずい!

「い、一花……っ」

もう焦って名前しか呼べない。
けれど、一花は楽しそうに愚息を握ると、

「今日は僕が、征哉さんを気持ちよくしますね」

というと、小さな舌をぺろっと出して愚息の先端を舐め始めた。
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