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待ちに待った届け物
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「会長、一花さんはもう大丈夫なんですか?」
「ああ、昼過ぎには熱も下がっていたよ。急に仕事を押し付けて申し訳なかったな」
「いえ、それは構いませんが、発熱の理由を伺ってもいいですか?」
「えっ? いや、それは……」
「ふふっ。冗談です。でも、会長……一花さんにあまり無茶はなさらないようにしてくださいよ」
どうやら志摩くんには全てお見通しのようだな。
「私もそれはよくわかっているんだが、可愛い一花を前にするとなかなかな……。理性が吹き飛ぶというか、自分が抑えられなくて困るよ。自制できないなんて本当に初めてなんだが、今でこれだと最後までなんて……まだまだ難しいな」
「えっ?」
「どうした?」
「い、いえ。 あ、あの……もしかして、会長と一花さんは、まだ……?」
「当たり前だろう。一花はまだ万全じゃないんだぞ。なんだと思って今まで話を聞いていたんだ?」
「あ、いえ。その……一緒に温泉に入られていたようですし、先日もあれだけ嬉しそうになさっていたので、てっきりもうそのような深いご関係まで進まれたのかと……だから、熱も……と思ったのですが、違ったのですね」
ああ、そうか。
志摩くんがそう思うのは無理もない。
一花も18歳。
私とあんなにも密着して甘えてくれるし、周りから見ればすでに深い仲だと思うだろう。
だが、一花は年齢はともかく、心も身体もまだまだ幼いのだ。
「一花は精通もまだだったんだ」
「えっ? まさか……」
「いや、あれだけの栄養失調なら身体の成長が追いつかないのもおかしなことではない。我が家に来てから、やっと栄養を摂れるようになったからやっと身体の成長が始まったというところなんだ」
「そう、でしたか……」
「あの温泉の日に精通を迎えて、ようやく一花が快感を知ったんだよ。初めての快感を与えたのが私の手だというのは最高の幸せだと思わないか?」
「それはもう……男なら、至福の喜びでしょう」
「その時、一花には、好きな人に触れられて最高に気持ちが良くなると蜜が出てくると教えたんだ。そうしたら、また出したいと言われて……あまりにも可愛すぎて、二度出させたら熱を出したんだよ」
二度の射精で熱を出す。
それは一花の成長に身体が追いついていない証拠。
「だから、まだまだゆっくりと進まないといけないな」
「会長はさすがですね……私なら、そこで止められるかどうか……」
「ははっ。意外と志摩くんは獰猛なんだな。谷垣くんにあんなことを言われて止まれなかったんじゃないか?」
「ええ、あれで止まれるようなら早退したりしません。熱を出された一花さんには申し訳ないですが、昨日はリハビリがお休みになってホッとしたくらいです」
「やっぱりな。そうだと思っていたよ。まぁ、昨日は急遽休んで悪かったが、志摩くんにもメリットがあったということでwin-winだな」
「はい。ですが、これからは会長を見習ってしっかりと自制するように努力します」
「まぁ、翌日に支障がなければプライベートなことに口は挟まないよ。谷垣くんには一花のいい相談相手になってくれているからな」
谷垣くんが私と話すように言ってくれたから、あれ以来なんでも素直に気持ちを伝えてくれるのだから。
まさか志摩くんとこんな会話をするようになるとは少し前の私たちなら信じられないが、これもいい変化なのかもしれない。
<side一花>
「一花、saraさんから荷物が届いたぞ」
週明け、待ちに待った瞬間が訪れた。
大きな二つの箱を持って征哉さんが僕のベッドにやってきた。
「わぁ、おっきな箱。こんなにぬいぐるみ、大きいんですか?」
「きっと中身はそこまで大きくないから一花でも持てる大きさだよ」
そう言われて、安心して箱を開ける。
柔らかいバスタオルのような生地に包まれているものを取り出し、ドキドキしながら中を取り出すと
「――っ、可愛いっ!!!!」
中から、顔の横に小さなお耳をつけた僕のぬいぐるみが現れた。
「おお、これはまた可愛らしいな」
「僕よりずっと可愛くないですか?」
「いや、一花が一番可愛いのは変わらないが、これはこれで可愛らしいよ」
「ふふっ。嬉しいです。あ、じゃあこっちの箱には征哉さんが?」
「ああ、そうだな」
箱を開けて、同じように柔らかなバスタオルに包まれたものを取り出してみると、
「わぁぁーーっ!!! かっこいいっ!!」
あまりにもかっこいいライオンな征哉さんに興奮してしまった。
「すごい! すごい!! めちゃくちゃかっこいいです!!」
ものすごくかっこいい征哉さんライオン人形をギュッと抱きしめると、それを抱きしめている僕ごと征哉さんが抱きしめてくれる。
「どうしたんですか?」
「悪い、あまりにも一花がぬいぐるみをかっこいいと褒めるから嫉妬してしまったんだ」
「征哉さんのぬいぐるみなのに?」
「ああ。それでも、一花のかっこいいは私だけがいいんだ」
そんな拗ねたような声に思わず笑みがこぼれる。
「僕には征哉さんだけがかっこいいですよ」
「一花……」
抱きしめてくれた征哉さんの唇にそっとキスをする。
ああ、本当に僕の征哉さんは可愛くてかっこいい。
「ああ、昼過ぎには熱も下がっていたよ。急に仕事を押し付けて申し訳なかったな」
「いえ、それは構いませんが、発熱の理由を伺ってもいいですか?」
「えっ? いや、それは……」
「ふふっ。冗談です。でも、会長……一花さんにあまり無茶はなさらないようにしてくださいよ」
どうやら志摩くんには全てお見通しのようだな。
「私もそれはよくわかっているんだが、可愛い一花を前にするとなかなかな……。理性が吹き飛ぶというか、自分が抑えられなくて困るよ。自制できないなんて本当に初めてなんだが、今でこれだと最後までなんて……まだまだ難しいな」
「えっ?」
「どうした?」
「い、いえ。 あ、あの……もしかして、会長と一花さんは、まだ……?」
「当たり前だろう。一花はまだ万全じゃないんだぞ。なんだと思って今まで話を聞いていたんだ?」
「あ、いえ。その……一緒に温泉に入られていたようですし、先日もあれだけ嬉しそうになさっていたので、てっきりもうそのような深いご関係まで進まれたのかと……だから、熱も……と思ったのですが、違ったのですね」
ああ、そうか。
志摩くんがそう思うのは無理もない。
一花も18歳。
私とあんなにも密着して甘えてくれるし、周りから見ればすでに深い仲だと思うだろう。
だが、一花は年齢はともかく、心も身体もまだまだ幼いのだ。
「一花は精通もまだだったんだ」
「えっ? まさか……」
「いや、あれだけの栄養失調なら身体の成長が追いつかないのもおかしなことではない。我が家に来てから、やっと栄養を摂れるようになったからやっと身体の成長が始まったというところなんだ」
「そう、でしたか……」
「あの温泉の日に精通を迎えて、ようやく一花が快感を知ったんだよ。初めての快感を与えたのが私の手だというのは最高の幸せだと思わないか?」
「それはもう……男なら、至福の喜びでしょう」
「その時、一花には、好きな人に触れられて最高に気持ちが良くなると蜜が出てくると教えたんだ。そうしたら、また出したいと言われて……あまりにも可愛すぎて、二度出させたら熱を出したんだよ」
二度の射精で熱を出す。
それは一花の成長に身体が追いついていない証拠。
「だから、まだまだゆっくりと進まないといけないな」
「会長はさすがですね……私なら、そこで止められるかどうか……」
「ははっ。意外と志摩くんは獰猛なんだな。谷垣くんにあんなことを言われて止まれなかったんじゃないか?」
「ええ、あれで止まれるようなら早退したりしません。熱を出された一花さんには申し訳ないですが、昨日はリハビリがお休みになってホッとしたくらいです」
「やっぱりな。そうだと思っていたよ。まぁ、昨日は急遽休んで悪かったが、志摩くんにもメリットがあったということでwin-winだな」
「はい。ですが、これからは会長を見習ってしっかりと自制するように努力します」
「まぁ、翌日に支障がなければプライベートなことに口は挟まないよ。谷垣くんには一花のいい相談相手になってくれているからな」
谷垣くんが私と話すように言ってくれたから、あれ以来なんでも素直に気持ちを伝えてくれるのだから。
まさか志摩くんとこんな会話をするようになるとは少し前の私たちなら信じられないが、これもいい変化なのかもしれない。
<side一花>
「一花、saraさんから荷物が届いたぞ」
週明け、待ちに待った瞬間が訪れた。
大きな二つの箱を持って征哉さんが僕のベッドにやってきた。
「わぁ、おっきな箱。こんなにぬいぐるみ、大きいんですか?」
「きっと中身はそこまで大きくないから一花でも持てる大きさだよ」
そう言われて、安心して箱を開ける。
柔らかいバスタオルのような生地に包まれているものを取り出し、ドキドキしながら中を取り出すと
「――っ、可愛いっ!!!!」
中から、顔の横に小さなお耳をつけた僕のぬいぐるみが現れた。
「おお、これはまた可愛らしいな」
「僕よりずっと可愛くないですか?」
「いや、一花が一番可愛いのは変わらないが、これはこれで可愛らしいよ」
「ふふっ。嬉しいです。あ、じゃあこっちの箱には征哉さんが?」
「ああ、そうだな」
箱を開けて、同じように柔らかなバスタオルに包まれたものを取り出してみると、
「わぁぁーーっ!!! かっこいいっ!!」
あまりにもかっこいいライオンな征哉さんに興奮してしまった。
「すごい! すごい!! めちゃくちゃかっこいいです!!」
ものすごくかっこいい征哉さんライオン人形をギュッと抱きしめると、それを抱きしめている僕ごと征哉さんが抱きしめてくれる。
「どうしたんですか?」
「悪い、あまりにも一花がぬいぐるみをかっこいいと褒めるから嫉妬してしまったんだ」
「征哉さんのぬいぐるみなのに?」
「ああ。それでも、一花のかっこいいは私だけがいいんだ」
そんな拗ねたような声に思わず笑みがこぼれる。
「僕には征哉さんだけがかっこいいですよ」
「一花……」
抱きしめてくれた征哉さんの唇にそっとキスをする。
ああ、本当に僕の征哉さんは可愛くてかっこいい。
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