歩けなくなったお荷物な僕がセレブなイケメン社長に甘々なお世話されています

回復の兆し

＜side一花＞

「おはよう、一花くん」

「あっ、尚孝さん。おはようございます！」

「今日もリハビリ頑張ろうね」

「はい。僕、近いうちに麻友子お母さんのお墓参りに行くんです！　だから、その時に僕が頑張ってるって報告したくて……だから、今まで以上に頑張ります！」

みんなのおかげでこんなに楽しく過ごすことができるって、お母さんに報告したいんだ！

「そうか。わかった。じゃあ、一花くんの体力とも相談しながらリハビリの時間を少し長めにしよう」

「わぁっ！　ありがとうございます！」

やっぱり尚孝さんは優しい。

「最近は自分で車椅子で移動したりしているかな？」

「はい。日に何度もするのは疲れるからって征哉さんに言われてるので、朝と夜に一度ずつ自分でベッドから車椅子に移動して、自分で部屋の中を動いて、グリのケージまで行ってますよ」

「そうか、よく頑張っているね。じゃあ、今日は器具を用意してもらうから自分の足で立ってみるリハビリを始めようか」

「えっ、もう立てるんですか？」

「骨折してない方の足に筋肉をつけないとね。頑張れるかな？」

「はい。大丈夫です！！」

少しずつだけど、ちゃんと回復している。
そう思うだけで僕は嬉しいんだ。