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ひかるを私のものにしたい
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<side征哉>
ひかるに私と揃いのスマホを準備した。
いつ渡そうかと思っていたが浅香さんから連絡先をもらった今なら、タイミング的にはいいだろう。
ひかるが浅香さんの名刺に見入っている間にこっそりと部屋を出て自室からスマホを取っていると、自分のスマホにメッセージが入った。
んっ? 浅香さんからのメッセージ?
何か言い忘れたことでもあったのだろうかと思い、メッセージを開くと
<先ほどひかるくんの前でしたのでお伝えできませんでしたが、もし、ひかるくんがスマホを持っているなら、こちらのGPSアプリをお試しください。友人が開発した高性能GPSですが、電源を落としても所在位置が確認できる優れものです。何かあった時の保険としてお使いいただければ幸いです。そのほかにも友人が開発したものをぜひ紹介したいので、ぜひメールアドレスをお知らせください。そちらに詳細をお送りいたします 浅香敬介>
という言葉と共にQRコードが書かれていた。
ふむ。
GPSに関しては、ひかるはまだ外に一人では出られないからじっくりと吟味してから入れようと思っていた。
だが、浅香さんからの紹介だ。
友人と書かれていたから、もしかしたらこれはきっと倉橋社長のことではないか?
それなら試す価値ありだ。
なんと言っても多岐にわたる業種で成功を収めている方だ。
彼の開発したものに間違いはないだろう。
ひかるに渡すはずのスマホを取り出し、早速書かれていたQRコードを取り込むとあっという間にGPS機能がONになった。
連動させる私のスマホを認証させ、ひかるのスマホの電源をOFFにして、私のスマホで位置情報を確認すると、
「おおっ!! これは……っ、すごいなっ!!」
この部屋のこの場所をピンポイントに指している。
ここまでの精密さは素晴らしい。
あってはならないことだが、もし誰かに連れ去られスマホの電源を落とされたとしてもひかるの居場所が確実にわかるということだ。
ほかにもいろいろご紹介くださるようだし、これはかなり期待が持てる。
私は喜び勇んで、すぐに浅香さんにGPSアプリのお礼と自分のメールアドレスを記載して送った。
そしてそのスマホを持ってひかるの元に戻る。
ひかるは今までスマホどころか携帯すら持ったこともない。
だからこのスマホにGPSがつけられていることに気づくこともないだろう。
それでいい。
待受画面にはふれあいパークでの家族写真を設定しておいた。
その写真を嬉しそうに何度も見るひかるを見ていると、私も嬉しくなってくる。
「まず、このメッセージアプリの仕方だけ覚えておくといい」
「メッセージ、アプリ?」
「ああ、私のIDと母さんのは入れてあるから、それで練習してみよう」
そう言って、私とのトーク画面を開かせた。
「ここで文章を作るんだ」
文字の押し方を教えてやると、さすが飲み込みが早い。
あっという間に私へのメッセージを書くと、
「これをどうするんですか?」
と尋ねてくる。
「その、羽のところを押すんだよ。そうすると、私のところにメッセージが届くんだ」
「わかりました!」
ひかるがその場所を押すと、私のスマホにメッセージが届いた。
「ああ、きたぞ!」
ひかるからの初めてのメッセージ。
そしてひかるにとっても人生で初のメッセージ送信だ。
ひかるの初めてをもらえたのがなんとも嬉しく感じながら、メッセージを開いた。
<せいやさん、だいすきです>
「――っ!!!!!」
ひらがなだけの、なんとも短いメッセージ。
それでもこの中にどれだけのひかるの思いが詰め込まれているか。
それを想像するだけで心を掴まれる。
「ひかる……私も、ひかるが大好きだよ」
「せいや、さ――んんっ!!」
ひかるへの想いが抑えられなくて、可愛いひかるの唇を奪う。
小さくて柔らかい唇を何度も何度も喰み、味わうとゆっくりとひかるの唇が開いた。
ああ、受け入れられている。
そう思ったらもう我慢ができなかった。
スッと自分の舌を滑り込ませて、ひかるの甘い口内を味わう。
舌を絡ませると、ひかるの方からも積極的に動いてくれているのがわかる。
その一生懸命なところがなんとも可愛らしくて、ひかるが限界を感じるまでたっぷりと口内を堪能し続けた。
ひかるの苦しげな様子に名残惜しくも唇を離すと、ひかるがゆっくりともたれかかってくる。
その身体をギュッと抱きしめながら、
「ひかる……私にはひかるだけだ。愛してる」
と告げると、
「ぼくも、せいやさんをあいしてます……」
と恍惚とした表情で私を見上げた。
今まで色恋の何も知らないひかるが、こんな表情を見せてくれるなんて。
本気で私を愛してくれているのだと思うと、嬉しくてたまらない。
と同時に早くひかるの心も身体も全て自分のものにしてしまいたい思いに駆られる。
さすがにまだ骨も繋がっていない相手に無体なことをする気はないが、ひかるに触れるだけなら許されるかもしれない。
母と話していたように近いうちに榎木先生たちを呼んで食事会でもしよう。
その時に榎木先生に相談してみるか。
きっと主治医である先生なら、ひかるの身体を考えた方法を教えてくれることだろう。
なんせひかるだって、18歳の男。
栄養も良くなってきて順調に成長しているのだから、そんな欲が現れるのも当然なのだ。
それがきた時に不安にならないようにしてあげるのも恋人としての私の役目なのだから。
ひかるに私と揃いのスマホを準備した。
いつ渡そうかと思っていたが浅香さんから連絡先をもらった今なら、タイミング的にはいいだろう。
ひかるが浅香さんの名刺に見入っている間にこっそりと部屋を出て自室からスマホを取っていると、自分のスマホにメッセージが入った。
んっ? 浅香さんからのメッセージ?
何か言い忘れたことでもあったのだろうかと思い、メッセージを開くと
<先ほどひかるくんの前でしたのでお伝えできませんでしたが、もし、ひかるくんがスマホを持っているなら、こちらのGPSアプリをお試しください。友人が開発した高性能GPSですが、電源を落としても所在位置が確認できる優れものです。何かあった時の保険としてお使いいただければ幸いです。そのほかにも友人が開発したものをぜひ紹介したいので、ぜひメールアドレスをお知らせください。そちらに詳細をお送りいたします 浅香敬介>
という言葉と共にQRコードが書かれていた。
ふむ。
GPSに関しては、ひかるはまだ外に一人では出られないからじっくりと吟味してから入れようと思っていた。
だが、浅香さんからの紹介だ。
友人と書かれていたから、もしかしたらこれはきっと倉橋社長のことではないか?
それなら試す価値ありだ。
なんと言っても多岐にわたる業種で成功を収めている方だ。
彼の開発したものに間違いはないだろう。
ひかるに渡すはずのスマホを取り出し、早速書かれていたQRコードを取り込むとあっという間にGPS機能がONになった。
連動させる私のスマホを認証させ、ひかるのスマホの電源をOFFにして、私のスマホで位置情報を確認すると、
「おおっ!! これは……っ、すごいなっ!!」
この部屋のこの場所をピンポイントに指している。
ここまでの精密さは素晴らしい。
あってはならないことだが、もし誰かに連れ去られスマホの電源を落とされたとしてもひかるの居場所が確実にわかるということだ。
ほかにもいろいろご紹介くださるようだし、これはかなり期待が持てる。
私は喜び勇んで、すぐに浅香さんにGPSアプリのお礼と自分のメールアドレスを記載して送った。
そしてそのスマホを持ってひかるの元に戻る。
ひかるは今までスマホどころか携帯すら持ったこともない。
だからこのスマホにGPSがつけられていることに気づくこともないだろう。
それでいい。
待受画面にはふれあいパークでの家族写真を設定しておいた。
その写真を嬉しそうに何度も見るひかるを見ていると、私も嬉しくなってくる。
「まず、このメッセージアプリの仕方だけ覚えておくといい」
「メッセージ、アプリ?」
「ああ、私のIDと母さんのは入れてあるから、それで練習してみよう」
そう言って、私とのトーク画面を開かせた。
「ここで文章を作るんだ」
文字の押し方を教えてやると、さすが飲み込みが早い。
あっという間に私へのメッセージを書くと、
「これをどうするんですか?」
と尋ねてくる。
「その、羽のところを押すんだよ。そうすると、私のところにメッセージが届くんだ」
「わかりました!」
ひかるがその場所を押すと、私のスマホにメッセージが届いた。
「ああ、きたぞ!」
ひかるからの初めてのメッセージ。
そしてひかるにとっても人生で初のメッセージ送信だ。
ひかるの初めてをもらえたのがなんとも嬉しく感じながら、メッセージを開いた。
<せいやさん、だいすきです>
「――っ!!!!!」
ひらがなだけの、なんとも短いメッセージ。
それでもこの中にどれだけのひかるの思いが詰め込まれているか。
それを想像するだけで心を掴まれる。
「ひかる……私も、ひかるが大好きだよ」
「せいや、さ――んんっ!!」
ひかるへの想いが抑えられなくて、可愛いひかるの唇を奪う。
小さくて柔らかい唇を何度も何度も喰み、味わうとゆっくりとひかるの唇が開いた。
ああ、受け入れられている。
そう思ったらもう我慢ができなかった。
スッと自分の舌を滑り込ませて、ひかるの甘い口内を味わう。
舌を絡ませると、ひかるの方からも積極的に動いてくれているのがわかる。
その一生懸命なところがなんとも可愛らしくて、ひかるが限界を感じるまでたっぷりと口内を堪能し続けた。
ひかるの苦しげな様子に名残惜しくも唇を離すと、ひかるがゆっくりともたれかかってくる。
その身体をギュッと抱きしめながら、
「ひかる……私にはひかるだけだ。愛してる」
と告げると、
「ぼくも、せいやさんをあいしてます……」
と恍惚とした表情で私を見上げた。
今まで色恋の何も知らないひかるが、こんな表情を見せてくれるなんて。
本気で私を愛してくれているのだと思うと、嬉しくてたまらない。
と同時に早くひかるの心も身体も全て自分のものにしてしまいたい思いに駆られる。
さすがにまだ骨も繋がっていない相手に無体なことをする気はないが、ひかるに触れるだけなら許されるかもしれない。
母と話していたように近いうちに榎木先生たちを呼んで食事会でもしよう。
その時に榎木先生に相談してみるか。
きっと主治医である先生なら、ひかるの身体を考えた方法を教えてくれることだろう。
なんせひかるだって、18歳の男。
栄養も良くなってきて順調に成長しているのだから、そんな欲が現れるのも当然なのだ。
それがきた時に不安にならないようにしてあげるのも恋人としての私の役目なのだから。
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