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番外編

海堂征輝の甘やかで幸せな一日※ <寝起き〜出社まで>

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久しぶりに番外編を書いてみました。
タイトルでもお分かりのように本当は一日を書いてしまう予定だったのですが、あまりにも長くなりそうなので分けてみました。
この後、おそらく会社編と、帰宅してからのお話があるかと。
楽しんでいただけると嬉しいです♡

  *   *   *



私・海堂征輝の一日は腕の中で眠る天使を愛でることから始まる。

大きな大きなキングサイズのベッドの中央でピッタリと隙間なく抱き合い、胸に顔をすり寄せて幸せそうに眠っている私の天使。

ああ、今日も可愛い。

昨夜も愛し合ったまま、一糸纏わぬ姿で抱き合って寝ているから、背中を撫でると滑らかな肌の感触がする。
小さくて形の良い尻を滑らせると、吸い寄せられるように指が史希の後孔へと進んでいく。

中指をプツリと差し込むと、まだ中はとろとろに蕩けていて私の侵入を喜んでいるようだ。
中をかき混ぜるとクチュクチュとした甘い水音と共に、胸元の史希の口から、

「ああっ、んっ……」

と甘やかな声が漏れる。

こんなに身体が反応しているのだから可愛がってあげないわけにはいかないだろう。

指を引き抜き、史希の身体をくるりと反転させて、背中から覆い被さるように抱きしめる。
史希の甘やかな声にすっかり昂っている私のモノを、ついさっきまで指を挿入いれていたとろとろの後孔にググッと押し込むとスルスルと受け入れてくれた。

史希の柔らかな肉襞に包まれてなんとも気持ちがいい。
我慢できずに腰を動かすと、

「ああっ……ぁん、まさ、きさん……っ、きもち、いぃ……っ」

と甘やかな声が聞こえてくる。

「史希! ああっ、愛してるよ」

「ぼく、も……すきぃ……っ」

まだ寝ぼけたままの声で、私に愛を告げてくれる史希の姿が愛おしくてたまらない。
ぴょこんと勃ち上がった史希の可愛いモノを扱きながら、中を擦ってやると史希はあっという間に蜜を溢した。
と同時に私も史希の最奥に蜜を注ぎ込んだ。

寝起きで刺激を与えたせいかぐったりとしているが、これは毎朝の出来事。
なんせ、可愛すぎるのだから仕方がない。

中に挿入したまま、体の向きを変えるのももうお手のものだ。

力なく私に寄りかかる史希を抱きかかえてバスルームに向かい、お互いの身体を清めて、下着を着せる。
史希を抱きかかえてソファーに座ったまま、歯磨きを済ませ、着替えを済ませる間もずっと史希は目を瞑ったまま。
ネクタイとジャケットだけを残して身支度を整えた私は、史希を抱きかかえ毎朝同じ時間に頼んでいる朝食をとりに行くために玄関に向かった。

料理を受け取る専用の扉を開けると、私と史希と二人分の朝食が大きなバスケットに入っている。

それをとり、ダイニングルームに向かいバスケットから朝食を取り出し、史希の目の前に料理を並べてから史希を起こす。

今日の朝食は焼きたてのクロワッサンとサラダ。
ミネストローネスープにシャインマスカット。そして、ヨーグルト。

全て史希の大好物で揃えている。

「史希、朝ごはんだよ」

「うん……ちゅー、してぇ……」

「ふふっ。私の眠り姫」

こう言って史希の唇にちゅっとキスをすると、ゆっくりと瞼が開き、史希の綺麗な瞳に私の顔が映る。

「おはよう、ございます」

「ふふっ。おはよう。今日もいい夢が見れたか?」

「はい。今日も征輝さんに愛される、幸せな夢を見ました」

「そうか、それなら良かった」

本当は夢ではないが、そう思っているのならそれでいい。
その間にたっぷりと身体に教え込ませるだけだ。

「さぁ、朝食を食べようか」

「はい」

そういうと、史希は小さな口を開ける。

そう。
史希の食事は全て私が与える。
これも一緒に住み始めて教え込んだルール。

素直な史希はそのことに一切異を唱えない。
私がすることは全て正しいと思ってくれているのだ。

ああ、本当になんて可愛いんだろうな。私の天使は。

中にチョコレートが入った甘いクロワッサンをナイフとフォークで切り分けて、史希の口に運ぶとクロワッサンの欠片とチョコレートが唇につく。

それをキスで舐めとってやるのもルール。
甘いチョコも史希の口についているだけで極上の味に変わるのだから不思議なものだ。

シャインマスカットを口移しで食べさせて、朝食を終える。

ソファーに移動して、史希の目の前でジャケットを羽織ると史希がうっとりとした表情で私を見てくれる。

どうやら史希は私がジャケットをサッと羽織る仕草が好きらしい。
そんな可愛い史希にもネクタイを結んで、ジャケットを羽織らせるとちょうどいいタイミングでコンシェルジュからの連絡が入る。

運転手が到着したという知らせだ。

「史希、迎えが来たようだ。仕事に行こうか」

「はい。今日も僕、頑張りますね!」

「ああ、頼むよ」

私たちは玄関の前で、ちゅっと唇を重ね合わせてから外に出た。
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