ベビーシッター先でラブラブな家族生活はじまりました

波木真帆

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約束の朝ごはん

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「はるかちゃんのかれー、おいしいねー!!」

嬉しそうにカレーを頬張る琳を見ながら、碧斗くんも同じように喜んでくれているかなと思ってしまう。
今まで外食やデリバリーばかりだったから、喜んでくれたらいい。

あっという間に食事を終えて、片付けを済ませてから琳にお風呂に入ろうと声をかけた。

「はーい。あ、はるかちゃん。おでんわ、なってたよ」

お風呂のスイッチを入れに行っていた間に、スマホに何か連絡が来たみたいだ。

スマホを渡されて確認すると、相手はまさかの西条さん。

「えっ?」

驚きに思わず声を上げながら、画面を開くと西条さんから二通のメッセージが届いていた。
しかも一通は写真。

何事かと思いながらメッセージを開いた。

<遥くんのカレーライスは碧斗も気に入ったようだ>

わざわざ報告をしてくれるなんて思ってもなかったけれど、碧斗くんが喜んでくれたのはとても嬉しい。
あれ? ちょっと待って。

碧斗気に入った?

これって……もしかして、西条さんも気に入ってくれたってことかな?
もしかしたら打ち間違いかもしれない。
それでも、僕は嬉しかった。

一緒に送られてきていた画像を開くと、碧斗くんがカレーを食べている姿が映っていた。
良かった、本当に嬉しそう。

「はるかちゃん、どうしたのー? にこにこしてるー」

碧斗くんの写真を見ていたらつい笑顔になってしまっていたみたい。

「あのね、今日のお家の碧斗くんのパパが、僕の作ったご飯が美味しいって食べてくれている碧斗くんの写真を送ってくれたんだよ」

「ええー! みたい、みたい! りんにも、みせてー!」

ぴょんぴょんと僕の腕に飛びついて、スマホを見ようとしてくる。

「わかった、わかった。ほら」

琳に見えるように画面を下げると、琳は食い入るように画面を見つめていた。

「このこ、すっごくかっこいいね!」

「えっ? あ、うん。そうだね。パパに似てるかな」

「そっかー。ぱぱもかっこいーんだ!」

琳の口からかっこいいなんて言葉が出てきてびっくりした。
かっこいいとか可愛いとか四歳にもなるというようになるんだな。

琳が少し大人びたような気がして、僕は驚きを隠せなかった。


  ◇◇◇


「はるかちゃん、いってらっしゃーい!」

琳に見送られ、今日も西条さんの自宅に向かう。

美味しい朝ごはんを作ると約束したから、途中で朝から開いているスーパーによっていくつか材料を買ってから向かった。

玄関チャイムを鳴らすと、すぐに西条さんが出てきた。

「西条さん、おはようございます」

「おはよう。今日もよろしく頼むよ」

「はい。あの昨日の写真――」
「はるかちゃん! きたぁーー!!」

昨日の可愛い写真のお礼を言おうと思ったら部屋の奥から碧斗くんが駆け寄ってきた。

「ほら、碧斗。ちゃんと挨拶しないか」

「はーい。はるかちゃん、おはよう」

嬉しそうに僕の足に抱きつきながら、可愛く見上げられて挨拶される。
それだけで笑みが溢れてしまう

「おはよう。今から、朝ごはん作るから楽しみにしててね」

「わーい!! あさごはーん!!」

よほど楽しみにしてくれていたんだろう。嬉しそうにリビングへ駆け出していく。

「朝から騒がしくて申し訳ない」

「いえ。朝はみんなこんな感じです。それくらい楽しみにしてくれていて僕も嬉しいですよ。あの、西条さんは朝食は?」

「いつも特に家では食べない。会社についてから秘書にサンドイッチなんかを用意してもらうことが多いかな」

朝食のことは何も聞かなかったから、きっとそうだと思った。

「あの、お弁当を作ってきたのでもし良かったら持っていってください」

「えっ? お弁当?」

「はい。僕が朝食に食べたものと同じものを詰めただけですけど、もし良かったら……。ご迷惑なら言ってください。僕がお昼に食べますから気にしないでください」

お忙しい人だから、できれば栄養のあるものを食べて欲しいけれど無理強いはしたくない。
西条さんは驚きの表情を浮かべていたけれど、ふっと顔を和らげた。

「ありがとう、助かるよ」

その言葉だけで、なんだか今日一日がいい日になりそうなそんな気がした。

碧斗くんと一緒に西条さんを見送り、まずは約束の朝ごはん作り。
ふわふわのパンケーキに生クリームとフルーツをトッピングする。

仕上げに蜂蜜をかけて、碧斗くんの目の前においた。

「うわぁーーっ! おいしそーう!!!」

キラキラと目を輝かせる碧斗くんは、いちごにたっぷりと生クリームをつけて口に入れた。

「んー! はるかちゃん、すっごくおいしい!!」

食べ方も喜び方も琳と同じで思わず笑ってしまう。

「はるかちゃんもたべてー!」

生クリームがたっぷりついたキウイを差し出されて、僕も口を開ける。

「うん。美味しいね」

そう答えると碧斗くんは嬉しそうに笑っていた。
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