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碧斗くんのお手伝い
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かなりの品数になってしまったけれど、教えられた通り電話でコンシェルジュさんにお願いすると一時間以内に全て用意して届けてくれると返答が来た。本当に優秀だな、ここのコンシェルジュさんは。
ちょうど洗濯が終わったというブザーが聞こえる。
僕は碧斗くんと一緒に脱衣所に向かい、洗い終わった洗濯物を籠に入れていく。
さっき脱衣所で見つけていた小さな小物入れの籠を持ってきて、洗い終わった洗濯物の中からハンカチを数枚取り出しその小さな籠の中に入れた。
そして、つけ置きしておいた下着や靴下などを洗濯機に入れ、二度目の洗濯をしていく。
量が少ないからこの洗濯物を干し終わる頃には終わるだろう。
スイッチを押して、僕は碧斗くんに分けておいた小さな籠を渡した。
「碧斗くん、これを干すのを手伝ってくれる?」
「うん! やるー!!」
一緒に籠を持ってテラスに向かうが、ここのテラスは碧斗くんのような子どもを連れてでても大丈夫な作りになっているから安心だ。
僕が洗濯物を干す横で、碧斗くんが手を伸ばして干せる位置に作った小さな物干し台に碧斗くんがハンカチを干していく。
綺麗に干せなくてもアイロンをかければ問題ない。
これは碧斗くんと一緒に過ごすための時間だ。
僕は碧斗くんが洗濯物を一生懸命干している様子をそっと写真と動画におさめておいた。
これを後で西条さんに報告がてらみてもらおう。自分の息子の成長をきっと喜んでくれるはずだ。
「はるかちゃん、みてみてー! できたぁー!」
「すごい! 上手に干せたね。パパが帰ってきたらみてもらおうね」
「うん! あおと、じょーず!」
得意満面な表情を見るだけで僕も嬉しくなってくる。
二度目の洗濯物も碧斗くんには靴下を干すのを手伝ってもらい、ようやく洗濯が終わった。
干し終えて空っぽになった籠を持って二人でテラスから出ると、インターフォンの音が聞こえる。
時計を見るとまだあれから四十分ほどしか経っていないけれど、インターフォンの画面にはコンシェルジュさんの姿が映っているのが見える。
もう用意してくれたことに驚き、慌ててインターフォンの応答ボタンを押した。
――友利様。先ほどご依頼のお品物を全てご用意いたしましたのでデリバリーボックスにお届けしました。お部屋番号をご入力いただくと、玄関横の扉から荷物をお受け取りいただけます。
お礼を言って、碧斗くんと一緒に玄関に向かうと玄関の右手側に扉を見つけた。
どうやらこれがデリバリーボックスらしい。
扉についている電子キーにこの部屋の番号を入力すると扉の向こうでウィーンと機械音が聞こえ始めた。
数秒の後に<品物が到着しました。扉をお開けください>という音声が流れて扉を開けると、目の前に頼んでいた品物が現れた。
すごいな、エレベーターみたいに荷物だけ上がってきたんだ。
届いた品物の中から軽いものを碧斗くんにも手伝ってもらって一緒にキッチンに運ぶ。
三度ほど繰り返すとようやく荷物を全て運び終えた。
まずはお米からだ。
うちでは絶対に買えないような高価なお米にびっくりするが、ここではごく普通に選ぶものだろう。
一緒に用意してもらった炊飯器は土鍋で炊いたお米の味がすると評判の高級炊飯器。
これを使えるなんて幸せすぎる。
僕も一緒に食事をとっていいことになっているから碧斗くんのぶんも合わせて一合半のお米を炊くことした。
「はるかちゃん! あおともおてつだいするー!」
なんでもやりたい年頃だ。
でもご飯が炊けるまではオムライスは作れない。
「それじゃあおやつ用のプリンを作ろうか」
「えー! ぷりんって、おうちでつくれるの?」
「大丈夫だよ。一緒に作ろう」
コンシェルジュさんに頼んでおいた僕と碧斗くん用のエプロンと三角巾を取り出して、碧斗くんにつける。
絶対に手伝いたいっていうと思ったからエプロン用意してもらって正解だったな。
子ども用のエプロンは碧斗くんの名前にぴったりな緑がかったブルー。
これは出来たらとお願いした色だったけれど見つけてくれてありがたい。
「これ、いろきれー!!」
エプロンを引っ張って見せてくれる。
「この色は、碧斗くんの碧色だよ」
「これ、あおとの? すごーい!!」
飛び跳ねて喜びを表す姿がなんとも微笑ましい。
「せっかくだから写真撮っておこうか」
「うん! ぱぱにみせるー!!」
ピース姿の小さなコックさんを写真におさめて早速プリン作りだ。
蒸し器でも作れるけれど、ここにはないからオーブンで蒸し焼きで作ろう。
備え付けの大きなオーブンがあってよかった。
まずはカラメル作りからだけどこれは火傷すると危ないから、この間に卵を混ぜていてもらおう。
「碧斗くん、ここに卵を入れるからこれで混ぜ混ぜできるかな?」
「まぜまぜ?」
一度もやったことがないんだからわからないのは当然だ。
動作で教えてあげるとやってみる! と大きな声で言ってくれた。
ボウルに卵を割り入れて混ぜてもらっている間に、小鍋にグラニュー糖と水を入れて火をつける。
焦茶色になったら火から下ろして熱湯を注ぐとカラメルの出来上がりだ。
食器棚から見つけ出した耐熱容器にカラメルを流し入れてカラメルは完成。
熱湯を入れた時にジュワッと大きな音がしてびっくりさせたかと思ったけれど、混ぜるのに必死で気づいていないみたいでホッとした。
碧斗くんが頑張って混ぜてくれた卵に砂糖を入れて牛乳と一緒に混ぜ合わせる。
スプーンでプリン液の味見をしてもらうと
「わぁ! ぷりんだぁー!」
と目を輝かせて喜んでくれた。こういうのができるのも手作りおやつの醍醐味。
出来上がったプリン液をさっきのカラメルの容器に流し入れて、オーブンで湯煎で焼いたら出来上がりだ。
出来上がったプリンにどんな反応を見せてくれるのか、今から楽しみでたまらない。
ちょうど洗濯が終わったというブザーが聞こえる。
僕は碧斗くんと一緒に脱衣所に向かい、洗い終わった洗濯物を籠に入れていく。
さっき脱衣所で見つけていた小さな小物入れの籠を持ってきて、洗い終わった洗濯物の中からハンカチを数枚取り出しその小さな籠の中に入れた。
そして、つけ置きしておいた下着や靴下などを洗濯機に入れ、二度目の洗濯をしていく。
量が少ないからこの洗濯物を干し終わる頃には終わるだろう。
スイッチを押して、僕は碧斗くんに分けておいた小さな籠を渡した。
「碧斗くん、これを干すのを手伝ってくれる?」
「うん! やるー!!」
一緒に籠を持ってテラスに向かうが、ここのテラスは碧斗くんのような子どもを連れてでても大丈夫な作りになっているから安心だ。
僕が洗濯物を干す横で、碧斗くんが手を伸ばして干せる位置に作った小さな物干し台に碧斗くんがハンカチを干していく。
綺麗に干せなくてもアイロンをかければ問題ない。
これは碧斗くんと一緒に過ごすための時間だ。
僕は碧斗くんが洗濯物を一生懸命干している様子をそっと写真と動画におさめておいた。
これを後で西条さんに報告がてらみてもらおう。自分の息子の成長をきっと喜んでくれるはずだ。
「はるかちゃん、みてみてー! できたぁー!」
「すごい! 上手に干せたね。パパが帰ってきたらみてもらおうね」
「うん! あおと、じょーず!」
得意満面な表情を見るだけで僕も嬉しくなってくる。
二度目の洗濯物も碧斗くんには靴下を干すのを手伝ってもらい、ようやく洗濯が終わった。
干し終えて空っぽになった籠を持って二人でテラスから出ると、インターフォンの音が聞こえる。
時計を見るとまだあれから四十分ほどしか経っていないけれど、インターフォンの画面にはコンシェルジュさんの姿が映っているのが見える。
もう用意してくれたことに驚き、慌ててインターフォンの応答ボタンを押した。
――友利様。先ほどご依頼のお品物を全てご用意いたしましたのでデリバリーボックスにお届けしました。お部屋番号をご入力いただくと、玄関横の扉から荷物をお受け取りいただけます。
お礼を言って、碧斗くんと一緒に玄関に向かうと玄関の右手側に扉を見つけた。
どうやらこれがデリバリーボックスらしい。
扉についている電子キーにこの部屋の番号を入力すると扉の向こうでウィーンと機械音が聞こえ始めた。
数秒の後に<品物が到着しました。扉をお開けください>という音声が流れて扉を開けると、目の前に頼んでいた品物が現れた。
すごいな、エレベーターみたいに荷物だけ上がってきたんだ。
届いた品物の中から軽いものを碧斗くんにも手伝ってもらって一緒にキッチンに運ぶ。
三度ほど繰り返すとようやく荷物を全て運び終えた。
まずはお米からだ。
うちでは絶対に買えないような高価なお米にびっくりするが、ここではごく普通に選ぶものだろう。
一緒に用意してもらった炊飯器は土鍋で炊いたお米の味がすると評判の高級炊飯器。
これを使えるなんて幸せすぎる。
僕も一緒に食事をとっていいことになっているから碧斗くんのぶんも合わせて一合半のお米を炊くことした。
「はるかちゃん! あおともおてつだいするー!」
なんでもやりたい年頃だ。
でもご飯が炊けるまではオムライスは作れない。
「それじゃあおやつ用のプリンを作ろうか」
「えー! ぷりんって、おうちでつくれるの?」
「大丈夫だよ。一緒に作ろう」
コンシェルジュさんに頼んでおいた僕と碧斗くん用のエプロンと三角巾を取り出して、碧斗くんにつける。
絶対に手伝いたいっていうと思ったからエプロン用意してもらって正解だったな。
子ども用のエプロンは碧斗くんの名前にぴったりな緑がかったブルー。
これは出来たらとお願いした色だったけれど見つけてくれてありがたい。
「これ、いろきれー!!」
エプロンを引っ張って見せてくれる。
「この色は、碧斗くんの碧色だよ」
「これ、あおとの? すごーい!!」
飛び跳ねて喜びを表す姿がなんとも微笑ましい。
「せっかくだから写真撮っておこうか」
「うん! ぱぱにみせるー!!」
ピース姿の小さなコックさんを写真におさめて早速プリン作りだ。
蒸し器でも作れるけれど、ここにはないからオーブンで蒸し焼きで作ろう。
備え付けの大きなオーブンがあってよかった。
まずはカラメル作りからだけどこれは火傷すると危ないから、この間に卵を混ぜていてもらおう。
「碧斗くん、ここに卵を入れるからこれで混ぜ混ぜできるかな?」
「まぜまぜ?」
一度もやったことがないんだからわからないのは当然だ。
動作で教えてあげるとやってみる! と大きな声で言ってくれた。
ボウルに卵を割り入れて混ぜてもらっている間に、小鍋にグラニュー糖と水を入れて火をつける。
焦茶色になったら火から下ろして熱湯を注ぐとカラメルの出来上がりだ。
食器棚から見つけ出した耐熱容器にカラメルを流し入れてカラメルは完成。
熱湯を入れた時にジュワッと大きな音がしてびっくりさせたかと思ったけれど、混ぜるのに必死で気づいていないみたいでホッとした。
碧斗くんが頑張って混ぜてくれた卵に砂糖を入れて牛乳と一緒に混ぜ合わせる。
スプーンでプリン液の味見をしてもらうと
「わぁ! ぷりんだぁー!」
と目を輝かせて喜んでくれた。こういうのができるのも手作りおやつの醍醐味。
出来上がったプリン液をさっきのカラメルの容器に流し入れて、オーブンで湯煎で焼いたら出来上がりだ。
出来上がったプリンにどんな反応を見せてくれるのか、今から楽しみでたまらない。
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