異世界で美少年を娶りました

波木真帆

文字の大きさ
上 下
8 / 8
番外編

愛しいサク※ <後編>

しおりを挟む
<sideエリオット>

愛しいサクが、私にこんなにも淫らな姿を見せてくれるなんて。
恥じらいながら私に触れて、舐めてとねだってくる姿に私は興奮しきりだった。

優しくしようと思っていたのに気づけば無我夢中でサクの腰を掴み、蜜を注ぎ込んでいた。

サクの甘い蜜を私の体内に取り込み、それから二十四時間以内に私の蜜を注ぐとサクの身体が妊娠可能な身体に変化していく。完全に妊娠可能な状態になるには半年ほど蜜を注ぐ必要があると言われているが、すでに途轍もない量の蜜を注いでいるからおそらく半年経たずにサクの身体は妊娠可能な状態に変化するだろう。

以前いた世界では妻子がいると言っていたサクが、私との子どもなら欲しいと言ってくれた。
これほど嬉しいことはない。
これから毎日たっぷりと蜜を注ぎ込んで、サクの願いを……いや、私たちの願いを叶えるとしよう。

私とサクとの間に生まれた子なら、逞しく優秀な子になるだろう。
このヴァラスウィン王国の次期国王となる、素晴らしい子に違いない。

たっぷりと愛し合い、私の腕の中で幸せそうに眠るサクに口づけを与え、私の蜜でぽっこりと膨らんだサクの腹を撫でた。
この溜まった蜜がサクの身体に吸収されるから、次に目覚めたときにはこの膨らみはなくなっているだろうが、そのときにはまた新たな蜜を注ぎ込めばいい。

いつかこの膨らみが私たちの子どもになることを確信しながら、私もしばしの眠りについた。

それから数時間が経ち、腕の中のサクが身動ぐのを感じて私も目を覚ました。
お互い裸のままであることにサクは恥ずかしがっているようだ。それ以上に妖艶な姿を堪能したというのに、裸で抱き合っていることを恥じらうなど、本当に私の運命の相手は愛らしい。

今は後ろから抱きしめるように横向きで横たわっているが、前面に回した腕にサクが触れている感触がする。

「こんなに逞しい腕に抱かれて幸せを感じるなんて……。でも信じられないくらいに幸せだな……」

愛しいサクの口からこんなにも嬉しい言葉が出て、黙っていられるはずがない。
私が声を出すよりも前に身体が反応してしまった。

「ひゃあっ!」

サクの体内に留めていた私の昂りが、可愛いサクの姿に一気に質量を増したのだから可愛い声が出ても仕方がない。

けれど、サクは慌てて両手で口を抑えてゆっくりと私の昂りを引き抜こうとする。

「んっ……あぁっ、んっ……」

少しずつ抜こうとしているが、中でサクの気持ちいい場所に触れるたびに甘い声が漏れる。
よほど気持ちがいいのだろう。引き抜くのはやめたようで無意識に腰が動いているのがわかる。

サクはすっかり私の身体が気に入ってくれたらしい。
それがたまらなく嬉しい。

「そんなに気持ちがいいか?」

「――っ、ひゃあっ!」

私が耳元で囁くと、起きていると思っていなかったのか全身で驚いた。その衝撃で引き抜きかけていた私の昂りが一気にサクの最奥まで貫いた。

「ひゃぁーっん!!」

「ぐぅ――っ!!」

サクが全身を震わせて快感を伝えるその衝撃に私も一気に限界を迎え、数度の律動であっという間にサクの中に大量の蜜をそを注ぎ込んだ。
蜜の量は相性の良さと言われているが、この量を考えると私たちの相性は最高と言えるだろう。

吸収されて平坦になっていたサクの腹がまた膨らみを取り戻す。
ああ、本当に最高だ。

すると、サクは膨らんだ自分の腹に手をやって、

「これがエリオットとの子どもだったらいいのに……」

悲しげにポツリと呟いた。
今の今まで幸せに震えてくれていたというのに。サクは一体どうしてしまったのだろう。

「どうしてそんなに悲しげにいうんだ?」

昂りをまだ中に留めたままサクを抱きしめると、

「だって、子どもが……」

と小さな声で呟くばかり。

「大丈夫。あと半年もすればすぐに授かるよ」

「えっ? 半年? どういうことですか?」

「んっ? だから、サクが子どもを産むことができるようになる期間だよ」

「えっ? 私が、子どもを?」

信じられないとでもいうような表情で振り向いたサクを見て、何か齟齬があると感じた私は一旦サクの中から昂りを引き抜き、顔が見えるように抱きしめた。

「もしかして、サクのいた世界では男は妊娠しないのか?」

「は、はい。そうでは、ないのですか?」

「なるほど。そういう認識でいたならサクが驚くのも無理はない。だが、あのとき私の子どもが欲しいと言ってくれたのではなかったか?」

「それは……無理だとわかっていても、愛する人との子どもなら欲しいと思ったんです。エリオットのことが本当に好きだから……」

「――っ!! サクっ!! ああ、なんて私は幸せなんだろう。これほどサクに愛してもらえるなんて!!」

子ができないとわかっていても、私の子を孕みたいと思ってくれた。
サクのその気持ちがこの上なく嬉しい。

私はサクに、この世界では男女関係なく子どもを宿すことができること。
そして、サクの身体はすでに妊娠可能な身体に変化しつつあることを伝えた。

「じゃ、じゃあ……私は、本当にエリオットの子を産めるのですか?」

「ああ。そうだ。そう理解してくれたところでもう一度聞く。私の子を産んでくれるか?」

「はい! もちろん、喜んで!!」

涙でぐしょ濡れになったサクを抱きしめて、私たちはもう一度愛し合った。

そうして、三ヶ月で妊娠可能な身体に変化したサクは、それからさらに半年後、妊娠が判明した。
その間に、病気療養中だった父が亡くなり、私は正式に国王に、そしてサクは王妃となった。

もしかしたら父は、愛しいサクが私の元に現れるのを待っていたのかもしれない。
私の隣で微笑むサクを見て、安心するように旅立っていった。

そして、それから数ヶ月後、私たちの元に元気な男の子が生まれた。

『エイデン』と名付けた子は、スクスクと成長し次期国王となるべく、今は海外で勉強中だ。

サクの息子であるクオンがアシェルの相手として現れたと伝えるとかなり驚いていたが、兄に会えるのを楽しみにしていると言ってくれた。
きっとエイデンとクオンはお互いに協力しあい、このヴァラスウィンを平和に導いてくれることだろう。

そして私とサクは永遠に幸せであり続けるのだ。
しおりを挟む
感想 10

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(10件)

HALU
2024.11.12 HALU
ネタバレ含む
2024.11.17 波木真帆

HALUさま。リクエストありがとうございます!
挙げていただいたもの全て楽しそうですね💕
思いつくままに書いてますので、降ってきたらぜひ書いてみようと思います✨
可愛くて楽しいリクエストありがとうございます!

解除
四葩(よひら)
ネタバレ含む
2024.11.12 波木真帆

四葩さま。コメントありがとうございます!
パパたちの出会いの物語。
なんとか完結しました。
エイデンが帰ってきてから義理の兄弟の久遠との出会いも楽しそうですよね。
彼にもきっと運命が……年齢によってはもういるかも。
さて、どうなるでしょう(笑)

解除
四葩(よひら)
ネタバレ含む
2024.11.12 波木真帆

四葩さま。コメントありがとうございます!
ふふ🤭可愛いですよね。満足させてあげたいなんて年下ニャンコには出てこない言葉です。

>留学先の隣国から帰国したら兄がいる件
~私の母は異世界で父でもありました~

これすっごく楽しそう!
いつかこのタイトルで改めて書いちゃたりしそうです(笑)

解除

あなたにおすすめの小説

親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話

gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、 立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。 タイトルそのままですみません。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果

ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。 そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。 2023/04/06 後日談追加

麗しの眠り姫は義兄の腕で惰眠を貪る

黒木  鳴
BL
妖精のように愛らしく、深窓の姫君のように美しいセレナードのあだ名は「眠り姫」。学園祭で主役を演じたことが由来だが……皮肉にもそのあだ名はぴったりだった。公爵家の出と学年一位の学力、そしてなによりその美貌に周囲はいいように勘違いしているが、セレナードの中身はアホの子……もとい睡眠欲求高めの不思議ちゃん系(自由人なお子さま)。惰眠とおかしを貪りたいセレナードと、そんなセレナードが可愛くて仕方がない義兄のギルバート、なんやかんやで振り回される従兄のエリオットたちのお話し。完結しました!

何も知らない人間兄は、竜弟の執愛に気付かない

てんつぶ
BL
 連峰の最も高い山の上、竜人ばかりの住む村。  その村の長である家で長男として育てられたノアだったが、肌の色や顔立ちも、体つきまで周囲とはまるで違い、華奢で儚げだ。自分はひょっとして拾われた子なのではないかと悩んでいたが、それを口に出すことすら躊躇っていた。  弟のコネハはノアを村の長にするべく奮闘しているが、ノアは竜体にもなれないし、人を癒す力しかもっていない。ひ弱な自分はその器ではないというのに、日々プレッシャーだけが重くのしかかる。  むしろ身体も大きく力も強く、雄々しく美しい弟ならば何の問題もなく長になれる。長男である自分さえいなければ……そんな感情が膨らみながらも、村から出たことのないノアは今日も一人山の麓を眺めていた。  だがある日、両親の会話を聞き、ノアは竜人ですらなく人間だった事を知ってしまう。人間の自分が長になれる訳もなく、またなって良いはずもない。周囲の竜人に人間だとバレてしまっては、家族の立場が悪くなる――そう自分に言い訳をして、ノアは村をこっそり飛び出して、人間の国へと旅立った。探さないでください、そう書置きをした、はずなのに。  人間嫌いの弟が、まさか自分を追って人間の国へ来てしまい――

ブラッドフォード卿のお気に召すままに~~腹黒宰相は異世界転移のモブを溺愛する~~

ゆうきぼし/優輝星
BL
異世界転移BL。浄化のため召喚された異世界人は二人だった。腹黒宰相と呼ばれるブラッドフォード卿は、モブ扱いのイブキを手元に置く。それは自分の手駒の一つとして利用するためだった。だが、イブキの可愛さと優しさに触れ溺愛していく。しかもイブキには何やら不思議なチカラがあるようで……。 *マークはR回。(後半になります) ・ご都合主義のなーろっぱです。 ・攻めは頭の回転が速い魔力強の超人ですがちょっぴりダメンズなところあり。そんな彼の癒しとなるのが受けです。癖のありそうな脇役あり。どうぞよろしくお願いします。 腹黒宰相×獣医の卵(モフモフ癒やし手) ・イラストは青城硝子先生です。

それ以上近づかないでください。

ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」 地味で冴えない小鳥遊凪は、ある日、憧れの人である蓮見馨に不意に告白をしてしまい、2人は付き合うことになった。 まるで夢のような時間――しかし、その恋はある出来事をきっかけに儚くも終わりを迎える。 転校を機に、馨のことを全てを忘れようと決意した凪。もう二度と彼と会うことはないはずだった。 ところが、あることがきっかけで馨と再会することになる。 「本当に可愛い。」 「凪、俺以外のやつと話していいんだっけ?」 かつてとはまるで別人のような馨の様子に戸惑う凪。 「お願いだから、僕にもう近づかないで」

勇者になるのを断ったらなぜか敵国の騎士団長に溺愛されました

BL
「勇者様!この国を勝利にお導きください!」 え?勇者って誰のこと? 突如勇者として召喚された俺。 いや、でも勇者ってチート能力持ってるやつのことでしょう? 俺、女神様からそんな能力もらってませんよ?人違いじゃないですか?

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。