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私の伴侶に※

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「其方の名前を教えてくれぬか?」

「は、はい。礼央と言います」

「レオ……いい名だ。可愛らしいな」

「そんな……」

「ふふっ。その恥じらう顔も実に可愛らしい。私の名はヴィクトル。レオにはヴィックと呼んでほしい」

「ヴィック……」

レオの可愛らしい口から名を呼ばれる。
ああ、なんて幸せなのだろうな。

「レオ……ずっとそばにいてくれ。そして、私の伴侶となってこの国を支えてくれないか?」

「えっ? この国を、支えるって……もしかして、ヴィックは……あの、国王さま、だったり……?」

「ああ、そうだ。私はアールベルデ王国の国王だ。レオには王妃となって、ずっと私のそばにいてほしい」

「で、でも……僕は、男ですよ? 王妃なんて……」

「?? レオが男だからなんなのだ? それが王妃になれない理由でも?」

「いや、だって……子どもが……」

レオとの会話が噛み合わず、もしかして……と思い尋ねてみた。

「もしかして、レオのいたところでは男は子を産めぬのか?」

「えっ? あ、はい。もちろんです。子供は女性が産むもので……」

なるほど。
それならばレオが慌てるのもわかる。

だが……

「レオ……子どものこと以外は気にならぬのか?」

「えっ?」

「レオのいた場所で子は女が産むものだとされているならば、婚姻相手も異性なのではないのか? だが、レオは私との婚姻は嫌がっているようには見えなかったが……」

そう尋ねると、レオは一気に顔を赤らめて

「僕……ずっと夢で多分ヴィックだと思う人に抱きしめられてました。夢の中の人の優しい匂いと温もりに癒されていて、それで……好きになっていた、と思います。だから、夢の中で神さまに初めてキス……口づけした相手が運命の相手だって教えてもらって、すぐに夢の中の人のことが頭に浮かびました。あの癒しを与えてくれる人だったらいいなって……。だから目を開けてあの匂いのする人に抱きしめられてて、もしかしたらこの人かも……ってドキドキしてたんです。でも、ヴィックが国王さまだって知ったら、跡継ぎが気になってしまって……」

と一生懸命説明してくれた。

その必死な様子にレオへの愛おしさがますます募る。

ああ、なんてこの子は可愛いんだろう。

そうか、レオは私と過ごしたあの夜のことを夢だと思っているのか。
あんなにも愛しく慈しみながら抱きしめていたというのに……。

「レオ……あれは夢ではないよ」

「えっ? 夢、じゃない?」

「ああ。レオはいつもここにいた。私の寝室で私が抱きしめると嬉しそうに擦り寄ってきて……そして、目が覚めるとあちらに帰って行っていた」

「そんな……」

「ずっとずっとレオが目を開けてくれるのを待っていたのだ。私はレオがずっと夢だと思っていた頃から、レオのことだけを思い続けていたのだよ。子どものことは気にしないでいい。そう言ったら私と添い遂げてくれるか?」

「跡継ぎは大丈夫なのですか?」

「ふふっ。問題ない。私たちが愛し合えば、自然に子はできる」

「えっ? それって……」

「子は神からの授かりものだ。本当に愛し合う二人の元に神が与えて下さるのだ」

「――っ!!」

私の言葉にレオは大層驚いていた。
が、すぐに私にぎゅっと抱きついてきて、

「それなら、僕を……ヴィックの伴侶に、してください……」

と言ってくれた。

「ああ、レオ……! 私は一生其方を離さないぞ」

「はい。ずっと愛してください」

レオの可愛らしい言葉にもう我慢できなくなり、私は引きちぎるようにレオの服を脱がせた。

「ああ、待って……そんなに……」

「もうこの服は必要ない。私がレオのために服を誂えてやる」

見慣れない服を脱がせるのが本当にもどかしい。
それでもレオだけは傷つけないように、なんとか服を脱ぎ去った。

美しいレオの裸体を前に興奮が高まっていく。

雪のように真っ白で滑らかな肌。
そっと触れればするりと滑っていく。

「ああ……っ」

ほんの少し触れただけなのに、可愛らしい声をあげるレオ。
どうやら私に感じてくれているようだ。

唇を重ね合わせながら、レオをベッドに横たわらせる。

「レオ……愛してる」

「んん……っ」

耳元で愛を囁けば、真っ赤な顔で身を捩らせる。

ああ、なんて可愛いんだろう。

首筋に所有印を刻んでからぷっくりと膨らんだ赤い実を口に含んだ。

「ひゃあ――っん!」

コロコロと舌で転ばせば、その度に嬌声をあげ身悶える。
あまりにも感度のいい身体に嬉しくなりながら、視線を下ろすと、レオの果実のような可愛らしいモノがフルフルと震わせながら少し勃っているのが見える。

ふふっ。本当にどこもかしこも可愛らしいのだな。

赤い実を味わいながら、そっとそれに触れると、

「ああ……っ!! だ、めっ!」

それだけでレオは蜜を零した。

まだ触れただけだというのになんてことだ。

「ず、っと……その、シテなかったから……だ、から……」

真っ赤な顔で申し訳なさそうに理由を告げるレオが可愛い。

そうか。
きっと自分ですることもできないほど身も心も疲れていたのだろう。

大丈夫、これからも自分ですることなどレオには訪れないよ。
いつでも私がレオを感じさせてやる。

「大丈夫、レオの可愛い姿が見られて私は喜んでいるのだよ。それに……もっともっと感じさせてやるから気にしないでいい」

チュッと口づけをして、レオの腹に飛び散った蜜を手で掬い取った。

それを手のひらに伸ばし、私はそのままそっとレオの後孔に手を伸ばした。
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