イケメン国王の初恋 〜運命の相手は異世界人

波木真帆

文字の大きさ
上 下
5 / 12

私の伴侶に※

しおりを挟む
「其方の名前を教えてくれぬか?」

「は、はい。礼央と言います」

「レオ……いい名だ。可愛らしいな」

「そんな……」

「ふふっ。その恥じらう顔も実に可愛らしい。私の名はヴィクトル。レオにはヴィックと呼んでほしい」

「ヴィック……」

レオの可愛らしい口から名を呼ばれる。
ああ、なんて幸せなのだろうな。

「レオ……ずっとそばにいてくれ。そして、私の伴侶となってこの国を支えてくれないか?」

「えっ? この国を、支えるって……もしかして、ヴィックは……あの、国王さま、だったり……?」

「ああ、そうだ。私はアールベルデ王国の国王だ。レオには王妃となって、ずっと私のそばにいてほしい」

「で、でも……僕は、男ですよ? 王妃なんて……」

「?? レオが男だからなんなのだ? それが王妃になれない理由でも?」

「いや、だって……子どもが……」

レオとの会話が噛み合わず、もしかして……と思い尋ねてみた。

「もしかして、レオのいたところでは男は子を産めぬのか?」

「えっ? あ、はい。もちろんです。子供は女性が産むもので……」

なるほど。
それならばレオが慌てるのもわかる。

だが……

「レオ……子どものこと以外は気にならぬのか?」

「えっ?」

「レオのいた場所で子は女が産むものだとされているならば、婚姻相手も異性なのではないのか? だが、レオは私との婚姻は嫌がっているようには見えなかったが……」

そう尋ねると、レオは一気に顔を赤らめて

「僕……ずっと夢で多分ヴィックだと思う人に抱きしめられてました。夢の中の人の優しい匂いと温もりに癒されていて、それで……好きになっていた、と思います。だから、夢の中で神さまに初めてキス……口づけした相手が運命の相手だって教えてもらって、すぐに夢の中の人のことが頭に浮かびました。あの癒しを与えてくれる人だったらいいなって……。だから目を開けてあの匂いのする人に抱きしめられてて、もしかしたらこの人かも……ってドキドキしてたんです。でも、ヴィックが国王さまだって知ったら、跡継ぎが気になってしまって……」

と一生懸命説明してくれた。

その必死な様子にレオへの愛おしさがますます募る。

ああ、なんてこの子は可愛いんだろう。

そうか、レオは私と過ごしたあの夜のことを夢だと思っているのか。
あんなにも愛しく慈しみながら抱きしめていたというのに……。

「レオ……あれは夢ではないよ」

「えっ? 夢、じゃない?」

「ああ。レオはいつもここにいた。私の寝室で私が抱きしめると嬉しそうに擦り寄ってきて……そして、目が覚めるとあちらに帰って行っていた」

「そんな……」

「ずっとずっとレオが目を開けてくれるのを待っていたのだ。私はレオがずっと夢だと思っていた頃から、レオのことだけを思い続けていたのだよ。子どものことは気にしないでいい。そう言ったら私と添い遂げてくれるか?」

「跡継ぎは大丈夫なのですか?」

「ふふっ。問題ない。私たちが愛し合えば、自然に子はできる」

「えっ? それって……」

「子は神からの授かりものだ。本当に愛し合う二人の元に神が与えて下さるのだ」

「――っ!!」

私の言葉にレオは大層驚いていた。
が、すぐに私にぎゅっと抱きついてきて、

「それなら、僕を……ヴィックの伴侶に、してください……」

と言ってくれた。

「ああ、レオ……! 私は一生其方を離さないぞ」

「はい。ずっと愛してください」

レオの可愛らしい言葉にもう我慢できなくなり、私は引きちぎるようにレオの服を脱がせた。

「ああ、待って……そんなに……」

「もうこの服は必要ない。私がレオのために服を誂えてやる」

見慣れない服を脱がせるのが本当にもどかしい。
それでもレオだけは傷つけないように、なんとか服を脱ぎ去った。

美しいレオの裸体を前に興奮が高まっていく。

雪のように真っ白で滑らかな肌。
そっと触れればするりと滑っていく。

「ああ……っ」

ほんの少し触れただけなのに、可愛らしい声をあげるレオ。
どうやら私に感じてくれているようだ。

唇を重ね合わせながら、レオをベッドに横たわらせる。

「レオ……愛してる」

「んん……っ」

耳元で愛を囁けば、真っ赤な顔で身を捩らせる。

ああ、なんて可愛いんだろう。

首筋に所有印を刻んでからぷっくりと膨らんだ赤い実を口に含んだ。

「ひゃあ――っん!」

コロコロと舌で転ばせば、その度に嬌声をあげ身悶える。
あまりにも感度のいい身体に嬉しくなりながら、視線を下ろすと、レオの果実のような可愛らしいモノがフルフルと震わせながら少し勃っているのが見える。

ふふっ。本当にどこもかしこも可愛らしいのだな。

赤い実を味わいながら、そっとそれに触れると、

「ああ……っ!! だ、めっ!」

それだけでレオは蜜を零した。

まだ触れただけだというのになんてことだ。

「ず、っと……その、シテなかったから……だ、から……」

真っ赤な顔で申し訳なさそうに理由を告げるレオが可愛い。

そうか。
きっと自分ですることもできないほど身も心も疲れていたのだろう。

大丈夫、これからも自分ですることなどレオには訪れないよ。
いつでも私がレオを感じさせてやる。

「大丈夫、レオの可愛い姿が見られて私は喜んでいるのだよ。それに……もっともっと感じさせてやるから気にしないでいい」

チュッと口づけをして、レオの腹に飛び散った蜜を手で掬い取った。

それを手のひらに伸ばし、私はそのままそっとレオの後孔に手を伸ばした。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

兄たちが弟を可愛がりすぎです~番外編春人が夢で見た二十年後の王子と護衛騎士~

クロユキ
BL
ベルスタ王国第五王子ウィル・テラ・セルディ・ベルスタ二十年前に亡くなるが、異世界から坂田春人高校二年がウィル王子の身体の中に入りそのままベルスタ王国の王子として生活をする事になる。城内では兄王子に護衛騎士など毎日春人に付きまとう日々…そして今のベルスタ王国の王が代わり、春人ことウィル王子が王様になったお話。 春人の夢の中での話で、ウィル王が兄王子達に護衛騎士に相変わらず振り回されます。 現在更新中の兄弟とはまた別の話になりますが、番外編だけでも読めるお話しになると思います

モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中

risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。 任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。 快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。 アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——? 24000字程度の短編です。 ※BL(ボーイズラブ)作品です。 この作品は小説家になろうさんでも公開します。

花屋の息子

きの
BL
ひょんなことから異世界転移してしまった、至って普通の男子高校生、橘伊織。 森の中を一人彷徨っていると運良く優しい夫婦に出会い、ひとまずその世界で過ごしていくことにするが___? 瞳を見て相手の感情がわかる能力を持つ、普段は冷静沈着無愛想だけど受けにだけ甘くて溺愛な攻め×至って普通の男子高校生な受け の、お話です。 不定期更新。大体一週間間隔のつもりです。 攻めが出てくるまでちょっとかかります。

幸せの温度

本郷アキ
BL
※ラブ度高めです。直接的な表現もありますので、苦手な方はご注意ください。 まだ産まれたばかりの葉月を置いて、両親は天国の門を叩いた。 俺がしっかりしなきゃ──そう思っていた兄、睦月《むつき》17歳の前に表れたのは、両親の親友だという浅黄陽《あさぎよう》33歳。 陽は本当の家族のように接してくれるけれど、血の繋がりのない偽物の家族は終わりにしなければならない、だってずっと家族じゃいられないでしょ? そんなのただの言い訳。 俺にあんまり触らないで。 俺の気持ちに気付かないで。 ……陽の手で触れられるとおかしくなってしまうから。 俺のこと好きでもないのに、どうしてあんなことをしたの? 少しずつ育っていった恋心は、告白前に失恋決定。 家事に育児に翻弄されながら、少しずつ家族の形が出来上がっていく。 そんな中、睦月をストーキングする男が現れて──!?

愛していた王に捨てられて愛人になった少年は騎士に娶られる

彩月野生
BL
湖に落ちた十六歳の少年文斗は異世界にやって来てしまった。 国王と愛し合うようになった筈なのに、王は突然妃を迎え、文斗は愛人として扱われるようになり、さらには騎士と結婚して子供を産めと強要されてしまう。 王を愛する気持ちを捨てられないまま、文斗は騎士との結婚生活を送るのだが、騎士への感情の変化に戸惑うようになる。 (誤字脱字報告は不要)

恐怖症な王子は異世界から来た時雨に癒やされる

琴葉悠
BL
十六夜時雨は諸事情から橋の上から転落し、川に落ちた。 落ちた川から上がると見知らぬ場所にいて、そこで異世界に来た事を知らされる。 異世界人は良き知らせをもたらす事から王族が庇護する役割を担っており、時雨は庇護されることに。 そこで、検査すると、時雨はDomというダイナミクスの性の一つを持っていて──

αからΩになった俺が幸せを掴むまで

なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。 10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。 義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。 アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。 義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が… 義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。 そんな海里が本当の幸せを掴むまで…

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

処理中です...