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お風呂のマッサージ

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持ってきた入浴剤を浴槽に入れてから洗い場の椅子に座ると、

「マッサージをしてもらう前に髪と身体を洗いましょうね」

と言ってくれる。

僕が返事をするよりも先に唯人さんの手が僕の髪に触れて、ドキッとしてしまう。
少しシャワーで流されてから泡立てたシャンプーを髪につけられて、唯人さんの長い指で頭皮をマッサージするように洗われる。

「唯人さん、きもちいいです」

「私にもっと寄りかかっていいですよ」

優しい声がかかり、その通りにすると唯人さんの素肌の感触を感じられて心地良い。
今日は一日のんびりしすぎだと思いながらも、唯人さんにお世話されるのは気持ちがいい。
湯船に浸かったら僕がマッサージをするから、今はまだ甘えていよう。

丁寧に泡を流されて、今度は身体。
さっとボディーソープの泡を手にたっぷりと乗せて、唯人さんの手が僕の身体に触れる。

絶妙な優しさで身体を満遍なく洗われてそれだけでもう反応してしまう。

「尚孝さん、一度出しておきましょうか」

「えっ、あ、はい」

「そのまま寄りかかっていたらいいですからね」

背中から大きな身体で抱きしめられて、ボディーソープの泡のまま優しく扱かれる。
唯人さんの大きな手に僕の小さなモノが全て包み込まれて、

「ああっ! もぅ、でちゃぅ!」

僕はあっという間に蜜を弾けさせた。唯人さんの手は本当に魔法みたい。だって、自分でやってもこんなに気持ちいいと思ったこともないし、やろうとも思わないのに、唯人さんの手に包み込まれるとびっくりするくらい気持ちが良くておかしくなりそうになる。

鏡越しに唯人さんの表情が見えるけれど、僕を抱きしめて嬉しそうだ。
気持ち良過ぎておかしくなっている僕を見られるのは少し恥ずかしい気もするけれど、こんなに嬉しそうに見てくれるなら、いいのかな。

さっと身体の泡や弾けさせた蜜を洗い流されて、僕がしばらくぼーっとしている間に、唯人さんは自分の髪と身体をささっと洗って、僕を抱きかかえて湯船に連れていった。

さっき入れておいた入浴剤が綺麗に溶けて癒しの香りがする。

「この入浴剤、いいですね」

「はい。昔からお気に入りなんです。特に疲れている時は最高に気持ちがいいですよ。唯人さんは今日は気疲れもしたでしょうからゆっくり癒されてください」

「ありがとうございます。でも尚孝さんと一緒にいるだけでもう癒されてますよ」

優しい笑顔にキュンとする。こんなことを普通に言ってくれる唯人さんに僕もいつだって癒されている。
でも今日はもっともっと唯人さんを癒してあげるんだ。

「唯人さん、あっちに寄りかかって僕に向かって足を伸ばしてください」

「こう、ですか?」

これができるのも広い浴槽ならではだ。

僕は浴槽の中に膝をついて座ると、唯人さんの足を持ち上げてくるぶしからふくらはぎに向かって親指をグーッと動かした。浴槽の中だと浮力が働くから唯人さんの足も、僕の力でも持ち上げることができる。

「ああ、気持ちがいいですね」

「でしょう? 一日の疲れが溜まる場所ですからね」

片足ずつ下から上に親指でマッサージを続け、今度は太ももに移る。

内腿の強張りを和らげるために念入りにマッサージをしていると、唯人さんのおっきなモノが湯船から顔を出した。

「わっ!」

「す、すみません。尚孝さんにマッサージされていたら気持ちが良くなって……」

「ふふっ。いいですよ。僕がここもマッサージしますね」

さっきは僕を気持ちよくしてもらったんだから、お返しだ。これも癒しだよね。

僕は唯人さんの足の間を進み、湯船から顔を出しているおっきなモノにそっと触れてみた。
もうちょっと先端に蜜が溢れてる。

「美味しそう……」

「えっ、あっ! くっ――!! ああっ……」

舌を出してぺろっと舐めると、唯人さんの動揺する声と気持ちよさそうな声が聞こえる。
こんな姿を見られるのも僕だけだと思うと、僕は最高に幸せな気分になっていた。

唯人さんのおっきなモノの先端をパクッと咥えて、顔を動かすたびにお湯が揺れる。
そういえばお風呂の中でするのはあの温泉のとき以来かな。でもあの時は唯人さんはお湯には入ってなかったはず。
あの時とはちょっと違うシチュエーションに興奮してしまう。

こうやってこれからもいろんなシチュエーションが増えていくんだろうか。それはとっても幸せなことだな。

一生懸命口と舌と手で刺激を与えていると、

「ああっ、尚孝さん……イキそうです」

と唯人さんの気持ちよさそうな声が聞こえて、僕はさらに動きを早めた。

「あ゛ぁ、イくっ!」

そんな声と共に僕の口内に蜜が飛び込んできた。

その量にちょっと驚きつつも、こぼさないように全てを飲み干した。
ああ、僕は本当に幸せだ。
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