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一緒に住むってこんなに幸せなんだ!※
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砂川さんはしばらく祐悟さんと話をして帰っていった。
祐悟さんは明日からの仕事について俺にいくつかレクチャーしてくれた後、食事の支度をするからとキッチンへと向かった。
パソコンと睨めっこをしながら明日からの書類作成についての段取りを考えていると、キッチンからものすごくいい匂いが漂ってきた。
その匂いにお腹が『グゥーッ』と鳴って止まらない。
そういえば、機内で食事をしてから何も食べてなかった。
そんな状態でこんなに美味しそうな匂いがしてきたら我慢できるわけない。
パタンとパソコンを閉め、料理を作ってくれている祐悟さんを見つめていると
「ふふっ。腹が減ったのか? もうできるから、こっちで見てるか?」
と料理の手を止めこっちにきてくれた。
軽々と抱きかかえて座らせてくれたダイニングの席からは料理をしている祐悟さんが真正面に見える。
エプロンをつけ、テキパキと手際よく料理をしている祐悟さんは恐ろしく格好いい。
俺は机に両肘をつき、顎に両手を置いてポーッと祐悟さんを見つめていると、祐悟さんの顔が少しずつ赤くなっていく。
「あ、あの……航。そんなに見つめられたら流石に照れる……」
「えっ? ああ……ごめんなさい」
「いや、いいんだけど……」
お互いに照れ合いながら見つめ合う不思議な時間がそこにあった。
「さぁ、食べようか」
そんな状態でも料理の手は止まっていなかったようで、祐悟さんは次々に料理を並べてくれた。
作ってくれた料理はイタリアン。
「ここのところずっと沖縄料理だったからな、コッテリしたものが食べたくなって……航はパスタは好きか?」
「大好きです!! すっごく美味しそう!!」
魚介のたくさん入ったペスカトーレ、シーザーサラダにクラムチャウダースープ……どれも美味しそうでどこから手をつけようか迷ってしまう。
でも、やっぱりパスタからだよなと一口食べると、今まで食べたパスタの中で一番美味しい!! って思えるほど美味しくてびっくりしてしまった。
「うぅっ、おいひいですっ!!」
あまりの美味しさにそれしか感想を言えずに、お腹が空いていたのも相まってパクパクと食べ尽くしてしまいあっという間に平らげてしまった。
満足したお腹をさすりながら、『すっごく美味しかったです』というと、祐悟さんは嬉しそうに笑っていた。
西表から帰ってきたばかりで疲れただろうとお風呂に入るよう勧められ……と言ってもやっぱりというかなんというか祐悟さんと一緒にお風呂に入った。
さっと頭や身体を洗ってもらいほかほかになったところに、祐悟さんのパジャマを貸してもらってあっという間に寝室へと連れて行かれた。
部屋に入った瞬間から部屋に漂う祐悟さんの匂いに鼻腔をくすぐられる。
寝かされたベッドからも漂ってくる祐悟さんの強い匂いに包まれ、なんだか恥ずかしくなってくる。
それは多分祐悟さんと過ごしたあの夜のことを思い出してしまうからだろう。
それにしてもこのベッド……ものすごく大きいな。
部屋が広いと言っても1人で寝ていたはずのベッドにしては大きすぎる……。
もしかしたら……俺以外にもここで一緒に寝ていたことがあるのかもしれない。
俺と出会う前の祐悟さんのことをとやかくいう権利なんか俺にはないけど、でも、なんかモヤモヤする。
俺以外の誰かが祐悟さんとここで祐悟さんの匂いに包まれるどころか、あの夜みたいな時間を過ごしていたのだとしたら……そう考えたら急にこのベッドが嫌になってきた。
「すみません、祐悟さん……やっぱり俺……ソファーで寝ます」
そう言って起きあがろうとすると、祐悟さんの表情がさっと暗くなって俺をベッドに押し付けた。
「航、どうしたんだ急に? 何か嫌なことであったか?」
「そんなんじゃないんです、ただ俺が嫌なだけで……」
「嫌? なぜだ? 私と一緒に寝るのが嫌なのか?」
「ちがっ――! 一緒にいたいけど、嫌なこと考えちゃうから……」
こんなドロドロした感情を持ってるだなんて祐悟さんに知られるのは嫌だけど、でも勘違いはされたくない。
必死にそう伝えると、祐悟さはフッと笑顔を見せてくれた。
「航、何を考えたんだ? ちゃんと言葉にして話してくれないか?」
問い詰めるでもない、ものすごく優しい言葉かけに俺は小さく頷いた。
「このベッド……すごく大きいでしょう?」
「ああ、気に入ったか?」
「…………前に、誰か一緒に寝てたのかなって……」
「はぁっ???」
祐悟さんは目を丸くして驚いた後、寝室に響き渡るほどの大きな声で笑い出した。
「ゆ、祐悟さん……??」
なかなか笑いが止まらない祐悟さんに声をかけると、『ああ、悪い。悪い』と俺の頭を撫でながら
「さすが航だな。なるほど、まさかそう来るとは思わなかったな」
とひとりで納得して頷いていた。
「どういう意味ですか?」
「ちゃんと話しておかないと航に勘違いされたままじゃ私も嫌だからな」
そういうと祐悟さんは俺を起き上がらせて向き合うように座らせてくれた。
「あのな、よく聞いててくれ。
このベッドは航と一緒に寝るために用意したベッドだから、航以外は誰も寝たことはない」
「えっ……」
「それから、この寝室には両親以外で入ったのは航が初めてだ」
「うそっ……」
「私が航に嘘をつくわけがないだろう?」
それはそうだけど……俺が初めて??
祐悟さんのプライベート空間に入れたのが俺だけ??
なんだろう……なんとも言えない嬉しさが込み上げてくる。
「安心したか?」
俺は声を上げずに頷いた。
嬉しすぎて声が上げられなかったんだ。
「じゃあ、今日はゆっくり休もうか」
そう誘われ祐悟さんの腕にぎゅっと抱かれながら俺はもう一度ベッドに横たわった。
祐悟さんの温もりと匂いに包まれ、俺は幸福感でいっぱいになりながら眠りについた。
翌朝、ぱちっと目を覚ますと祐悟さんにしっかりと抱きしめられていた。
ああ、祐悟さんの匂いに包まれて起きるって最高だ。
一緒に住むってこんなに幸せなんだな。
パジャマの合わせから見えている胸元に鼻を近づけ匂いを嗅いでいると、頭上から『航……』と戸惑ったような祐悟さんの声が聞こえた。
「あ、起こしてしまってごめんなさい」
「いや、それはいいんだが……何してたんだ?」
「えっ……あっ、いや……祐悟さんの匂いが心地よくてつい……」
急に聞かれたから素直に答えると、
「――っ! ああっ、もうっ!! せっかく我慢してるのにっ!!」
と苦しげな声をあげ、急に俺の顎に手を当て上を向かせたと思ったら祐悟さんの唇が重なってきた。
上唇、下唇と優しく何度も甘噛みされ、その刺激に口を開けるとするっと中に祐悟さんの肉厚な舌が入ってきた。
「んっ、あっ……んんっ」
まだ寝起きで頭が働いていないのに俺の舌に食らいついてくるような激しいキスにおかしくなってしまいそうになる。
祐悟さんはそんな俺の状況を嘲笑うかのように尚も舌先に絡み付いて吸い付いてきては何度も角度を変え、俺の舌を味わっていた。
「んっ……やぁ……っ、もっとぉ…」
そんな祐悟さんの激しいキスが心地良すぎて、はしたなくねだってしまったけれど祐悟さんは嬉しそうに激しいキスを返してくれた。
「ああっ、んっ……んんっ」
クチュクチュと甘い水音が朝の寝室に響き渡る。
ああ、朝からこんなこと……俺の人生に起こるなんて思わなかったな……。
蕩けるようなキスを与えてくれた祐悟さんの唇がゆっくり離された時には俺の身体からすっかり力が抜けてしまっていた。
それから3日間祐悟さんは砂川さんと一緒に仕事に出かけ、その間俺は祐悟さんに言われた通り書類作成に追われていた。
祐悟さんが家に1人で残る俺のためにご両親の病院から電動の車椅子を借りてきてくれたおかげで、部屋の移動はそれを使って楽に移動できてものすごく助かった。
というか、リビングからトイレ行くのに電動車椅子を使うほど広いって驚きだよな。
パソコンを渡してもらった日にいくつかレクチャーしてもらっていたおかげで、3日目の午前中にはデータ纏めはすっかり終わっていた。
何度も何度も確認して、『よし! これなら大丈夫!』と納得して自分のやるべきことを終えた。
何もやることがなくなってふと、そういえば祐悟さんがやっている芸能事務所ってどんな人がいるんだろう? と思い立ち、パソコンで『テリフィックオフィス』を検索してみた。
ここ5年忙しくてほとんどテレビを見る時間はほとんどなくて、あまり芸能人には詳しくはないけど所属俳優の中に1人だけ知っている名前があった。
<南條 朝陽>
今、演技力のある俳優ランキングで必ず上位に入る俳優だ。
こんな有名な人がいる事務所なんだ!!
すごいな……。
何だかわからないけど、鳥肌が立ってくる。
最近はどんな作品に出ているんだろうと検索をかけてみると、
「ええっ??」
パソコン画面を前に思わず大声を上げてしまった。
<超人気俳優・南條 朝陽さん(28歳)、所属事務所GM 蓮見 涼平氏(37歳)と同性婚>
そんな記事が飛び込んできた。
祐悟さんは明日からの仕事について俺にいくつかレクチャーしてくれた後、食事の支度をするからとキッチンへと向かった。
パソコンと睨めっこをしながら明日からの書類作成についての段取りを考えていると、キッチンからものすごくいい匂いが漂ってきた。
その匂いにお腹が『グゥーッ』と鳴って止まらない。
そういえば、機内で食事をしてから何も食べてなかった。
そんな状態でこんなに美味しそうな匂いがしてきたら我慢できるわけない。
パタンとパソコンを閉め、料理を作ってくれている祐悟さんを見つめていると
「ふふっ。腹が減ったのか? もうできるから、こっちで見てるか?」
と料理の手を止めこっちにきてくれた。
軽々と抱きかかえて座らせてくれたダイニングの席からは料理をしている祐悟さんが真正面に見える。
エプロンをつけ、テキパキと手際よく料理をしている祐悟さんは恐ろしく格好いい。
俺は机に両肘をつき、顎に両手を置いてポーッと祐悟さんを見つめていると、祐悟さんの顔が少しずつ赤くなっていく。
「あ、あの……航。そんなに見つめられたら流石に照れる……」
「えっ? ああ……ごめんなさい」
「いや、いいんだけど……」
お互いに照れ合いながら見つめ合う不思議な時間がそこにあった。
「さぁ、食べようか」
そんな状態でも料理の手は止まっていなかったようで、祐悟さんは次々に料理を並べてくれた。
作ってくれた料理はイタリアン。
「ここのところずっと沖縄料理だったからな、コッテリしたものが食べたくなって……航はパスタは好きか?」
「大好きです!! すっごく美味しそう!!」
魚介のたくさん入ったペスカトーレ、シーザーサラダにクラムチャウダースープ……どれも美味しそうでどこから手をつけようか迷ってしまう。
でも、やっぱりパスタからだよなと一口食べると、今まで食べたパスタの中で一番美味しい!! って思えるほど美味しくてびっくりしてしまった。
「うぅっ、おいひいですっ!!」
あまりの美味しさにそれしか感想を言えずに、お腹が空いていたのも相まってパクパクと食べ尽くしてしまいあっという間に平らげてしまった。
満足したお腹をさすりながら、『すっごく美味しかったです』というと、祐悟さんは嬉しそうに笑っていた。
西表から帰ってきたばかりで疲れただろうとお風呂に入るよう勧められ……と言ってもやっぱりというかなんというか祐悟さんと一緒にお風呂に入った。
さっと頭や身体を洗ってもらいほかほかになったところに、祐悟さんのパジャマを貸してもらってあっという間に寝室へと連れて行かれた。
部屋に入った瞬間から部屋に漂う祐悟さんの匂いに鼻腔をくすぐられる。
寝かされたベッドからも漂ってくる祐悟さんの強い匂いに包まれ、なんだか恥ずかしくなってくる。
それは多分祐悟さんと過ごしたあの夜のことを思い出してしまうからだろう。
それにしてもこのベッド……ものすごく大きいな。
部屋が広いと言っても1人で寝ていたはずのベッドにしては大きすぎる……。
もしかしたら……俺以外にもここで一緒に寝ていたことがあるのかもしれない。
俺と出会う前の祐悟さんのことをとやかくいう権利なんか俺にはないけど、でも、なんかモヤモヤする。
俺以外の誰かが祐悟さんとここで祐悟さんの匂いに包まれるどころか、あの夜みたいな時間を過ごしていたのだとしたら……そう考えたら急にこのベッドが嫌になってきた。
「すみません、祐悟さん……やっぱり俺……ソファーで寝ます」
そう言って起きあがろうとすると、祐悟さんの表情がさっと暗くなって俺をベッドに押し付けた。
「航、どうしたんだ急に? 何か嫌なことであったか?」
「そんなんじゃないんです、ただ俺が嫌なだけで……」
「嫌? なぜだ? 私と一緒に寝るのが嫌なのか?」
「ちがっ――! 一緒にいたいけど、嫌なこと考えちゃうから……」
こんなドロドロした感情を持ってるだなんて祐悟さんに知られるのは嫌だけど、でも勘違いはされたくない。
必死にそう伝えると、祐悟さはフッと笑顔を見せてくれた。
「航、何を考えたんだ? ちゃんと言葉にして話してくれないか?」
問い詰めるでもない、ものすごく優しい言葉かけに俺は小さく頷いた。
「このベッド……すごく大きいでしょう?」
「ああ、気に入ったか?」
「…………前に、誰か一緒に寝てたのかなって……」
「はぁっ???」
祐悟さんは目を丸くして驚いた後、寝室に響き渡るほどの大きな声で笑い出した。
「ゆ、祐悟さん……??」
なかなか笑いが止まらない祐悟さんに声をかけると、『ああ、悪い。悪い』と俺の頭を撫でながら
「さすが航だな。なるほど、まさかそう来るとは思わなかったな」
とひとりで納得して頷いていた。
「どういう意味ですか?」
「ちゃんと話しておかないと航に勘違いされたままじゃ私も嫌だからな」
そういうと祐悟さんは俺を起き上がらせて向き合うように座らせてくれた。
「あのな、よく聞いててくれ。
このベッドは航と一緒に寝るために用意したベッドだから、航以外は誰も寝たことはない」
「えっ……」
「それから、この寝室には両親以外で入ったのは航が初めてだ」
「うそっ……」
「私が航に嘘をつくわけがないだろう?」
それはそうだけど……俺が初めて??
祐悟さんのプライベート空間に入れたのが俺だけ??
なんだろう……なんとも言えない嬉しさが込み上げてくる。
「安心したか?」
俺は声を上げずに頷いた。
嬉しすぎて声が上げられなかったんだ。
「じゃあ、今日はゆっくり休もうか」
そう誘われ祐悟さんの腕にぎゅっと抱かれながら俺はもう一度ベッドに横たわった。
祐悟さんの温もりと匂いに包まれ、俺は幸福感でいっぱいになりながら眠りについた。
翌朝、ぱちっと目を覚ますと祐悟さんにしっかりと抱きしめられていた。
ああ、祐悟さんの匂いに包まれて起きるって最高だ。
一緒に住むってこんなに幸せなんだな。
パジャマの合わせから見えている胸元に鼻を近づけ匂いを嗅いでいると、頭上から『航……』と戸惑ったような祐悟さんの声が聞こえた。
「あ、起こしてしまってごめんなさい」
「いや、それはいいんだが……何してたんだ?」
「えっ……あっ、いや……祐悟さんの匂いが心地よくてつい……」
急に聞かれたから素直に答えると、
「――っ! ああっ、もうっ!! せっかく我慢してるのにっ!!」
と苦しげな声をあげ、急に俺の顎に手を当て上を向かせたと思ったら祐悟さんの唇が重なってきた。
上唇、下唇と優しく何度も甘噛みされ、その刺激に口を開けるとするっと中に祐悟さんの肉厚な舌が入ってきた。
「んっ、あっ……んんっ」
まだ寝起きで頭が働いていないのに俺の舌に食らいついてくるような激しいキスにおかしくなってしまいそうになる。
祐悟さんはそんな俺の状況を嘲笑うかのように尚も舌先に絡み付いて吸い付いてきては何度も角度を変え、俺の舌を味わっていた。
「んっ……やぁ……っ、もっとぉ…」
そんな祐悟さんの激しいキスが心地良すぎて、はしたなくねだってしまったけれど祐悟さんは嬉しそうに激しいキスを返してくれた。
「ああっ、んっ……んんっ」
クチュクチュと甘い水音が朝の寝室に響き渡る。
ああ、朝からこんなこと……俺の人生に起こるなんて思わなかったな……。
蕩けるようなキスを与えてくれた祐悟さんの唇がゆっくり離された時には俺の身体からすっかり力が抜けてしまっていた。
それから3日間祐悟さんは砂川さんと一緒に仕事に出かけ、その間俺は祐悟さんに言われた通り書類作成に追われていた。
祐悟さんが家に1人で残る俺のためにご両親の病院から電動の車椅子を借りてきてくれたおかげで、部屋の移動はそれを使って楽に移動できてものすごく助かった。
というか、リビングからトイレ行くのに電動車椅子を使うほど広いって驚きだよな。
パソコンを渡してもらった日にいくつかレクチャーしてもらっていたおかげで、3日目の午前中にはデータ纏めはすっかり終わっていた。
何度も何度も確認して、『よし! これなら大丈夫!』と納得して自分のやるべきことを終えた。
何もやることがなくなってふと、そういえば祐悟さんがやっている芸能事務所ってどんな人がいるんだろう? と思い立ち、パソコンで『テリフィックオフィス』を検索してみた。
ここ5年忙しくてほとんどテレビを見る時間はほとんどなくて、あまり芸能人には詳しくはないけど所属俳優の中に1人だけ知っている名前があった。
<南條 朝陽>
今、演技力のある俳優ランキングで必ず上位に入る俳優だ。
こんな有名な人がいる事務所なんだ!!
すごいな……。
何だかわからないけど、鳥肌が立ってくる。
最近はどんな作品に出ているんだろうと検索をかけてみると、
「ええっ??」
パソコン画面を前に思わず大声を上げてしまった。
<超人気俳優・南條 朝陽さん(28歳)、所属事務所GM 蓮見 涼平氏(37歳)と同性婚>
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