身も心もズタボロになった俺が南の島でイケメン社長と幸せを掴みました

波木真帆

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男にはよくあること……らしい※

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そんなことを考えている間に、彼はすでに腰にタオルを巻いただけの格好になっていた。

「これでいいかな?」

うわっ! 服を着ている時から格好いい身体つきだとは思っていたけど、まさかここまでだなんて!!

俺の目の前にある彫刻のような男らしい筋肉と6つに割れた腹筋につい見入ってしまった。

俺、体質なのか鍛えても全然筋肉つかないんだよな……ほんと羨ましい。

「ほら、藤乃くん。Tシャツを脱がすよ。万歳ばんざいして」

彼の肉体美に目を奪われながら、ぼーっと言われた通りに万歳をすると、彼の身体がものすごく近いところにきて俺のTシャツを脱がしてくれる。

「うわっ、すごっ! かたいっ!!」

「――っ!」

俺は思わず、目の前にある彼の腹筋に手を伸ばしそっと触れてしまった。
彼は俺の手が冷たかったのか、それとも突然触られて驚いたのか身体をビクリと震わせた。

「あっ、ごめんなさい。つい……」

「い、いや……いいんだ」

「俺、手……冷たかったですよね。倉田さん、すごい格好良い身体してるからつい触りたくなっちゃって……」

「そう、か?」

「そうですよっ!! すごいですっ!」

「ふふっ。じゃあ、いつでも触ってくれていいよ」

彼はにっこりと笑って俺にタオルを手渡すと、

「ズボンと下着脱がせるから、それで前隠してて」

と言われ、慌ててボタンとファスナーを外しその上からタオルで隠して『どうぞ』というと、彼の手が俺のズボンと下着をズリズリと下げていった。

「後ろ向いてるからその間にそのタオル腰に巻いといて」

その配慮に感動しながら、『巻きました』って声をかけると、さっと抱きかかえて温泉へと連れていってくれた。
そういえば診療所にいる時から普通に抱き抱えられてるけど、これってお姫さま抱っこってやつじゃ……?

さっきは突然だったし、服も着てたし、周りにいた人もたいして反応がなかったから普通のことなんだと思い込んでたけど、この抱っこって顔も近いししかも今は裸な上半身同士がピッタリとくっついて倉田さんの温もりを直に感じる。
これ……すごくドキドキする……。

俺……もしかしてとんでもないこと頼んじゃったんじゃ……。

その時、倉田さんの胸の鼓動もまた早くなっていることに気づいた。
大の男をお風呂に入れるなんて滅多にないことだから、倉田さんも緊張しているのかもしれない。
申し訳ないなと思いつつ、俺は風呂場にある椅子にそっと下ろされた。

「髪から洗うよ。足が濡れないように気をつけて」

さっとシャワーで濡らされた髪に泡が撫で付けられていく。
長い指先で頭皮を優しく撫でられたり、大きな手でわしゃわしゃと洗われるのがすごく気持ちがいい。

「力の強さは大丈夫?」

「ふぁっ……すっごく気持ちいぃ、です……倉田さん、髪洗うの上手なんですね」

毎日忙しすぎて疲れが溜まってて、風呂に入る時間すら睡眠に充てたいと思っていたから髪を洗うなんていつも適当で、散髪すら仕事の合間に予約なしでさっと千円カットにいくだけ。
髪を洗うなんてサービスは付いてないからこんなふうに丁寧に洗ってもらうのは久しぶりだ。

「そ、そうか……? なら、よかった」

もう終わりなのが残念に思ってしまうくらい、倉田さんのシャンプーはとっても気持ちがよかった。

丁寧に泡を洗い流してもらった後は、次は身体だ。
てっきりボディタオルで洗ってくれるのだと思っていたのに、倉田さんは手にいっぱい泡立てて俺の身体を洗っていく。

「んんっ……」

首筋に触れた時、思わず声が出てしまった。
けれど、倉田さんはそんなのお構いなしな様子で、背中、腕と洗い進めていく。

倉田さんが触れたところがジンジンと熱くなっているのはどうしてだろう……。

「ひゃぁ……っ」

気づけば倉田さんの手が俺の乳首を掠めた。

「そ、そこは……いい、です」

「だめだよ、ちゃんと洗わないと」

「で、でも……やぁ、んっ……」

倉田さんは俺を焦らすように中心を外して撫でてくる。
ビリビリとした刺激が襲ってきて声を我慢したいのに声が出てしまう。

「んっ? 藤乃くん、どうした?」

どうした……って、倉田さんの手が気持ち良すぎて……なんてそんなこと言えるはずもなく、

「な、なんでも……ない、です……」

と必死に堪えながら、答えると

「あれっ??」

という声が聞こえた。

「な、にか……?」

「いや、藤乃くん……ソレ・・

「えっ?」

倉田さんの視線の先に目を向けて驚いた。

「な――っ! えっ、いや、これは……ち、ちがう……ん、です……」

腰に巻いていたタオルを押し上げるように緩く勃ち上がってしまっていて、慌てて手で隠そうとしたけれどもう遅い。
バッチリ見られてしまっていた。
なんで? なんで俺、勃っちゃってるの?

「わかってるよ、大丈夫」

えっ? わかってるってどういうこと??

パチンとウインクをされて、にこやかに見つめられても何がわかってるのか全くわからない。

「あの、くらた……さん?」

「男はその気・・・なんかなくても疲れてたら勃っちゃうことあるだろ?
こういうの、疲れマラって言うんだよね。知ってる?」

「つ、つかれ……まら??」

「ふふっ。そっか。知らないのか。藤乃くんは元々疲れが溜まってた上にあんな事故にもあって身体が悲鳴上げてるんだよ、きっと。男にはよくあることだから気にすることないよ」

「そう、なんですか……?」

倉田さんにそう言われればそんな気がしてきた。

俺は元々ソウイウコト・・・・・・に関しては淡白だし、前いつやったのかも覚えてないくらい。
そもそも就職してからの5年は彼女なんて作る暇もなかったし、それに、あのプロジェクトに選ばれてからの数ヶ月は特に忙しくて自分でした記憶もない。

そういえば、人肌感じるのも久しぶりだったんだ……。
だからなのかもしれないな。

そんなことを考えている間にも、俺のモノはどんどん主張してくる。
なんでだよっ! そろそろ落ち着いてくれないと困るんだけど……。

「こういう時の対処法知ってる?」

「対処法、あるんですか?」

「ああ。こういう時は溜まったのを出してやるのが一番」

そういうと、突然倉田さんの手がタオルの中の俺のに伸びてきた。

「ひゃぁっ!! な――っ!」

俺のささやかなモノはあっという間に倉田さんの大きな手に包み込まれてしまう。
その瞬間、身体がビクンと震えた。

「やぁ……っ、く、くらた……さん……」

「大丈夫、私に任せて……」

後ろから抱きしめられながら耳元でそんなふうに囁かれたらもう俺は拒むこともできなかった。

「ああっ、あっ……あっ、んっ……」

大きな手で上下に擦られあまりの気持ちよさに声が出てしまう。
時折、耳元にかかる倉田さんの吐息がくすぐったいのに心地よくて力が抜けてしまいそうになる。

「……やぁ……っ、だ、めっ……そ、れ……ああっ……」

激しく擦られながら親指で先端を弄られるなんてそんなことされたら我慢なんてできるわけない。

「ふふっ。気持ちいい?」

「……ん、ぁ……きもち、いぃ……もっとぉ……してぇ……」

溜まりまくってもう限界を超えてしまっていた俺は久々の快感に我を忘れて声に出してしまっていた。

「――っ! あー、もう! くそ可愛すぎんだろっ!」

「……ふぁ、っんん……っあぁ、ああっ……イくぅ、イっちゃう……ああっ、あっ!!」

なぜか急に激しくなった倉田さんの手の扱きに耐えきれず、俺は白濁を飛ばした。

俺のからビュルビュルビュルととめどなく溢れ出る白濁を見た倉田さんに

「結構でたね。ふふっ。可愛いなぁ」

と言われて恥ずかしかったけれど、もう気持ちよすぎてそれどころじゃなくなってしまってた。
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