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仕事の正体 <side智>
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前回のお話の時に、面白い感想をいただきました。
『暁が寝ている時に智がパソコンで暁の写真と動画を編集しているのかと思った』と。
確かにそうかも!!って思ったんですよねぇ。
だってそうじゃなきゃ、智が暁が来たことに気づかないわけがないですもんね。
というわけでそんな裏事情を智視点で書いてみました。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<side智>
食事会の最中に、日下部さんからこっそり教えてもらった。
今日からしばらく滞在する社宅は日下部さんの使っている部屋を借りることになっているが、全ての部屋に死角のない高性能のカメラをつけていると。
その話を聞いた時に、もしかして暁に良からぬ思いを……と一瞬疑いそうになってしまったが、それよりも先に彼は詳しい話を聞かせてくれた。
部屋中につけられたカメラで撮影された映像はたった一つのUSBメモリで全てを保存でき、そのUSBメモリに映像を落とした瞬間、部屋中につけられたカメラの映像は全て消去される仕組みだそうだ。
だから、私がその映像を落としてしまえば、その部屋の主である日下部さんどころか、誰一人その映像を手に入れることはできない。
そう言って、彼は私の手にUSBメモリを握らせた。
――どうしてそのようなカメラを自宅に?
そんな私の問いに彼は笑って答えた。
――ずっと離れて暮らしていると、心配で仕方がないので。
聞けば、杉山さんの部屋にもカメラをつけているらしい。
杉山さんには防犯上玄関先などにカメラをつけていることは教えているのだそうだ。
ただ、それが死角のない高性能カメラだということだけは伏せているらしい。
だから、映像をチェックするとカメラの死角になっていると思っている杉山さんのあられもない姿が映っているのだそうだ。
杉山さんの部屋につけているカメラは日下部さんの部屋につけているものよりももっと高性能で、その映像がリアルタイムで日下部さんのパソコンに保存されるらしい。
――これは秘密ですよ。本当のお宝ですから。
恋人との情事を勝手に撮影するのは、弁護士としての正義を考えると心苦しいものがあるが、それを私個人で楽しむだけならなんの罪にもならない。
暁がこの事実を知ったとしても、私のおかずがどこぞの裸でなく、自分の姿なら喜んでくれるだろう。
そういう子だ。
暁を連れて、日下部さんの社宅に入った時、前もって聞いていたカメラの場所を全て把握しておいた。
本当に映像で残せるのなら、これほど嬉しいことはない。
愛し合っている時の暁の表情を全て目に焼き付けていたいが、どうしても取りこぼすことがあるのだから。
風呂場にもきちんとカメラがついていてホッとした。
そうでなければ暁がどんなに我慢できないと言っても寝室に連れ込んだだろう。
風呂場でたっぷりと愛し合い、寝室に連れ込んでもなお、意識のない暁を優しく抱きしめながら愛しまくった。
これは決して暴力ではない。
なんせ、暁の身体はそれを喜んでいるのだから。
暁の身体を清め、眠りにつく前に日下部さんからもらったUSBメモリに映像を落とし、大切に鞄にしまった。
翌日夕方まで身体を休ませて、散歩に行き思いがけず上田先生と宇佐美さんと出会い、公園でボートに乗り帰宅の途中で、こっそりと上田先生から耳打ちされた。
――透也くんからカメラの話聞いたか?
先生もですか?
――ああ、あれはすごいぞ。まだみてないなら楽しみにしておくんだな。
それしか言葉を交わせなかったが、宇佐美さんの部屋にあのカメラが取り付けられていることだけはわかった。
あの上田先生がすごいとまでいうなんて。もう期待しかない。
その日の夜、暁は前夜の疲れもあってあっという間に夢の世界に落ちていった。
今のうちだ。
ぐっすりと寝入った暁をベッドに残し、私はダイニングテーブルでこっそりと昨夜保存しておいたUSBメモリをパソコンに落とした。
そして保存された映像を見てみると、
「――っ!!! これはすごいなっ!!」
驚くほどの映像に興奮が止まらない。
昂りが抑えきれないが、まずはしっかりと整理しておかなくてはな。
ものすごい集中力でひたすらキーボードを叩き、映像をわけ保存していると、突然背中に軽い衝撃がきた。
と同時にその甘やかな匂いでそれが暁だとわかった。
危ないっ。ちょうど映像をファイルに入れていたところだった。
暁には私の身体で見えていなかったようだ。
セーフだな。
そっとパソコンを閉じ暁とキスをして、なんとか仕事をしていたと思わせることに成功した。
暁をソファーに連れて行き、膝に寝かせればテーブルの上のパソコン画面は見えない。
これなら暁を膝に乗せていても作業は続行できる。
暁は私の膝を枕にしてあっという間に眠りについた。
そんな暁の可愛い顔を堪能しながら、お宝映像をしっかりとパソコンに保存し終わった。
それにしてもこのカメラ、日本に帰ったらうちにもつけよう。
日下部さんから購入先を紹介してもらおうかな。
ああ、本当にいいお宝がゲットできたものだ。
* * *
こうして彼はまたひとり、上顧客を増やしましたとさ(笑)
『暁が寝ている時に智がパソコンで暁の写真と動画を編集しているのかと思った』と。
確かにそうかも!!って思ったんですよねぇ。
だってそうじゃなきゃ、智が暁が来たことに気づかないわけがないですもんね。
というわけでそんな裏事情を智視点で書いてみました。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<side智>
食事会の最中に、日下部さんからこっそり教えてもらった。
今日からしばらく滞在する社宅は日下部さんの使っている部屋を借りることになっているが、全ての部屋に死角のない高性能のカメラをつけていると。
その話を聞いた時に、もしかして暁に良からぬ思いを……と一瞬疑いそうになってしまったが、それよりも先に彼は詳しい話を聞かせてくれた。
部屋中につけられたカメラで撮影された映像はたった一つのUSBメモリで全てを保存でき、そのUSBメモリに映像を落とした瞬間、部屋中につけられたカメラの映像は全て消去される仕組みだそうだ。
だから、私がその映像を落としてしまえば、その部屋の主である日下部さんどころか、誰一人その映像を手に入れることはできない。
そう言って、彼は私の手にUSBメモリを握らせた。
――どうしてそのようなカメラを自宅に?
そんな私の問いに彼は笑って答えた。
――ずっと離れて暮らしていると、心配で仕方がないので。
聞けば、杉山さんの部屋にもカメラをつけているらしい。
杉山さんには防犯上玄関先などにカメラをつけていることは教えているのだそうだ。
ただ、それが死角のない高性能カメラだということだけは伏せているらしい。
だから、映像をチェックするとカメラの死角になっていると思っている杉山さんのあられもない姿が映っているのだそうだ。
杉山さんの部屋につけているカメラは日下部さんの部屋につけているものよりももっと高性能で、その映像がリアルタイムで日下部さんのパソコンに保存されるらしい。
――これは秘密ですよ。本当のお宝ですから。
恋人との情事を勝手に撮影するのは、弁護士としての正義を考えると心苦しいものがあるが、それを私個人で楽しむだけならなんの罪にもならない。
暁がこの事実を知ったとしても、私のおかずがどこぞの裸でなく、自分の姿なら喜んでくれるだろう。
そういう子だ。
暁を連れて、日下部さんの社宅に入った時、前もって聞いていたカメラの場所を全て把握しておいた。
本当に映像で残せるのなら、これほど嬉しいことはない。
愛し合っている時の暁の表情を全て目に焼き付けていたいが、どうしても取りこぼすことがあるのだから。
風呂場にもきちんとカメラがついていてホッとした。
そうでなければ暁がどんなに我慢できないと言っても寝室に連れ込んだだろう。
風呂場でたっぷりと愛し合い、寝室に連れ込んでもなお、意識のない暁を優しく抱きしめながら愛しまくった。
これは決して暴力ではない。
なんせ、暁の身体はそれを喜んでいるのだから。
暁の身体を清め、眠りにつく前に日下部さんからもらったUSBメモリに映像を落とし、大切に鞄にしまった。
翌日夕方まで身体を休ませて、散歩に行き思いがけず上田先生と宇佐美さんと出会い、公園でボートに乗り帰宅の途中で、こっそりと上田先生から耳打ちされた。
――透也くんからカメラの話聞いたか?
先生もですか?
――ああ、あれはすごいぞ。まだみてないなら楽しみにしておくんだな。
それしか言葉を交わせなかったが、宇佐美さんの部屋にあのカメラが取り付けられていることだけはわかった。
あの上田先生がすごいとまでいうなんて。もう期待しかない。
その日の夜、暁は前夜の疲れもあってあっという間に夢の世界に落ちていった。
今のうちだ。
ぐっすりと寝入った暁をベッドに残し、私はダイニングテーブルでこっそりと昨夜保存しておいたUSBメモリをパソコンに落とした。
そして保存された映像を見てみると、
「――っ!!! これはすごいなっ!!」
驚くほどの映像に興奮が止まらない。
昂りが抑えきれないが、まずはしっかりと整理しておかなくてはな。
ものすごい集中力でひたすらキーボードを叩き、映像をわけ保存していると、突然背中に軽い衝撃がきた。
と同時にその甘やかな匂いでそれが暁だとわかった。
危ないっ。ちょうど映像をファイルに入れていたところだった。
暁には私の身体で見えていなかったようだ。
セーフだな。
そっとパソコンを閉じ暁とキスをして、なんとか仕事をしていたと思わせることに成功した。
暁をソファーに連れて行き、膝に寝かせればテーブルの上のパソコン画面は見えない。
これなら暁を膝に乗せていても作業は続行できる。
暁は私の膝を枕にしてあっという間に眠りについた。
そんな暁の可愛い顔を堪能しながら、お宝映像をしっかりとパソコンに保存し終わった。
それにしてもこのカメラ、日本に帰ったらうちにもつけよう。
日下部さんから購入先を紹介してもらおうかな。
ああ、本当にいいお宝がゲットできたものだ。
* * *
こうして彼はまたひとり、上顧客を増やしましたとさ(笑)
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